ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  
 新地球暦1245年、人とゾイドの共存が進む中、ネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が地球の8割を支配している時代、辺境の村に住むゾイド好きの少年ウィルはライジングライガーに進化した相棒のシーザーとかつてのシーザーの相棒の血を引く少女エマ、伝説のゾイドチームのリーダーの子孫であるストーム率いる同盟軍と共に、ゾイドと人々を帝国の支配からの解放と人とゾイドの共存のための戦いに身を投じていたのであった。


第39話「迎え撃て、二大破壊龍」

 旧ネオヘリックシティで侵攻してくるジェノスピノ率いる正規軍とオメガレックス率いる親衛隊による帝国軍の連合軍の規模を知ったウィルやストームたちは、

 

 「おいおい、それって桁が違いすぎじゃねぇか。」

 

 「1人につき、10体を倒さなきゃならないってことか…。どうする?クルーガー。」

 

 「敵にはディメパルサー部隊もかなり導入しているとは、こちらに何か策があると予想してそれだけの部隊を出したってことか…

 仕方ない。ここは一度奪還したとはいえ、ネオデスメタル帝国に占領されてから、かなり荒れている。住民の避難は既に完了しているし、復興は戦いが終わった後でも十分だ。なら、思いきった作戦に切り換える!」

 

 「その作戦とは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジェノスピノ率いる帝国の正規軍とオメガレックス率いるギャラガー親衛隊は旧ネオヘリックシティに向けて進行していった。

 

 「さて、ようやく楽しいゲームが始まる。キミ、さっき暴走したけど、大丈夫かい?

 もし、これでしくじったら電流でお灸を吸う罰ゲームを喰らってキミの地位も危なくなるよ! キミが狙っていたライガーだってボクが殺しちゃうけど、それでもいいのかい?」

 

 ジェノスピノのコクピットにいるリセルは無言でいた。

 

 「ボクとは口を聞きたくない…そんなところか! まあ、いいや、精々ボクの期待を裏切らないようにしてね!」

 

 ジェノスピノ、オメガレックスが旧ネオヘリックシティに着いた時には街には誰もいず、静まりかえっていた。

 

 「あれ、ボクたちを呼び出しといてまさか、逃げちゃったの?」

 

 その時、シーザーとキングがジェノスピノとオメガレックスの目の前に現れた。リセルはシーザーを見て操縦捍を強く握り、

 

 「シーザー…」

 

 「ようやく出てきたね! でもまさかたった2体でボクたちと戦うつもり? そんなんじゃ、また、前の二の舞だよ!」

 

 「だから、お前たちにいいステージを与えてやるんだ。ついてこい!」

 

 そう言ってキングとシーザーはそのまま走り去った。

 

 「何考えているか知らないけど、精々ボクをつまらない気分にさせないでね!」

 

 オメガレックスとジェノスピノがキングとシーザーの後をついて走る中、ベケット少佐のドライパンサーG3やデーニッツ中将のデルもついていこうとするが、ガネストは待ったをかけ、

 

 「いいよ! ついてこないで。あれはボクの獲物だかららさ! フフフ。」

 

 追ってくるオメガレックスとジェノスピノを見たストームは、

 

 「よし、作戦通り、オメガレックスとジェノスピノだけついていっている。 ウィル! 手はず通りにやるぞ!」

 

 「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベケット少佐率いる親衛隊とデーニッツ中将率いる帝国の正規軍が荒廃した旧ネオヘリックシティで様子を伺っている中、スミスのグソックとスレイマーズのラプトリア、スコーピア、クワーガ、ラプトールが現れた。

 

 「帝国軍共! 来やがれ、最強のゾイドハンター、スレイマーズが相手だ!!」

 

 それを見たデーニッツ中将とベケット少佐は、

 

 「何かと思えば、こういうことですか…」

 

 「まあ、いいわ! どうせ全員我が偉大なるネオデスメタル帝国に刃向かった罰として始末すればいいんだし!」

 

 「り、リーダー。 ホントに大丈夫なんですか?」

 

 「だ、大丈夫だ。多分…(軍勢が予想以上に多かったから、作戦変更してジェノスピノ、オメガレックスを引き付ける囮役から外されたが、まさか、逆に帝国の連合軍の囮役になるとは、あの人、鬼だ。

 だが、殿下とエマちゃん、ユリスちゃんのためにも男の意地を見せてやる!) 行くぞ、お前ら!!」

 

 「オオォー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 旧ネオヘリックシティから少し離れた開けた場所にキングとシーザーはジェノスピノとオメガレックスを誘導した。キングとシーザーはジェノスピノとオメガレックスの真正面に対峙し、

 

 「ここなら、誰にも邪魔されないし、思う存分、戦える。悪くはないだろ?」

 

 「ふぅ~ん、何を企んでるか知らないけど、とにかく、戦いやすいステージまで送ってくれたのは礼をいうよ!

 ところで、キミたち2人だけでボクたちと戦うつもりかい? どうせなら、他のメンバーまとめてかかってきてもいいけど。」

 

 「いいや! 俺とウィルの2人だけさ!勝負はフェアじゃないとね。」

 

 「ふぅ~ん、戦争にフェアもくそもないと思うけど、まあ、いいや! じゃあ、ボクはあのライジングライガーと相手してもらうよ!」

 

 シーザーの前に行こうとするオメガレックスにキングが立ち塞がり、

 

 「何のつもりだい?」 

 

 「お前に前世の記憶があるかどうか知らないが、お前にとって一番潰したい奴はこの俺とキングだろ!」

 

 「どういうことだい?」

 

 「なんだ、知らねぇのか。 俺の先祖と俺の相棒は200年前、お前の前世を倒してネオデスメタル帝国の前身たる旧デスメタル帝国を壊滅した伝説のゾイドハンターとライガーだぜ!」

 

 「ちょっと待ってよ!ストームさん。オメガレックスは俺がやります! いくらあなたでも、オメガレックスが相手じゃ…」

 

 「いや、あいつは俺にとっても因縁のあるやつだ! 俺の先祖が倒した帝王ギャラガー一世の生まれ変わりが現れ、そして、新たなデスメタル帝国を築いたなら、その落とし前は子孫である俺がきっちりつけなきゃな!」

 

 「で、でも!」

 

 「お前はむしろかつての仲間を救うのが最優先だ!以前は俺の助けもあってジェノスピノを倒したが、今のお前とシーザーなら、俺の助けがなくてもジェノスピノを倒せる。

 前にダークライガーに支配されたレイルを救ってやったようにリセルを救ってやれ!」

 

 「わかった!」

 

 「よし、腹は決まったな!では行くぞ!キング!!」

 グオォー!!

 

 「キング! 本能 極限解放!!」

 

 コクピットでゾイドキーを差し込んだ時、キングの身体からオレンジ色の閃光が走り、キングの身体が透明状になり、発光した。ウィルと周囲の岩山で隠れて攻撃の出方を見ているグラッドやレイルたちも驚愕した。

 

 「あ、あれが、ストームさんとキングの本能極限解放…。初めて見た!」

 

 「驚いたか? ウィル。」

 

 極限解放したキングを見たガネストは、

 

 「ああ、思い出した! キミ、ボクをデスレックスと共にデスロッキーにつき落とした奴だな!」

 

 「ようやく、思い出したか! これでお前との因縁に決着をつけるときだ。」

 

 「望むところだね!」

 

 オメガレックスが猛スピードでキングに突進し、キングはそれを上回る速度で避けた。

 

 「かわした!?」

 

 キングはオメガレックスの足元に噛みついた。

 

 「ふん!」

 

 オメガレックスはそれを凪ぎ払おうとするが、キングは直ぐに離し、再び態勢を整え、もう一度突進する。

 

 「キングオブクローブラスト!!」

 

 オメガレックスはギリギリで避けるが、その衝撃波を喰らってよろけてしまう。

 

 「ちぃ、なら、噛み付いてあげるよ!」

 

 オメガレックスは態勢を整え、猛スピードでキングに突進し、キングを喰わえようとするが、キングはそれを間一髪で避ける。

 しかし、オメガレックスは瞬時に避けたキングを尻尾で凪ぎ払った。流石のキングも避けられず、直撃してしまうが、ストームとの勘が一体化したように瞬時に一回転し、地上に着地し、落下を防いだ。

 

 グオォー!!

 

 ギュオォー!!

 

 互いに咆哮し、向かい合うキングとオメガレックス、それを見たウィルは唖然としていた。

 

 「凄い…。 ストームさんとキングはあのフリーダム団リーダーのアラシの子孫だから強いとは聞いていたけど、ここまでとは…、それに父さんの話では極限解放は卓越したライダーとゾイドが完全に気持ちを一緒にした時でないと発揮することが出来ず、発動した時間はかなり限られるのはにキングとストームさんはまるで何ともないような顔をしている。」

 

 そんなウィルとシーザーをジェノスピノのコクピットから見ていたリセルは、

 

 「シーザー…、ウィル…、お前らは、目障りなんだよ! お前らさえいなければ! ウォー!!」

 

 ジェノスピノは闘争本能を剥き出しにし、A-Zロングキャノンと頭部のバルカンをシーザーに撃ち込んだ。気付いたウィルとシーザーはそれを避ける。

 

 「うう、うう~。ウォー!! ジェノスピノ! 兵器 解放! マシンブラストー!! ジェノサイドクラッシャー!!」

 

 「しまった!」

 

 ウィルは頭部のバルカンとA-Zロングキャノンを避けた後にマシンブラストしたジェノスピノの動きに付いていけず、ジェノソーザーが目の前に来てしまった。

 ウィルはEシールドを展開するスイッチを押せなかったが、その時、シーザーが自分の意思でEシールドを展開し、ジェノスピノのジェノソーザーを防いだ。

 

 「ありがとう、シーザー。」

 

 グルル…

 

 ウィルの言葉に応えるシーザー、

 

 「貴様らだけは、貴様らだけは俺が倒す!」

 

 

 崖の中に隠れたグラッドたちがその様子を見る中、ギルラプターエンペラーがちょっと前に出て、

 

 「そろそろ出ないと、ウィルが…」

 

 「待て! まだ早すぎる。」

 

 「で、でも!」

 

 「今は敵にシーザーとキングだけだということを見せてその後にゴルドのグラビティキャノンを当てやすいようサポートするのが俺たちの役割だ!

 まだ出るときではない。 なあに、大丈夫さ! 仮にジェノスピノがパワーアップしたとしてもウィルとシーザーはデスロッキーでの戦いよりずっと強くなっている。負けるわけがないさ!

 しっかし、キングの極限解放を見るのは俺も初めてだが、まさか、あれほどとは! オメガレックスもあのギャラガー四世の力で本来の性能を上回っているにも関わらず、互角に戦っていて、しかもまるで何事もないような表情をしながら、戦っているとは!

 あいつ、暫く不在の間、修行して強くなりやがったな!」

 

 レイルは戦うキングを見て、

 

 「あれがキング、ワイルドライガーの極限解放…、僕の前世を倒した姿…。」

 

 「ところで、ユリス! ゴルドのグラビティキャノン装備はまだなのか?」

 

 「今、エマが調整しているところです。」

 

 「何とか、頼むぜ。ここで失敗したら、全てがパーになってしまう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 旧ネオヘリックシティの街ではドクタースミスやスレイマーズたちがベケット少佐率いる親衛隊とデーニッツ中将率いる帝国の正規軍と交戦していた。スレイマーズのラプトリア、スコーピア、クワーガ、ラプトールらが親衛隊と正規軍のキャノンブル、バズートル、キルサイス、ディロフォスと戦っていた。

 

 「ディメパルサー隊、マッドオクテット放てー!!」

 

 親衛隊と正規軍のディメパルサー隊がマッドオクテットを放とうとしたその時、地面から無数のグソックが現れ、ディメパルサー隊のマッドオクテット発動を阻止した。

 

 「何だ! このグソックは?」

 

 「このグソック、まさか、ドクターマイルスが言っていたあの黒いグソックが使役している野生のグソックか!?」

 

 「中将、これでは我がディメパルサー隊の攻撃が封じられてしまうぞ!」

 

 「心配はない。キルサイスSS隊!グソックを始末しろ!」

 

 デーニッツ中将の命令を受け、キルサイスSS隊は光学迷彩で姿を隠した。ディメパルサー隊がもう一度マッドオクテットを放とうとした時、野生のグソックが現れるが、光学迷彩で姿を隠したキルサイスSSが地面から現れたグソックたちを捕獲した。

 

 「しまった! わしの同士のグソックたちが…」

 

 「アッハッハッハ! これで邪魔者はいなくなったわね。全ディメパルサー隊、マッドオクテット放てー!!」

 

 「いかん! 皆、直ぐに退避するんじゃ!」

 

 「はい、リーダー!」

 

 親衛隊と正規軍の全てのディメパルサーのマッドオクテットが放たれたその時、スミスのグソックとスレイマーズのゾイドたちは直ぐ様野生のグソックたちが現れた穴に逃げ込んだ。

 

 「ち、あの小賢しい雑魚の作った穴を使って逃げたか。それにしても、反乱軍はあいつらだけなのかしら?」

 

 「わからん、だが、あの程度の数で我が帝国の連合軍を相手にする等、正気の沙汰ではない。

 全軍、警戒態勢をとれ!周囲に敵がいないか、調査すろ!」

 

 「は!」

 

 各軍のゾイドが調べる中、スミスとスレイマーズたちは穴の中で、

 

 「リーダー、ちょっと不味いんじゃないですか!」

 

 「いくら、俺たちでもあの数は無理っすよ!」

 

 「なにへこたれとるんじゃ! こんなのまだまだほんの序の口じゃ! わしらはまだ負けんぞ!」

 

 「でも、流石に多勢に無勢ですよ。やっぱり援軍を呼んだ方が…」

 

 「駄目じゃ、駄目じゃ! わしらは連中を引き込むための足止めとしていかなければならない。

 こんなところで、へこたれたら、殿下やエマちゃん、ユリスちゃんのためにならない! 何としても持ちこたえるんじゃ!」

 

 「なあ、グリード。これって俺らには無理じゃねぇか?」

 

 「なんだかんだ言っているが、結局リーダーは殿下たちの元にいるために戦っているだけでしょ!」

 

 「んだんだ。」

 

 「なんか言ったか?」

 

 「いえ、別に!」

 

 「さあ、もう一度張りきっていくぞ!!」

 

 「お…おぅ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シーザーはジェノスピノのジェノソーザーを避けたり、Eシールドで防いだりしたが、ジェノスピノの猛攻に翻弄されていた。

 

 「リセル、お前は洗脳されているだけだ!目を覚ませ!」

 

 「黙れ! お前を倒す!」

 

 「くそ、」

 

 シーザーはジェノスピノの攻撃を避けながら、A-Zグレネードランチャーを撃ち込んだ。

 シーザーとジェノスピノが戦い、キングもオメガレックスと激しい攻防を繰り広げた。

 

 「あのワイルドライガー、何も装備していないから、こちらも格闘戦のみでやっているが、まさか、ここまでとは!

 しかも、極限解放してても全くスタミナが減っている様子がないし、このまま長期戦になると、こっちが危ないな。とすると、ちょっと戦術変えてみるか!」

 オメガレックスはキングに突進しながら、A-Z6連誘導ミサイルを撃ち込んだ。

 

 「なるほど、格闘戦で挑みつつ、武器を使う戦法か、ならば!」

 

 キングは撃った6発の内、2発をタテガミクローで一刀両断し、残り4発はキングを追いかけ、キングはそのままオメガレックスに向かって行った。

 

 「ふん、こっちに来てギリギリになったところをかわしてミサイルをボクに当てるつもりだろうけど、それは読んでいるよ!」

 

 オメガレックスはキングに対地対空両用速射砲を撃ち込んだ。キングはそれを猛スピードで避け、更にオメガレックスの足元に回り、そのまま走って行った。オメガレックスは4発の誘導ミサイルを避けきれず、直撃してしまう。

 

 「ふぅ、まあ、流石にこの程度の攻撃で死ぬわけないが、オメガレックスの動きは完全に見切った。」

 しかし、煙が晴れた先には、マシンブラストしたオメガレックスが荷電粒子砲を撃つ態勢を取っていた。

 

 「何!?」

 

 「残念だったね! さっきの攻撃は全部荷電粒子砲を撃つための準備だったんだよ! いくらキミでもオメガレックスの荷電粒子砲には耐えられない。 オメガレックス、ファイヤー!!」

 

 オメガレックスの荷電粒子砲をキングは避けるが、オメガレックスは荷電粒子砲を撃ちながらそのまま移動し、岩山を破壊していった。

 

 そして、その先にはグラッドのレックスたちがいて、

 

 「不味い! 一旦退避だ!」

 

 レックスとギルラプターエンペラーは瞬時に避けるが、レナだけは間に合わず、荷電粒子砲で破壊された瓦礫と共に落ちてしまった。

 

 「キャアァー!!」

 

 「しまった!」

 

 「うん?」

 

 ガネストは落下したレナに気付き、

 

 「へぇ~、まさか、他にも獲物がいたなんてね。 ちょうどいいや! あいつをオメガレックスの餌にしよ!」

 

 オメガレックスはレナに荷電粒子砲の照準を合わせた。

 

 「オメガレックス、ファイ…」

 

 「真・音速殺!!」

 

 「ファイナルガトリング!!」

 

 ギルラプターエンペラーとレックスの攻撃をオメガレックスが直撃し、オメガレックスの荷電粒子砲が別の方向に向かった。

 

 「姉さん、大丈夫?」

 

 「ありがとう、レイル、大丈夫よ。」

 

 「ち、クルーガーはまだなのか!?」

 

 「へぇ~、これはちょうどいいね。まさか、ボクの劣化コピーまで来てくれるなんて! ライガーはボクの獲物だけど、キミもボクの獲物だよ!

 そもそもボクはキミが許せないんだよ。ボクよりオリジナルに近いキミをね!」

 

 「くそ、仕方ない。ちょっと早いが、俺たちもやるぞ!」

 

 「全員で来るの? いいよ! ライガーばっかじゃ、楽しくないからね。」

 

 その時、ズシンズシンと巨大な足音がし、崩れた岩山からグラビティキャノン2門を装備したゴルドが現れた。

 

 「皆、待たせたな!」

 

 「へ、遅すぎだぜ!」

 

 「へぇ~、これはまた面白くなりそうだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同盟軍の基地で、シーガル中将とアルドリッジ大佐がその様子を見ていて、

 

 「中将、よろしいんですか?」

 

 「構わん、精々あいつらはネオデスメタル帝国を潰し、我が新帝国のために利用させてもらうだけだ! ところで、シュバルツ中佐は?」

 

 「は、未だ報告が…」

 

 「全く、一体何をしているのだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時同じくに南方総督府にルメイ大将が到着し、アッカーマン中将のいる部屋に入った。

 

 「中将、それではカーター大佐を取り調べのため、帝都に送ります。」

 

 「わかった。」

 

 しかし、その時、兵士が現れ、

 

 「大将、大変です!」

 

 「どうした?」

 

 「総督府の何処にもカーター大佐の姿がありません!そればかりか、スナイプテラも!」

 

 「何だと!?」

 

 「大将、スナイプテラがキャノンブルと共に逃走しました!」

 

 「くそ、やはり、あいつが犯人だったようだな。全軍、スナイプテラとキャノンブルを直ちに追え! 私もスナイプテラ3Sで出る!」

 

 ルメイ大将が部屋を出た後、アッカーマン中将は、

 

 「シュバルツ中佐、何とかやってくれたようだな。後は私と親しくしているあの軍事企業のところまで無事に着けることを祈る。

 四天王と呼ばれた私でも今の帝国の在り方を変えることは出来ないが、彼らとカーター大佐、シュバルツ中佐なら、やってくれる。私はそう信じているよ。」

 

 To be continued




 次回予告

 遂にグラビティキャノンを装備したゴルドが動き出し、ジェノスピノとオメガレックスに放つ作戦に出る。ユリスはレナのマッドオクテットを通じてリセルを説得しようとするが、リセルは依然としてウィルとシーザーを憎む心で一杯で聞く耳を持たない。
 そして、キングはグラビティキャノンを撃ちやすいようにオメガレックスを引き寄せるが、ガネストはストームたちに何か策があることに気付き、攻撃の矛先をゴルドに向けた。
 そんな中、ドクターマイルスに動きが見られ…

 次回「狙い撃て、ゴルド」

 本能を呼び覚ませ、ライガー!!

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