ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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  ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  新地球暦1245年、世界はネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が支配していた。
  各地で帝国の支配に抵抗するレジスタンスが立ち上がり、帝国とレジスタンスが激しい戦争を繰り広げている戦乱の時代となっている中、帝国に捕らえられていたビーストライガーにシーザーと名付け、相棒となった少年ウィルは謎の少女エマと共に冒険の旅に出掛けた。  


第5話 「赤い翼」

  ブリューゲル大尉の操るガブリゲーターMk-Ⅱを撃破し、奴隷となった人々とゾイドを解放したウィル達だが、そのまま帝国軍に追われることとなった。

 後ろには、ラプトール、ディロフォス、キャノンブル等が追ってくる。シーザーはガブリゲーターとの戦いで、ダメージを追っていたため、帝国軍と戦うことは出来なかった。  

 追われる中、ウィルは向こうに何かあったか気づいたようにシーザーに指示を出し、シーザーは咄嗟に向きを変えた。帝国軍はその後を追うが、見失ってしまう。シーザーは茂みの中の洞窟に隠れたのだ。帝国軍はそのまま前進していった。  ウィルは安心したように  

 

 「ふう、何とかまいたようだな!」  

 

 「でも、安心は出来ないわ!隠れている間にシーザーの傷を直さなきゃ!」  

 

 コルクで買った道具を出し、シーザーの手当てをするエマ、修理して、何時間か経った後、ウィルは外の様子を見ようと出たが、すでにマシンブラストした4体のバズートルが待ち構えていた。  

 ついに帝国軍に捕まってしまったウィル達、連行された場所は帝国軍の空軍基地だった。ウィルとエマは同じ牢屋に入れられ、シーザーは別のところに移送させられた。 牢屋に入れられたウィルは窓の外を見た。

 そこには帝国軍ゾイドの演習が行われていた。  演習を行っていたゾイドは帝国軍最強の飛行ゾイド、スナイプテラで、ライダーはかつて、キャノンブルでウィル、シーザーと戦ったカーター大佐だった。

 スナイプテラの演習相手は空中のクワーガと地上のラプトール、ディロフォス、キャタルガ、バズートルだった。しかし、カーター大佐の操るスナイプテラは圧倒的な機動力で、そのゾイドを全滅させた。   

 しかし、地上で煙が晴れたところに一体のゾイドが残っていた。それはコナー少佐の操るもう一体のゾイド、ステゴゼーゲMk-Ⅱだった。コナー少佐のステゴゼーゲMk-Ⅱは黒いカラーリングに対空戦闘用の装備が施されていた。

  スナイプテラに向けて攻撃するステゴゼーゲ、スナイプテラはその攻撃をかわすが、すかさず、撃ったステゴゼーゲの攻撃を喰らってしまう。

 しかし、怯まず、態勢を立て直すスナイプテラ、続けて攻撃するステゴゼーゲ、演習場は今や、スナイプテラとステゴゼーゲMk-Ⅱの一騎討ちとなっていた。  その様子を二人の兵士が見ていた。  

 

 「一体、どちらが勝つんでしょう?」  

 

 「カーター大佐のスナイプテラは我が帝国軍最強の空戦ゾイドだ!しかし、コナー少佐のステゴゼーゲMk-Ⅱもそう甘くない!前回はコナー少佐のステゴゼーゲMk-Ⅱが勝ったのだからな!」  

 

 方向を変えながら攻撃するステゴゼーゲMk-Ⅱ、スナイプテラはその攻撃に翻弄されたと思いきや、真っ直ぐステゴゼーゲの方に向かった。  

 

 「制御トリガー解除!スナイプテラ、兵器 解放!マシンブラスト!!」  

 

 「カーター大佐は堂々と真正面の攻撃と来ましたか!なら、私も!ステゴゼーゲ、強制 解放!デスブラスト!!」  

 

 「アブソルートショット!」  

 

 「ナイフオブフィフティーン!」  

 

 互いに攻撃するスナイプテラとステゴゼーゲMk-Ⅱ、しかし、スナイプテラはステゴゼーゲのナイフオブフィフティーンを喰らうギリギリのところでよけ、態勢を変え、ステゴゼーゲmark2の足を狙った。足を撃たれ、倒れるステゴゼーゲMk-Ⅱ、その戦いに見惚れるウィル、  

 

 「演習終了!演習終了!」

 

 スナイプテラとステゴゼーゲMk-Ⅱからそれぞれ降りるカーター大佐とコナー少佐、  

 

 「大佐、一段と腕を上げましたね!」  

 

 「いや、あれは賭けだった。下手したら、私が負けていただろう!」  

 

 「いえいえ、正直、私も勝てるか不安でした!」  

 二人は基地内に配備されている量産型スナイプテラを眺めていた。  

 

 「爽快だな!」  

 

 「反乱軍がクワガノスの化石を大量発掘したとの情報が入り、それに対抗するため、我が帝国も大佐のスナイプテラの量産型の開発に成功しました。もし、実戦投入されれば、反乱軍も抑えられるでしょう。」  

 

 「確かにその通りだ!だが、どんな理由があろうと市民を巻き込む戦闘と市民への圧政はするべきではない!」  

 

 「もちろんです!我が帝国軍人は皇帝陛下のために尽き、世界の秩序と市民を反乱軍から守るために戦っているのですから!」  

 

 「そうだな!しかし、悲しいことに反乱軍を支持する者もいるのも事実だ!」

  

 そのとき、兵士がシーザーを再び調教しようと取り押さえようとしたとき、シーザーが暴れ、兵士を蹴散らし、部屋を破壊した。非情ベルが鳴り、兵士は緊急態勢をとった。部屋を破壊したシーザーはウィルとエマが入れられた牢屋を破壊した。  

 

 「シーザー、来てくれたのか!ようし、脱出だ!」

 

 ウィルとエマはシーザーに乗り、基地から脱 ウィルとエマはシーザーに乗り、基地から脱出しようとする。しかし、基地の出口から出る瞬間、突然攻撃を受ける。それはコナー少佐のステゴゼーゲMk-Ⅱだった。  

 

 「あれはさっきのゾイド!」  

 

 「君か、大佐と殿下が言っていたライガーを逃がした少年というのは!あのときは、バズートルでいくつもりだったが、まさか、私のステゴゼーゲで相手することになるとは!」  

 

 「こうなったら、やるしかない!切り拓け、シーザー!俺の魂と共に、進化 解放!エヴォブラストー!!」

  

 すかさず、コナー少佐もデスメタルキーを取り出し、  

 

 「ステゴゼーゲ、強制 解放!デスブラストー!!」  

 

 「ビーストオブクローブレイク!」  

 

 「ナイフオブフィフティーン!」  

 

 互いにぶつかるシーザーとステゴゼーゲ、しかし、ステゴゼーゲのナイフオブフィフティーンがシーザーのビーストオブクローブレイクをはじいた。  

 

 「ならば、シーザー!後ろから回るぞ!」  

 

 後ろに回って攻撃するシーザー、しかし、ステゴゼーゲはすかさず、尻尾で攻撃する。それをよけたシーザーはステゴゼーゲの装甲に攻撃する。  

 

 「ビーストオブクローブレイク!」

 

  しかし、ステゴゼーゲはびくともせず、全くの無傷だった。ステゴゼーゲの尻尾で凪ぎ払われるシーザー、  

 

 「なんて、装甲だ!さっき戦ったガブリゲーターとはまるで比べ物にならない!」  

 

 驚愕するウィルにコナー少佐は、  

 

 「私のステゴゼーゲは私専用として改造が施されたゾイドだ!帝国では大佐のスナイプテラと互角に渡り合える程の実力を持ち、今となっては私の誇りだ!」  

 

 再び、ナイフオブフィフティーンで、攻撃するステゴゼーゲ、それを何とかかわすシーザー、そのとき、空中にスナイプテラが現れた。  

 

 「コナー少佐、私にそのライガーの相手をさせてくれないか?」  

 

 「しかし、大佐!」  

 

 「君は基地の警護に必要だ!それにあのときの借りを返したいんでね!」  

 

 「わかりました。大佐!」

  

 そう言い、デスブラストを解除して後退するステゴゼーゲ、  

 カーター大佐はウィルに、  

 

 「少年、まさか、ここで再会するとは思わなかったよ!」  

 

 「その声はあのときのキャノンブルのライダー!」

 

 「覚えててくれたか。改めて自己紹介しよう!私はジェームズ・カーター!キャノンブルとこのスナイプテラのゾイド乗りにして帝国軍人だ!」

  

 それを聞いたエマは、  

 

 「カーター大佐?まさか、こんなところで会ってしまうなんて!」

 

 「また、シーザーを奪うつもりなんだろ?」  

 

 「結果的にはそうなるな!私は本国からそのライガーを持ち帰るよう命令されているからな!」  

 

 「だが、なんと言おうと、シーザーは俺の相棒だ!絶対に渡さねえ!」  

 

 「そう言うと思ったよ!なら、私と戦って、私のスナイプテラに勝ったら、見逃そう!だが、負けたら、そのライガーを渡して貰うよ!」  

 

 「上等だ!やってやるよ!」    

 

 それを聞いたエマは、  

 

 「待って!いくらなんでもスナイプテラと戦うなんて無茶よ!ここは逃げないと!」  

 

 「いや、逃げてもあいつは絶対に追いかけてくる!ここで奴を倒してこの基地から脱出するぜ!」  

 

 「いい姿勢だ!では行くぞ!」  

 

 そう言ってシーザーに向けてガトリングを撃ち込むスナイプテラ、シーザーはそれを避けながら走る。  

 

 「相手は飛行ゾイド。ギリギリに引き付けて攻撃する!」  

 

 空中でガトリングで攻撃するスナイプテラ、そして、避けながら走るシーザー、スナイプテラがシーザーの近くに入るそのとき、  

 

 「今だ!シーザー!」  

 ウィルの掛け声と共にジャンプするシーザー、そしてそのまま攻撃する。  

 

 「ビーストオブクローブレイク!」  

 しかし、スナイプテラはすかさず避け、ガトリングをシーザーに撃ち込む。ガトリングを撃ち込まれ、態勢を崩し、倒れるシーザー、  

 

 「残念だが、その程度では私のスナイプテラを倒すことは出来ない!」  

 

 「くそ!どうすれば。」  

 

 そのとき、ウィルは基地内の鉄塔を見つけた。  

 

 「あれだ!行くぞ、シーザー!」

  

 ウィルの言葉に答えるかのように鉄塔の方に向かうシーザー、  それを見たカーター大佐は、

 

 「なるほど、そういうことか!ならば、敢えて乗ろう!」  

 

 そのまま、鉄塔に向かうシーザーを追うスナイプテラ、スピードを上げて、すかさず、鉄塔に登るシーザー、てっぺんまで登ったシーザーは追うスナイプテラを待ち構えた。そのとき、  

 

 「今だ!ビーストオブクローブレイク!」

 

 スナイプテラに向かってジャンプするシーザー、  

 

 「制御トリガー解除!スナイプテラ!兵器 解放!マシンブラストー!!アブソルートショット!!」

  

すかさず、マシンブラストしてシーザーに撃ち込むスナイプテラ、足を撃ち込まれたシーザーは態勢を崩し、そのまま、落ちてしまう。  

 

 「うわぁぁ!」  

 

 「きゃああ!」 

 

 それを見たカーター大佐は、  

 

 「いい作戦だったが、私のスナイプテラはそう甘くはない!それに戦闘中、コクピットに女の子も一緒に乗せるのは感心しないな!しかし、さっきの声、どこか、聞き覚えのある声だが?まさか!」  

 

 立ち上がるシーザー、スナイプテラは再び、シーザーに狙いを定めた。  

 

 「ブリューゲル大尉のガブリゲーターを倒したそうだが、それでも私のスナイプテラには及ばなかったようだな!殿下には悪いが、ここで終わりにしよう!」  

 

 再び、アブソルートショットを撃とうとする 再び、アブソルートショットを撃とうとするカーター大佐、そのとき、突然、基地に爆発が起きた。  

 

 

 「一体なんだ?敵の奇襲か?」  

 

 通信の兵士は、  

 

 「わかりません!しかし、攻撃を受けているのは確かなんですが、レーダーに全く反応無し!敵の姿がわかりません!」 

 

 次々と基地の至るところが爆発する。クワーガが出撃するが、すぐに一体が撃墜され、他のクワーガが攻撃しようとするが、姿が見えないため、攻撃が出来ず、次々と撃墜されてしまう。地上でも、ラプトール、ディロフォス、キャノンブル隊が出撃するが、次々と倒され、キャノンブルも足を撃ち抜かれ、倒れる。  

 

 「コナー少佐、そちらの状況は?」  

 

 「私のラプトール隊も全滅!反撃しようとしても敵の姿がわかりません!」  

 

 カーター大佐も敵を探すが、レーダーに反応がなく、全くわからない。そのとき、姿の見えない何かがスナイプテラに向かって攻撃した。スナイプテラは何とかその攻撃をかわす。 

 

 「レーダーに全く反応無し、それに今の攻撃はガトリングによるもの!ということは。」  

 

 カーター大佐は何かに気づいたように地上に攻撃する。  

 「アブソルートショット!」

 

 姿の見えない何かはスナイプテラの攻撃を避ける。カーター大佐は、  

 

 「こそこそ隠れず、姿を見せたらどうだ?グラッド・バレル元中尉!」  

 

 姿の見えない何かはシーザーの前に立つ。  

 

 「中尉は止めろ!俺は軍人でも帝国軍でもねぇ!」

  

 謎の男の声と共に、姿の見えない何かが姿を 謎の男の声と共に、姿の見えない何かが姿を現す。姿を見せたゾイドはガトリングフォックスだった。

  

 ガトリングフォックスを見たウィルは、

  

 「あのゾイド、父さんのマイロに似ている!」

  ウィルの脳裏には父、デイビッドの相棒の白いハンターウルフのマイロが映った。  

 

 To be continued




 次回予告  
 
 カーター大佐のスナイプテラの猛攻を受けて、絶対絶命のウィルとシーザーを救ったのは、ガトリングフォックスを相棒とする反ネオデスメタル同盟軍総司令グラッド・バレルだった。次々と同盟軍の精鋭部隊も現れ、あっという間に基地を制圧する。  そのとき、再び、アーネスト・ギャラガーが襲撃し、グラッドのガトリングフォックスと激闘を繰り広げる。果たして、ガトリングフォックスの実力とは? 

 次回

 「弾幕の幻狐」

 本能を呼び覚ませ!ライガー!

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