ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  
 新地球暦1245年、人とゾイドの共存が進む中、ネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が地球の8割を支配している時代、辺境の村に住むゾイド好きの少年ウィルはライジングライガーに進化した相棒のシーザーとかつてのシーザーの相棒の血を引く少女エマ、伝説のゾイドチームのリーダーの子孫であるストーム率いる同盟軍と共に、ゾイドと人々を帝国の支配からの解放と人とゾイドの共存のための戦いに身を投じていたのであった。


第34話「超進化、シーザー」

 新帝国の派閥の都市で、デルとスティレイザーG3が激しく戦闘を行っていた。

 

 「フルハウリングショット!!」

 

 「プラズマウォール!!」

 

 デルとスティレイザーG3のマシンブラストがぶつかり合い、両者とも一歩も譲らない姿勢を取った。その様子を見ていたベケット少佐は、

 

 「へぇ~。以前はアーミテージでも手も足も出なかったのに、よくやるわね、あの子。ん?」

 

 その時、コクピットから通信が入った。

 

 「本国の元帥閣下からの緊急通信? 全軍を直ちに撤退せよ、ですって? 一体どういうことなの? とはいえ、元帥閣下の命令に従わないわけにもいかないね。アーミテージ、一時撤退よ!」

 

 「何? どういうことだ! せっかく盛り上がってきたのに!」

 

 「本国の元帥閣下からの緊急命令よ! 従うのよ!」

 

 「ちっ!」

 

 アーミテージ大尉のスティレイザーG3はそのまま後退し、地上部隊の親衛隊もベケット少佐の命令を受けて撤退していった。それを見たリセルはそのまま追っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新帝国の仮本拠地で、一室で閉じ籠っているエマに突然、胸にズキッと痛みが走り、南極でシーザーがオメガレックスの荷電粒子砲を喰らって右半身のアーマーを破壊され、苦しむビジョンを見た。

 

 「シーザー!」

 

 エマは急いで部屋から出て、ユリスのいる部屋まで行った。

 

 「ユリスさん!」

 

 「エマ、どうしたの?」

 

 「シーザーが! シーザーが!!」

 

 「え?」

 

 新帝国の仮本拠地の司令室でシーガル中将とアルドリッジ大佐が戦況の様子を見ていた。司令室の兵士は、

 

 「東方で我が新帝国派のレジスタンスがネオデスメタル帝国軍に鎮圧されました!」

 

 「ディアス准将は何をやっている?」

 

 「現在、地上部隊のギャラガー親衛隊と交戦中です。 ん? シーガル中将、親衛隊と各地のネオデスメタル帝国軍が突然撤退を始めました!」

 

 「何! どういうことだ?」

 

 「わかりません。ですが、全軍が撤退していくようになりました!」

 

 「これは、どういうことだ? あれだけ、我が新帝国軍を圧倒していたネオデスメタル軍がいきなり退却するだと! オメガレックスはどうなっているのだ?」

 

 「現在、確認はとれていませんが、南極に落下した後、消息不明となっています。」

 

 「何だと! (これは、いよいよめぐってきたチャンスだ!) よし、直ちに全軍を出撃し、帝都メガロポリスに総攻撃をかけろ!」

 

 その時、司令室にユリスとエマが入り、

 

 「これは、これは、メルビル二世陛下に侍女のコンラッド嬢。いかがなされました?」

 

 「シーガル中将、私たちを同盟軍の本拠地に連れていってください!」

 

 それを聞いたシーガル中将は慌てて、

 

 「何をおっしゃるのです? 皇帝陛下! あなたは我が新帝国の象徴として君臨するためにいてはいけない存在なのです! そのあなたがあのような組織に向かうなど言語道断! それに軍のことは我々に任せて陛下は部屋でごゆっくり…」

 

 「シーガル中将、お願いではありません!これは命令です!!」

 

 「な!」

 

 「私は真帝国のハンナ・メルビルの血を引いていたためにあなたに無理やり皇帝に立てられ、何も出来ず、ただ、あなたのやり方に従ってばかりいましたが、ですが、それでも私はこの新帝国の皇帝として私の出来ることをしたいんです! 

 きっと、私の先祖もそうしてきたはずです。 シーガル中将! 新帝国皇帝メルビル二世としてあなたに命じます! 私たちを同盟軍の本拠地へ連れていきなさい!!」

 

 ユリスのキリッとした表情を見てシーガル中将は言葉を返せなかった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベケット少佐率いる親衛隊とデーニッツ中将、ルメイ大将率いる西方、東方部隊が帝都メガロポリスに集結し、再び宮殿で、ドクターマイルスとベケット少佐、アッカーマン中将を除く四天王がタッカー元帥の元に集まった。ベケット少佐はタッカー元帥に、

 

 「元帥閣下! 一体どういうことなのです? もうすぐ、反乱軍の鎮圧がまもなくという時に!」

 

 「実は諸君、非常に悲しい知らせが届いた! 皇帝陛下がオメガレックスと共に反乱軍に敗れ、南極の海に沈んでしまわれたのだ!!」

 

 それを聞いた一同は驚愕した。ルメイ大将は口を開き、

 

 「なんと言うことだ! ギャラガー四世陛下が先帝陛下に続き、反乱軍の手に… ん? ところで、ドクター! あなたは現地にいたはずでは? 何故、陛下を助けなかったのだ!?」

 

 「私はあくまで先帝陛下に命じられたZG完成のためのオーパーツ回収に向かったまでで、そもそも皇帝陛下があそこに来るとは予想もしませんでしたし、ましてや、我々の戦力では、反乱軍には太刀打ち出来ませんでした!」

 

 「貴様! よくもおめおめとそんな口を!!」

 

 タッカー元帥は待ったをかけ、

 

 「止さないか。」

 

 同時にデーニッツ中将も、

 

 「そうです! ドクターの言うことに一律あります。あくまでドクターは先帝陛下の悲願のために動いたまでで、任務を達成しました。それに反乱軍があそこに来るとは、さすがに予想外のことですし。」

 

 「ちっ!」

 

 2人の言うことを聞いて、ルメイ大将は少し納得いかな

い表情をした。

 

 「ところで、デーニッツ中将! 私に報告したいことがあるそうだが、一体なんだ?」

 

 「はい、実は私の領域にジェノスピノが発見されたと、部下から報告がありまして!」

 

 「なんだと!? では、先帝陛下は生きておられるのか!!」

 

 「それはまだわかりませんが、ただ、ジェノスピノは右目のバイザーが破壊されていることもあってか、暴走を続け、私のディメパルサー、ディロフォス部隊が取り押さえていますが、未だ苦戦しているとのことで…」

 

 「ジェノスピノには先帝陛下が乗られているはず、いくら、バイザーが破壊されたとはいえ、先帝陛下の技量で押さえられるはずなのに… まあ、いい! デーニッツ中将は直ちにジェノスピノを取り押さえ、回収しろ!

 グレッゲル准将は再び南極に向かい、皇帝陛下とオメガレックスを捜索するのだ!」

 

 「了解しました!」

 

 そこにドクターマイルスが口を開き、

 

 「元帥閣下! ジェノスピノ回収に私も同行させてよろしいでしょうか?」

 

 「何故だ?」

 

 「ジェノスピノは元々、私が復元したもの、あれに一番詳しいのは私ですから、直ぐに取り押さえて回収します。」

 

 「そうか、なら、ドクターはデーニッツ中将と同行し、ジェノスピノを回収しろ!」

 

 「了解しました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アッカーマン中将のいる南方総督府、ステゴゼーゲMk-Ⅱに乗るコナー少佐が総督府に戻り、アッカーマン中将のいる部屋に入った。

 

 「中将!」

 

 「コナー少佐か! で、状況は?」

 

 「皇帝陛下の映像の効果が効いたのか、我が領域にいる新帝国の派閥は次々と我が帝国に降伏してきました!」

 

 「そうか、これで、我が帝国に歯向かう新帝国派の反乱軍のほとんどは鎮圧したということだな!

 

 例のシュバルツ中佐もよく働いてくれたようだな!」

 

 「はい、彼が交渉相手になってくれたおかげで、上手く丸く収まりました。」

 

 「これで、残りは反乱軍の本体の同盟軍と新帝国、旧共和国派のみとなったか。」

 

 「ただ…」

 

 「ただ、なんだ?」

 

 「実は先ほど、皇帝陛下が反乱軍に敗れ、オメガレックスと共に南極の海に沈んでしまわれたとの報告もありました!」

 

 「な、何!? それは本当か?」

 

 「まだ、報告だけで、確かなことは…」

 

 「なんということだ! ところで、カーター大佐との連絡は?」

 

 「未だ、連絡がつかない状態ですが。」

 

 その時、カーター大佐のスナイプテラが総督府に離陸した。カーター大佐はスナイプテラから降り、アッカーマン中将のいる部屋に向かい、入った。

 

 「カーター大佐、ただいま、戻りました!」

 

 「一体、何をやっていたのだ?」

 

 「スナイプテラで、反乱軍の監視と制圧を行っていました!」

 

 「その割には随分遅かったじゃないか! まあ、いい。とにかく、君には私の許可が出るまで単独行動はするな! それに日頃の疲れもあるだろうから、ゆっくり休みたまえ!」

 

 「はい!」

 

 「まあ、君が不在の間、空きが出た君のキャノンブルの代わりのライダーが見つかったがね!」

 

 「え!」

 

 それを聞いたカーター大佐は驚愕した。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オメガレックスを南極に封じた後、ウィルたちは同盟軍本拠地に戻り、基地内でスミスの指揮の元、シーザー、ジャック、ゴルドの修理を行っていた。ストーム、クリス、クルーガーがスミスの横でその様子を見守る中、グラッドが現れた。

 

 「ドクター、シーザーたちの様子は?」

 

 「ゴルドは軽傷、ジャックはラダーソードが破壊され、羽と足がボロボロだが、命に別状はない。

 ただ、シーザーは直撃とはいかなくても、右半身を荷電粒子砲で丸々、A-Z機関砲と共に破壊されてしまったため、修理にはかなり骨が折れる状態っていったところだ。」

 

 「やはり、オメガレックスの荷電粒子砲の威力によるダメージが大きいか…、だが、何にせよ、オメガレックスは封じた! これで帝国の戦力はかなり落ちた。シーザーが出れない代わりに俺たちだけで何とか出来るだろう!」

 

 「しかし、シーザーの存在が大きかったから、同盟軍はここまでこれたし、それにエマちゃんがここにいれば、シーザーの傷も治せるじゃろうし…」

 

 「そう悲観的になるな! 誰かが欠けるなら、俺たちがその欠けた部分を補えばいいんだから! ところで、ウィルは?」

 

 「自室で引きこもっているよ!」

 

 「まあ、今回はあいつが勝手に単独行動をしたからな。 ストーム、リーダーで世話役のお前もちゃんとしてくれないと!」

 

 「まあ、そう言うな。 今回は仮に俺が引き留めてもどうせ、出撃しただろうし。」

 

 そこにジョンがドタバタと急いでグラッドたちの元に行き、

 

 「コマンダー! 大変です!!」

 

 「一体、何があった?」

 

 「西方付近にジェノスピノが現れたとの報告がありました!」

 

 「何!? ジェノスピノが! まずいな。 オメガレックスを封じて、シーザーが出撃出来ないこの状態でジェノスピノが再び帝国の手に渡ったら、ヤバいことになる!

 仕方ない! ストームは基地の司令を、クルーガーとジョン、スミスは基地の警備を任せる! 俺はケンや残りのメンバーと共にジェノスピノ回収に向かう帝国軍を迎え撃つ!」

 

 「ですが、コマンダー! 私もついていきます!」

 

 「お前はここのところ、出撃しっぱなしだから、少しの休息も必要だ! それに今回はどちらかというと戦闘に強い者じゃないと無理だ、お前はここで基地を守ってくれ!

 後、スミス! お前の自慢のスレイマーズも貸してもらうぞ!」

 

 「もちろん、OKじゃぞ! あいつらはワシが鍛えた最強の男たちじゃからな!」

 

 「よし、安心した! 最近、お前たちばかり出撃してあいつら基地の警備ばっかりでやたら不平不満飛ばしていたからな。助かったぜ!」

 

 「(コマンダー、そういうのはもっとオブラートに包みましょう。)」

 

 「よし、ケン、アレックス、アッシュ、スレイマーズ、ガノンタス、ラプトール、ラプトリア、スコーピア、カブター、クワーガ、トリケラドゴス隊は俺についていき、全軍、ジェノスピノ討伐に向かう!」

 

 用意するケン、アレックス、アッシュ、スレイマーズたちは、

 

 「ようやく、基地の警備から抜け出せたか。これで私の腕が再び試せる。」

 

 「へへへ、久しぶりに俺とウィーリーの頭突きでシャバに暴れまくるぜ!」

 

 「その石頭で余計なものまで壊すなよ!」

 

 「うるせぇ!」

 

 「ようやく、我らの出番か! 腕が鳴りますね。リーダー!」

 

 「ああ、まるっきり出番のなかった俺たちスレイマーズの見せ場がとうとうやって来たぜ! ようし、お前ら! ぜんぐ…」

 

 「同盟軍、出撃する!!」

 

 グラッドが先に口を開き、そのまま基地から出た。

 

 「て、おおい! せっかく我らの出番が来たのに、そりゃねぇだろう~!! 待たんか、コラー!」

 出撃する同盟軍を見たジョンにジェニファーが寄り添い、

 

 「もしかして、悔しいの?」

 

 「んなわけねぇだろ!」

 

 「もう、相変わらず、素直じゃないんだから!」

 

 「全く、お前のからかいには付き合いきれねぇぜ。」

 

 その時、兵士がストームたちの元に行き、

 

 「リーダー、ストーム! ビッグウィングと新帝国軍が我が基地に向かっています!」

 

 それを聞いたストームは、

 

 「前みたいに俺たちに助けを求めて来たのか? それとも… とにかく、全員、警戒体制を取れ!」

 

 「は!」

 

 

 

 ビッグウィングと過去の真帝国仕様の青いスナイプテラとキルサイスが同盟軍基地に離陸し、シーガル中将とアルドリッジ大佐が兵士たちと共に現れた。同盟軍兵士たちも銃を向ける中、ストームたちも現れ、

 

 「さて、今回はなに用かな? また、俺たちに助け船にでも求めて来たのかな?」

 

 シーガル中将は歯をくいしばり、

 

 「いえ、今回は我が新帝国皇帝メルビル二世陛下と侍女のコンラッド嬢からの要件でして…」

 

 「ほぉ、つまり、結局自分たちの組織だけでは戦えないから、結局俺たちと共同戦線を組みたいと言うことだね!」

 

 ストームの皮肉った言葉にシーガル中将は悔しがるように、

 

 「うぐぐ…」

 

 そして、後ろからユリスとエマが現れ、それを見たスミスは、 

 

 「おほぅ! ユリスちゃん、エマちゃん! ようやく、わしのところに戻って来てくれたのか! 会いたかったぞ~!!」

 

 エマとユリスの元に行こうとするスミスをストームはすかさず、手刀で気絶させ、

 

 「あぐ!」

 

 「ユリスに、エマ、よく戻ってきたな! それにしても、一体何故?」

 

 そこに悲しそうな表情をしたエマが、

 

 「ストームさん、お願いです! シーザーの元に行かせてください!」

 

 「シーザー…、てことは、もしかしてオメガレックスと戦ったことを知っているのか? まだ、他の地域では知らされていないはずなんだが…?」

 

 「とにかく、シーザーのところに! お願いします!!」

 

 「ん? ああ、 わかった。わかった!」

 

 倉庫内に入り、エマはシーザーのとこれに向かった。

 

 「待ってて、シーザー! 私が治して上げる。」

 

 ユリスは周囲を見渡し、

 

 「あの…ウィルはどこにいるんですか?」

 

 「ああ、自室にいる。」

 

 それを聞いたユリスはウィルのいる部屋に向かい、

 

 「ウィル!」

 

 「ユリスさん、どうしてここに?」

 

 「あなたのシーザーを助けに来たの。」

 

 「シーザーを?」

 

 「うん、今、エマがシーザーの元にいるの。」

 

 「エマが!」

 

 ウィルは慌てて、部屋を出、倉庫に向かった時にエマがシーザーの身体を優しく撫でていた。

 エマの左手がアーマーの剥がされたシーザーの身体に触れたその時、突然、シーザーの身体がオレンジ色に発光し、剥がされたアーマーが復元していき、シーザーの身体が再生していった。

 

 それを見たウィルたちは驚愕し、スミスは興奮して、

 

 「こ、これがゾイド因子の力か!?」

 

 「ゾイド因子の力?」

 

 「なんじゃ、ストーム、忘れたのか? エマちゃんの先祖は身体の一部にゾイド因子を持った人なんじゃぞ!つまり、その力を受け継いでいるんじゃ!」

 

 「知っているよ! 確かシーザーのかつての相棒なんだろ! でもその人確か1000年以上前の人だぜ! なんで1000年以上前の先祖の力を受け継いでいるんだ?」

 

 「だからじゃ、ゾイド因子は他の生物とは極めて複雑な構造をした遺伝子情報だから、それがそのままその子供には伝わることはできない。」

 

 「つまり隔世遺伝ってやつか。」

 

 「そうじゃ、ましてや、エマちゃんの先祖のレオ・コンラッドはまだそのゾイド因子を浴びて力を得たばっかりじゃったから、その力が覚醒するためには長い年月が必要じゃ!」

 

 「てことは、そのゾイド因子の遺伝の集大成がエマってことか!」

 

 「そういうことじゃ!」

 

 「あ、そういや、ユリスの先祖も過去の真帝国皇帝で、同じゾイド因子を持った人だったな! もしかして同じ能力を持っているのか?」

 

 「あ、そういえば、グラッドの話では、ユリスちゃんのディメパルサーがワイルドブラストした時、ファイナルマッドオクテットを書き消し、洗脳されたゾイドを正気に戻すマッドオクテットを放ったそうじゃが、もしかしたらそれもユリスちゃんのゾイド因子がディメパルサーに新たな力を与えかもしれない!  

 そもそもファイナルマッドオクテットもデスレックスのDNAから得たものじゃし! ん? そういや、エマちゃんとユリスちゃんの先祖のサリーちゃんやハンナちゃんは確か絶世の美女とも聞いたことがあるぞ!

 もしかして、エマちゃんとユリスちゃんはその先祖の容姿も受け継いだってことか! いやー、わし、なんて都合のいい時代に生まれてラッキーじゃあ! まあ、どうせなら先祖のサリーちゃんやハンナちゃんにも会いたいが…」

 

 ポカン! 

 

 ストームは呆れた表情でスミスを殴り、  

 

 「まあ、とにかくシーザーが治ったのは良かった。 だが、問題はこのあとだ! 俺たちはあのオメガレックスを封じたが、帝国にはダークライガーもいる。

 あいつも倒さないと帝国の戦力は更に増大してしまう!」

 

 「ストームさん、お願いです! レイルを救ってください!」

 

 「レイル? ああ、帝国の皇子のアーネスト・ギャラガーのことか!」

 

 「リーダーなら、あのダークライガーに勝てるんじゃないですか?」

 

 「確かに、そもそもあいつは洗脳されていたから、動きはだいたい読めるし、それにキングのワイルドブラスト状態でも勝てないレベルではなかったな! よし、わかった。奴のことは俺に任せろ!」

 

 「ちょっと待ってください!」

 

 声を上げたのはウィルだった。

 

 「ストームさん、ダークライガーは俺に任せてくれませんか?」

 

 「ウィル…確かにシーザーは治ったが、奴にはシーザーの戦闘データが入っている。また、やり合ったら同じ目に逢うだけだぞ!」

 

 「それでも、やらせてください! あいつは俺じゃなきゃ、駄目なんです!」

 

 「とはいっても…」

 

 「わしに任せろ!」

 

 「ドクター、何か策があるのか?」

 

 「来なさい! 実はジャックに装備した武器の他にも取って置きとして残した最強の兵器があるんじゃ!」

 

 ウィルたちはスミスについていって別の倉庫に入った。そこには見たこともないものがあった。

 

 「ドクター、これは?」

 

 「これはあの惑星Ziの最強兵器である荷電粒子砲に唯一対抗できるという強力なシールド、Eシールドを発生させる装置じゃ!!」

 

 「Eシールド? まさか、荷電粒子砲が最強の矛とするなら、最強の盾はEシールドと呼ばれたあのEシールドか!」

 

 「そうじゃ! これをシーザーに取り付け、新たな改造でシーザーを生まれ変わらせる!」

 

 「ていうか、お前、そんな便利なもんあるんだったら、何で、オメガレックス迎え撃つ時に出さなかったんだよ!?」

 

 「いや~、元々シーザーに付ける予定だったから、タイミングが悪くてな! さて、エマちゃん! また、手伝ってくれるか?」

 

 「はい!」

 

 「ようし、早速、こいつでシーザーを改造するぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 西方方面の辺境の地、デーニッツ中将の率いるディメパルサー、ディロフォス隊が何度も暴れまわるジェノスピノにマッドオクテットを放ち、キャノンブル、バズートル キルサイス隊が牽制砲撃をしたが、ジェノスピノはマッドオクテットすらも逆らい、暴走を続けた。高台でディメパルサーMk-Ⅱに乗っているデーニッツ中将とディメパルサートランスに乗っているドクターマイルスはその様子を見、

 

 「兵士によると、ずっとあの調子のようだ。何度もディメパルサー、ディロフォス隊のマッドオクテットを放っているが、ジェノスピノはそれでも怯まん!」

 

 「デスレックスと並ぶ伝説のゾイドというだけあって、通常のマッドオクテットは通用しない…ということか!」

 

 「しかし、あのジェノスピノには先帝陛下がお乗りになっていたはず、いくらバイザーが破壊されたとはいえ、陛下の力ならジェノスピノを抑えることはできるはずなのに!」

 

 「とにかく、まずはジェノスピノの動きを抑えることが先だ! お前のディメパルサーMk-Ⅱと私のディメパルサートランスはファイナルマッドオクテットが使える。それでジェノスピノの動きを抑える。

 では、行くぞ! ディメパルサー! 最大出力! ファイナルマッドオクテットー!!」

 

 ディメパルサーMk-Ⅱとディメパルサートランスのファイナルマッドオクテットが一斉に放たれ、同時にディメパルサー、ディロフォス隊のマッドオクテットもジェノスピノに直撃し、ジェノスピノの全身に火花が散り、ジェノスピノの目の色が消え、ジェノスピノはそのまま倒れた。

 

 「ふ、流石、デスレックスのDNAから得たファイナルマッドオクテットだな。あのジェノスピノすら黙らせるとは!」

 

 「ジェノスピノ、沈黙しました!」

 

 「よし、まず、コクピットにいる陛下の安否を!」

 

 兵士たちは倒れたジェノスピノのコクピットを確認するべく、コクピットを開閉したが、そこは信じられないような光景になっていて、兵士たちは恐怖で立ちすくんだ。ジェノスピノのコクピットにいたのはギャラガー三世ではなく、白骨化した遺体が座っていたのだった。

 

 「どうした?」

 

 「白骨です!」

 

 「何!?」

 

 「ジェノスピノのコクピットに白骨化した遺体が!」

 

 「な、なんだと! まさか、先帝陛下は完全に御隠れになったと!」

 

 「いや、その遺体が先帝陛下のものとは限らない! そのDNA情報を調べる必要がある。とにかく、私は本国の元帥閣下からクワーガ、キルサイス、スナイプテラ隊を借りて、ジェノスピノを本国にまで護送する準備をする。 デーニッツ中将は敵がいないか、周囲の警戒を!」

 

 その時、突然、周囲から攻撃がし、キャノンブル、バズートル、キルサイス隊が蹴散らされ、黒い影が現れた。黒い影の正体はデルだった。

 

 「ジェノスピノが現れたと聞いて来てみたら、やはり、予想は外れていなかった! オメガレックス討伐は果たせなかったが、ここで貴様らを全滅し、ジェノスピノを手に入れて帝国軍を完全に滅ぼす!」

 

 「あのガキ!」

 

 「デーニッツ中将、奴の注意を引き付けてくれないか? 実はジェノスピノの新たなライダーを見つけたんでな!」

 

 それを聞いたデーニッツ中将は、少し疑問を感じたが、ドクターマイルスの不敵な笑みを見て、

 

 「なるほど、そういうことか! わかった!」

 

 ディメパルサートランスは直ぐにその場を離れ、

 

 「ディメパルサー、ディロフォス隊! マッドオクテット放て~!!」

 

 ディメパルサー、ディロフォス隊がデルに向けてマッドオクテットを放つが、デルは瞬時にマッドオクテットが放たれる前に高くジャンプし、ディメパルサーMk-Ⅱの前に現れた。

 

 「貴様のファイナルマッドオクテットの厄介さは前の戦闘で立証済みだ! 貴様さえ、潰せば後は問題ない!」

 

 「ふん、ちょいと改造して力をつけてきたからといって随分なめられたものだな!」

 

 デルはディメパルサーに攻撃するが、ディメパルサーは瞬時に後ろを向き、尻尾で攻撃しようとする。しかし、デルはそれを避け、ディメパルサーのスペクターフィンを攻撃しようとする。

 だが、ディメパルサーの周りにシールドが現れ、デルは弾かれてしまう。

 

 「フフフ、私のディメパルサーMk-Ⅱがただ、ファイナルマッドオクテットが使えるというだけの代物だと思ったのか! 馬鹿め! ディメパルサーはマッドオクテットを放っている時、高周波パルスがバリアにもなれるという性質を応用してマシンブラスト発動すれば、常時高周波パルスによるシールドを展開させることが出来るのだよ!

 そして、デスレックスDNAを取り込んだことによってその戦闘力及びスピードも通常の数倍!!」

 

 ディメパルサーはシールドを展開しながら、デルにぶつけ、デルは吹っ飛ばされてしまう。

 

 「しかし、残念だったな! 我が帝国に入れば貴様も優秀な将校として出世出来たのに、あの脳ミソの硬い両親のおかげであんな目に逢うとは、ホントにどうしようもない親を持ってしまったものだ!」

 

 それを聞いたリセルはブチギレ、

 

 「何だと、 貴様ー!!」

 

 デルはディメパルサーに突進するが、デーニッツ中将はニヤリとし、同時にディメパルサートランスがデルの背後に現れた。リセルは焦ったような目をし、

 

 「し、しまった!」

 

 「感情任せになった貴様は余りに隙だらけだ。だが、私はその怒りを待っていた! ジェノスピノの真の本能を引き出すために! ディメパルサートランス! ファイナルマッドオクテットー!!」

 

 リセルとデルはディメパルサートランスのファイナルマッドオクテットをもろに受けしまう。

 

 「グワァァー!!」

 

 悲鳴を上げるリセル、その時、リセルの悲鳴がデスレックスの鳴き声に変わったかのように聞こえ、リセルとデルはそのまま倒れてしまった。

 

 「ドクター、もしかしてあなたが捜していた新たな駒とはもしかして…」

 

 「その通りだ! こいつはそのためにここまできたということだ! フフフフ、ハハハハハ、ハーッハッハッハッハ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リセルがドクターマイルスの手に墜ちる中、同盟軍基地では、遂にシーザーの改造が完了した。

 

 「遂に出来た! 最強の矛である荷電粒子砲に対抗できる最強の盾のEシールドを装備したシーザーの新たな姿の完成じゃあ~!!」

 

 新たに改造されたシーザーは金色のアーマーが迷彩色に変わり、A-Z機関砲は更に強力なキャノン砲になり、そして、アンカーも搭載された。シーザーの姿を見たウィルは、

 

 「これが…シーザーの新たな姿。」

 

 To be continued




 次回予告

 エマの力とドクタースミスの改造でより強力な姿に生まれ変わったシーザー、レイルを助けたいというエマの思いに応えるためにウィルはダークライガーの打倒に立ち上がる。
 そんなとき、ドクターマイルスがディメパルサートランスのファイナルマッドオクテットで洗脳されたリセルを捕らえ、回収したジェノスピノの修理と南極で発見したZFからZG完成の準備をする中、デーニッツ中将がドクターマイルスの代理としてZG完成のオーパーツを集めるためにダークライガーを引き連れ、ある遺跡に向かったことを知ったウィルはその場所に向かう。
 果たして、ウィルはダークライガーを倒すことが出来るのか!? そして、荷電粒子砲に対抗できる最強の矛を持ったシーザーの新たな力とは!?

 次回「決着、ダークライガー」

 本能を呼び覚ませ、ライガー!!
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