ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  
 新地球暦1245年、人とゾイドの共存が進む中、ネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が地球の8割を支配している時代、辺境の村に住むゾイド好きの少年ウィルはライジングライガーに進化した相棒のシーザーとかつてのシーザーの相棒の血を引く少女エマ、伝説のゾイドチームのリーダーの子孫であるストーム率いる同盟軍と共に、ゾイドと人々を帝国の支配からの解放と人とゾイドの共存のための戦いに身を投じていたのであった。


第26話「新皇帝誕生」

 新地球暦1245年、デスロッキーにてネオデスメタル帝国皇帝ギャラガー三世とジェノスピノを倒したという情報は新帝国、旧共和国のみならず、各地の反ネオデスメタルに知れ渡った。

 新地球暦1245年、かつて旧帝国の帝都にして、現新帝国の本拠地である旧ネオゼネバスシティ、ウィルたち同盟軍は新帝国軍最高司令のシーガル中将の指導の元に旧共和国初めの他の反ネオデスメタルの派閥が集まり、ウィルたちを歓迎していた。

 多くの兵士と市民が拍手喝采する中、ウィルは照れながら、市民たちに手を振った。ストームとグラッドたちは喜ぶ素振りを見せながらも少し冷めた表情をしていた。シーガル中将は市民に向かって、

 

 「諸君、我々はジェノスピノによって我が新帝国は脅威に晒されていた!

 

 しかし、かつて、世界を救った伝説のライジングライガーになった彼のライガーとその同士がジェノスピノを倒し、我らの皇帝メルビル二世陛下と我が新帝国は救われた!

 諸君、我が帝国を救った彼らを英雄として称えようではないか!!」

 

 「ウォー!!」

 

 シーガル中将の演説で、歓声を上げる新帝国の市民たち、それを聞いたストームとグラッドは少し不満そうな表情をしていた。ウィルたちは新帝国皇帝メルビル二世ことユリスから勲章を授けられ、多くの歓声を上げられた後、ウィルたちは別のレジスタンスからある都市に歓迎された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モザイク都市ボスク、この都市には、和風や西洋物等の様々な文化が入り交じり、まさに文字通りモザイクのようになっている都市、通りには人々とゾイドが一緒に行き来したり、ゾイドを散歩している人等が多くいた街であった。街を見たウィルたちは驚いていた。クリスはグラッドに、

 

 「こんな街があるなんて驚いたな!」

 

 「ここは、運よく帝国の支配を受けなかった街だからな。だから、ここまで平和でいられたんだろう。」

 

 「それにしても、こんなにも複数の文化が入り交じっているとは…。」

 

 「ゾイドクライシス以後、地球の文明はすっかり衰退していったが、長い時を得て、再び地球の文化が復活していき、長いこと戦争に巻き込まれなかったため、ここには地球と惑星Ziの文化を取り入れて発展していったそうだ!」

 

 全員が街を眺めている時、1人の少年がシーザーを見た。

 

 「わあ、凄い! これがライジングライガーか。」

 

 シーザーを見ている少年にウィルは、

 

 「そうだよ! 俺のシーザーさ!」

 

 「シーザー? それがこのライガーの名前?」

 

 「そうさ、俺が名付けたんだよ!」

 

 「いいな。俺もシーザーのような相棒が欲しい!」

 

 「君、相棒いないの?」

 

 「僕はまだ子供だから、パパやママがまだゾイドを持つなって言うから、まだいないんだ!」

 

 「君でも相棒ゾイドはきっと来てくれるさ! ところで、君の名前は?」

 

 「俺は獣機レイ!!」

 

 少年を見たケンとグラッドは、

 

 「あの少年、帝国に占領された私の故郷の子か?」

 

 「ここには、帝国の侵略で故郷を失った人々が多く亡命している場所でもあるからな。」

 

 その時、ストームが何か見つけたように、

 

 「お、あそこに温泉があるらしいぜ! せっかくだから、全員で浸かろうぜ!」

 

 「戦争の傷を癒すにはちょうどいい場所だ! それにゾイド憩いの場所もあるらしいし。」

 

 クリスはグラッドに、

 

 「コマンダー! そんなのんびりして大丈夫なんですか? もし、こんなときに敵襲があったら!」

 

 「今の帝国は皇帝不在の頭のない蛇同然の状態だ。むしろ、俺たちの討伐どころじゃないし、早々襲撃してくることはないだろう。」

 

 「おうし、そうと決まれば、早速入ろうぜ!」

 

 「温泉饅頭あったら買おうぜ!」

 

 「いいね!」

 

 「観光じゃねぇぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ネオデスメタル帝国では、ジェノスピノがシーザーに敗れ、デスロッキーに沈み、皇帝ギャラガー三世が消息不明となり、事実上、皇帝を失った空白状態になっていた。

 国民の動揺を恐れ、事態を重く見た帝国No2にして帝国顧問のタッカー元帥は四天王を初め、帝国の各領域を管轄する総督たちを全て帝都メガロポリスの皇帝の宮殿に集めて、宮殿内の会議室に集結させた。宮殿内の会議室で、タッカー元帥は四天王や全ての総督たちに向かって、

 

 「諸君! 今回、お集まり頂いたのは、先日、皇帝ギャラガー三世陛下が操るジェノスピノが倒したはずのライガーが新たな姿となって、陛下のジェノスピノを敗り、デスロッキーに落としたとの報告があった!」

 

 それを聞いた他の総督は、

 

 「なんと! まさか、我らの偉大なる皇帝ギャラガー三世陛下がたかがライオン種ごときに敗れ、御隠れになるとは!」

 

 「元帥閣下! そのライガーは陛下のジェノスピノによって瀕死の状態と聞きました! 何故、復活したのです?」

 

 他の総督の質問に対し、タッカー元帥は、

 

 「その件に関しては、私がライガー破壊工作を命じたルメイ大将によると、そのライガーは突然変異とも言える進化を遂げ、ルメイ大将のドライパンサーを破壊したとのことです!」

 

 「でしたら、尚更、そのライガーは危険分子だ! 反乱軍共はそのライガーを英雄にし、我らネオデスメタル帝国への抵抗を続けようと企んでいる。

 今すぐ、総力を上げてそのライガーを徹底的に破壊せねば!」

 

 「だが、その前に我々には為すべきことがある! 次期皇帝の即位だ! 今、我が親衛隊を捜索隊としてデスロッキーに向かわせ、皇帝陛下とジェノスピノの捜索に当たっている。

 敗れたとはいえ、陛下のジェノスピノは伝説のゾイドクライシスで世界の3分の1を壊滅させた伝説のゾイドだ! いくらデスロッキーに沈んだとはいえ、そう簡単に死ぬわけがない。

 だが、万が一の可能性もないとは言えず、皇帝不在の今の我が帝国は頭のない蛇同然。皇帝不在ともなると、帝国国民は動揺し、兵の士気が下がる。そこで、ギャラガー三世陛下の王位継承者を即位させるつもりなのだが!」

 

 それを聞いて騒然とする総督たち、しかし、そんな中、アッカーマン中将が手を挙げ、

 

 「元帥閣下、皇帝陛下の正当なる王位継承者はアーネスト殿下しかいないはずです! それに殿下は新帝国の反乱軍の捕虜にされていますが、生きておられます。直ちに私とカーター大佐率いる南方隊が反乱軍に総攻撃をかけ、殿下を救出致します!」

 

 「その必要はない!」

 

 「何故です!!」

 

 「実はルメイ大将の報告によると、ギルラプターエンペラーに乗って脱出を図った殿下が例のライガーと交戦し、破壊されたとの報告があった! つまり、アーネスト殿下は亡くなられた!」

 

 それを聞いたアッカーマン中将は手が震えるように驚愕した。

 

 「…そんな……、まさか…、殿下が…。」

 

 「しかし、諸君! 嘆く心配はない! 皇帝陛下は万が一のことを考えて、予め遺言書を遺された。今からそれを読み上げる。」

 

 それを聞いた総督たちは騒然とし、

 

 「私はこの戦いを反乱軍最後の日とし、この戦争に終止符を打ち、世界統一を果たし、世界に平和をもたらすつもりだ!

 だが、戦いには何が起こるかわからない!万が一、私が死ぬ可能性もある。そこで、私が万が一死んだ場合、私の最愛の息子を即位させ、全ての軍と国民は我が息子に忠誠を誓い、帝国の、いや、世界の正義と秩序のために力を尽くすのだ!

 その息子の名は帝国第二皇子にして、現皇太子ガネスト・ギャラガー!!」

 

 それを聞いた総督たちは驚愕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 宮殿の地下研究所、ドクターマイルスはZGと呼ばれる謎のゾイドが入った巨体カプセルに接続しているコードと繋がっている後ろ向きの玉座に座っている人物と話していた。

 

 「私の分身が操るジェノスピノがライジングライガーに敗れてしまった。まさかかつての歴史を繰り返すことになるとは!!」

 

 「ですが、ご心配は御座いません。私のスパイゾイドが例のライジングライガーのDNAと戦闘データを手に入れました! これで、我が帝国の戦力は更に増大します!」

 

 「そうか、ところで今、宮殿では、緊急会議が行われているそうだが、予定通り、ガネストを次期皇帝にするそうだな。」

 

 「はい、タッカー元帥が本日戴冠式を行うつもりだそうで!」

 

 「つまり、予定通り、今度は奴が私の新たな影武者となるのだな。ところで、肝心の私のZGの完成とガネストのオメガレックスの強化に必要なリジェネレーションキューブの作動はどうなっている?」

 

 「やはり、かつてのライジングライガーのライダーとあのサリー・ランドの血を引く小娘がいないと作動させることは出来ないとみられます。」

 

 「だが、手配書を出しておきながら、その小娘を捕らえるのに随分低迷しているそうじゃないか!」

 

 「何せ、あの小僧と一緒な上に反乱軍の制圧という任務もあって中々…、ですが、手は打ってありますので、ご安心を!」

 

 「いいだろう! 小娘はお前に任せて、反乱軍の制圧はタッカーたちに任せよう。」

 「ありがとうございます。では、失礼します!」

 

 地下の研究所から出たドクターマイルスは見張りの親衛隊兵士に、

 

 「皇太子殿下はどちらへ?」

 

 「シミュレーション室で機械兵と訓練しております。」

 

 それを聞いたドクターマイルスはシミュレーション室に向かい、シミュレーション室にはガネストが5体の機械兵と戦っていた。ガネストは上半身裸にジーンズを着た姿で、武器を使用せず、格闘で戦闘していた。

 ガネストはアーネストと瓜二つで中性的な風貌をした美少年で、細身ではあるものの、上半身裸の彼の姿は歴戦を勝ち抜いたかのようなかなりの筋肉質であった。機械兵は一斉にガネストに殴りかかるが、ガネストは一体一体の攻撃を避け、キックで一体の機械兵を倒し、更に機械兵の腕を掴んで投げ飛ばし、更には力尽くでその腕をへし折った。

 僅か、3分でガネストは機械兵を倒した。それを見たドクターマイルスはシミュレーション室に入り、

 

 「流石は皇帝陛下の正当なる王位継承者、これなら、オメガレックスを十分乗りこなせるでしょう!」

 

 「別にそんな褒め言葉はいらないけど……ところで、宮殿がバタバタしてるけど、何やってんの?」

 

 「タッカー元帥の緊急会議で、あなたを次期皇帝として即位させることが決定したとのことです!」

 

 「ふぅ~ん、ま、ボクの皇帝即位はわかりきったことだけど、それより、オメガレックスの強化に必要なリジェネレーションキューブの作動はどうなっているの? いい加減待ちくたびれたんだけど!」

 

 「それについてはご安心を! リジェネレーションキューブ作動のために必要な小娘を捕らえる準備は整っています。もうしばらく御時間を!」

 

 「てことは、まだ掛かるの?」

 

 「少し、時間は掛かりますが、それまでには殿下を楽しませる余興を用意しておりますので、ご安心を!」

 

 「ふぅ~ん、まあ、いいや! とりあえず、ボクは汗かいたから、風呂にいかせてもらうよ!」

 

 そう言って、浴場の方に向かうガネスト、それを見たドクターマイルスは、

 

 「ふふふ、まさに殺戮マシーンに相応しい出来だ!オメガレックスに乗る殿下の姿が楽しみだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モザイク都市ボスク、ウィルやストームたちは温泉に入ってゆっくりしていた。ストームとグラッドは、

 

 「ふぅ~、温泉に入るなんて久しぶりだ!」

 

 「全くだ!」

 

 アレックスはグラッドに、

 

 「なあ、コマンダー! しばらく、ここでゆっくりしていきましょう!」

 

 横にいるアッシュは、

 

 「あのなぁ、いくら、帝国がしばらく攻めて来ないからといって平和ボケしすぎだろ!」

 

 「固いこと言うなよ!」

 

 グラッドはストームに、

 

 「なあ、ストーム!」

 

 「ん?」

 

 「そういや、リセルはどうしたんだ? デスロッキーでの戦いもいなかったし、一体どこに行ったんだ?」

 

 「ああ、実はそのことなんだが、いくら捜してもどこにもいないし、それにドライパンサーとギルラプターとの戦闘もあって、捜す暇もなくなって、また捜しに行こうかと思ったら、例の歓迎でそれどころじゃなくて、結局あいつがどこに行ったかわからない状態なんだ。おまけにスミスが持ってきたマイロのパーツまで無くなったし。」

 

 「全く、どこにほっつき歩いてんだか! それに英雄だか、歓迎だとか、まるで俺たちが新帝国のために戦ったみたいかのように言いやがって! 不愉快だぜ。」

 

 「同感だ!俺たちは人々とゾイドのために戦う正義のゾイドハンターなんだぜ!」

 

 「自分で正義って言うのもちょっと痛いがな!」

 

 その時、ウィルが口を開き、

 

 「確かに、俺たちはジェノスピノに勝ち、ネオデスメタル帝国にも勝ったかもしれない。父さんの仇だってとった。でも、それでも帝国を倒したわけじゃない!」

 

 そんなウィルの言葉に対し、グラッドは、

 

 「ま、確かにそうだな! 皇帝は倒したが、帝国は未だ健在だ。 今は一時休戦みたいなもんだ! まだ俺たちの戦いは終わっていない。」

 

 しかし、ウィルは、

 

 「そうだけど、帝国を倒すことが俺たちの最終目標なんだろうか? 俺たちはあくまで、ゾイドと人々を帝国から解放してゾイドと人間が共存できる世界を築くために戦っているんだ! ただ帝国を倒すことが俺たちの正義なのか?」

 

 「それを言われるとなぁ…。」

 

 その時、ストームが口を開き、

 

 「それは、今後の帝国次第だな!」

 

 それを聞いてウィルは、

 

 「帝国…次第…?」

 

 「ああ、かつて、俺の先祖がフリーダム団を結成して旅をした時は確かに旧デスメタル帝国を倒すためのようなものだった。だが、それはデスメタルがゾイドと人々を苦しめていたから、その悪行を無くすために戦っていて、フリーダム団の旅の最終目標ではなかった!

 あくまで、フリーダム団の目的は自由な旅、誰にも縛られず、皆で楽しく過ごし、古代秘宝Zを捜すことが最終目標だった。

 ま、最もその古代秘宝Zがデスレックスだって知って、旅の目標が狂っちまったそうだがな!」

 

 それを聞いたウィルは、

 

 「誰にも縛られない自由な旅…。」

 

 「さて、堅苦しい話は終わりにして、今日は温泉三昧として楽しくいこうぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 旧ネオゼネバスシティの基地、病室で昏睡状態のレイルを横でエマが心配そうに見つめていた。エマはレイルの手を優しく握り、

 

 「ごめんね、レイル。 ごめんね…。」

 

 泣き崩れるエマをユリスはドアの隙間から心配そうに見つめていた。

 

 

 

 

 

 基地の司令室では、

 

 「よくやった。アルドリッジ大佐! お前の紹介した男が我が新帝国の戦力を増大しただけでなく、歓迎と見せ掛けて、同盟軍を観光都市に行かせ、我々の邪魔をさせないようにさせるとは、これでネオデスメタル帝国を倒すことが出来そうだ。な、リセルヴァ・ディアス准将!」

 

 アルドリッジ大佐の横にいたのは、なんと、リセルだった。リセルはシーガル中将に、

 

 「これで、同盟軍は我々に手出しすることはないでしょう。そして、メルビル二世陛下には演習と偽って、明朝、帝都メガロポリスに向け、総攻撃をかけましょう!」

 

 「かつて、旧共和国の英雄だったデイビッド・ロバートソンのハンターウルフのパーツを使って、お前のウルフをかつての真帝国のウルフ以上のゾイドに改造することができた。今後も期待しているよ。准将!」

 

 「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボスクの旅館で、ストームたちがのみかいをして、グラッドたちがぐっすり眠った後、ウィルはシーザーと共に外にいた。シーザーはウィルをじっと見つめ、

 

 「大丈夫だよ! シーザー。」

 

 「何やっているんだ?」

 

 そこへ、ストームとキングが現れ、

 

 「べ、別に何でもないよ!」

 

 「嘘言うな! まだ、悩んでいるようだな!」

 

 「そ、そんなこと…!」

 

 「ま、でも、俺もお前と同じ年頃の時はそうやって悩んだこともあったさ。」

 

 「俺と?」

 

 「ああ、俺がキングと相棒に中々なれなかった時だ。」

 

 「え、でも、キングって先祖代々の相棒じゃあ…、」

 

 「というか、キングは先祖との絆が強くて中々俺を受け入れてくれなくてさ。

 ま、最もあの時の俺は先祖の意思を引き継ごうとする思いはなかったからな!」

 

 「先祖の意思?」

 

 ストームはキングの背中を指差し、

 

 「親父から聞いた話だが、キングのあれはタテガミクローじゃなく、先祖の友人でシュプリーム団っていうゾイドチームのリーダーだった相棒のファングタイガーから譲り受けたツインドファングなんだ!」

 

 それを聞いたウィルは驚いた。

 

 「デスロッキーで、一世とデスレックスを倒して、旅した俺の先祖の元にファングタイガーが現れて、そのタイガーが先祖にデスレックスとの戦いで死んだ相棒の意思を引き継いでくれって言ってたみたいで、自分のツインドファングをキングに与えたんだ!

 その後!同じフリーダム団のメンバーで妻であるゾイド整備士によって、タイガーのツインドファングをキングに移植させたんだが、他のゾイドのパーツを移植させたため、拒絶反応で直ぐにワイルドブラスト出来ず、ワイルドブラストするのに随分手間取ったが、既に先祖はデスレックスとの戦いで、キングと固い絆で結ばれていたので、そんなに時間はかからなかった。

 俺は親父からその話を聞いて、もう一度キングと向き合い、ようやくキングは俺を相棒と認めてくれたよ。

 ウィル!お前はシーザーを信じているんだろ? だったら、シーザーともう一度向き合って、自分が何をすればいいか、考えてみろ!!

 さて、もう遅いし、そろそろ寝るか! じゃあな、チャオ!」

 

 ウィルはシーザーを見つめ、

 

 「シーザー、俺は怖かったんだ! ライジングライガーに進化して、ジェノスピノを倒したけど、その強大な力を持ってしまって、お前をもっと戦いに巻き込んでしまうんじゃないかって!」

 

 しかし、シーザーはウィルに何か言うようにうなずき、

 

 「そうだよな! シーザー、俺とお前なら、どんな困難だって乗り越えていけるさ! さあ、もう寝よか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明朝、シーガル中将はアルドリッジ大佐やリセルと共に帝都メガロポリスに侵攻しようとしたその時、兵士がシーガル中将の元に現れ、

 

 「中将! 大変です!!」

 

 「どうした?」

 

 「メガロポリスで中継が入り…、」

 

 兵士が言ってたのは、帝都メガロポリスで、全世界中継でタッカー元帥が宮殿で、国民の前で演説していた。

 

 「諸君! 非常に悲しい知らせだ! 先日、皇帝陛下の操るジェノスピノが反乱軍に敗れ、火山に落ちたとのことだ!」

 

 それを聞いた国民は驚愕した。

 

 「捜索隊は出してはいるが、生きておられるという可能性は非常に低いとみていいだろう。」

 

 それを聞いた国民たちは騒然とし、泣き崩れる者もいた。

 

 「諸君! こんなことが許されていいのか!! 皇帝陛下は争いの絶えないこの世界を統一し、秩序をもたらし、平和にするために自ら御出撃したのだ! それを愚かな反乱軍は非常にもその皇帝陛下を殺したのだ! 諸君! 今こそ、立ち上がれ! 皇帝陛下の仇を討つのだー!!」

 

 「ウォォー!!」

 

 歓声を上げる帝国国民、

 

 「だが、諸君! 悲しむことはない。皇帝陛下は事前に遺言を残し、次に皇帝となられるお方を御決めになられたのだ!」

 

 それを聞いた帝国国民は騒然とし、

 

 「さあ、称えよ! 我が帝国の新たな皇帝、陛下の第二皇子にして皇太子であるガネスト・ギャラガー殿下を!!」

 

 そこに宮殿に現れたのは赤いマントを初め、一世をモチーフにした派手な礼服を着用したガネストがギルラプタージョーカーに乗って現れた。

 

 「ウォォー!! 皇太子殿下万歳! ガネスト殿下万歳!」

 

 ガネストを見た帝国国民は一斉に歓声を上げた。タッカー元帥は帝国国民に向かって、

 

 「これより、本日は皇太子殿下の戴冠式とし、ガネスト・ギャラガー殿下をネオデスメタル帝国第二代皇帝ギャラガー四世として御即位させることをここに宣言する!!さあ、称えよ!新皇帝ギャラガー四世陛下を!!」

 

 帝国国民は一斉に歓声を上げ、

 

 「ウォォー!! ギャラガー! ギャラガー! ギャラガー! ギャラガー!」

 

 中継を見たシーガル中将を初め、エマ、ユリス、カティアはもちろん、ボスクにいたウィルたちもそれを見て驚愕していた。ガネストを見たウィルは驚いた表情で、

 

 「新…皇帝…!」

 

 To be continued




 次回予告

 皇太子ガネストがネオデスメタル帝国第二代皇帝ギャラガー四世となり、ネオデスメタル帝国は更に勢力を伸ばしていった。
 一方、新帝国はシーガル中将を筆頭にリセル、アルドリッジ大佐率いる部隊と共に帝都メガロポリスへ総攻撃を仕掛けるが、ルメイ大将率いるキルサイスSS、ディメパルサーS4、ディロフォスS4、スナイプテラ3Sを主力とした東方隊に襲撃され、その隙にベケット少佐率いる親衛隊が手薄になった旧ネオゼネバスシティと基地を攻撃され、エマ、ユリス、レイル、カティアが親衛隊に襲われてしまう。報告を知ったウィルたちはエマたちの救出に向かうが…、

 次回「囚われのエマ」

 本能を呼び覚ませ、ライガー!!

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