ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  
 新地球暦1245年、人とゾイドの共存が進む中、ネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が地球の8割を支配している時代、辺境の村に住むゾイド好きの少年ウィルはライジングライガーに進化した相棒のシーザーとかつてのシーザーの相棒の血を引く少女エマ、伝説のゾイドチームのリーダーの子孫であるストーム率いる同盟軍と共に、ゾイドと人々を帝国の支配からの解放と人とゾイドの共存のための戦いに身を投じていたのであった。


第37話「復活、二大破壊龍」

 ネオデスメタル帝国帝都メガロポリス、宮殿内で修復が完了したジェノスピノを見つめるドクターマイルスとタッカー元帥は、

 

 「再びジェノスピノが我が帝国の元に戻ったが、何故ライダーをあの小僧にした?」

 

 「研究の結果、ジェノスピノの本能は怒りによるものだという結果が出ました。」

 

 「怒りだと?」

 

 「以前、復元した時の実験の際に何人かのライダーが発狂して暴走したことがあり、それによるとジェノスピノは乗り手に潜む怒りを爆発し、それによって自身の闘争本能を呼び覚まし、性能を引き出すとのことです。」

 

 「しかし、先帝陛下は…」

 

 「先帝陛下はそもそも冷静で感情の衰えが全くなく、更に帝王ギャラガー一世様と同等かそれ以上の腕でジェノスピノの性能を引き出していたわけで、それ以外の人間が乗るなら、誰かを憎み、怒りの感情を露にしている者が適任とし、実際、例の新帝国の反乱軍が復活させようとしている旧帝国にも似たような前列もあります。」

 

 「なるほど、だから、我が帝国に恨みを持つあの小僧を洗脳したわけか。」

 

 その時、オメガレックスが親衛隊とグレッゲル准将率いる部隊と共に宮殿に入り、ガネストはオメガレックスのコクピットから降りた。タッカー元帥はガネストの元に行き、

 

 「皇帝陛下! ご無事でしたか!!」

 

 「うん、しばらく動けなかったけど、ようやく出れたよ! ちょっと寒かったけど…」

 

 「元帥閣下!」

 

 「おお、グレッゲル准将か! よくやった。」

 

 「南極で氷付けにされたところを発見し、陛下はオメガレックスと共に自力で抜け出してそこを確保しました。」

 

 「流石陛下だ! やはり我がネオデスメタル帝国のギャラガー王家はやはり最強にして崇高なる血筋を引くものばかりだ!これで我がネオデスメタル帝国は不滅になったのだ!」

 

 「ところで、ボクがあそこにいる間、随分賑やかになってきたそうだね。 ダークライガーとアーミテージまでやられて、ボクの出来損ないのコピーが裏切って反乱軍に寝返ったそうだね。」

 

 「申し訳ありません! 陛下。何せ例のライガーがEシールドを装備して更にパワーアップしたものですから…」

 

 「へぇ~、そうなんだ。面白そうだね。正直あのライジングライガーは歯応えがなかったからね。 あれの相手には飽きてきたからね。 そういえば、ジェノスピノも復活したんだよね?」

 

 「はい、もちろんです! これで反乱軍に十分対抗できます!」

 

 「ふ~ん、それじゃあ、面白いゲームが出来そうだね。」

 

 「ゲーム…とは?」

 

 「ボクのオメガレックスとあのジェノスピノのどちらかがあのライガーと反乱軍を潰せるか勝負するんだよ。

 ジェノスピノのライダーとして洗脳したあのウルフに乗ってた奴の実力がどれ程か知りたいしね。」

 

 それを聞いたドクターマイルスは、

 

 「ところで、陛下。 そのゲームに何を賭けるんですか?」

 

 「う~ん、そうだね。 じゃあ、負けた奴は電流でお灸を吸うのはどう? 面白そうでしょ?」

 

 それを聞いたグレッゲル准将がちょっと想像してゾッとした。

 

 「そいつが勝ったら、そいつをボクの親衛隊に入れてあげるとしよう。ま、そいつがボクに忠実になっているように洗脳していれば…だがね。

 さて、ボクは風呂に入ってから準備をしよう。あそこに何時間も固まっちゃったから、身体が冷えちゃったからね。」

 

 そう言ってその場を去るガネスト、グレッゲル准将はタッカー元帥に近付き、

 

 「元帥閣下、ちょっとよろしいでしょうか?」

 

 「なんだ?」

 

 「実は先ほど、オメガレックスの荷電粒子吸入ファンを調査したところ、反乱軍のソニックバード以外にも他のゾイドに撃ち抜かれた跡がありまして、それによると…」

 

 「何!本当か!? どうやら、我がネオデスメタル帝国に裏切り者が現れたそうだな。」

 

 「いかが致しましょう?」

 

 「ふ、まあ考えておくか。それにギレル少尉ももはや反逆者となっているのだからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同盟軍本拠地、シーザーたちゾイドが保管されている倉庫では、ギルラプターエンペラーにレイルとエマが、シーザーとベティにウィルとカティアがそれぞれメンテナンスを行っていた。

 レイルがギルラプターエンペラーを優しく撫でて、エマが嬉しそうに見ていた。ギルラプターエンペラーはレイルの胸に当て、

 

 「うわ、どうしたんだ? ギルラプター。」

 

 「ふふ、ギルラプターはあなたと一緒にいて嬉しいのよ。」

 

 「そうか、今までお前を見棄てて御免よ。ギルラプター。でももう大丈夫だ! お前は僕の相棒だから。」

 

 そこにぬっとドクタースミスが現れ、

 

 「いや~、ホントに可愛いお2人じゃあ! ギャラガー殿下! わしに何か出来ることあらば、何なりとお命じになってください!何なら、可愛いお2人さんの結婚の仲人と式の牧師をこのわしが…」

 

 「いや、いいよ! それに僕の名前はレイルで、もう帝国の皇子じゃないから。」

 

 「え、てことはこれからは殿下と呼べず、名前を変えることになるのか?」

 

 「もう僕は帝国とは決別したからね。でもそれでも僕は帝王ギャラガー一世の血を引く者だけど。」

 

 「でも、いずれエマちゃんと結婚するから、レイル・コンラッドになるのか?」

 

 「でもそれだと、エマの弟と同じ名前になるからちょっと…」

 

 「じゃあ、代わりに私がつけてあげる。レイル・ボーマンでどうかしら? 私の先祖の祖父の名前なんだけど…」

 

 「ギャラガーの名は捨てたくなかったけど、エマがせっかくつけたんだし、そうするよ!」

 

 「では、ボーマン殿下! わしに何か出来ることあらば、何なりとお命じください!」

 

 「だから、殿下はやめてよ!」

その様子を見たグラッドとストームは、

 

 「ウィルもエマもすっかり元気になったそうだな。」

 

 「まあ、愛する人物が側にいるようになったからな。」

 

 「ん? ああ、もしかして、リーダー! 嫉妬してるのかな? 弟子だけいい子が見つかって!」

 

 「そう言うな。第一俺の嫁はもっと気の強い女にすると決まっているかならな!」

 

 「お、言うじゃねぇか!」

 

 「俺の先祖の嫁はフリーダム団のメンバーで整備士だが、やたら滅法気の強い女でな!そのおかげで先祖もフリーダム団のリーダーとして統制を取ることができ、

 それ以来、フリーダム団リーダーの名を汚さないためにブレダ家の嫁は気の強い女にしろ!ってちょっとした伝統を作って、それ以来俺の先祖の嫁はほとんど気の強い女で、

 俺のおふくろも若い頃は勝ち気な性格で、俺が小さい頃、イタズラした時、こっぴどく叱られたこともあったよ!

 親父も俺に嫁貰うなら、必ず強い女にしろ!嫁が強ければ、自分も強くなる。ゾイドも同じだ! 自分が強ければ、相棒も強くなれる!ってな。」

 

 「へぇ~、そんなことがあったなんて意外だったな!」

 

 「だから、俺のキングはここまで強くなったんだ!」

 

 「まさか、嫁探しと相棒探しを一緒にかけるとはな。で、どうなんだ? いい女は見つかったのか?」

 

 「いや、同盟軍の指導者として戦ってそんな暇なかったからな! この戦いが終わったら、世界を旅してゆっくり探してみるよ。」

 

 「お前らしいな。」

 

 その時、ジョンがバタバタと現れ、

 

 「リーダー! コマンダー! 大変です!!」

 

 「どうした?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウィルとストームたちは司令室に向かい、状況を聞いた。

 

 「オメガレックスとジェノスピノが復活した!?」

 

 それを聞いて驚愕する一同、

 

 「はい、実は南極に閉じ込めたはずのオメガレックスが氷付けになりながらも自力で動き、荷電粒子砲で抜け出したとのことで、更にジェノスピノの修復が完了し、オメガレックス率いる親衛隊とジェノスピノ率いる帝国の正規軍がメガロポリスから出撃して進行したとの報告がありました。」

 

 「なんてこった。せっかくのPGM-11もクリスとジャックの苦労が無駄になっちまったぜ!」

 

 「それにしても、南極で氷付けにされても自力で脱出するなんてなんて奴だ!」

 

 「ところで、ジョン! ジェノスピノも修復したらしいが、一体誰が乗っているんだ? いくらあのネオデスメタルでもまともに乗れるライダーはそうそういないと思うが…」

 

 「実は…ジェノスピノのライダーは……リセルです!」

 

 それを聞いたウィルたちは驚愕し、司令室のドアの前にいたユリスもそれを聞いて青ざめた。

 

 「あいつが…ジェノスピノのライダー? しかし、何故あいつが?」

 

 「それはわかりません。ですが、既にジェノスピノはオメガレックスと共に帝国の正規軍を率いてメガロポリスから出ました!」

 

 「まあ、グズグズ考えても仕方ない。よし、ではそれぞれオメガレックスとジェノスピノを迎え撃つかで別れる。俺はウィルと共にオメガレックスを、グラッドはジェノスピノを、あいつは元々お前の弟子だからな。あいつのことは任せた!」

 

 「ああ、少々骨が折れるが、あいつの目を覚まさなきゃな!」

 

 そこにレイルとユリスが現れ、

 

 「あの、ストームさん。」

 

 「なんだ?」

 

 「ジェノスピノには僕も行かせてくれませんか? 僕も力になりたいんです!」

 

 「行けるのか?」

 

 「ウィルとエマが僕を助けてくれた借りを返すためにも、ウィルが僕を救ったように僕もあいつを助けたいんです!」

 

 「君のギルラプターエンペラーは確かに強い。だが、ジェノスピノはあのデスレックスに次ぐ最強クラスのゾイドだ!」

 

 「わかってます。覚悟の上です!」

 

 「わかった! では、レイルはグラッドと共にジェノスピノの討伐を命じる!」

 

 「あの…私も連れて行ってください!私もリセルを助けたいんです!」

 

 「いや、危険過ぎる。君のディメパルサーのレナはそもそも戦闘向きじゃないし、それに相手はジェノスピノだ!レナが殺される可能性もあるし、それにレナのマッドオクテットは既に帝国軍に対策されているため、恐らく帝国軍には通用しないからな。それに君は新帝国の皇帝だから、危険な目に遭わせるわけにはいかない! 悪いが、ここで大人しくしてくれないか。」

 

 「わ、わかりました。」

 

 「よし、では、全軍出撃する!」

 

 ウィルとストームたちは同盟軍基地から出撃し、それぞれジェノスピノ、オメガレックスの向かった場所に向かった。ユリスは部屋の窓からその様子を見、

 

 「リセル…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 およそ数キロ走ったところ、レイルとグラッドはジェノスピノ率いる帝国の正規軍が攻撃している都市に着いた。そこでは、ジェノスピノがA-Z高熱火炎放射とロングキャノンで街を破壊していった。

 

 「よし、レイル! お前のことを見込んでジェノスピノはお前に任せる。 俺は残りの雑魚を片付ける。」

 

 「わかった。」

 

 ギルラプターエンペラーは暴れまわるジェノスピノの方に向かったその時、黒い影がギルラプターエンペラーにぶつかり、ギルラプターエンペラーは倒れてしまった。

 

 「これはこれは、アーネスト・ギャラガー元殿下!」

 

 目の前にいたのはバイザーを取り付けられ、ネオデスメタル帝国のエンブレムを張られたデルだった。そしてそのコクピットに乗っていたのはデーニッツ中将だった。

 

 「お前は…デーニッツ!」

 

 「おやおや、まさか、栄光あるネオデスメタル帝国の第一皇子たる元殿下が反乱軍に寝返る等、これでは崩御なされた先帝陛下もさぞお嘆きでしょう!」

 

 「僕は僕のやり方でいく! もう帝国には縛られない!!」

 

 「愚かな…」

 

 もうスピードで攻撃するデル、ギルラプターエンペラーはそれを避けようとするが、デルのスピードに追い付けず、攻撃を喰らってしまう。

 

 「そのハンターウルフは…」

 

 「ああ、お気付きですか。そうです。あそこでジェノスピノに乗って暴れまわっている小僧のゾイドを私専用に改造したものです。」

 

 ギルラプターエンペラーに襲いかかるデル、それを見たグラッドはレイルを助けに行こうとするが、多数のキルサイスの攻撃で手がつけられなくなる。ギルラプターエンペラーは攻撃を避けながらもデルに攻撃しようとするが、デルに全て避けられ、

 

 「どうしました? 殿下。逃げてばかりでは私には勝てませんよ!」

 

 「く! なんてスピードだ! それに攻撃が当たらない。」

 

 「フフフ、このハンターウルフはパワー重視に改造されていたから、ドクターマイルスが帝国の最新技術で更にスピードを上昇させる改造を施したのです。

 つまり、このハンターウルフはパワー、スピード共に完璧なゾイド!

 そして、私は四天王の1人ですから、元皇子であるあなたのことは十分に熟知している。つまりあなたの攻撃パターンは全てわかっている。 あなたには勝ち目はない。ジェノスピノに触れることなく、私に敗北する。」

 

 「何!?」

 

 デルはギルラプターエンペラーに突進し、更にギルラプターの動きを抑え、口でギルラプターエンペラーの首に噛みついた。

 

 グオ~!!

 

 悲鳴を上げるギルラプターエンペラー、

 

 「レイル! くそ、数が多すぎる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、ウィルとストームが向かったガネスト率いる親衛隊は別の都市にいて、粗方破壊していった。オメガレックスの横にはドライパンサーG3もいた。

 

 「さて、例のライガーは来るのかな? ボクのオメガレックスとどっちが強いか早く試したいよ!」

 

 「陛下。お言葉ですが、少し注意を払った方がよろしいかと。あのライガーはEシールドを搭載し、ダークライガーとアーミテージを…」

 

 「わかってるよ! だったら、尚更楽しそうじゃない! 前なんか全然歯応えなかったからね。それにEシールドを持ってそんだけ強いならオメガレックスの本気も出せるってことになるしね!

 ボクのオメガレックスの荷電粒子砲にどこまで耐えれるかな?」

 

 その時、シーザーとキング率いる同盟軍が到着し、

 

 「オメガレックス! 俺が相手だ!!」

 

 親衛隊のゾイドがシーザーに向けて構える中、

 

 「いいよ。手は出さないで! あれはボクの獲物だから。 フッフッフッフ!!」

 

 オメガレックスはシーザーの前に出、

 

 「ようやく、出てきたみたいだね! ボクもあの寒苦しいところからやっと出れたよ! しかもその間にダークライガーとアーミテージのスティレイザーまで倒したそうだね。

 つまり、これでようやくオメガレックスの力を試すことが出来るようだね。 ま、せいぜいボクの期待を裏切らないようにしてね! でないと面白くないからさ!」

 

 それを聞いたウィルは、

 

 「力を試す? 期待を裏切る? 面白くないだって!?

 お前、そんなことして一体何人の人々とゾイドを殺してきたんだ!?」

 

 「何言ってんの? そんなの決まっているじゃない! ボクの楽しみを増やすためだよ!

 それにボクはネオデスメタル帝国の皇帝だよ! だから、ボクが世界一強いってことを馬鹿な奴らに証明しなきゃならないからね。 ボクと帝国に逆らう馬鹿な奴らにね! ハハハハハハ!!」

 

 笑い上げるガネストにウィルは飛行ユニットを装備したオメガレックスが荷電粒子砲で空中から無差別に都市を破壊し、野生動物と野生ゾイドのいる森まで荷電粒子砲で焼き払ったことを思い出し、ゾイドキーとコクピットの操縦捍を強く握り、

 

 「シーザー、行くぞ!」

 

 シーザーはEシールドを張り、そのままオメガレックスに向かって突進し、シーザーはオメガレックスの顔に殴るかのように前足でパンチした。オメガレックスは足を崩し、よろめく。

 

 「皇帝陛下!」

 

 ガネストはまるで実際に顔を殴られたように感じ、頬を撫でる。すると、ガネストはニヤリと笑い、

 

 「この感じだ! 戦うために生まれたゾイドに乗ってゾイド同士の攻撃を自分も受ける。そうだ!これだ! これこそ、ボクの望んでいたことだ! キミなら、ボクとオメガレックスの力を十分に発揮出来る!!」

 

 それを聞いたストームは、

 

 「なんて奴だ。強いゾイドを手に入れ、それをオモチャのようにし、強いゾイド同士の戦いを楽しむ。 奴はまるで生まれながらの戦闘マシーンか!?」

 

 ウィルはコクピットの中でブルブル震え、

 

 「そんなことのために、そんなことのためにあれだけのゾイドと人々を殺したのか!!」

 

 「だから、なんだ? そんなもん、ゴミに等しい命だろ! ボクはキミのような強そうなゾイドと戦うためにここまで来たんだよ!!」

 

 「お前……最低だ!!」

 

 「最低か……このボクに向かってそんな口を言うとはね。ちょっとイラついてきた。決まりだ! キミはここで殺しちゃお!」

 

 「お前は許さない! ウォー!!」

 

 シーザーはオメガレックスに向かうが、オメガレックスは前足でシーザーの身体を掴み、

 

 「さっきは油断したけど、今度はそうはいかないよ!」

 

 「俺のシーザーはもう今までとは違う!」

 

 「おい、待て! ウィル! いくらパワーアップしたからといって闇雲は…」

 

 シーザーの元に行こうとするキングの前にドライパンサーG3が現れ、

 

 「おっと、そうはいかないよ! せっかくの陛下のお楽しみを邪魔させるわけにはいかないからね。 あんたあたしが直々に始末させて上げる! 以前はアーミテージが倒されたから、一時撤退したけど、今度はそうはいかないよ!!」

 

 「仕方ないようだな! だが、俺のキングはそう倒されはしないぜ!!」

 

 「でもあんたは帝国にとっては目障りな存在、潰して上げるわ! ドライパンサー! 兵器 解放! マシンブラストー!! ドライスラッシュ!」

 

 「キング! 進化 解放! エヴォブラストー!! キングオブクローブラスト!」

 

 シーザーを足で踏みつけようとするオメガレックスはシーザーはすかさずEシールドで防ぐ。オメガレックスはそのままEシールドを張ったシーザーをグリグリし、押し潰そうとする。

 

 「へぇ~、確かに固そうだね。どこまで耐えられるかな?」

 

 オメガレックスはそのまま体重をかけ、シーザーの身体が地面に盛り込んでいく。

 

 「う、ぐ…」

 

 オメガレックスは足をどけた瞬間、シーザーを蹴った。吹っ飛ばされるが、Eシールドで何とかダメージを防ぐ。

 

 「ふぅ~ん、思ったより固いんだね。 じゃあ、そろそろ行くよ!」

 

 オメガレックスはシーザーに向けて態勢を取り、

 

 「まさか!」

 

 「ボクのオメガレックスの荷電粒子砲にどれだけ耐えられるか実験しよう。 オメガレックス! 兵器 解放! マシンブラストー!!」

 

 マシンブラストしたオメガレックスはシーザーに向けて荷電粒子砲を撃つ態勢を取る。それを見たストームは、

 

 「ウィル!」

 

 「どこを見ている! お前の相手はあたしだ!」

 

 ドライパンサーG3の攻撃を避けるキング、

 

 「オメガレックス! ファイヤー!!」

 

 シーザーはすかさずEシールドを張り、オメガレックスの荷電粒子砲がシーザーに直撃する。しかし、シーザーのEシールドは荷電粒子ビームを真っ二つに切り裂いた。

 

 「ふ、どうやら、俺が助けにいくまでもなかったな!」

 

 「凄いぞ、シーザー! やっぱりお前は凄いよ!」

 

 シーザーはウィルの言葉にうなずく中、ガネストは拍手しながら笑った。

 

 「ハハハハハハ! 凄い、凄い!Eシールドって結構固いって聞いてたけど、ここまでとは思わなかったよ! 前なんか一発でダウンしちゃったけど、まさかその一発を止めることが出来るなんて凄いよ!」

 

 それを見たストームは、

 

 「なんて奴だ。荷電粒子砲を破られたにも関わらずそれを喜ぶなんて!」

 

 「いや~、あの寒いとこからようやく出られたかいがあったよ! ホント、キミ気に入ったよ! これでボクもようやく本気を出せる。さあ、、もう一発喰らいなよ! オメガレックス、ファイヤー!!」

 

 ガネストの狂気的な表情をした瞬間、オメガレックスはもう一発荷電粒子砲を撃った。シーザーは間一髪でEシールドを張り、攻撃を防いだ。ガネストは不気味な笑みを浮かべ、

 

 「フフフフフ、これでオメガレックスの力と荷電粒子砲の威力を存分に味わえるね! さて、キミは後何発喰らったら死ぬのかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シーザーがオメガレックスの荷電粒子砲を耐える中、別の都市では、ギルラプターエンペラーとデルが戦っていた。

 

 「くそ、これでは不味い! 行くぞ、ギルラプター! 切り刻め、ギルラプター! 俺の魂と共に、本能 解放! ワイルドブラストー!! 」

 

 「ほう~、デスブラストではなく、ワイルドブラストをするとは!」

 

 デーニッツ中将はディメパルサートランスに取り付けた装置をデルに取り付け、

 

 「ハンターウルフ、洗脳 解放! マインドブラストー!!」

 

 「真・瞬撃殺!!」

 

 「フルハウリングショット!!」

 

 ワイルドブラストしたギルラプターエンペラーとデルの攻撃がぶつかり合い、2体はその衝撃で共に吹っ飛ばされる。

 

 「く、強い!」

 

 「どうやら、アーミテージを倒した実力は伊達じゃなかったようですな!」

 

 レックスはキルサイスやディロフォス、キャノンブルの猛攻を避けながら、ジェノスピノに攻撃するが、ジェノスピノは街の破壊に気を取られていて、見向きもしない。

 

 「くそ、全く注意を引き付けられねぇ。それにしてもあいつ一体どんな洗脳を受けたんだ!?」

 

 レックスの攻撃に気付き、レックスを見たリセルは、

 

 「あれは、破壊する! 俺の前に立ちはだかる者は全て破壊する! ウォォー!!」

 

 ギュオォー!!

 

 リセルの叫び声と共にジェノスピノも咆哮を上げる。

 

 「ジェノスピノ! 兵器 解放! マシンブラストー!! ジェノサイドクラッシャー!!」

 

 マシンブラストしたジェノスピノは帝国軍のディロフォス、キルサイス、キャノンブルを蹴散らし、ジェノソーザーの刃をレックスに向けた。

 

 「やべ!」

 

 レックスは間一髪で避けるが、ジェノスピノはそのままギルラプターエンペラーとデルの元まで行った。

 

 「ヤバ!!」

 

 レックスはその後を追いかけ、ジェノスピノが近付いたことに気付いたデーニッツ中将は、

 

 「おっと、これは不味い!」

 

 デルはその場を離れ、レイルもそれに気付くが、時既に遅く、ジェノスピノのジェノソーザーがギルラプターエンペラーの直ぐそこまで迫っていた。

 

 To be continued




 次回予告

 シーザーとギルラプターエンペラー、そしてキングたち同盟軍のゾイドの力で何とかジェノスピノとオメガレックスを退けることに成功することに成功したウィルたちだったが、スピリットライガーになったシーザーといえどもオメガレックスを倒すことは不可能でオマケにジェノスピノまでいるため、打開策が中々見つからないウィルたち。
 そこで旧共和国のデルタがかつて旧共和国がオメガレックスを迎え撃ったグラビティキャノンを同盟軍最強のゾイドであるクルーガーのゴルドに装備させることを提案するが、グラビティキャノンは威力が高い代わりに発射できる弾数がかなり限定されるため、有効な手を考えなければならないことになる。
 しかし、その時、クルーガーに策があった。果たしてその策とは!?

 次回「グラビティキャノン始動」

 本能を呼び覚ませ、ライガー!!

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