ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO 作:オーガスト・ギャラガー
新地球暦1245年、世界はネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が支配していた。
各地で帝国に対するレジスタンスが立ち上がり、帝国とレジスタンスが激しい戦争を繰り広げている戦乱の時代となっている中、帝国に捕らえられていたビーストライガーにシーザーと名付け、相棒となった少年ウィルは謎の少女エマと共に冒険の旅に出掛けた。
本拠地に戻ったウィルたち、クリスは、グラッドとクルーガーに事の状況を報告した。報告を聞いたクルーガーは、
「そうか、帝国軍に寝返ってしまったか!」
グラッドは、
「となると、俺たちは早急に他のレジスタンスを味方に付けないと!」
「となると、次は南方のレジスタンスだな!」
「あそこは確か、帝国に抵抗する派、投降する派に別れて内輪揉めになっているところだな!」
それを聞いたクリスは、
「これまた、厄介な相手が来たな!」
「だが、帝国の手が回る前に手を打たないと!ところで、ウィルは?」
グラッドの質問にクリスは、
「エマがレジスタンスの裏切りの影響で精神的なショックを受け、彼も相当なショックを受けていて、今、個室に引きこもっている!」
「どうやら、かなり応えているようだな!よし、南方のレジスタンスは俺も行く!」
「ウィルとエマもですか?」
「本来、連れていかない方がいいが、いつまでもあの状態にする訳にはいかないからな!あの状態を治すきっかけになればいいが…、とにかく今度は俺とケンも同行して行く。出発の準備を!」
場所は変わり、南方の総督府、そこでは基地内で四天王のアッカーマン中将が4、5メートルのロボットのような二足歩行のパワードスーツに乗り、クローン複製されたラプトール、ディロフォスそれぞれ数十体と戦闘訓練を行っていた。
そして、カーター大佐がその様子を見守っていた。次々とラプトールとディロフォスがアッカーマン中将に襲いかかるが、アッカーマン中将は両手で二体のラプトールを掴み、それを襲いかかるラプトールとディロフォスに当て、パワードスーツ専用の銃を撃ち込み、さらに数多くのプロレス技の連打で次々とラプトールとディロフォスの大軍を蹴散らす。
わずか10分でアッカーマン中将はラプトールとディロフォスの大軍を蹴散らした。
「訓練終了!訓練終了!」
アッカーマン中将はパワードスーツから降り、そこにカーター大佐が駆け寄る。
「流石です。中将!」
「いや、大したことはない!これぐらい、帝国軍人として当たり前さ!ところで、ギレル少尉はどうしてる?」
「現在、オルドー少尉と共に反乱軍の制圧に向かっています!身体の方は特に問題はないと。」
「そうか、私の部隊に所属することが出来れば、君と一緒にいてあげられるのに残念だ!」
「いえ、あの子の要望です!あの子は私に近づきたくて努力していて、私と一緒にいては甘えていることになってしまうので、敢えて私と別の部隊にいるのです!」
「いい娘を持ったな!大佐!」
「私の妻にも似てきました!」
「君の妻に?」
「妻は私が帝国軍に入隊する前に会い、明朗活発で先祖のようにスナイプテラに乗ることが夢で、私が代わりにその夢を叶えて上げたんです!我が帝国では女性はなかなか出世出来ませんから!いつか妻にも乗せて上げようと思っています。」
「それが理由で帝国軍に?」
「いえ、もちろんそれだけではありませんが!」
「いい妻と娘を持って君は幸せものだな!しかも妻は1200年以上前の先祖の妻でうら若き皇帝陛下に似て美人だそうじゃないか!」
「からかっているのですか?中将!」
「ハハハ、君にはそれで釣るような男じゃないか!ところで、殿下は?」
「ギルラプターに乗って単身、レジスタンスの制圧に向かっています!」
「相変わらずだな!」
「エマがいなくなってから、最近、人との接触を拒むようになっていますからね!」
「やはり、彼女の影響が大きいか!そういった意味では早く連れ戻さないと!」
「カティアも彼女と仲良かったですからね!」
そこに帝国軍兵士が駆け寄り、
「中将、レジスタンスの基地に反乱軍が向かったとの情報が入り、そこにビーストライガーがいるとの目撃情報もありました!」
それを聞いたアッカーマン中将は、
「どうやら、早速、目的の獲物が我々の方に来てくれたようだ!出撃の準備だ!」
「は!」
アッカーマン中将の命令を受け、スナイプテラに向かうカーター大佐、
「まさか、このタイミングで来るとは!殿下には悪いが、ライガーとの決着はつけよう!」
出撃準備をする帝国軍、場所は変わり、南方のレジスタンスの基地、グラッドとクリスがそれぞれの派閥のレジスタンスと部屋で話し合いをしていて、部屋の外にジョンとジェニファーとケンと壁越しに落ち込んだ表情をしたエマとその横にウィルがいた。エマはウィルに、
「ねぇ、ウィル。私のやろうとしていることは間違っているの?」
ウィルはエマを励ますように、
「そんなことはない!あのときは俺がしっかり伝えられなかったからだよ!エマのせいじゃない!」
そのとき、部屋からグラッドとクリスが出た。ジョンはグラッドの方に駆け寄り、
「コマンダー、どうでした?」
ジョンの問いかけにグラッドは、
「今回も厄介な相手だ!」
「投降する派は帝国は全てが悪いわけではないから、帝国に抵抗することはないとの言い分だ!そもそも、ここはアッカーマン中将の支配領域だから、他の区域と違い、自治を認められているからな!」
「あの男か!確かに俺たちにとっても出来れば味方にしたい男だ!」
「だが、連中は帝国の実態をよく知っていない!そのことを伝えないと!帝国にどんな仕打ちを受けられるかわからんからな!説得にはもうしばらく時間が掛かりそうだ!ところで、ウィルとエマは?」
「相変わらず、落ち込みモードだ!」
「そうか、そのモードを切り替えるきっかけが見つかればいいが、そうもいかないか!こんなとき、帝国軍が来たら、厄介だな!」
そのとき、レジスタンスの兵士が、
「帝国軍が、帝国軍が攻めて来ました!ナックルコングMk-ⅡにステゴゼーゲMk-Ⅱ、更にスナイプテラもいます!」
それを聞いたグラッドは、
「ち、タイミングが悪い!しかも、ステゴゼーゲやスナイプテラもいやがるとは!ウィルはエマと一緒にここで待て!帝国軍は俺たちに任せろ!」
それを聞いたウィルは、
「いや、俺も行かせてくれ!俺も見ているだけになるわけにはいかない!それにエマとここの皆も守りたいんだ!」
「仕方ねぇな!だが、無茶はするなよ!」
「エマ、お前はここで待っててくれ!」
そう言ってシーザーに乗るウィル、それを心配そうに見るエマ、ウィルたちがレジスタンスの基地の入り口から出た正面にはナックルコングMk-ⅡやステゴゼーゲMk-Ⅱを初めとする帝国軍が待ち構えていた。 グラッドはウィルたちに、
「いいか!連中も前の奴らみたいにパワーアップしている可能性もある!気を抜かるな!」
レックスとキールとゼルの前にナックルコングMk-ⅡとステゴゼーゲMk-Ⅱが立ちはだかった。 レックスを見たアッカーマン中将は、
「ガトリングフォックス!いきなり、大将と会うとは、」
そのとき、ナックルコングのコクピットにコナー少佐からの通信が入り、
「中将!ガトリングフォックスは私に任せてもらえないでしょうか?」
それに対し、アッカーマン中将は、
「ふ、面白い!では、コナー少佐はガトリングフォックスを、私はファングタイガーとスパイデスを相手にする!」
レックスの前に出たステゴゼーゲMk-Ⅱ、コナー少佐は、通信で、
「グラッド・バレル!私が相手だ!」
それを聞いたグラッドは、
「どうやら、かなりやる気のようだな!ステゴゼーゲは俺が引き受ける!ケンとジョンはナックルコングを!」
それを聞いた二人は、
「了解!」
コナー少佐はグラッドに、
「グラッド・バレル!元帝国軍でありながら、反乱軍に加担した罪は重い!その罪を償ってもらうぞ!」
「おいおい、勘違いするなよ!俺は帝国の理不尽なやり方に苦しめられているゾイドと人々を守るために同盟軍に入ったんだぜ!」
「言い訳無用!」
「やれやれ、やるしかないようだな!いくぞ、レックス!狙い撃て、レックス!俺の魂と共に、進化 解放!エヴォブラストー!!ファントムガトリングガン!」
ファントムガトリングガンを撃ち込むレックス、しかし、ステゴゼーゲはびくともしなかった。
「なに!」
それを見て驚くグラッド、
「私のステゴゼーゲはそんな攻撃では倒れない!」
対空速射砲を撃つステゴゼーゲ、それを避けるレックス、
「あのステゴゼーゲ、装甲の強度を上げたのか!」
「上がったのは装甲だけではない!それを見せてやる!制御トリガー解除、ステゴゼーゲ!兵器 解放!マシンブラストー!!ナイフオブバルカン!」
マシンブラストしたステゴゼーゲの背鰭にソーザーバルカンが装備されており、元のナイフオブフィフティーンの状態で背鰭に装備されているバルカン砲を撃った。レックスは何とか避けるが、ステゴゼーゲに近づくことができない状態になっていた。それを見たグラッドは、
「まさか、ステゴゼーゲの背鰭にソーザーバルカンを装備しているとは驚いたぜ!」
「この日のためにステゴゼーゲを強化したのだ!」
「どうやら、かなり厄介な相手になりそうだ!」
一方、ナックルコングMk-Ⅱと対峙するゼルとキール、
「切り裂け、ゼル!私の魂と共に、本能 解放!ワイルドブラストー!!虎振!」
「突き刺せ、キール!俺の魂と共に、本能 解放!ワイルドブラストー!!」
ワイルドブラストしてナックルコングに攻撃するゼルとキール、しかし、ナックルコングには全く通用せず、ナックルコングは二体をはねのけた。
「く、こいつ前より強い!」
「私のナックルコングも皇帝陛下の特別な許可により、さらに強化したのだ!その力を見せてやる!制御トリガー解除、ナックルコング!兵器 解放!マシンブラストー!!」
マシンブラストしたナックルコングの胸から大砲が現れ、さらに両腕に装備されているガトリングも撃ち込んだ。ゼルとキールはその攻撃を避けるが、さらに背中のミサイルも撃ち込み、ゼルとキールはその攻撃に翻弄される。
一方、空中ではジャックとクーデリアがクワーガと量産型スナイプテラを撃墜していく。しかし、そのとき、カーター大佐のスナイプテラが攻撃してきた。カーター大佐のスナイプテラを見たクリスは、
「ジェニファー!あのスナイプテラは俺が引き付ける!お前は残りの連中を!」
クリスの指示で他のクワーガ、スナイプテラの方に向かうクーデリア、ジャックを見たカーター大佐は、
「あれはソニックバード!ということは君はクリス・マコーミックか!」
「まさか、カーター大佐のスナイプテラと対峙するとは!だが、私のジャックはそう簡単には敗れない!いくぞ、ジャック!飛び立て、ジャック!俺の魂と共に、進化 解放!エヴォブラストー!!スカイスラッシュ!」
スカイスラッシュでスナイプテラに向けて突進する。しかし、スナイプテラはそれを避け、ガトリングを撃ち込む。それを避けるジャック、
「流石はカーター大佐のスナイプテラ!やはり、一筋縄ではいかないか!」
「いくら、ソニックバードと言えど、私のスナイプテラに勝てるとは大間違いだ!制御トリガー解除、スナイプテラ、兵器 解放! マシンブラストー!!アブソルートショット!」
スナイプテラのアブソルートショットを避け、再び、スカイスラッシュで攻撃するジャック、スナイプテラはその攻撃を避け、ガトリングとアブソルートショットを撃ち込む。ジャックの片翼にスナイプテラの攻撃がかすった。
両者、ほぼ互角に見えたそのとき、シーザーが現れ、
「クリスさん、スナイプテラは俺に任せてくれないか!」
「待て、ウィル!お前の敵う相手じゃない!あいつは俺に任せろ!」
「あのスナイプテラはジャックでも勝てない!それにあいつに勝たないといけないんだ!」
それを聞いたカーター大佐は、
「私は構わないぞ!さあ、二人でかかってこい!そして、少年!君と真の決着を付けるぞ!」
それを聞いたクリスは、
「どうやら、ジャックだけで勝つのは難しいか、よし、わかった!だが、ウィル!俺の指示に従え!」
「わかった!」
「アブソルートショット!」
アブソルートショットをシーザーに向けて撃ち込むスナイプテラ。すかさず、ジャックがスナイプテラに攻撃するが、スナイプテラはそれを避ける。それでも再びスナイプテラに攻撃するジャック、それを避けるスナイプテラ、そして再び攻撃するジャック、それを見たカーター大佐は、
「どうした?同じ攻撃では私を倒せんぞ!」
「へ、攻撃するのは俺じゃないんだぞ!」
ジャックはスナイプテラに近づいたそのとき、
「今だ、ウィル!」
シーザーはジャンプしてジャックの上に乗り、
「切り拓け、シーザー!俺の魂と共に、進化 解放!エヴォブラストー!!」
そして、スナイプテラに向けてジャンプするシーザー。それを見たカーター大佐は、
「なるほど、そういうことか!ならば、アブソルートシ…、」
そのとき、スナイプテラの後ろに何かが張り付いた。クーデリアだった。
「なに!」
「残念だったね!あたしもいるんだよ!」
クーデリアに捕まれたスナイプテラは動くことができず、アブソルートショットの狙いが定まらず、
「ビーストオブクローブレイク!」
シーザーのビーストオブクローがスナイプテラに直撃した。スナイプテラはその攻撃で片翼が斬られた。
「く、まさか、私のスナイプテラが!」
そのとき、コクピットから通信が入り、
「カーター大佐!反乱軍の別動隊が来るようです!ここは一旦徹底を!」
通信を聞いたカーター大佐は、
「ふ、どうやら、今回はここまでのようだな!まさか、あの連携で私のスナイプテラを敗るとは見事だよ!少年!また会おう!」
そしてそのまま退散するスナイプテラ、カーター大佐は通信を開き、アッカーマン中将に、
「中将!反乱軍の別動隊が来るようです!ここは一旦徹底を!」
レックスとキール、ゼルは苦戦しながらもステゴゼーゲとナックルコングと善戦していた。通信を聞いたアッカーマン中将は、
「ふ、確かにこれ以上、戦闘を続けたら、こちらが不利だな!コナー少佐!ここは徹底するぞ!」
「了解しました!」
ナックルコングやステゴゼーゲもスナイプテラについて徹底する。それを見て一安心するグラッド、到着した同盟軍の別動隊にはゴルドがいた。クルーガーはゴルドから降り、
「苦戦していたと聞いてて、駆けつけたが、どうやら難を逃れたようだな!」
「まあ、あんたが来てくれなかったら、こっちもどうなってたかわからなかったぜ!」
そこにシーザーとジャック、クーデリアも駆けつけ、ウィルはシーザーから降り、
「クルーガーさん、俺、ついにスナイプテラに勝ったよ!」
それを聞いたグラッドは驚き、
「なに?スナイプテラを!」
「そうなんだ!見せてやりたかったぜ!」
その横にクリスが、
「まあ、俺のおかげだがな!」
それを聞いたグラッドは、
「なんだ!一人でじゃねぇのかよ!」
「うるさいな!」
そこにエマも駆け寄り、
「ウィル!大丈夫!」
「大丈夫だよ!エマ!」
そこにシーザーが何かうなずく。それを見たウィルは、
「ああ、そうだな!シーザー!あのスナイプテラとはまた会えそうな気がするぜ!」
場所は変わり、別のレジスタンスの基地、基地は完全に壊滅していた。そこにギルラプターエンペラーがいた。
「ふん、ここの連中は大したことなかったな!」
「うわぁぁん!パパ、ママ!」
そこに崩れた基地の中で泣いている幼い少年少女がいた。それを見たアーネストは、
「生き残りがいたか!だが、気にすることはないだろう!」
そのとき、塀が崩れ、少年少女に向けて倒れていく。それを見たアーネストは、
「まずい!ギルラプター!」
アーネストの指示でギルラプターは塀を壊した。ギルラプターから降りたアーネストは二人に、
「おい、貴様ら、さっさと立ち去れ!」
アーネストを見た二人は、
「お兄ちゃん、もしかしてレイルお兄ちゃん!」
「違うよ!レイル皇子様だよ!」
それを聞いたアーネストは、
「なに!何故、その名を?」
「だって、エマお姉ちゃんが言ってたよ!レイル皇子様は優しい皇子様だって!」
「凄い、ホントに素敵な皇子様だ!」
それを聞いたアーネストはイライラし、
「僕はそんなんじゃない!」
そう言い、ギルラプターに乗ってその場を立ち去った。
「くそ、余計なことを言いふらしやがって!」
ギルラプターは何か言いたいようにうなずく。
「わかっている!俺たちは強さを求めるだけだ!」
そのとき、コクピットから通信が入り、
「殿下!例のビーストライガーが大佐のスナイプテラを倒したとの報告がありました!」
それを聞いたアーネストは、
「そうか!フフフ、どうやら少しは楽しめそうだ!」
そう言い、ギルラプターはそのまま走っていった。
To be continued
次回予告
ゾイド狩りとレジスタンスの制圧を行い、基地で傷ついたギルラプターの修理している中、アーネストはかつて帝国で一緒にいたエマとの思い出を捨てきれずにいて、彼女といた日々を思い出していた。果たしてアーネストとエマはどういう関係だったのか?そして、何故エマは帝国にいたのか?
次回「皇子と少女」本能を呼び覚ませ、ライガー!