ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  
 新地球暦1245年、人とゾイドの共存が進む中、ネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が地球の8割を支配している時代、辺境の村に住むゾイド好きの少年ウィルはライジングライガーに進化した相棒のシーザーとかつてのシーザーの相棒の血を引く少女エマ、伝説のゾイドチームのリーダーの子孫であるストーム率いる同盟軍と共に、ゾイドと人々を帝国の支配からの解放と人とゾイドの共存のための戦いに身を投じていたのであった。


第33話「南極の決戦」

 荷電粒子砲を発射しようとするオメガレックスに突進するジャック、オメガレックスが荷電粒子砲を発射したその時、ジャックはすれすれで方向を変え、そのままオメガレックスを通過した。それを見たガネストは、

 

 「あれ、もう諦めたの? 残念だな~。 もうちょっと楽しみたかったのに!」

 

 しかし、オメガレックスを横切ったジャックは荷電粒子砲を撃とうとしたスナイプテラG4を一刀両断した。それを見たガネストは、

 

 「へぇ~。まさか、ボクに当てると見せ掛けてキミを狙おうとしたプテラ君を狙うとは! 面白いね。」

 

 「よし、よくやった。ジャック! 最初はあのデカぶつに一発お見舞いさせる予定だったが、このまま、残りのスナイプテラを倒すぞ!!」

 

 クリスはグラッドから一連の作戦を聞かされたことを思い出した。

 

 「奴を南極に誘導して氷漬けにする!?」

 

 「そうだ! 前のジェノスピノ同様に火山に落とす作戦も考えたが、奴にはあの荷電粒子砲がある。それで火山に穴を開けて脱出する可能性も無くなはい。

 そこで、お前とジャックの力を見込んで、奴を南極にまで誘導してその飛行ユニットを破壊し、落ちたところをジャックに装備しているPGM-11をオメガレックスの荷電粒吸入ファンに撃ち込み、奴を凍らせて海に沈める! やってくれるか?」

 

 「出来ないことはないが、どうやって奴を誘導させる? 前みたいに挑発作戦でいくのか?」

 

 「いや、奴は戦争を自分が楽しむためのゲームと思って楽しむ奴だ! それに三世と同じなら、生半端な挑発は通用しないし、面白くないと思って見向きもしないだろう。」

 

 「では、どうする?」

 

 「奴を楽しませるのさ!」

 

 「楽しませる?」

 

 「そうだ! さっき言ったように奴は戦争をゲームだと思って楽しんでいる。だから、奴にお前が骨のある相手だと見せつけて、奴の獲物をお前に集中させるのさ!」

 

 「なるほど、俺を奴の極上の餌にさせて奴を罠にはめるってことだな!」

 

 「危険な賭けでもあるが。やれるか?」

 

 「もちろん!!」

 

 「奴の気を俺に集中させるには、俺とジャックが強者だということを見せつけなければならない。 そのために親衛隊のスナイプテラとキルサイスを倒す! 行くぞ、ジャック!!」

 

 一体のスナイプテラG4がジャックに向けて荷電粒子砲を撃つ。すかさずジャックはそれを避ける。スナイプテラG4は荷電粒子砲を撃った後、口内から煙が漏れ、両翼のガトリングをジャックに撃ち込む。それを見たクリスは、

 

 「やはり、いくらコンパクトに改造した荷電粒子砲とはいえ、まだプロトタイプ! 連射は出来ないようだ。

 ジャック! 奴がもう一度荷電粒子砲を撃つ直前を狙うぞ!!」

 

 キュオォ~!!

 

 クリスの言葉に応えて咆哮を上げるジャック、スナイプテラG4がチャージが完了したようにもう一度荷電粒子砲の照準を合わせる。

 しかし、ジャックは片翼のスカイスラッシュでそれを逃さず、スナイプテラG4に狙い、その頭部を一刀両断し、爆発炎上するスナイプテラG4、

 

 「よし、残るは後一体だ!」

 

 もう一体のスナイプテラG4がジャックに照準を合わせ、ジャックは3体目を倒した時と同じ方法でスナイプテラG4に攻撃しようとしたその時、スナイプテラG4の背後から荷電粒子ビームが来、それを見たクリスは、

 

 「いかん! 避けろ、ジャック!!」

 

 ジャックはクリスの指示に従い、それを避け、スナイプテラG4は荷電粒子ビームで一瞬で跡形もなく粉々になってしまった。 荷電粒子ビームを放った先にはオメガレックスがいた。

 

 「何だか、随分楽しんでいたから、ボクも混ざろうかと思ったけど、惜しいね! せっかくスナイプテラの背後から狙ってやったのに外しちゃった。

 でも、キミ、結構面白いよ! 今度はボクと遊んでよ!」

 

 クリスはかかったかのような表情をし、

 

 「ようやく、奴の矛先が俺に向かったか! 後は作戦通りいくだけだ!」

 

 「ん? どうしたの? ボクと遊ばないの?」

 

 「ああ、望み通りお前の遊び相手になってやるぜ! だが、俺がお前にもっといい遊び場を案内してやる!!」

 

 ジャックはその場を離れ、飛び去る。それを見たガネストは、

 

 「もっといい遊び場か~。いいね! じゃあ、その作戦に乗ってあげるよ!」

 

 オメガレックスの背後の飛行ユニットがジェット噴射し、そのままジャックの後をついた。

 そして、ベケット少佐率いる親衛隊の地上部隊は新帝国に属する都市の制圧に向かっていた。小型荷電粒子砲を搭載したバズートルG4の一斉砲撃で都市は一気に壊滅した。それを見たベケット少佐とアーミテージ大尉は、

 

 「もうすぐで新帝国の反乱軍の本拠地に着けるわね。

 

 そして、残りは同盟軍と旧共和国の反乱軍を叩き潰す!」

 

 「だが、余りに歯応えが無さすぎてつまらないな!」

 

 「ま、我が帝国に歯向かえる愚か者なんていないわ! ん?」

 

 その時、目の前にデルが現れた。

 

 「あいつはあの時の小僧!!」

 

 「へぇ~。 意外ね! まさか、ここであの小僧が来るなんて。しかもあたしたち相手に1人でなんてね!」

 

 リセルは2人を睨み付け、

 

 「貴様らはここで殺す!!」

 

 それを聞いたベケット少佐は笑いこけ、

 

 「あたしたちを殺すですって! ハハハハハ! 面白い!たった1人で我ら偉大なる皇帝陛下に仕えるギャラガー親衛隊に立ち向かおうなんてね!

 いいわ、身のほど知らずってやつを教えてあげる! バズートル隊、撃てぇー!!」

 

 4体のバズートルG4が一斉に小型荷電粒子砲をデルに向けて砲撃した。しかし、デルは瞬時に避け、マシンブラストし、

 

 「フルハウリングショット!!」

 

 デルのフルハウリングショットがバズートルG4の小型荷電粒子砲を引き裂き、バズートルG4は爆発炎上した。それを見たベケット少佐は、

 

 「へぇ~。意外とやるじゃない! 相当腕を上げたようね。でも、この数相手に戦えるかしら?」

 

 今度は後方から無数のキルサイス部隊がマシンブラストして現れ、デルに襲いかかった。

 

 「フルハウリングショット!!」

 

 しかし、デルはフルハウリングショットで全てのキルサイスG4隊を凪ぎ払った。

 

 「あら、これは予想以上ね! 以前、あたしたちと戦った時は対した戦闘力じゃなかったけど。 もしかして我が帝国への怒りの力ってやつかしら!」

 

 「なあ、ベケット少佐! こいつは俺に任せてくれねぇか? 歯応えの無い奴らばっかりで丁度退屈してたところだ!」

 

 「そうね、いいわ! 遊び相手になってちょうだい!」

 

 ベケット少佐の了承を得たアーミテージ大尉のスティレイザーG3はデルに向かって突進した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、南極では、シーザーとダークライガーが激しい戦いを繰り広げていた。

 

 「ライジングバーストブレイク!!」

 

 「ダークバーストブレイク!!」

 

 ガキン!!

 

 互いのタテガミブレードがぶつかり、両者一歩も譲らない姿勢を取ったが、徐々にダークライガーが押していった。

 

 「う…、く…、シーザー、頑張れ!」

 

 その様子を高みの見物として見ているドクターマイルスとグレッゲル准将は、

 

 「ドライパンサーとジェノスピノを破ったあのライガーを押すなんて!」

 

 「当然だ! あれは私が作った最強のライガーだ! あれにはライジングライガーのあらゆる戦闘データが蓄積されている。 ライジングライガーに勝ち目はない!」

 

 ドクターマイルスの乗っているスティレイザーのコクピットから通信が入る。

 

 「ドクター、例のZFの引き上げ完了しました! いかが致しましょう?」

 

 「お前たちはそのままそいつを帝都まで運べ! 私たちはあのライガーの相手をする。」

 

 「了解しました!」

 

 兵士たちは凍り付けのZFをキャタルガのキャリアカーに乗せ、そのまま立ち去った。ぶつかり合うシーザーとダークライガー、ダークライガーはシーザーを凪ぎ払い、シーザーはA-Z機関砲をダークライガーに撃ち込むが、ダークライガーは無傷だった。

 

 「レイル、お前、それでいいのかよ! あんな奴らの言いなりになって、それでいいのか!!」

 しかし、コクピットにいるレイルは無言で、ダークライガーは横に装備しているミサイルをシーザーに撃ち込んだ。ミサイルが直撃し、吹き飛ばされるシーザー、

 

 グオォー!!

 

 「ウワァー!!」

 

 シーザーとダークライガーが戦っている上空では、遂にジャックがオメガレックスを南極にまで誘導した。

 

 「さあ、ここがお前の遊び場であり、お前の墓場だ!! 喰らえ、スカイスラッシュ!」

 

 ジャックが片翼のラダーソードでオメガレックスにぶつけようとする。それに対し、オメガレックスは後ろを向き、尻尾で凪ぎ払おうとする。ジャックはそれを瞬時に避け、オメガレックスの片翼を切り裂こうとしたその時、オメガレックスがジャックのラダーソードを噛み付いた。離そうとしないオメガレックス、

 

 「残念だったね! ボクを南極にまで誘き寄せてオメガレックスの飛行ユニットを破壊して落っことそうとするつもりらしいけど、ボクはそんなに甘い奴じゃないんだよ! ボクの分身であるあの出来損ないの兄貴よりもね。」

 

 「(馬鹿な、最初から作戦を読んでいただと!)」

 

 「見え見えなんだよ! というか、今のボクとオメガレックスを倒すにはそれくらいの策しかないからね!!」

 

 バキン!!

 

 オメガレックスはジャックのラダーソードとA-Zウィングソードをそのまま噛みきった。遂にジャックは両翼のラダーソードとA-Zウィングソードを失い、スカイスラッシュが放てなくなってしまった。ガネストは無邪気な表情をしながら、

 

 「これで、キミの自慢のエヴォブラストは使えなくなったも同然! 後はゆっくりキミ痛め付けて料理するよ!」

 

 「くそ、これで、使える武器は2連速射機関銃しかない! オマケにスミスが装備させたPGM-11はまだ使うときではない。」

 

 ジャックは2連速射機関銃をオメガレックスの飛行ユニットに撃ち込むが、オメガレックスはびくともしない。

 

 「フフフ、そんな攻撃、蚊に刺される程にも感じないよ! オメガレックス! ファイヤー!!」

 

 オメガレックスはジャックに荷電粒子砲を撃ち込む。ジャックはそれを避けるが、オメガレックスは荷電粒子砲を撃ちながら、なんとそのまま1回転した。

 

 「馬鹿な! 荷電粒子砲を撃ちながら回転するなんて!?」

 

 ジャックはそれも避けようとするが、オメガレックスの突然の行動を読めず、片足を撃ち抜かれてしまう。

 

 キシャァー!!

 

 足を撃ち抜かれ、悲鳴を上げるジャック、

 

 「フフフ、もうキミは羽をもがれたチキン同然だよ。諦めてボクの軍門に下ったらどうだ?」

 

 「くそ!」

 

 ジャックは尚も2連速射機関銃をオメガレックスに撃つが、

 

 「勝てないと知っても戦おうとする姿勢嫌いじゃないよ! でもそういうのは世間で蛮勇って言うんだよ! オメガレックス!」 

 

 ガネストの言葉に従い、再び荷電粒子砲を放つ姿勢を取るオメガレックス、クリスは諦めたかのような表情をし、

 

 「くそ、どうやら俺もここまでのようだな。」

 

 「オメガレックス! ファイ…」

 

 「アブソルートショット!!」

 

 突然、雲を切り裂いた謎の一撃がオメガレックスの荷電粒子吸入ファンを撃ち抜いた。荷電粒子吸入ファンを撃ち抜かれ、体勢を崩すオメガレックス、

 

 「何!? 一体何が起こった!」

 

 「今だ!!」

 

 ジャックは音速のスピードを出して、オメガレックスに向かって2連速射機関銃を撃ち込みながら突進し、ソニックウィングだけで、オメガレックスの飛行ユニットを破壊した。

 オメガレックスはそのまま地上に落下した。クリスはそれを追う前にオメガレックスを攻撃した相手を捜した。上空には赤いスナイプテラらしき姿があり、スナイプテラはそのまま飛び去った。

 

 「あのスナイプテラ…まさか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 南極では、ダークライガーの猛攻を受け、シーザーの身体はボロボロになっていた。高みの見物をしているグレッゲル准将とドクターマイルスは、

 

 「どうやら、勝負あったようだな。」

 

 「そのようだな。さあ、ダークライガー! 奴に止めを差すのだ!! ん?」

 

 その時、上空から飛行ユニットを破壊されたオメガレックスがシーザーとダークライガーに向けて落下してきた。シーザーとダークライガーは間一髪で避けた。グレッゲル准将とドクターマイルスは驚き、

 

 「陛下!!」

 

 オメガレックスはそのまま起き上がり、

 

 「痛てて、思わぬ邪魔が入ったが、まだ終わらないよ!」

 

 ガネストはシーザーを見つけ、

 

 「あれ、キミ、あのライガー君? これは丁度いい! ジェノスピノを倒したキミの実力見せてもらうよ!!」

 

 オメガレックスは足でシーザーを踏み潰そうとするが、シーザーはそれを避ける。

 

 「くそ、レイルを正気に戻すために来たのに、まさか、オメガレックスが現れるなんて! でも、こいつも止めなければいかない! こいつがいると、また多くのゾイドと人々が苦しめられてしまう。

 行くぞ! シーザー! ライジングバーストブレイク!!」

 

 しかし、オメガレックスはそれを足で止め、

 

 「思った以上に単調な攻撃だね! そんなんでこのボクを倒せると思ったの?」

 

 オメガレックスはそのままシーザーを蹴り倒す。

 

 「シーザー、もう一度だ! ライジングバーストブレイ…」

 

 しかし、オメガレックスはシーザーのタテガミブレードを喰わえた。

 

 「う~ん、どうせなら、万全の状態で来て欲しかったけど、そんなボロボロじゃぁ~ね。それにそんなワンパターンの攻撃じゃ、つまんないよ!」

 

 そう言って、オメガレックスはシーザーのタテガミブレードを噛みきった。そのまま足で踏みつけ、シーザーを踏み潰そうとするオメガレックス、

 

 「キミ、ホントにそんなんでジェノスピノを倒したの? あ、もしかしてただの他力本願だったりして!」

 

 「俺のシーザーを馬鹿にするなー!!」

 シーザーは力を振り絞り、オメガレックスの足を強引に上げ、そこから脱出した。

 

 「へぇ~。なんだ。やればできるじゃない! でも、これはどうかな? 兵器 解放! マシンブラストー!!オメガレックス! ファイヤー!!」

 

 シーザーに向けて荷電粒子砲を放つオメガレックス、シーザーは残り少ないスタミナで避けようとするが、間に合わず、右半身を直撃し、シーザーの右半身のアーマーが溶解して砕け散ってしまった。

 

 「ウワァー!!」

 

 グオォー!!

 

 荷電粒子砲を喰らって悲鳴を上げるウィルとシーザー、

 

 「やれやれ、意外とあっけなかったね。 じゃあ、次で終わりにするよ! オメガレックス…」

 

 「キングオブクローブラスト!!」

 

 「グランドハンマー!!」

 

 その時、キングとゴルドが現れ、2体の攻撃を喰らってオメガレックスが怯んだ。

 

 「あれ、これは驚いたね! ボクの前世を倒した伝説のワイルドライガーに最強のグラキオのボルカノまで来るなんて!」

 

 「キングの野生の勘で捜したが、まさか、ここにいるとは思わなかったぜ!」

 

 「ストーム、お前はウィルとシーザーを頼む。オメガレックスは私が引き付ける。」

 

 「だが、クルーガー、あのオメガレックスはゴルドだけでも太刀打ちできる相手じゃないぞ!」

 

 「私のゴルドがそう簡単に倒されるたまとでも思うのか?」

 

 「そうだな! わかった! 俺はウィルとシーザーを安全な場所に運ぶ。それまで何とか持ちこたえてくれ!」

 

 「よし、行くぞ! ゴルド! グランドハンマー!!」

 ゴルドのグランドハンマーがオメガレックスに直撃するが、オメガレックスはびくともしない。

 

 「さすが、マグマに耐えうる装甲を持つ最強のグラキオの亜種のボルカノだ。 でも、ただのグランドハンマーでこのボクを倒せるとでも?」

 

 「これで終わりとでも思ったか!」

 

 ゴルドはそのまま装備しているキャノン砲を撃ち込む、

 

 「グランドハンマー!!」

 

 そのまま再びグランドハンマーを喰らわせた。近距離でのキャノン砲撃ち込みとグランドハンマーで流石のオメガレックスも足を崩すし、体勢を崩していく。

 

 「もう一度、喰らえ! グランドハンマー!!」

 

 「このボクが二度も同じ技を喰らうと思ったのかい!?」

 

 オメガレックスは攻撃を喰らう寸前、ゴルドの首を喰らいついた。身動きがとれなくなるゴルド、ゴルドはそのままオメガレックスに蹴り倒された。

 

 「キミのグラキオは確か、マグマに耐えうる装甲を持っているんだったね。じゃあ、荷電粒子砲に何発耐えられるかな? 兵器 解放! マシンブラストー!!」

 身動きの取れないゴルドに向け、荷電粒子砲を撃つ体勢を取るオメガレックス、そこに上空からジャックが猛スピードでオメガレックスに向かって落下し、

 

 「チャンスはこの一度しかない! 奴が荷電粒子砲を撃つ寸前にPGM-11を奴の荷電粒子吸入ファンを撃ち込む。 行くぞ!ジャック!!この一撃に全てを込める!」

 

 「終わりだ。オメガレックス!ファイ…」

 

 「キングオブクローブラスト!!」

 

 そこにキングがオメガレックスに攻撃し、オメガレックスは体勢を崩す。

 

 「今だ! PGM発射!!」

 

 キングがオメガレックスに攻撃した瞬間を狙い、クリスはジャックに装備されているPGM-11をオメガレックスの荷電粒子吸入ファンに向けて発射した。PGM-11が荷電粒子吸入ファンに直撃し、オメガレックスが苦しみ出した。

 

 ギュオォー!!

 

 「何だ? 今度は一体何だ!何!!」

 

 直撃した荷電粒子吸入ファンが凍り付くと同時にオメガレックスの身体が凍り付いていった。凍り付くオメガレックスを見てストームは、

 

 「なるほど、PGM-11には液体窒素が含まれている。極寒の南極に誘き寄せて奴に撃てば、南極のブリザードで一瞬で凍り付くってわけか! 流石、グラッドとスミスだな!」

 

 PGM-11を撃ち込んだ後、倒れこむジャック、

 

 「クリス、ジャック、大丈夫か!?」

 

 全身が凍り付く中、ガネストは、

 

 「貴様ら、よくもこのボクとオメガレックスを! だが

、この一撃だけは…!」

 

 ガネストはコクピット内で、動かないレバーを強引に動かし、オメガレックスは尚も荷電粒子砲を撃つ体勢を取る。

 

 「まさか、あいつ! あの状態でも荷電粒子砲を撃つつもりか!? そんなことしたら、オメガレックスもただじゃすまないぞ!」

 

 「貴様らはここで殺す!」

 

 「グランドハンマー!!」

 

 その時、ゴルドのグランドハンマーがオメガレックスの足場を破壊し、オメガレックスは体勢を崩し、海に落ちようとしていく。

 

 「く、くそ!」

 

 しかし、オメガレックスは荷電粒子砲を撃つことが出来ず、そのまま荷電粒子砲の口内まで凍り付き、オメガレックスのバイザーの目の色が消え、そのまま海に沈んでいった。グレッゲル准将はオメガレックスを助けようと動くが、

 

 「陛下ー!!」

 

 「待て、グレッゲル准将!」

 

 「何故だ? ドクター!」

 

 ドクターマイルスの待ったをかけると同時にグレッゲル准将とドクターマイルスのスティレイザーの身体も徐々に凍り付いていく。

 

 「時間切れだ! 我々も撤退するぞ!」

 

 「ドクター!陛下を見殺しにするのか!!」

 

 「今の我々では、陛下をお助けするのは無理だ。ましてや、我々では奴らには敵わない!」

 

 キングたちを見たグレッゲル准将は、

 

 「ち、」

 

 グレッゲル准将とドクターマイルスはそのままその場を

去った。

 

 「クルーガー、シーザーとジャックの傷が深い。早く治療をするために基地に戻るぞ!」

 

 「ああ、」

 

 ゴルドはシーザーやジャックを運び、キングと共に南極を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 四天王の1人、デーニッツ中将が管轄する西方面の辺境の村に、突然地面が揺れた。村人たちは、

 

 「何だ? 地震か!」

 

 その時、突然、地面から回転する巨大なノコギリが現れ、地面と村中を削り取っていた。村人たちはパニックになって村から逃げ惑い、山のところまで逃げた。

 村がすっかりなくなり、巨大な穴が現れた。そこから2本の前足が穴の開いた地面を掴み、穴から巨大なゾイドが現れた。

 

 ギュオォー!!

 

 巨大なゾイドの咆哮が村中に響き渡った。それを見て恐怖した村人たちはそのまま逃げていった。

 地面から現れたのは、かつてウィルとシーザーに敗れ、大火山デスロッキーに沈んで爆発によって火口に飲み込まれたジェノスピノだった。ジェノスピノは生きていた。

 地面から現れたジェノスピノには身体のあちこちにひびの割れた跡があり、右目にはバイザーが破壊され、目が剥き出しになっていた。

 

 ギュオォー!!

 

 地上に出たジェノスピノはようやく出られたかを言わんばかりに目一杯咆哮を上げた。

 

 To be continued




 次回予告

 ジャックとゴルドの活躍で、オメガレックスを凍らせ、南極の海に沈めることに成功するが、シーザーがオメガレックスの荷電粒子砲を喰らって重傷を負ってしまう。
 スミスが重傷のシーザーを修復するが、傷が深いため、修復にかなり苦戦してしまう。しかし、そんなところに新帝国軍が現れ、ユリスとエマがレイルとリセルを救って欲しいと、かつて先祖から引き継いだゾイド因子でシーザーを甦らせる。
 しかし、甦ったシーザーでもダークライガーを倒すことが出来ない! そこでスミスはシーザーの更なる改造を提案した。
 一方、帝国への復讐心を燃やすリセルは帝国軍を片っ端から潰すべく、火山から脱出したジェノスピノを回収しに来た帝国軍を殲滅するために向かうが、そこにはディメパルサートランスに乗るドクターマイルスが待ち構えていた。

 次回「超進化、ライジングライガー」

 本能を呼び覚ませ、ライガー!!

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