ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO 作:オーガスト・ギャラガー
新地球暦1245年、かつて、リジェネレーションキューブによる地球の再生とゾイドと絆を結んで発動するワイルドブラスト等を経て、ゾイドたちは地球の環境に馴染み、人々との共生が進んで、かつてリジェネレーションキューブを開発したドクターボーマンの望んでいた世界が実現しつつあり、世界は未来へ向かおうとしていた。しかし、旧デスメタル帝国に成り代わるネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が世界を脅かし、各地で立ち上がる反ネオデスメタルの派閥と交戦し、世界は再び戦乱の時代となり、ゾイドも人間もその戦争に巻き込まれていた。
帝国軍施設で拘束されていたビーストライガーを助け、そのライガーにシーザーと名付け、絆を結び、ジェームズ・カーター大佐のキャノンブルを撃破したウィルは故郷のタルト村に戻っていた。
「あんまり、村にシーザーを歩き回らせたら、村の皆驚くかな?取り敢えず、目立たないように帰るか!」
そう言ってシーザーと共に家に戻るウィル、家には母マリナがいた。
「ウィル!一体何処に行ってたの?心配してたのよ!」
心配そうに言うマリナ。
「ごめんなさい!でも、母さん、聞いてくれよ!俺、ついに相棒ゾイド見つけたんだ!俺のシーザーだよ!」
近くに寄るシーザー、そこへ、ウィルが戻ったと知って叔父のリチャードが現れる。
「シーザーだって?そのゾイド、ライオン種のゾイドじゃないか!何処で見つけたんだ?」
リチャードの問いにウィルは、
「実は帝国軍って奴らのところで捕まってて助けてやったんだ!」
「帝国軍だと!」
それを聞いて驚くリチャード、
「ウィル、今すぐにでもいいから、そのゾイドを野生に還すんだ!」
それを聞いたウィルは、
「何でだよ?シーザーは俺の相棒だ!」
リチャードは落ち着いたように、
「いいか!お前がそのゾイドを帝国軍から脱走させたということはいずれ、帝国軍がこの村に攻めて来るんだぞ!」
「大丈夫だよ!また来るんだったら、また蹴散らせばいいさ!それにシーザーと絆を結んでワイルドブラストまでして、帝国のキャノンブルを倒したんだよ!」
ゾイドキーを取り出し、得意げに言うウィル、
「ウィル、帝国軍はお前が思っているほど、甘い連中じゃない!この村は辺境の地だから、帝国の支配を受けず、戦争にも巻き込まれなかった!もし、帝国軍が来たら、ライガーどころか、村ごと吹き飛ばされるぞ!」
ウィルを説得し続けるリチャード、
「もう、叔父さんのわからずや!なんと言おうとシーザーは俺の相棒だ!来るんだったら、俺が守ってやるさ!」
そう言って家から出るウィル、 リチャードは出ていくウィルを心配そうに見ていた。
同時刻、カーター大佐の部隊が駐留する駐屯地。そこにアグリビッド・コナー少佐の乗るバズートルと帝国皇子アーネスト・ギャラガーの乗るギルラプターエンペラーが駐屯地に戻って来た。
それぞれコクピットから降りるコナー少佐とアーネスト、 互いに敬礼するカーター大佐とコナー少佐、
「カーター大佐、殿下を連れ戻しました!ご苦労、コナー少佐!殿下!よくぞ、お戻りになられました!」
横目で角の折れたキャノンブルを見るアーネスト、
「ライガーが逃げ出して、しかもキャノンブルまで撃破されたそうじゃないか!」
それに対し、カーター大佐は、
「油断がありました!何せ、敵はワイルドブラストまでしましたから!」
それを聞いて少し驚くアーネスト、
「ワイルドブラスト?あれだけ、調教しても従わなかったライガーが絆を結んだって言うのか?」
「はい、予想以上の敵でした!私のキャノンブルをあそこまで追い詰めましたから!」
それを聞いたアーネストは、
「何なら、ライガーの捕獲は僕がやろうか?僕のギルラプターなら造作もないけど!」
それを聞いて割り込むコナー少佐、
「いけません!殿下は帝都に戻るよう、皇帝陛下から命ぜられてますので!」
しかし、アーネストは、
「それはあんた達がこの付近の反乱軍を制圧してからの話だろ?それに制圧した反乱軍はあれで全部じゃないはずだ!その間に僕がライガーを捕獲すればいい話さ!」
「なりません!なら、私がライガーを捕獲します!」
それに対し、アーネストは、
「足の遅いバズートルじゃ、ライガーの捕獲は無理だ!スピード、パワー共に優れた僕のギルラプターが適任さ!」
「しかし!」
引き留めようとするコナー少佐、しかし、カーター大佐は、
「わかりました!では、殿下はライガーの捕獲に回り、私とコナー少佐は引き続き、反乱軍の制圧に勤めます!」
「よし、じゃあ、ライガーを持って来るよ!」
そう言ってギルラプターに乗ってその場を立ち去るアーネスト、 コナー少佐はカーター大佐に、
「よろしいのですか?」
「いいんだ!第一、いくら引き留めようとしても殿下は譲歩しないだろうし、それに本国の皇帝陛下から好きにやらせるよう命ぜられている。これ以上、殿下を束縛するわけにもいかない!」
それに対し、コナー少佐は、
「しかし、殿下のギルラプターは確かに強力ですが、一体だけでは危険です!念のため、援軍を出しましょう!」
しかし、カーター大佐は、
「いや、その必要はない!一体なのは向こうも同じ!それに出しても、殿下は拒否するだろう!それにあのライガーの少年は中々見所がある!あの少年と戦うことになれば、殿下にも何かしら、変化が起きるだろう!」
「はあ~?」
カーター大佐の言葉に理解できないコナー少佐、 再び場所は変わり、村の外れにウィルとシーザーがいた。
「たく、村を巻き込みたくない気持ちはわかるけど、だからって村だけ無事ならそれでいいはずがないよ!第一、シーザーはあの帝国軍に酷い目に遭ってたんだぞ!助けるのが普通じゃないか!」
イラついているウィルを心配そうに見るシーザー、
「大丈夫だよ!お前は俺の相棒だ!何があっても俺が守ってやるよ!」
少し離れた場所に双眼鏡でウィルとシーザーを見つけたアーネスト、
「あれか!ライガーを奪った奴だから、反乱軍の者かと踏んでいたが、まさか、あんなガキだとは!力尽くで取り返すのは簡単だが、ここは一般人の振りして近付いて高圧電流で機能停止させて持って帰る方が得策だな!ギルラプター!お前はここで待っていろ!」
と言い、ウィルとシーザーに近づくアーネスト、近付いたアーネストに気づいたウィルは、
「なんだ?あいつ?見かけない顔だな!」
アーネストはウィルに話しかける。
「ねぇ!そのゾイド!もしかして、君の?」
アーネストの問いにウィルは、
「そうだよ!俺の相棒のシーザーさ!」
「シーザー?」
首を傾げるアーネスト、
「そう、ビーストライガーの名前さ!」
その言葉に、
「へぇ~、君、ゾイドが好きなんだね!」
「もしかして、お前もゾイドが好きなのか?」
ウィルの質問にアーネストは、
「そうだよ!僕の名はレイル!相棒はギルラプター!」
それを聞いてウィルは、
「ギルラプター!スゲェ!なあ、レイル、お前の相棒を見せてくれよ!」
「いいよ!でもその前に君のシーザーを見せてくれないかな?」
それに対し、ウィルは、
「いいぜ!俺のシーザーは凄いんだぜ!」
シーザーに近づくアーネストはポケットからそっと携帯用の高圧電流を取り出し、それに気づいたシーザーはアーネストを払いのけてしまう。吹っ飛ばされるアーネスト、
「おい、シーザー!何するんだよ!」
シーザーを叱るウィル、しかし、ウィルは落ちた高圧電流を見て驚く。立ち上がるアーネスト、
「バレたら、しょうがない!こうなったら、力尽くでライガーを奪い返す!」
その時、アーネストの背後からギルラプターエンペラーが飛び出し、シーザーを吹っ飛ばす。攻撃されたシーザーは驚き、村の方へ逃げ、ギルラプターも後を追う。突然の攻撃に驚くウィル、
「なんだ?あのギルラプター?あんなの見たことないぞ!」
驚くウィルに、
「あれが僕のギルラプター、ギルラプターエンペラー!ギルラプターの中でもパワー、スピード共に優れた最強のギルラプターさ!」
「レイル!お前、いきなり何すんだ!」
アーネストの胸ぐらを掴むウィル、しかし、アーネストはそれを払いのけ、拳銃を向ける。
「お前、まさか、帝国軍か!」
ウィルの質問にアーネストは、
「それに答えるつもりはない!さあ、あのライガーを返すんだ!」
その時、突然、石が降ってきて、アーネストの右手に当たり、拳銃を落とす。と同時に少女が現れ、
「さあ、早く!ライガーを助けに行って上げて!」
突然のことに驚くウィル、
「君、誰?」
それに対し、少女は、
「説明は後よ!それより、ライガーを!」
「そうだ!シーザーと村が危ない!」
少女と一緒に村に向かうウィル、
「あれはエマ、何故、あいつがこんなところに?」
二人の後を追うアーネスト、 一方、村では、シーザーとギルラプターが戦っていた!シーザーの攻撃を尽くかわし、シーザーをぶっ飛ばすギルラプター、騒動を見たリチャードとマリナは、
「あのゾイドは?」
マリナの質問に、
「ああ、あれは世界でも一体しかいないギルラプターの亜種、ギルラプターエンペラー!しかも、帝国では皇位継承者のみ搭乗が許されるゾイド!そのゾイドが何故、この村に?」
銃を持った村人達が、
「よそ者め!村から出てけ!」
とギルラプターに向けて発砲する。しかし、ギルラプターには通用せず、ギルラプターは前足で村人達を蹴散らす。 シーザーはすかさず、ギルラプターに攻撃するが、ギルラプターはその攻撃をかわし、尻尾で凪ぎ払う。ウィルと少女はシーザーの元に着き、
「大丈夫か?シーザー!」
すかさず、襲いかかるギルラプター、しかし、リチャードの乗ったキャタルガがギルラプターをぶっ飛ばす。
「こうなってしまった以上、戦うしかない!キャタルガ!本能 解放!ワイルドブラストー!!」
ワイルドブラストするリチャードのキャタルガ、すかさず、ギルラプターのコクピットに乗るアーネスト、ギルラプターに向かって攻撃するキャタルガ、しかし、ギルラプターには通用せず、キャタルガも吹っ飛ばされてしまう。 シーザーに乗ったウィルは態勢を建て直し、
「レイル、俺が相手だ!これ以上、村を巻き込みな!」
アーネストは、
「僕だって、こんなへんぴな村に用はない!用があるのはそのライガーだ!とっとと返しやがれ!」
それに対し、ウィルは、
「シーザーは俺の相棒だ!」
「そいつは僕の所有物だ!だから、そいつは僕のものだ!」
それに対し、ウィルは、
「ゾイドは物じゃねぇ!相棒だ!それにレイル、お前、一体、何者だ?」
「もはや、隠す必要はない!僕の名はギャラガー、アーネスト・ギャラガー!帝国の皇帝になる男だ!」
それを聞いたリチャードは、
「ギャラガー?まさか、デスレックスとジェノスピノを操る皇帝ギャラガー三世の息子で、ギルラプターエンペラーを操る帝国の皇子はあの少年か!」
「お前は許さねぇ!いくぞ、シーザー!切り拓け!シーザー!俺の魂と共に進化 解放!エヴォブラストー!!」
「あれがワイルドブラストの進化形、エヴォブラスト!あのライガーと絆を結ぶなんてあの子、何者?」
驚愕する少女、
「いくぞ!ビーストオブクローブレイク!」
突っ込むシーザー、しかし、ギルラプターは難なくかわす。
「もう一度だ」
しかし、またもやかわされる。それに対し、少女は、
「真っ直ぐじゃ駄目!攻撃パターンを変えて!」
少女のアドバイスにウィルは、
「わかった!ビーストオブクローブレイク!」
それを見たアーネストは、
「また、同じパターンか!」
と言い、かわすが、シーザーすかさず、態勢を変え、よけるギルラプターに一撃を喰らわす、ギルラプターの身体に傷が付く。アーネストは、
「かすり傷だが、僕のギルラプターに傷を負わすとは!」
「ようし、いいぞ、シーザー!もう一度だ!」
しかし、ギルラプターはすかさず、よけ、尻尾で凪ぎ払ってしまう。
「確かにそのライガーは強い!だが、乗っているお前はライガーの力を完全に引き出していないようだね!」 そう言い、シーザーに突進するギルラプター、ぶっ飛ばされるウィルとシーザー、
「いい加減、そのライガーを返したらどうだ?」
しかし、ウィルは、
「何と言おうと絶対に渡さねぇ!」
「相変わらず強情な奴だな!そんなにライガーと一緒にいたいなら、帝国に入ったらどうだ?僕、帝国の皇子だから、父上に頼んで、ここの総督にしてあげるよ!そうすれば、この村守れるし、ライガーの世話だってちゃんと保証してあげる!悪くない話だろ?」
しかし、それを聞いて怯えるシーザー、それを見たウィルは、
「ふざけんな!シーザーがこんなに怯えてるんだ!シーザーに何したか、知らないけど、ゾイドを苦しめるお前らはどうせ、ゾイドを道具としか思ってないんだろ?そんな奴に渡してたまるかー!」
アーネストはため息をついて、
「どこまで頑固な奴だ!仕方ない、この際、スクラップにしてでも持って帰るか!」
そう言い、コクピットからデスメタルキーを取り出し、
「ギルラプター、強制 解放!デスブラストー!」
デスブラストし、
「真・瞬撃殺!」
凄まじいスピードでシーザーを攻撃するギルラプター、ギルラプターのスピードについていけず、その猛攻を受けるシーザー、少女は、
「まずいわ!ライガーもあの子もギルラプターのスピードについていけてない!このままじゃ、ライガーとあの子が!」
ギルラプターの攻撃でシーザーの身体に傷が付き、足を崩し、倒れるシーザー、それを見たアーネストは、
「カーターのキャノンブルを倒したっていうから、少しは歯ごたえがあると思ったが、この程度か!なら、これで終わりにしてやる!」
その時、ギルラプターのコクピットから通信が入る。通信の相手はカーター大佐だった。
「殿下、皇帝陛下が直ちに帝都に帰還せよとのご命令が出た!」
通信を聞いたアーネストは、
「バカな!目の前にライガーがいるのに!」通信のカーター大佐は、
「今は皇帝陛下のご命令が最優先だ!ましてや、これ以上、民間人を戦闘に巻き込むわけにはいかない!」
それを聞いたアーネストは、通信を切り、デスメタルキーを取り外し、ギルラプターのデスブラストを解除し、ウィルとシーザーを睨み付ける。
「運が良かったようだな!だが、覚えておけ!ライガーは必ず潰す!そして、エマ、お前もだ!」
そう言って、そのまま立ち去るアーネスト、 それを見て安心するウィル、少女がウィルとシーザーの元に立ち寄り、
「君、大丈夫?」
「ありがとう!大丈夫だよ!ところで、君は?」
「あたしはエマ、エマ・コンラッド!あなたのライガーを助けに来たの!」
「そうなのか!さっきはありがとう!君のアドバイスがなかったら、俺とシーザーはあのまま負けていたよ!」
「あたしはただ、君とライガーの力になりたかっただけ!それより、早くライガーを直してあげなきゃ!」
「ああ、そうだ!早くシーザーを!」
ギルラプターに乗って駐屯地に向かうアーネスト、
「倒し損ねたが、あのライガーは必ず倒す!僕が次期皇帝として父上に認められるためにもっと強くなる!」
To be continued
次回予告
ギャラガーのギルラプターの襲撃を何とか逃れたウィル、しかし、ウィルは村を巻き込まないために旅に出ることを決意する。
次回、
「旅立ち」
本能を呼び覚ませ、ライダー!