ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  
 新地球暦1245年、人とゾイドの共存が進む中、ネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が地球の8割を支配している時代、辺境の村に住むゾイド好きの少年ウィルはライジングライガーに進化した相棒のシーザーとかつてのシーザーの相棒の血を引く少女エマ、伝説のゾイドチームのリーダーの子孫であるストーム率いる同盟軍と共に、ゾイドと人々を帝国の支配からの解放と人とゾイドの共存のための戦いに身を投じていたのであった。


第29話「激突、シーザーVSダークライガー」

 ストームとグラッドたちは霧の中から現れたジャミンガと交戦していた。しかし、ジャミンガはいくら攻撃を受けても無数に沸いてきた。何度でも沸いてくるジャミンガをグラッドは、

 

 「くそ、また増えてやがる! きりがないぜ!」

 

 「これじゃ、ウィルの元に行くどころかこっちの体力が力尽きそうだぜ!」

 

 「なあ、スミス、こいつらのこと知っているんだろ!? だったら、何か弱点あるんじゃないか!」

 

 「そうは言っても、わしも現物見るの初めてじゃし、そもそも地球が再生して野生ゾイドが日常のように出没しているこの時代にいることも第一おかしいし!」

 

 「全く、しょうがねぇな。」

 

 「それにしても、これだけわんさか出てくるのは厄介だぜ! 下手したら、相棒たちのスタミナが無くなる恐れがある。早くウィルのところに行かないと!」

 

 「そうは言ってもきりがないぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シーザーは黒いライジングライガーと対峙していた。シーザーは黒いライガーに激しい警戒心を持っていた。研究所内でその様子を映像で見ていたドクターマイルスは、

 

 「フフフ、あのライガー、自分と同じライオン種のダークライガーにかなりの敵意を持っているようだな。

 それもそうだ! 私が作ったこの暗黒の武装獅子王ダークライガーはあの時のドライパンサーとの戦いの際にあらかじめドライパンサーに取り付けたスパイゾイドで、ライガーのDNAを入手し、そのDNAを基に複製し、更にジェノスピノとの戦いでの戦闘データと我がネオデスメタル帝国の最新技術も相まって改造した最強のゾイドだからな!

 だが、今はまだプロトタイプで、この戦いで、更にライガーの戦闘データを入手し、そしてお前が乗ればダークライガーは完成する。」

 

 ドクターマイルスが後ろにいる黒いマスクを被った人物は静かにうなずく。

 

 「さあ、ダークライガーよ! ライジングライガーと戦うのだ! 戦ってライジングライガーの力を得、お前は最強のゾイドとなるのだ!!」

 

 ドクターマイルスの言葉に従うかのようにダークライガーのバイザーの目が赤く発光し、咆哮を上げる。

 

 グオォ~!!

 

 それに呼応するかのようにシーザーも咆哮を上げ、2体は互いにぶつかる。ぶつかった後、お互いに睨み合う2体、それに対し、ウィルは、

 

 「一体どうなっているのかわからないけど、ただ、これだけはわかる。シーザーが、あいつが危険な存在だって!

 誰が作ったかわからないけど、シーザーの偽物作るなんて許さない! 行くぞ! シーザー!!」

 

 グオォ~!!

 

 ウィルの言葉に応えてシーザーが咆哮を上げ、シーザーはA-Z機関砲をダークライガーに向け、浴びせる。それを見たドクターマイルスは、

 

 「まずはA-Z機関砲で威嚇射撃か…。だが、それは既に戦闘データで折り込み済みだ!」

 

 ダークライガーはシーザーのA-Z機関砲を避け、前足で攻撃し、更に尻尾でシーザーを凪ぎ払った。

 

 「う‥。なんて動きだ!」

 

 その時、シーザーが何か伝えるかのようにうなずき、

 

 「ようし、シーザー! ワイルドブラストだ! 行くぞ!!」

 

 ウィルはゾイドキーを取り出し、ワイルドブラストしようとするが、直ぐ目の前にダークライガーが現れ、頭をぶつけ、シーザーを吹っ飛ばす。更にダークライガーはバイザーの目が赤く発光し、シーザーのエヴォブラストと似たワイルドブラストをし、ライジングガンスラッシュを放つ。映像を見たドクターマイルスは、

 

 「注入した戦闘データから、エヴォブラストしたライジングライガーの力は一撃でドライパンサーを破壊し、更にはジェノスピノをも怯ませた記録があるため、ダークライガーは本能でライジングライガーにエヴォブラストさせたら厄介だと感じ取り、エヴォブラスト発動を防ぐ行動に出たというわけか!

 ライダー不在で、闘争本能剥き出しにした状態の遠隔操作による試運転とはいえ、ダークライガーの性能はかなり向上している!

 フフ、つまりこれで、ライジングライガーの勝算は薄くなったということだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ストームたちは無数に出てくるジャミンガと交戦していた。ストームは何度でも現れるジャミンガを見て、

 

 「いくら、不完全とはいえ、こいつらはゾイドであることに間違いない! 何か弱点は。 ん? 待てよ、そうか!!

 

 なあ、相棒! あれやれるか?」

 

 ストームの言葉にキングがうなずき、

 

 「ようし、行くぞ! キング!!」

 

 グオォォ~!!

 

 ストームの掛け声と共に、キングは目一杯咆哮を上げた。キングの咆哮を聞いたジャミンガは動きを止め、次々と後退りしていった。それを見たグラッドたちは驚き、

 

 「よく、そんなこと思い付いたな!」

 

 「俺の先祖がこうやってラプトールを怯ませたって親父から聞いてな。あのジャミンガにゾイドとしての心が少しでも残っているならいけるんじゃないかと

思ってな。」

 

 後退りするジャミンガの内の一体を突然キールが糸で動きを封じて引きずり出し、それを足で黙らせた。

 

 「おい、ジョン! 何するつもりだ?」

 

 「地球環境が整っているこの時代に本来存在しないはずのジャミンガを捕らえて調査する必要があると思って!」

 

 「確かに調べる必要があるな。さて、これで敵はあらかた片付いた。急いでウィルの元に向かうぞ!」

 

 しかし、ストームは待ったをかけ、

 

 「いや、待て! キングがかなり警戒している。まだ敵はいるようだ。」

 

 キングは唸り声を上げ、激しく警戒している中、霧の中からズシンズシンと巨大な足音がしていく。

 

 「随分、デカイ足音だ! なあ、ストーム、お前の予想では一体どれぐらいのゾイドだと思う?」

 

 「この足音とキングの警戒ぶりを見ると、明らかに中型サイズのゾイドじゃない!」

 

 「てことは、グラキオサウルス級か!?」

 

 「いや、そこまでではないが、それに近いサイズなのは間違いない!」

 

 巨大な足音が止んだとき、目の前に霧で姿が見えないが、紫色に発光した謎のゾイドのようなものが現れた。キングたちが攻撃態勢を取った時、突然、謎のゾイドは身体から紫色の閃光を飛ばし、巨大な鼻のようなもので後ろのものを掴んだ。

 そして、謎のゾイドは爆弾のようなものをキングたちに投げつけた。それを避けるキングたち、謎のゾイドが投げた爆弾はキングたちが避けた方向に爆発し、後ろの森は一瞬で吹っ飛んだ。それを見たグラッドは、

 

 「なんて威力だ! さっきジャミンガが現れる前に攻撃したのはあいつか! 上等だ。 ファイナルガトリング!!」

 

 レックスはファイナルガトリングを謎の物体に撃ち込む。しかし、謎のゾイドは霧の中に消える。

 

 「くそ、霧の中にいるから、当たったのかどうかわかんねぇし、仮に当たったとしてもダメージが入ったのかすらわかんねぇ。」

 

 その時、レックスの後ろから爆弾が跳んできて、キングがレックスに突進してそれを避ける。グラッドはストームに、

 

 「サンキュー!ストーム。」

 

 「大したことではないさ!」

 

 「しかし、どうします?コマンダー。 これじゃ、手も足も出ないですよ!」

 

 「皆、ここは俺に任せてくれないか!」

 

 「ストーム、どうするつもりだ?」

 

 ストームは静かに目を閉じ、キングも少し落ち着いた。グラッドたちは攻撃の態勢を取りながらストームとキングを見つめた。

 その時、キングの後ろから爆弾が跳んできた。ストームは目を開け、待っていたかと言わんばかりにキングに指示を与える。

 

 「今だ! いけ、キング!!」

 

 キングは咄嗟に後ろに向き、ツインドファングで爆弾を謎のゾイドに向けて打ち返した。キングに打ち返された爆弾は謎のゾイドに直撃し、爆発した。それを見たグラッドは、

 

 「今度こそ、やったか!?」

 

 「わからん! 俺の予想では敵のゾイドの装甲は相当頑丈だ。だが、今の爆発の威力から考えると無傷では済まないだろう。」

 

 爆発音が止み、謎の敵ゾイドの姿はなく、攻撃の気配もなくなった。

 

 「どうやら、片付いたようだな! よし、急いでウィルのところに…」

 

 その時、ギルラプターエンペラーが何か感じ取ったかのような仕草を取り、突然走って行った。それを見たストームは、

 

 「ギルラプターが何か気付いたみたいだ!見失わないように奴についていくぞ!」

 

 ストームの言葉と共にキング、レックス、キール、グソックはギルラプターの後を追って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シーザーはダークライガーの立て続けの攻撃でエヴォブラストを発動出来ず、装甲にひびが付き、苦戦していた。

 

 「シーザー、大丈夫か!?」

 

 ウィルの言葉にうなずくシーザー、映像を見たドクターマイルスは、

 

 「ふ、もう少し楽しめると思ったが、どうやらここまでのようだな! ま、厄介な芽は早めに摘み取って置かなくてはな。さあ、止めを刺せ、ダークライガー!」

 

 ドクターマイルスの言葉と共にダークライガーのバイザーの目が赤く発光し、シーザーと似たようなタテガミブレードが現れ、シーザーに襲いかかる。

 しかし、その時、霧の中からギルラプターが現れ、ダークライガーに突進し、同時に霧の中からエヴォブラストしたキングが現れ、

 

 「キングオブクローブラスト!!」

 

 キングのエヴォブラスト技がダークライガーに直撃し、ダークライガーは倒れてしまう。それを見たドクターマイルスは、

 

 「何? あいつらZGの眷族と戦っていたはずでは!」

 

 その時、兵士が、

 

 「ドクター、先程、例のプロトタイプがワイルドライガーの攻撃で一時機能停止したとの報告が!」

 

 「ふうむ、やはり、復元したばかりのプロトタイプには稼働が早すぎたか!

 それにワイルドライガーまで加わったともなると、今度はダークライガーが不利だな。よし、ダークライガーを直ちに引き上げさせ、直ぐにダークライガーを修理し、直ちに敵を迎え撃つ準備をしろ!!」

 

 「は!」

 

 ドクターマイルスは後ろにいた黒い仮面を付けた人物に、

 

 「さて、次が本番だ! 今度はお前がダークライガーに乗り、我らの野望の邪魔をする輩を始末するのだ頼んだぞ、ダークマスター!」

 

 謎の人物はゆっくりうなずき、司令室を出た。

 

 「さて、後は例の小娘に端末を作動させなきゃな。ん? ところで、陛下は?」

 

 「先程、新帝国のハンターウルフがこちらに向かったとの報告があり、暇潰しにそいつの相手をするとおっしゃってギルラプタージョーカーに乗って出撃しました。」

 

 「ふむ、これから楽しい余興が始まるというのに…。まあ、よい。 とにかく、あのライガーをここに入れさせ、残りは早急に叩き潰せ!」

 

 「は!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドクターマイルスのいる研究所から数キロ離れた場所にデルがいた。リセルは通信マップを開き、

 

 「あの研究所に向かうなら、この道が最短だが、霧が濃い。敵が待ち構えている恐れがあるから、遠回りになるが、あの道を進むしかない!だが、デルのスピードなら大した問題じゃない。 待ってろ! ユリス、必ず助けにいく!」

 

 ウィルたちが向かった道を避け、デルは霧のない森の中に突き進んで行った。しばらく走った後、突然後ろからゾイドの影が現れ、デルに襲いかかった。デルは間一髪で避け、謎のゾイドの影はデルの前に立ちふさがった。

 

 影の正体はバイザーの無いギルラプタージョーカーだった。それを見たリセルは、

 

 「あれは、ギルラプタージョーカー! 親衛隊か? しかし、Z-Oバイザーが取り付けられていない。ということは野生ゾイドか!?」

 

 その時、ギルラプタージョーカーのコクピットが開き、ガネストが両手をギルラプタージョーカーの頭に置いて現れた。

 

 「へぇ~、キミがアーミテージのスティレイザーと互角に戦ったっていうウルフ君は!」

 

 「あいつはアーネスト・ギャラガー! いや、違う。あいつは例の皇帝ギャラガー四世か!?」

 

 「キミ、強いの?」

 

 「どういう意味だ?」

 

 「言葉通りだよ! ドクターが面白い余興を見せてくれるって言うから、来たんだけど、ただ見てるだけじゃ、つまんないから、暇潰しに強そうなキミと戦いたいと思って!」

 

 「ガキの相手をするつもりはない! 俺は一刻も早くユリスをさらった帝国の連中を潰しに行くつもりだ!」

 

 ジョーカーの横を横切ろうとするデルにジョーカーは咄嗟にデルの前に立ちふさがり、

 

 「待ってよ! 皇帝であるボクの遊びを拒否するつもり、頭固いな~。じゃあ、こういうのはどう?

 ボクと一対一で勝ったら、研究所の場所教えてあげる。でも、キミが負けたら、ウルフ君とキミの命をもらう!」

 

 それを聞いたリセルは、

 

 「そうか、そんなに俺とやりあうつもりか。なら、俺が貴様の遊び相手にしてやる!しかも最高の遊び場に送ってやるよ……。地獄にな!!」

 

 「へぇ~! 楽しみだね。ま、せいぜいボクの期待外れにならないでよ。」

 

 「シーザーがあのように進化したせいで、俺の手でギャラガー三世を討つことは出来なかったが、ならば、代わりに新皇帝になったあいつを殺してやる!

 行くぞ、デル!!」

 

 互いにぶつかり合うデルとジョーカー、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 研究所では、エマとユリスが特別室に入れられ、そこにドクターマイルスが入った。

 

 「さあ、コンラッド嬢。そろそろいい加減、端末の起動を!」

 

 「何度も言わせないで下さい! 私はあなたたちに協力する気はありません!」

 

 「やれやれ、強情な小娘だな! これじゃ、オメガレックスはおろか、ZGも完成出来ないな。」

 

 「ジ…、ZG…!?」

 

 その時、エマに謎の巨大ゾイドが複数のゾイドを連れたビジョンを見た。

 

 「おや?もしかして、ZGのことを思い出して来たのかい。そりゃ、そうだよね! かつて君の先祖はZGのゾイド因子に触れて、ZGが地球を滅ぼすビジョンを見たんだよね。君にはその血が受け継がれているんだから当然だね!」

 

 「そのために私を狙ったんですか?」

 

 「何故、君がゾイドの言葉が理解出来るのか、疑問を持たなかったのかい?

 かつて、君の先祖は端末を作動させるに必要なペンダントの光を浴びてゾイド因子を持つ金属の腕を持った。君にはその先祖のゾイド因子を受けついたんだ! だから、ゾイドの気持ちを理解出来るようになったんだよ!

 いわば君は先祖のレオ・コンラッドとサリー・ランドの血を受け継ぐ選ばれた人間、さあ、端末を起動し、我が帝国の糧となってくれ!」

 

 「嫌です!!」

 

 「強情だな! ところで、君は気づかないのかい? 何故、君が大切にしていた我が帝国の元皇子がいないのかを!」

 

 「え? レイル、レイルはどこなんです!?」

 

 その時、警報が鳴り、

 

 「おや、どうやら、獲物が来たようだ。君たちも見たまえ! 廃太子から生まれ変わった姿を!」

 

 シーザーたちは研究所の入口の前に止まり、

 

 「ここが例の研究所か。 待ってろ、エマ! 直ぐに助けるよ!」

 

 急ぐウィルにストームは、

 

 「慌てるな、ウィル! さっきのこともあったようにまた罠が仕掛けているかもしれん! 慎重に行動しろ!」

 

 「わかってるよ!」

 

 しかし、シーザーが1歩踏み出した瞬間、突然、地面が割れ、シーザーはその地下に落下してしまい、地面は直ぐに閉じた。と同時に研究所の壁の穴が開き、そこからマシンブラストしたバズートルのA-Z680口径バズーカ砲が現れ、キングたちに向けて砲撃してきた。

 

 「しまった! 罠だったのか!」

 

 かなり下まで落とされたところにはそこはドームの中のような場所だった。

 

 「ここは?」

 

 そこにドクターマイルスのホログラム映像が現れ、

 

 「よく来てくれた! ライジングライガーを操る少年よ。 私は君を待っていたよ!」

 

 「お前がドクターマイルスか!?」

 

 「如何にも、偉大なる皇帝陛下の直属にして、帝国技術部総督ドクターマイルスだ!」

 

 「要求はただ一つだ! エマたちを返せ!!」

 

 「生憎だが、そういうわけにはいかない。これから君には最強のゾイドへと誕生するゾイドと戦わなければならないのでね。」

 

 その時、シーザーの目の前にある扉が開き、そこからあのダークライガーが現れた。

 

 「俺はエマたちを取り返すために来たんだ! こいつと戦うために来たんじゃない!」

 

 「では、こうしよう。君がダークライガーに勝ったら、望み通りエマたちは返そう。ただし、君が負けたら、ライガーと君の命をもらう。 いいかね?」

 

 ウィルは少し考え込んで、

 

 「わかった! やってやる!!」

 

 「よし、では戦え。そしてダークライガーにその力を捧げろ!」

 

 ダークライガーのコクピットには黒いマスクのようなものを被り、黒いスーツとマントを着用した人物が乗っていた。それを見たウィルは、

 

 「ダークライガーっていうあの黒いライガーのライダーの正体もわからないけど、シーザーの偽者を作るなんて許さない! 行くぞ、シーザー!!」

 

 シーザーはダークライガーに向けて突進するが、ダークライガーはそれを避け、シーザーにA-Z機関砲を撃ち込んだ。

 

 「さっきと同じ攻撃か!ならば!」

 

 シーザーはジャンプして前足でダークライガーに攻撃し、ダークライガーもジャンプでそれを避ける。そして、ダークライガーのバイザーの目が発光し、マシンブラストする。ダークマスターは口を開き、

 

 「制御トリガー解除、ダークライガー!兵器 解放! マシンブラストー!! ダークガンスラッシュ!」

 

 ダークガンスラッシュをシーザーに撃ち込み、それを避けるシーザー、シーザーはウィルに何か伝えるようにうなずき、

 

 「わかってるよ!シーザー!ワイルドブラストだな!

 切り拓け、シーザー! 俺の魂と共に、進化 解放! エヴォブラストー!! ライジングガンスラッシュ!」

 

 ダークガンスラッシュとライジングガンスラッシュが互いにぶつかり合い、その衝撃波に吹っ飛ばされるシーザーとダークライガー、そして、直ぐ様ダークライガーは次の態勢を取る。それを見たウィルは、

 

 「よし、この一撃で決めるぞ! 行くぞ、シーザー!! ライジングバーストブレイク!」

 

 「ダークバーストブレイク!」

 

 互いのワイルドブラストがぶつかり合うその瞬間、ダークライガーはブレードがぶつかる寸前に態勢を変え、シーザーの胴体にブレードで切り裂く。

 

 グオォ~!!

 

 ダークライガーのブレードで胴体を切り裂かれたシーザーは苦しむように声を上げ、倒れてしまう。それを見たドクターマイルスは、

 

 「ぶつかる寸前に向きを変え、一番ダメージを受けやすい箇所を狙うとは! やはり、私の予想以上に進化している!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 研究所の外で、バズートと戦うストームたち、そんな中、ギルラプターが何か感じ取った素振りを見せ、突然、壁をジャンプしてバズートルの砲撃を避けながら、壁を登りきり、研究所の中に入っていった。それを見たストームは、

 

 「ギルラプターがあんな行動に出るとは! 一体中で何が?」

 

 地下では、シーザーがダークライガーの攻撃で動けなくなっていた。ドクターマイルスは、

 

 「ふ、これでライジングライガーは終わりだな!さあ、エマ、お前が端末を起動させないとライガーの命はないぞ。さあ、どうする? ライガーの命を守って端末を起動させるか、端末の起動を拒否してライガーの命を捨てるか、どちらかにせよ!!」

 

 エマは手が震える中、遂に決断し、

 

 「わ…、わかりました…。端末を…」

 

 しかし、その時、ギルラプターエンペラーが扉から現れ、ダークライガーに一発噛ます。ギルラプターに吹っ飛ばされ、壁に激突するダークライガー、それを見たドクターマイルスは、

 

 「ち、邪魔が入ったか!」

 

 ギルラプターを見たウィルは、

 

 「ギルラプター、お前! 助けに来てくれたのか!」

 ギルラプターはダークライガーをじっと見つめた。その時、コクピットにいるダークマスターは苦しみ出した。

 

 「グ、グワァー!!」

 

 その様子を見たドクターマイルスは、

 

 「あの衝撃で、機能障害が出たか! ま、あのスーツもプロトタイプだから、しょうがない。」

 

 ダークマスターのマスクが二つに割れ、ダークマスターの素顔が現れた。それを見たウィルとエマは驚愕した。

 

 「そ…、そんな!」

 

 「お…、お前! なんで!?」

 

 マスクが割れたダークマスターの正体、それは額に生々しい傷跡をつけたレイルだった。

 

 To be continued




 次回予告

 ダークライガーを操るライダーの正体がレイルだと知り、レイルを説得しようとするウィル、しかし、レイルは聞く耳を持たず、容赦なく攻撃していく。
 一方、エマはドクターマイルスからレイルとガネストの正体を聞かされ、エマはレイルを戦いに巻き込まないことを条件としてリジェネレーションキューブを作動するとドクターマイルスに願い出て、ドクターマイルスはそれを承諾し、エマは遂にキューブを起動させてしまう。
 そして、それは同時に新たなる恐怖の始まりだった!

 次回、「甦るオメガレックス」


 本能を呼び覚ませ、ライガー!!

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