ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

42 / 55
 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  
 新地球暦1245年、人とゾイドの共存が進む中、ネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が地球の8割を支配している時代、辺境の村に住むゾイド好きの少年ウィルはライジングライガーに進化した相棒のシーザーとかつてのシーザーの相棒の血を引く少女エマ、伝説のすのリーダーの子孫であるストーム率いる同盟軍と共に、ゾイドと人々を帝国の支配からの解放と人とゾイドの共存のための戦いに身を投じていった。
 だが、ネオデスメタル帝国では着々と地球を壊滅させる程の力を持つ史上最強のゾイドが復活しようとしていた。


第42話「ギルラプターの男」

 ギルラプターエンペラーをた助けた赤いギルラプターはドクターマイルスのゼロファントスにも攻撃した。

 

 「音速殺!!」

 

 赤いギルラプターの目にも止まらぬスピードによる攻撃でドクターマイルスのゼロファントスに一撃を喰らわす。ゼロファントスはイヤーシールドで防いだが、少し後退した。

 

 「この威力は! そうか、貴様、例の奴か!」

 

 赤いギルラプターに乗っているライダーは返答せず、増援に来たラプトールたちを呼び、放った煙幕で辺りが全て見えなくなった。全ての煙が晴れた後には赤いギルラプター及びシーザーたちの姿はなかった。

 

 「ち、逃がしたか! それにしても、あのギルラプター、何処かで見たことあるが、そうか、あいつか!

 これで奴も我が帝国から逃げられることは出来なくなったわけだな。

 だが、その前に欠けたZGの最後のゾイドコアのパーツを回収しなくてはな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 海上では、クリス率いる同盟軍とルメイ大将率いるスナイプテラ3SとキルサイスSS隊が交戦していたが、同盟軍が圧倒的に劣勢に陥っていた。

 

 「リーダーやコマンダーからの連絡はまだか!?」

 

 「それが…何度も通信を開いているのですが、全く応答がありません!」

 

 「くそ、こっちは多勢に無勢、明らかに不利だ!海中に入ったシーザーたちの行方もわからないし…」

 

 「隊長! ここは一旦撤退を! もうこれ以上は持ちこたえられません!」

 

 「仕方ない、ジャックもあのスナイプテラの攻撃を数発喰らってボロボロだ。ここは基地に一旦撤退して態勢を立て直すしかない。 全軍撤退だ!」

 

 ジャックとカブター、クワーガ、クワガノス隊は旧共和国の戦艦と共にそのまま撤退していった。

 

 「ルメイ大将、反乱軍が撤退していきます。」

 

 「ふん、流石に我が軍に敵わぬと見たと判断したようだな!」

 

 「追いますか?」

 

 「いや、構わん。それより、あの船を爆発させろ!」

 

 「は!」

 

 キルサイスSS隊は旧デスメタル帝国の爆弾を設置し、船を爆破させた。

 

 「これで、旧デスメタルの遺産は守られた。」

 

 その時、スナイプテラ3Sのコクピットから通信が入った。通信の相手はドクターマイルスだった。

 

 「ドクターか。反乱軍なら、撤退し、予定通り、船は爆破させた!そちらは?」

 

 「こちらも予定通り、ZGの欠けたゾイドコアのピースを回収し、キルサイス部隊で帝都に送った。研究所は元帥殿やデーニッツ中将に任せているから、後は完成を待つだけだ。 だが、獲物は逃がしてしまったがな。」

 

 「あのライガーとガキ共か!」

 

 「ああ、それもあの例のギルラプターの男に邪魔されてな!」

 

 「コープス・ブレイン社の御曹司か…確か、隠密基地に改造した別荘に隠れ住んでいたんだな。

 よし、では、私があの財閥に乗り込んで居場所を炙り出す。」

 

 「いや、無理だ。奴の居場所は財閥の連中すらも知らない。だが、その場合も考えて、ゼロファントスに一度捕らえたギルラプターエンペラーに例の小型スパイゾイドを取り付けておいた。場所はもう特定している。」

 

 「では、早速総攻撃を…」

 

 「いや、襲撃は夜明け前にする。奴等に安息の隙を与えないようにするのだ。それに夜はお前のスナイプテラとキルサイスのステルス性能を存分に発揮できる独壇場だ。

 そして、私のゼロファントス部隊も合わせれば容易に落とせる。」

 

 「なるほど、では、夜に総攻撃を開始する。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ウィル、ウィル!」

 

 ウィルの名を叫ぶ声を聞いてウィルは目覚めた。ウィルはホテルの一室のような部屋のベッドで寝ていて、横にはエマとレイル、カティア、ユリスがいた。

 

 「エマ、皆! ここは? あれ、身体がなんともない。」

 

 「お前の身体にワクチンを打っておいた。お前が喰らったバイオアシッドの毒は欠けた不完全なパーツから発生したもので、バイオアシッドの毒を応用したレーザーキャノンも装甲を貫いたが、辛うじてお前やライガーのゾイドコアには直撃しなかったから、幸い、そこまで強いものではなく、あのライガーも直ぐに完治した。」

 

 「じゃあ、シーザーは無事なんですか!!」

 

 「ああ、問題ない!」

 

 「ありがとうございます!」

 

 「お礼なら、俺のジャンに言え。あいつがお前らを助けるってしつこく要求してきたからな。」

 

 「ジャン? 俺のギルラプターの名前だ!」

 

 しばらくして、ウィルやストームたちは助けてくれた人物と共に食事をしていた。

 

 「いや~、しっかし、お前に助けられるなんて思わなかったよ!」

 

 「助けた~? 大体お前があんなところに来なければ、ネオデスメタルの連中とまた面倒なことになるとこだったぞ!」

 

 ストームと話す人物を見たウィルは、

 

 「ストームさん、誰なんですか?」

 

 「ああ、紹介する。俺の旧友のカールトン・ドレイク。コープスブレイン社の社長だよ!」

 

 「コープスブレイン社って、世界的に有名なあの大財閥ですか?」

 

 「何だ? エマ、知ってたのか!」

 

 「はい! 野生のゾイドや野良ゾイドを保護しているボランティアに参加しているって聞きました!」

 

 「ドレイクは行き場のない野生ゾイドや帝国から脱走して野生化した野良ゾイドを保護していて、現在、ゾイド保護団体にも入っている。

 俺がクルーガーと会って同盟軍を結成する前の仲でもあったが、俺が同盟軍の指導者になってから関係は絶ってしまったがね。」

 

 「ふん、てめえがネオデスメタルと戦争をおっ始めるから、そうなったんだよ! 俺まで巻き込まれるのは後免だからな!

 にしても、先祖のアラシはフリーダム団のリーダーとして旧デスメタルを倒した英雄で、子孫のお前は同盟軍という反ネオデスメタルのレジスタンスのリーダーか…相変わらず、お前の家はヒーローごっこがお好きなようだな!」

 

 「口が悪いぞ!ドレイク。」

 

 「ドレイク? その名前、どっかで聞いたような…」

 

 「ああ、そうじゃ! 思い出した!! 確か、お主の先祖はフリーダム団のメンバーで、元旧デスメタル四天王だった男じゃろ!

 確か、その異名は…え~と、なんじゃったっけ…しゅん…しゅん…春菊のドレイク!!」

 

 「瞬擊のドレイクだ!!」

 

 「あれ? 確か俺も春菊だって聞いた気がするが…空耳かな?」

 

 「てめえら! 黙って聞いておけば…」

 

 「そうムキになるな。 春菊!」

 

 「瞬擊だ!! てめえはわざと言ってんだろう!!」

 

 「まあ、おふざけはこの辺にして…、それにしても、お前がなんでこんなところにいるんだ? しかもこんな軍事基地のようなところで?」

 

 「そうじゃ、中は一見豪華ホテルのようじゃが、外ではあの海底神殿みたいに誰にも発見されないような海岸沿いの下の洞穴のところにあって、しかも世話しているのはどれも高度なロボットで、全員銃を所持していて、入口で厳重に警備している等、明らかに隠密基地のようなところに大企業の御曹司がいるなんておかしいじゃろ!」

 

 「デスレックスのことを色々調べたら、面倒なことになったんだよ!」

 

 「デスレックスを?」

 

 「200年前、帝王ギャラガー一世が操るデスレックスをお前の先祖のアラシが一度説得することに成功したことに少し疑問が出たんだよ。

 デスレックスはかつて古代秘宝Zと呼ばれていたが、世界の半分を壊滅した最強の破壊龍として恐れられた最凶のゾイドでもある。

 あのオリジナルデスメタルキーの影響で暴走したこともあるかもしれないが、そもそもそのキーは何処の技術を持って開発したのか、何故デスレックスがあそこまで恐れられる凶悪なゾイドなのか、俺の代まで調べてきた。

 そして、遂にその詳細を突き止めた後、あのドクターマイルスとかいうネオデスメタルの科学者に付きまとわされてな。面倒なことにならないよう、会社を副社長に任せて、隠密基地に改造したこの別荘で隠れ住むはめになっちまったんだ!」

 

 「で? 一体何を突き止めたんだ?」

 

 「実はゾイドクライシス以降に現れたデスレックスには世界を壊滅させる程の力はなく、そればかりか、あのジェノスピノやオメガレックスよりも劣るスペックだった!」

 

 「まさか、オメガレックスがデスレックスの突然変異種だというように、あのデスレックスも突然変異種だというのか?」

 

 「だが、それもただの突然変異種じゃない。どうやら、ジェノスピノやオメガレックスすらも凌駕する強大なゾイドのゾイド因子を受け継いだ最強のデスレックスだということが判明した。」

 

 「そのゾイドとは?」

 

 「名は…ゼログライジス。」

 

 「ゼログライジス? 」

 

 「6500万年前にこの地球に初めて現れた最凶のゾイドだ!」

 

 「ちょっと待て、ゾイドが初めて地球に現れたのは1200年以上前のゾイドクライシス以降からじゃなかったのか?」

 

 「いや、正確にはゼログライジスが地球に来て、最初に地球に来たゼログライジスのゾイド因子の影響を受けてゾイドクライシスの後に初めて本格的にゾイドが現れたということだ。

 そして、ゼログライジスはある連中によって一度復活し、地球を壊滅寸前に追い込んだが、ライオン種とその他のゾイドと死闘を繰り広げ、封印されることになった。」

 

 「それが、帝国が復活させようとしているZGの正体か。」

 

 「そして、そのゼログライジスを封印し、世界を救ったライオン種とその他のゾイドは地球と人類を救った英雄、人類の宝庫として語り継がれるようになった。

 しかし、ゼログライジスは封印される直前、予め、大陸にいたデスレックスに自らのゾイド因子を植え付け、そのデスレックスを分身として自身の復活を画策した。

 そして、数十年後、ワイルド大陸に国家を築いた君主はデスレックスを手に入れ、オリジナルデスメタルキーを開発し、デスレックスをデスブラストさせ、大陸を制圧し、更には世界を支配するべく、大陸外にも侵略の手を伸ばし、旧帝国と旧共和国に宣戦布告した。

 そして、両国を制圧し、その君主は世界を支配する寸前までいったが、デスレックスは逆にその君主に牙を向け、君主が支配する国家を壊滅させた。

 君主はデスレックスの暴走を止めるべく旧帝国、旧共和国から選りすぐりの生け贄を差し出した。他の生け贄はデスレックスに喰われたが、ある1人だけはデスレックスの暴走を止め、更に絆まで結んだ。

 どうやら、そいつは体内にゾイド因子を持った人物で、その力でデスレックスと意志疎通し、デスレックスを説得したらしい。そして、デスレックスは大人しくなり、生け贄の人間はデスレックスの力で世界を平穏にし、その時からデスレックスは古代秘法Zと呼ばれた。 

 だが、デスレックスは自分のものだと主張する君主は納得がいかず、武力でその人物からデスレックスを奪い返し、再びデスブラストしたが、再び暴走して遂に世界の半分を壊滅させた。

 しかし、生け贄の人物の友人がゼログライジスを封印した古代秘法Zの一体のゾイド因子を受け継ぐワイルドライガーと共にデスレックスと死闘を繰り広げ、デスレックスは活動を停止し、デスロッキーに封印され、そして、その数百年後、帝王ギャラガー一世の手で復活したが、再びそのライガーに敗れ、また封印されることになって今に至る。そして、そのワイルドライガーがお前のキングだ!」

 

 「なるほど、古代秘法Zはデスレックスだけではないとは聞いてはいたが、他はゼログライジスを封印した地球を救ったゾイドで、俺のキングはそのゾイド因子を受け継ぐゾイドの王だったのか!」

 

 その時、ウィルが口を開き、

 

 「ちょっと待ってください! そのライオン種ってもしかして…」

 

 「ああ、確か…名前はビースト、ライジングライガーって言ってたかな。」

 

 「そうか、シーザーは古代秘法Zだったのか! そして、

俺のキングの親戚で、お前が次の救世主ってことだな!」

 

 「そんなことありませんよ! ストームさん。」

 

 「ところで、デスレックスの暴走は?」

 

 「どうやら、デスレックスが暴走した原因はオリジナルデスメタルキーと同時に封印されたゼログライジスがデスレックスに内在するゼログライジスのゾイド因子を呼び覚まして暴走させたようで、ゼログライジスはデスレックスの力でゾイドクライシスのように一度世界を破壊し、壊滅した地球を自らが支配する新世界に変えようと復活を虎視眈々と狙っていたようだが、生け贄の人間とキングの力でその力を抑制されて、復活を阻止されたようだがな!」

 

 「ゼログライジスがその時代に知られなかったのはそのためで、そして、そのデスレックスを分析し、ゼログライジスの存在を知ったネオデスメタル帝国がそいつを復活させようとしているってことか。」

 

 「だとしたら、不味いぞ! ゼログライジスがどれ程の力を持っているのか正確にはわからないが、あのジェノスピノやオメガレックスより強いってことは、今の俺たちでは絶対に手に負えないことになるぞ! それにデスレックスまで加わったら…」

 

 「ドレイク、俺たちに力を貸してくれないか?」

 

 「悪いが、断る!これ以上、面倒なことに巻き込まれるのはゴメンだからな!

 それにお前たちが欲しがっていた情報は話してやったんだ。後は帰ってくれ。お前たちのせいで帝国にここを突き止められたらかなわんからな。」

 

 「何言ってんだ! これは俺たちやゾイド、世界全体の問題なんだぞ!!」

 

 「だからって、それがどうした? ネオデスメタルの目的は世界の支配、世界を破壊するなんてバカなことはしないし、それに仮に倒してもどうせ、帝国と共和国が復活してまたゾイドクライシス以降みたいなバカな戦争やって同じこと繰り返すことにになるだけだ!

 俺みたいに支配を受けない暮らしをすれば気楽にいけるだろうに、ホントバカな奴らだ!」

 

 「け、何だかんだ言って所詮はネオデスメタルに恐がってこそこそ隠れるネズミ野郎じゃねぇか!」

 

 「ふん、ネオデスメタルを倒すために戦っているお前たちも皇帝すらなれなかったそこの落ちこぼれプリンスを仲間にして何のつもりだ? 

 帝国に見棄てられたから、引き取ったってことか? いいボランティアだね~。」

 

 それを聞いたレイルは少し驚き、エマやユリスも悲しそうな表情をし、それを見たスミスが怒り、

 

 「この無礼者!殿下を侮辱することはわしが許さんぞ!!」

 

 ストームがスミスに待ったをかけ、

 

 「まあ、待て! なあ、ドレイク、頼むよ!」

 

 「まあ、ゼロファントスの影響で通信が使い物にならなくなったらしいし、今晩くらいは泊めてやる。 だが、用が済んだらさっさと帰れ!」

 

 そう言ってドレイクは部屋から出た。

 

 「全く、あの春菊野郎め! 殿下を侮辱しやがって!」

 

 「そう言うな! あいつは面倒なことに巻き込まれるのが嫌いで、かつて先祖が旧デスメタルで色々な目に逢わされたこともあったから、その影響もあるのさ!」

 

 「だが、どうする? 通信はまだ効かないし…」

 

 「とりあえず、ここにある資材を借りるよう、ドレイクに頼んでみる。

 とにかく、俺とグラッドはクリスやクルーガーたちと連絡を取れるよう頑張ってみる。ウィルや皆はゆっくり休んどいてくれ。 ここは温泉もあるから、ゆっくり出来るだろう。」

 

 「でも、ストームさんだけ置いといて俺たちだけ休むなんて…」

 

 「ウィルは毒が治ったばかりだから、お前はむしろ休んで養生した方がいいし、それにこれは俺たちの専門で、手伝うまでもないから、安心して休め!」

 

 「ようし、では、殿下はわしと一緒に温泉に入って背中流しっこしましょう!」

 

 ポカン!!

 

 「てめぇはサウナに入っていろ!!」

 

 レイルは少し落ち込んだ表情をし、それを見たエマは、

 

 「どうしたの、レイル?」

 

 「え? いや、なんでもないよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウィルたちが温泉に入って、疲れを癒し、専用部屋で寝るようになった深夜、ストームとグラッドは通信機の修理を終えた。

 

 「よし、これで、クリスたちと連絡を取り、基地に帰るだけだ。」

 

 「今すぐにでも連絡を取りたいところだが、」

 

 「ところで、レイルは?」

 

 「さっきまでウィルたちと一緒にいたんだが…」

 

 レイルはガラス越しにいる野生ゾイドたちを見詰めていた。

 

 「僕は本当にこれでいいんだろうか…父上に見離され、エマと一緒にいるようになって帝国と戦うようになったけど、本当にこれで…」

 

 そこにギルラプターエンペラーが現れ、考え事をするレイルにそっと寄り添った。

 

 「ギルラプター、ありがとう。僕は大丈夫だよ!」

 

 その時、ドレイクとギルラプターのジャンが現れ、

 

 「こんなところで、何をしているんだ? 帝国のプリンスさんよ!」

 

 「別に、あなたには関係ないことじゃないですか!」

 

 「そうでもないさ、俺のジャンが気になってるからな。 お前のギルラプター、帝王ギャラガー一世のゾイドだろ!

 そいつはジャンの兄弟分で俺の先祖の相棒だったギルラプターを殺した奴だが、デスレックスを手に入れたギャラガー一世に見棄てられ、俺の先祖のゾイドとなってレジスタンス鎮圧に向かった際、デスメタルへの忠誠とジャンの兄弟分を殺した贖罪のためか、自ら自爆して殉教した。そして、今でもその記憶を捨てきれないようだな!」

 

 「何が言いたいんです?」

 

 「最初、お前と会った時は現皇帝の四世同様、一世みたいな奴かと思っていたが、どうやら違ったようだ。

 お前もそのギルラプターと同じ立場のようだな! ネオデスメタルを正義として信じ、父親である先帝ギャラガー三世を尊敬して認められるために戦ったが、逆に弟を皇帝にして、簡単に見棄てられ、信じる者を失ったが、それでもネオデスメタルの皇子として捨てきれず、一時は自害を覚悟していたんだろう?」

 

 それを聞いたレイルはしばらく黙っていた。

 

 「ストームたちのおかげで、お前はあの時のギルラプターエンペラーみたいに殉教することはなくなったが、これからお前はどうするつもりだ?

 レジスタンスとしてこのまま生まれすんでいた帝国に牙を向き、戦うのか?」

 

 「そ、それは…」

 

 その時、警報が鳴った。

 

 「非常事態発生! 非常事態発生!」

 

 「ち、まさか、帝国軍か!? お前との話は後回しにする!」

 

 ドレイクはその場を去り、司令室に入り、司令室のロボットに、

 

 「帝国軍か!? 規模はどれぐらいだ?」

 

 「霧の中に隠れていて、敵の戦力は不明です!」

 

 「霧…ってことはさっきのゼロファントスか!バズートル隊で応戦しろ!」

 

 司令室にウィルやストームたちも入り、

 

 「どうした? ドレイク、」

 

 「全く、てめぇら助けたせいでここの居場所を奴等に知られてしまったよ!」

 

 基地の前に出たバズートル隊は霧の中に向かって攻撃するが、ドクターマイルス率いるゼロファントス部隊は攻撃の届かないところにいた。

 

 「フフフ、この前は神殿の中だったから、ゼロファントスの力を存分に発揮出来なかったが、今回は存分に味わえる。 ゼロファントス部隊、ゼロブラスト発動!」

 

 他のゼロファントスに乗っている機械兵たちは、

 

 「ゼロファントス、原始 解放! ゼロブラスト-!! ディゾルボム!」

 

 ゼロファントス部隊が紫色に発光した時、ゼロファントスは長い鼻で背中の爆弾を持ち、それをバズートル隊に向けて投げつけた。

 ゼロファントスが投げつけた爆弾でバズートル隊はたちまち全滅した。

 

 「バズートル隊、全滅しました!」

 

 「くそ、」

 

 「俺が行ってきます!」

 

 「待て、ウィル! 敵は霧の中に隠れていているんだぞ! 下手に動いたら奴らの罠にかかる恐れもある。」

 

 「でも…」

 

 ゼロファントスのディゾルボムが基地の強固な扉を破壊し、キルサイスSS隊が入って行った。

 

 「敵、基地に侵入しました!」

 

 「仕方ない、シェルターに逃げる! ここにいる野生ゾイドを避難させ、お前たちはここで奴らを出来る限り、食い止めろ!」

 

 「それが、シェルターが作動しません!」

 

 「何!?なんでだ?」

 

 「どうやら、敵の工作を受けたようで…」

 

 シェルターの壁には小型昆虫型ゾイドが装置をジリジリと破壊していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 基地に侵入するキルサイスSS隊が基地内のラプトール隊を撃破しているのを見たドクターマイルスは、

 

 「フッフフフ、スパイゾイドを送ったのは場所を特定するだけではない! シェルターがあることを想定して予め細工をしておいたのさ! 

 さて、ルメイ大将、後は貴様の出番だ! ゼロファントス部隊後退しろ!」

 

 スナイプテラ3Sで上空からゼロファントス部隊を見たルメイ大将は、

 

 「なるほど、あれがゼロファントスか! これは素晴らしい性能だ。ジェノスピノやオメガレックスがいずとも十分反乱軍を制圧出来る戦力だ!

 

 スナイプテラ3S隊、キルサイスSS隊、爆撃開始!!」

 

 基地の上空にいるスナイプテラ3SとキルサイスSS隊は無数の爆弾を基地に向けて落とした。

 基地は一気に爆風に飲み込まれ、基地内で交戦していたラプトールとキルサイスSSも爆発に巻き込まれ、基地は一瞬で跡形もなく破壊されていった。 周囲には逃げ遅れた野生のゾイドたちの亡骸がゴロゴロ転がっていた。

 ゼロファントス部隊は破壊された基地の元に歩き、ドクターマイルスのゼロファントスが野生のラプトールの頭を踏み潰し、

 

 「ふ、流石の反乱軍もこの爆撃でただではすまん! 例え、生きててももう死にかけだ! フフフフフ、ハーッハッハッハッハッハ!!」

 

 パオォ~!!

 

 ドクターマイルスの高笑いが跡形もなくなった基地に響き渡り、同時にゼロファントスも咆哮を上げた。

 

 To be continued




 次回予告

 ドクターマイルス率いるゼロファントス軍団とルメイ大将率いるキルサイスSS、スナイプテラ3S隊の襲撃に遭い、その爆撃で、ドレイクの別荘が破壊された。
 ウィルやレイルたちはなんとか爆撃から逃れるが、皆散り散りになって別れてしまった。
 レイルはドレイクと共にウィルやエマたちを捜すが、そこにグラビティキャノンを喰らってオメガレックスが使い物にならなくなったイライラを解消するためにガネストがギルラプタージョーカーを率いてレイルたちに襲いかかってきた。
 パワーはレイルのエンペラーが上だが、レイルより戦闘経験が高く、更に知性の高いジョーカーの猛攻を受け、苦戦してしまう。
 一方、レイルの苦戦を見るドレイクは…

 次回「ダブルギルラプター」

 本能を呼び覚ませ、ライガー!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。