ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  
 新地球暦1245年、人とゾイドの共存が進む中、ネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が地球の8割を支配している時代、辺境の村に住むゾイド好きの少年ウィルはライジングライガーに進化した相棒のシーザーとかつてのシーザーの相棒の血を引く少女エマ、伝説のゾイドチームのリーダーの子孫であるストーム率いる同盟軍と共に、ゾイドと人々を帝国の支配からの解放と人とゾイドの共存のための戦いに身を投じていたのであった。


第32話「暗黒の破壊要塞」

 同盟軍本拠地、会議室の前で、ストームが腕組みしながら、壁に寄り添い、グラッドが出るのを待っていた。そして、部屋からグラッドが現れ、

 

 「どうだった?」

 

 「会議の結果、もう少し情報を集める必要があると出た。 そもそもオメガレックスの正確な性能は把握出来てないし、仮に知っていてもあれに対抗する手段は今の俺たちにはない。ところで、ウィルは?」

 

 「部屋に籠ったきり、出てこない。」

 

 「やれやれ、ショックが大きいとはいえ、今は感情に浸っている場合じゃないのに!」

 

 そこにジョンが走ってきて、

 

 「リーダー! コマンダー! 大変です。」

 

 「どうした? そんなに息を切らして?」

 

 「世界のテレビ中継にオメガレックスが!!」

 

 「オメガレックスだと!!」

 

 ストームたちが見た映像では、オメガレックスが荷電粒子砲で都市バラッツを破壊する姿が映し出されていた。

 

 「ジョン! 破壊されたのはどの都市だ?」

 

 「新帝国派に属する南方の辺境の地にある都市バラッツです。」

 

 「なるほど、大都市だが、目立たない場所にある街を狙ったのか。」

 

 「どうします? コマンダー。」

 

 「すぐに会議を開く。大至急だ!」

 

 「わ、わかりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帝都メガロポリスの宮殿の前に多くの国民が集まる中、タッカー元帥が演説を行った。

 

 「見たか、諸君! 先帝ギャラガー三世陛下とジェノスピノを失ったとはいえ、我がネオデスメタル帝国は不滅なのだ!!

 新たに皇帝陛下となられたギャラガー四世陛下はオメガレックスというジェノスピノと並ぶ伝説のゾイドを手にし、今や最強の力を手に入れたのだ!!

 最早、何も恐れることはない。天の雷である荷電粒子砲で愚かな反乱軍に天罰を下すときだ!!」

 

 「ウォォー!! ギャラガー! ギャラガー! ギャラガー! ギャラガー!」

 

 タッカー元帥は演説場を離れ、オメガレックスが入れられている倉庫に入った。そこでは、オメガレックスに新たな装備が施されていた。タッカー元帥は監督をしているドクターマイルスの元に立ち寄り、

 

 「ドクター、準備は出来ましたか?」

 

 「これは、これは、元帥閣下!いつでもOKです。」

 

 「これで、我がネオデスメタル帝国に反抗する反乱軍の鎮圧ももう、まもなくということだな!」

 

 そこにサングラスをかけたガネストが現れ、

 

 「ドクター、オメガレックスはもう出撃出来るの?」

 

 「はい、陛下! これで荷電粒子砲は何発でも撃てます! そして更には陛下がもっと楽しめるよう、空中でも荷電粒子砲を撃てるように飛行ユニットを装備した爆撃機仕様として改造しました! これなら地上でも空中でも戦え、陛下も十分に堪能出来ます。」

 

 「ふ~ん、確かに面白そうだね! じゃあ、直ぐに出撃するよ。 タッカー! 用意をして!!」

 

 「了解しました!」

 

 「ねぇ、ドクター! よかったら一緒に行こうよ! きっと面白いよ!!」

 

 「残念ですが、陛下。 私は先帝陛下からZGを完成させるよう命じられてますので、あの小娘が起動させた端末の情報を元にZG完成のオーパーツを集めなければいけないので。」

 

 「ふ~ん、そうなんだ…。ZGね。 そいつ強いの?」

 

 「もちろんです! オメガレックスと同等…いや、それ以上かもしれません!」

 

 「へぇ~、面白いね。あ、そうだ! じゃあ、ゲームをしよう。 ボクが反乱軍を潰すのと、ドクターがZGを完成するのと、どちらが先に達成するのか勝負しよう!」

 

 「もちろん、陛下の仰せのままに!」

 

 「じゃあ、決まりだね! でも…、ボクが勝ったらZGが完成しても出る幕はないかもね!」

 

 そう言ってオメガレックスの元に行くガネスト、

 

 「陛下の遊び心はまさしく帝王ギャラガー様そのものですな!」

 

 「ところで、元帥殿! 端末の情報によると、ZG完成の一つのオーパーツは南極にあることが判明したので、グレッゲル准将とその部隊をお借りしてもよろしいでしょうか?」

 

 「しかし、奴にも反乱軍鎮圧の命令を下しているが。」

 

 「ですが、北方の新帝国の派閥は既に鎮圧したと聞きました! それに寒冷地に関してはグレッゲル准将の方が詳しいし、護衛にダークライガーも付けますので。」

 

 「まあ、いいだろう! ZG完成は先帝陛下の御悲願なのだからな! なら、何としてもオーパーツを手に入れ、早急に完成させろ!」

 

 「了解しました!」

 

 「ねぇ~、もう出ていいんだよね!?」

 

 「いつでも大丈夫です。陛下!」

 

 「それじゃ、行くよ! オメガレックス、これから、ボクのオモチャとしてよろしくね!!」

 

 ギュオオー!!

 

 ガネストの言葉に応えてオメガレックスは咆哮を上げ、その咆哮は帝都全域に広がった。宮殿から出たオメガレックスはオメガレックスの護衛として新たな改造を施された親衛隊仕様のスナイプテラG4、キルサイスG4、キャノンブルG4、バズートルG4、ディメパルサーG4、ディロフォスG4と共に行進して多くの国民が歓声を上げる中、行進し、帝都を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同盟軍本拠地のゾイドが保管されている倉庫でシーザーの足元にウィルがいた。ウィルはダークマスターの正体がレイルだということと豹変したリセルのことを思いだしていた。シーザーは心配そうにウィルを見つめ、

 

 「大丈夫だよ! シーザー。ちょっと考え事してただけだよ。」

 

 グルル……

 

 シーザーは向こうにいるギルラプターエンペラーの方を向いた。ギルラプターは頭を下げ、落ち込んだ表情をしていた。シーザーはウィルの方を向き、

 

 「ああ、わかっている! あいつは長年一緒だった相棒を失って落ち込んでいるんだ。きっとエマも同じ気持ちだ。

 目の前で苦しんでいる人やゾイドがいるのに、ここでじっとしているわけにはいかない。あのオメガレックスだって止めなければならない。行くぞ、シーザー!!」

 

 グオォ~!!

 

 司令室では、オメガレックスに対抗するための処置を取ろうとしていたところ、ジョンが部屋に入り、

 

 「コマンダー!」

 

 「どうした!?」

 

 「オメガレックスが動きました!」

 

 「何!!」

 

 グラッドたちが見た映像では、オメガレックス率いる親衛隊が新帝国に属する都市の軍と交戦していた。

 新帝国のキャノンブル、バズートル隊が親衛隊に向けて砲撃する中、ディメパルサーG4とディロフォスG4のマッドオクテットとジャミジャミングで動きを封じられ、マシンブラストしたキルサイスG4が襲いかかり、新帝国軍のゾイドの装甲を破壊される中、一斉にマシンブラストしたキャノンブルG4隊が砲撃し、更に後方にいたバズートルG4隊と空中のスナイプテラG4隊が攻撃の姿勢を取り、マシンブラストする。

 しかし、バズートルG4のA-Z680口径バズーカ砲とスナイプテラG4のA-Zスナイパーライフルからオメガレックスの荷電粒子砲に似た緑色の荷電粒子ビームが放たれ、新帝国軍のゾイドは一瞬で全滅した。

 そして、オメガレックスがマシンブラストを発動し、荷電粒子砲で一瞬で都市を破壊し、焼け野原に変えた。コクピットにいるガネストはつまらなさそうに、

 

 「あ~あ、どこもかしこもクズばっかりで退屈しちゃうよ! どれも過去の真帝国の旧式ばっかりでつまんないよ!! もっと骨のあるゾイドはいないの?」

 

 ガネストは向こうにある森の方を見た。そこには野生動物と野生のゾイドたちがそれぞれ思い思いで過ごし、同じ種の動物とゾイドが家族のように暮らし、共存していた。

 それを見たガネストはニヤリとし、オメガレックスの荷電粒子砲の向きを森の方に向け、

 

 「オメガレックス、 荷電粒子砲ファイヤー!」

 

 オメガレックスは森の方に向けて荷電粒子砲を発射し、森にいた野生動物や野生ゾイド共々吹き飛ばされ、一気に破壊された。ガネストは地上部隊に、

 

 「次の反乱軍の都市に行けるルートを作ったよ! そこを通れば都市はもう目と鼻の先だ。

 ボクはドクターが装備させたユニットで空中から楽しむから、地上はキミたちに任せるよ!」

 

 地上部隊の先頭にいるドライパンサーG3に乗っているベケット少佐は、

 

 「了解しました。陛下! 皆は私の指揮に従え!!」

 

 親衛隊の地上部隊が焼け野原になった森を進む中、オメガレックスに装備されている飛行ユニットが変形し、翼のようなものが現れ、ジェット噴射でオメガレックスが宙に浮かび、そのまま上空に上がって、スナイプテラG4とキルサイスG4がオメガレックスについていった。

 

 「さあ、これからゲームは加速していくよ! おっと、その前に皆に挨拶しなきゃね。」

 

 ガネストはスイッチを押し、同盟軍と新帝国の司令室の映像全てにオメガレックスのコクピットに乗るガネストが現れた。その様子を見て驚く同盟軍と新帝国、 

 

 「ごぎげんよう。諸君! ボクはネオデスメタル帝国皇帝ギャラガー四世だ。

 これからキミたちを殲滅していくんだけど、ただ、殲滅するだけじゃ、面白くない。

 そこでゲームをしよう! キミたちがボクとボクの部隊を全滅したら、キミたちの勝ち。 ボクがキミたちを全滅したら、ボクの勝ち。でもそれだとキミたちが圧倒的に不利だから、ハンデを与えよう。

 ボクがキミたちを全滅する前に無条件降伏してくれたら、キミたちの勝ちにしよう。悪い条件じゃないだろう? でももし無条件降伏を受け入れなかったら…」

 

 ガネストは指をパチンと鳴らし、オメガレックスはそれに従い、行く先にある都市に向けて荷電粒子砲の照準を合わせ、発射した。荷電粒子砲を直撃した都市は瞬時に壊滅した。

 

 「このように徹底的に破壊するからね。まあ、降伏を受け入らないなら、精々ボクの期待外れにならないようにしといてね! じゃあそれじゃ、ゲームを楽しんでね! 死のゲームをね!」

 

 映像を切るガネスト、それを見たグラッドは、

 

 「くそったれが! しかも通り道にあるものは手当たり次第とは! それにしても、スナイプテラとバズートルにオメガレックスと似た荷電粒子ビームを撃てるとはどういうことだ?」

 

 「ドクタースミスが分析したところ、オメガレックスの荷電粒子砲を基にコンパクトに改造した小型荷電粒子砲とのことで、恐らく開発したのは…」

 

 「例のドクターマイルスか! それにあのガキ、くだらん宣言をしやがって! 何としても奴を倒すぞ!!」

 

 「しかし、コマンダー! 飛行ユニットまで装備したオメガレックスにどう立ち向かうんですか? こっちには航空戦力はカブター、クワーガ、クワガノスとクリスのジャックしかいませんし!」

 

 「いや、待て! スミスが万が一、帝国が巨大兵器ゾイドを開発した場合に備えて開発したあの兵器がある! あれを使うぞ! ジョン、クリスを呼べ!!」

 

 「ただ、その前に、コマンダー。 1つ問題が…」

 

 「何だ?」

 

 「シーザーがいません!」

 

 「な、何~!!」

 

 「オマケにシーザーの居場所が知らないか聞こうとウィルの部屋に入ったが、ウィルの姿がどこにもいません。」

 

 「無断出撃か! あのバカ、何考えてんだ!! 仕方ない、俺がウィルを探しに行く! 後は任せてくれ!!」

 

 「いや、グラッド! お前はここにいてくれ!」

 

 そこにストームとクルーガーが現れた。

 

 「ストームにクルーガー。」

 

 「ウィルは俺が捜す! お前は引き続き、オメガレックスを迎え撃つための作戦を立ててくれ!」

 

 「だが、ストーム。お前は同盟軍のリーダーだろ?」

 

 「確かにこの同盟軍を統率するリーダーだが、俺は軍事的リーダーじゃない! だから、俺はお前みたいに作戦を立てられないし、それにウィルの世話は俺に一任してるわけだし。」

 

 「確かに俺は軍の総司令としてお前の代理として統率しているが、そもそもお前の存在があったから、同盟軍がここまでこれたわけだし…。」

 

 「いや、彼の言う通りだ。 確かにストームは同盟軍のリーダーだが、総司令としての器はグラッドの方が上だ! それに彼の相棒のキングは伝説のワイルドライガーだ。 そう簡単にくたばるたまじゃないさ!」

 

 「まあ、あんたがそこまで言うなら仕方ないな。」

 

 「では、俺はキングと共にウィルとシーザーを捜していく。 あ、それと実は事前にクリスに言って、スミスに例の装備をジャックに取り付けるよう伝えといたから、心置きなく作戦を立てられるようにしたからな!」

 

 それを聞いたグラッドとジョンはポカーンとして、

 

 「仕事が早いな~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新帝国の仮本拠地の司令室でガネストとオメガレックスの映像を見たシーガル中将とアルドリッジ大佐は、

 

 「何てこった! 我が新帝国の前身である過去の真帝国が誇る最強のゾイドだったオメガレックスが今や、ネオデスメタル帝国ごときに利用され、オマケに小型荷電粒子砲まで開発するとは!!」

 

 「中将! 私が出てオメガレックスを倒します!」

 

 「だが、オメガレックスには飛行ユニットが装備され、空中にいるんだぞ!それに小型荷電粒子砲を持つ親衛隊にはどうするのだ?」

 

 「俺がやります!」

 

 その時、司令室に入ったリセルが口を開いた。

 

 「お前が行くというのか?」

 

 「はい、オメガレックスも親衛隊も全て俺が殲滅します!」

 

 リセルの発言にアルドリッジ大佐が、

 

 「無茶だ! 1人で行くのは危険過ぎる。 下手したら、死ぬぞ!!」

 

 「あの程度の部隊など、俺1人で十分です! それとも俺の腕が信用できないとでも!?」

 

 「わかった! ディアス准将、ネオデスメタル帝国の討伐を命じる!」

 

 「了解しました!」

 

 シーガル中将の命令を受けてリセルが出撃しようとする中、ユリスは司令室のドアをちょっと開けて悲しそうな表情でその様子を見ていた。

 そして、リジェネレーションキューブを基に開発した小型の高性能な発信器を作り、その反応を頼りにZG完成のオーパーツを集めるためにドクターマイルスはグレッゲル准将と共に専用のスティレイザーに乗って南極を歩いていた。後ろにはダークライガーとディロフォスG3、キャノンブルG3、キャタルガG3がついていった。グレッゲル准将は、

 

 「ドクター、ホントにここにあるんですか? いくら性能が高いとはいえ、リジェネレーションキューブなど、所詮過去の遺物でしょう!」

 

 「いや、過去の遺物とはいえ、リジェネレーションキューブだけは我々の想像を遥かに越えるものだ! こいつがあれば、ZGの完成は目と鼻の先だ!」

 

 その時、発信器の反応が強くなり、

 

 「止まれ!」

 

 ドクターマイルスの指示で止まる部隊、

 

 「ここだけ、反応が強い! キャタルガG3とディロフォスG3はマシンブラストして直ぐにこの付近を掘れ!!」

 

 ディロフォスG3は装備している対空速射砲で氷を破壊し、マシンブラストしたキャタルガG3がドリルジョーで氷を掘り進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、ガネストは飛行しながら、オメガレックスの荷電粒子砲で通り道にある都市を手当たり次第に破壊しながら進んだ。 

 その時、目の前にクリスのジャック率いるカブター、クワーガ、クワガノス隊によ同盟軍の空軍が現れた。

 

 「あれ~、あれって噂のソニックバードじゃん! まさか、あれが来るとはね。いいね! ちょっくら相手してやって!」

 

 ガネストの命令を受けたキルサイスG4がジャックたちに襲いかかってきた。それを見たクリスは、 

 

 「カブター、クワーガ、クワガノス隊はキルサイスを、俺はスナイプテラとオメガレックスを相手にする!」

 

 「了解しました!」

 

 カブター、クワーガ、クワガノス隊がキルサイスG4の相手をしている中、ソニックバードはキルサイスの前を通りすぎ、オメガレックスとスナイプテラG4に向かって行った。

 目の前のスナイプテラG4は既にマシンブラストし、ジャックに向けて荷電粒子砲を放った。ジャックはそれを避け、オメガレックスに向けて突進して行った。コクピットのクリスはゾイドキーを取り出し、

 

 「行くぞ! デル! 俺の魂と共に、進化 解放! エヴォブラストー!! スカイスラッシュ!」

 

 しかし、オメガレックスは荷電粒子砲を撃つように見せ掛けてその態勢を止め、直ぐに後ろを向いて尻尾でジャックを凪ぎ払おうとする。思わぬ攻撃に驚いたクリスは何とか尻尾攻撃を避ける。しかし、オメガレックスは既に荷電粒子砲を撃てる状態になっていて、ジャックに照準を合わせた。

 

 「オメガレックス、ファイヤー!!」

 

 ジャックはオメガレックスの荷電粒子砲をギリギリでかわすが、片翼のラダーソードが荷電粒子砲に当たり、融解してしまった。

 

 「ボクのオメガレックスが真っ直ぐしか撃てないと思った? 残念。オメガレックス君はどの方面でも撃てるようになっているんだよ!」

 

 

 「くそ、奴に一発いいの当てたかったが、どうやら、ジェノスピノと並ぶ伝説のゾイドは伊達じゃなかったようだが、俺はここで負けるわけにはいかねぇ!!」

 クリスはスミスの作った兵器をジャックに装備させた時のグラッドとの作戦の順序を教えられたことを思い出した。

 

 「これは?」

 

 「スミスが帝国が巨大飛行ゾイドを開発した時の場合を想定して予め作ったものだ! 空中ユニットを装備したオメガレックスに対抗できるのはお前とジャックしかいない! 頼めるか?」

 

 「それで、俺がやる作戦とは?」

 

 「まずはお前とジャックの力でキルサイスとスナイプテラを倒し、オメガレックスをある場所に誘導させた後に飛行ユニットを破壊して、その場所に落とし、装備したあのミサイルを奴に当てるんだ! やれるな?」

 

 「なあに、空の戦闘は任せろ!!」

 

 「ウォォー!!」

 

 「玉砕の覚悟で、ボクを倒すつもり? 面白い。相手してあげるよ。オメガレックス!!」

 

 ガネストの言葉に従い、オメガレックスはジャックに照準を合わせ、荷電粒子砲を発射する態勢を取った。

 ジャックとオメガレックスが空中で戦っている中、南極でキャタルガG3とディロフォスG3がかなり掘り進んだ中、驚くべきものが現れた。

 紫のラインの入ったゾウ型のゾイドが紫色に輝くゾイド因子と共に氷漬けになっていた。それを見て驚くグレッゲル准将、

 

 「こ、これは!?」

 

 「そうだ! これがZGの忠実なる眷族ゾイド、ZFだ!!」

 

 「ZF?」

 

 「いわば、我が親衛隊のようにZGを護衛するためのゾイドだ。しかし、これは驚いた! このZFは石化もしていない。つまり、こいつは生きたまま氷漬けになったのだ!

 しかも何千万年も経っているにも関わらず、ここまで保存状態が良いとは! あの時、初めて復元した試運転のプロトタイプより、完成度が高い。

 こいつを帝都に持って帰れば、完全なZFが復元し、ZGのパーツを揃えることができる!」

 

 「よし、そうと決まれば、早速この氷を…」

 

 「待て!!」

 

 「何だ?」

 

 「こいつは生きたまま氷漬けになっているのだ。もし、このまま氷を砕いたら、そのまま目覚める可能性が高い! それにこいつには通常の人間を即死させる毒を持っている。 こいつはこのまま氷漬けのまま運搬しろ!」

 

 「しかし、大丈夫なのか?移動中に氷が溶けたらとか。」

 

 「心配は要らん! キャタルガG3の運搬車には冷凍装置がついていて、大型のものでも入れられるサイズだ。何の心配も要らん!」

 

 「それなら、あんし…、ん?」

 

 「どうした?」

 

 そこにゾイドが走る足音がした。

 

 「援軍のゾイドか?」

 

 「いや、そんなはずは…」

 

 そこに現れたのはシーザーだった。

 

 「ライジングライガー。」

 

 「ドクターマイルス、レイルを返してもらうぜ!」

 

 「レイル? ああ、ダークマスターのことか! いいぞ、返してやる。ただし、ダークライガーに勝ったらな!」

 

 ドクターマイルスの指示で前に出るダークライガー、

 

 「ドクター、まさか、あいつ1人でやらせる気ですか?」

 

 「心配は要らん。 ダークライガーにはライジングライガーのあらゆる戦闘データが入っている。奴が負ける確率は低い。 ま、仮にあのライガーに負けるようでは、ダークマスターもそれまでだがな!」

 

 対峙するシーザーとダークライガー、シーザーはウィルに何か言いたいかのようにうなずき、

 

 「ああ、わかっている! 大事な人を失ったギルラプターとエマのためにあの黒い偽物を倒す!! 行くぞ、シーザー!!」

 

 グオォー!!

 

 シーザーは声高に咆哮を上げ、ダークライガーに向かって行った。

 

 To be continued




 次回予告

 ダークマスターとなったレイルを正気に戻すべく、ダークライガーと戦うウィルとシーザー、しかし、ダークライガーにはシーザーの今までの戦闘データが組み込まれているため、全ての攻撃パターンが読まれ、苦戦するシーザー。
 一方、シーザーとダークライガーが南極で戦っていることを知らないクリスとジャックはオメガレックスを南極に落とし、凍り付けにするため、南極にまで誘導してオメガレックスの飛行ユニットを破壊しようとする。 果たして、ウィルとクリスはダークライガーとオメガレックスを倒せるのか!?

 次回「南極の決戦」

 本能を呼び覚ませ、ライガー!!
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