ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO 作:オーガスト・ギャラガー
新地球暦1245年、人とゾイドの共存が進む中、ネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が地球の8割を支配している時代、辺境の村に住むゾイド好きの少年ウィルはライジングライガーに進化した相棒のシーザーとかつてのシーザーの相棒の血を引く少女エマ、伝説のすのリーダーの子孫であるストーム率いる同盟軍と共に、ゾイドと人々を帝国の支配からの解放と人とゾイドの共存のための戦いに身を投じていった。
だが、ネオデスメタル帝国では着々と地球を壊滅させる程の力を持つ史上最強のゾイドが復活しようとしていた。
帝都メガロポリスの宮殿の司令室、そこにはベケット少将が指揮を取っていて、その横にはデーニッツ中将、ルメイ大将もいた。兵士はベケット少将に、
「少将の指示通り、反乱軍は我々の罠にかかりました。」
「どうやら、我々の計画通りになったようですね。これで、ギャラガー三世陛下もお喜びになるでしょう。」
「だが、奴らを侮るな! それにしても皇帝陛下の操るデスレックスと元皇子の操るオメガレックス、同じギャラガー皇帝一族の血を引く者同士が操るティラノサウルス種同士の対決とは、これは中々見物ね。」
そう言ったベケット少将は映像で映っているデスレックスとオメガレックスを見た。
ギュオォー!!
グオォー!!
デスレックスとオメガレックスは互いに闘争本能を剥き出しにし、再びぶつかり合った。オメガレックスはデスレックスの首に噛み付こうとするが、デスレックスは瞬時に態勢を変えてそれを避け、逆にオメガレックスの首に噛み付いた。
グルルル…
オメガレックスは必死に脱出しようとするが、デスレックスは前足でオメガレックスの身体を掴み、強靭な大顎でスッポンの如く離さなかった。
レイルは何とか脱出する手段を探す中、A-Z3連誘導ミサイルのスイッチを押し、3発の誘導ミサイルがデスレックスの首に直撃した。
ギュオォー!!
苦しむデスレックスは顎を外し、すかさず脱出したオメガレックスは対地対空両用速射砲とA-Z3連誘導ミサイルをデスレックスに向けて同時に撃ち込んだ。誘導ミサイルと両用速射砲の同時発射で煙に包まれるデスレックス、
「はぁ、はぁ、はぁ、これで少しは効いたかな?」
しかし、煙が晴れるとデスレックスは何事もなかったかのように身体を払い、コクピットにいるガネストも首をカクカクと回した。
「う~ん、今のはちょっと効いたよ。オメガレックスに乗っても大したことなかったかと思ったけど、随分やるみたいだね。 じゃ、そろそろこっちも本気出すか。」
ガネストはオリジナルデスメタルキーを取り出し、
「デスレックス、強制 解放! デスブラストー!! ジェノサイドドドリル!」
デスブラストしたデスレックスはウブラドリルを剥き出しにして猛スピードでオメガレックスに向かって走って行った。
オメガレックスはA-Z三連誘導ミサイルと両用速射砲を放つが、デスレックスはそれをものともせず、走って行き、そのままオメガレックスにのし掛かった。デスレックスはウブラドリルでオメガレックスの顔を潰そうとするが、オメガレックスは前足でデスレックスの顎を掴み、それを阻止しようとする。
ゼロスティレイザーのEシールドに耐えるシーザーに乗るウィルは苦戦するオメガレックスを見た。
「レイル!!」
「何処を見ている?」
ウィルが目を離したその時、ゼロスティレイザーとグレッゲル准将、ナッシュ、ブリューゲル大尉の操るドクターマイルスの量産型ゼロファントスがそれぞれの方向から襲いかかってきた。
絶体絶命のウィルとシーザーに、突然、2体のトリケラドゴスとアレックスのウィーリィー、アッシュのバンプ、ケンのゼルが現れた。2体の黒いトリケラドゴスにはガルド将軍とマックが乗っていた。
「ガルド将軍に皆!」
「ウィル、こいつらは我々に任せろ。どうやらあのデスレックスは思いの外、厄介な相手のようだ。
オメガレックス一体でも太刀打ち出来ないようだ。直ぐにレイルの援護に回れ!」
「はい! 行くぞ、シーザー!」
シーザーは直ぐにオメガレックスの元に向かった。
「くそ、逃がすか!」
ゼロスティレイザーは直ぐに後を追うとするが、ガルド将軍のトリケラドゴスたちが立ちはだかり、
「貴様らの相手は我々だ!」
「く、こしゃくな!」
リセルのジェノスピノはジェノソーザーで何度もナックルコングG3に当てようとするが、ナックルコングG3は全て両手で防いだ。
「どうした? その程度か!」
「く!」
その時、突然背後から攻撃し、直撃したナックルコングG3は苦しみだし、動きが鈍くなった。
「なんだ!? 一体何が起こった!」
狙撃したのはクリスのジャックだった。
「ゾイドの神経を麻痺するように改良が施された対オメガレックス用のPGM-11は思ったより効果があったようだな!」
「クリス!」
「ここは俺たちに任せろ!」
「しかし、」
「あのですはどうやら、オメガレックス一体で戦えるような相手ではないようだ。ウィルと一緒にレイルを援護しろ!」
「いや、しかし。」
「なあに、コマンダーの仇討ちをしたいのは俺たちも同じだ! 俺もリーダー同様、コマンダーとの付き合いは長いからな。行け!」
「わ、わかった!」
そう言うと、ジェノスピノは直ぐにオメガレックスの元に向かった。
「おのれ、このまま逃がしはせんぞ!」
追うとするが、ナックルコングG3が身動き出来ない状態になっていた。下を見ると、足がジョンのキールの糸で縛られていた。
「コマンダーの仇討ち、俺も協力しますよ。隊長!」
「アブソリュートショット!」
「ナインバーストキャノン!」
同時にカーター大佐のスナイプテラとシュバルツ中佐のキャノンブルもナックルコングG3に攻撃して現れた。
「アッカーマン中将の仇討ちとして我々も協力させて欲しい。」
「この星と民とゾイドを守るために我々は戦う。」
「ふ、好きにしろ。」
「貴様ら!!」
「キングオブクローブラスト!!」
「新・音速殺!!」
ストームのキングとドレイクのジャンの連携によってドクターマイルス率いるゼロファントス部隊は全滅した。
「これで、取り巻きは始末した。残りはてめえだけだぜ!」
「バカめ! ゼロファントス部隊を全滅したからといって、私のゼロファントスに敵うわけがない。」
「強がりも今のうちだぜ! なんたって、俺とこいつは旧デスメタル帝国を壊滅したフリーダム団の最強コンビの子孫。 貴様ごときにやられる俺たちじゃないぞ!」
「ふん、なら、やってみろ!」
「やってやろうじゃねぇか! おい、行くぞ、ストーム!」
「ふ、お前も随分変わったな!」
「今はそんなことどうでもいい! とにかく、目の前のムカつくジジイを倒すぞ!」
「じゃ、やりますか。 キングオブクローブラスト!!」
「新・音速殺!!」
キングとジャンの同時攻撃がドクターマイルスのゼロファントスに直撃したが、ゼロファントスは巨大な牙でその攻撃を防いだ。そして、ゼロファントスはそのま2体を突き放した。
「私のゼロファントスの牙はダイヤモンドで構成されている。いくら、貴様らの攻撃といえども、通じはせん! ディゾルレーザーキャノン!」
ドクターマイルスのゼロファントスのレーザーキャノンが放たれ、キングとジャンはそれを避けるが、レーザーはキングとジャンに倒されたゼロファントスの身体を一気に貫通し、そのゼロファントスは瞬時に石化した。
「そして、私のゼロファントスのディゾルレーザーキャノンを食らえば、そのゾイドは死ぬ!」
「やっぱ、そう簡単には行かないか。」
オメガレックスは必死にデスレックスのジェノサイドドリルを喰らわないために抵抗するが、デスレックスはそれ以上の力でオメガレックスの口内の荷電粒子砲にウブラドリルを入れようとしている。
「せっかく楽しめるかと思ったけど、とんだ拍子抜けだったね。じゃ、さよなら。」
その時、突然、デスレックスの動きが止まった。
「ん? どうしたのかな。」
後ろを見ると、シーザーがチェーンアンカーでデスレックスの身体を引っ張っていった。
「ウィル!」
「待たせたな、レイル!」
「へぇ~、まさか、キミも参戦するなんてね。ようやく面白くなってきたね。」
「参戦したのは俺だけじゃないぞ!」
「ん?」
その時、ジェノスピノがジェノソーザーを振り回して勢いよくデスレックスに向かった。
「ジェノサイドクラッシャー!!」
ジェノスピノはジェノソーザーでデスレックスのコクピットに攻撃した。
「ぐ!」
ギュオォ~!!
その攻撃で苦しむガネストとデスレックス、デスレックスは避けようとするが、オメガレックスもデスレックスの身体を掴んだため、デスレックスは逃げられない状態になった。
ジェノスピノは攻撃の手を緩めず、そのまま攻撃を続けた。デスレックスはシーザーのチェーンアンカーで身動きが出来ず、そのままジェノスピノの攻撃を受け続けたが、ジェノスピノが10発目をお見舞いしようとしたその時、突然、デスレックスの身体が紫色に発光した。
「目覚めよ、紫龍…。」
デスレックスは紫龍形態になり、全身から衝撃波を放ち、シーザーとオメガレックス、ジェノスピノを退けた。
「改めて礼を言うよ。キミたちの攻撃と闘争心のおかげで、ボクとデスレックスの闘争本能も呼び覚ましたよ。 じゃ、こっから、本番と行こうか。」
紫龍形態になったデスレックスを見たウィルはレイルとリセルに、
「レイル、荷電粒子砲を撃てるか?」
「撃てるけど、こんな市街地に撃ったら…」
「いや、市街地に放つんじゃない! デスレックスを宮殿の近くまで誘導したところに荷電粒子砲を撃つんだ。祖そうすれば、市民への被害は低減される。」
「でも、どうやって?」
「リセル、一緒にデスレックスを誘導すること出来るか?」
「お前に言われなくてもわかっている! ジェノサイドクラッシャーでも奴に致命傷は与えられなかった。だとするなら、奴を倒すなら、荷電粒子砲だ!」
「よし、シーザー、お前もやれるか?」
シーザーはその言葉を聞いてゆっくりとうなずき、
グルルル…。
「よし、行くぞ、シーザー! リセル!」
シーザーとジェノスピノはデスレックスに向かって勢いよく走って行った。
「切り拓け、シーザー! 俺の魂と共に、進化 解放! エヴォブラスト-!! スピリットガンスラッシュ!!」
シーザーはデスレックスにスピリットガンスラッシュを放ち、デスレックスは煙に包まれた。煙が晴れると、目の前にはシーザーはいなく、ジェノスピノが現れた。
「ジェノサイドクラッシャー!!」
それを見たガネストはニヤリとし、
「面白い。ジェノサイドドドリル!!」
デスレックスのウブラドリルとジェノスピノのジェノソーザーがぶつかり合い、両者一歩も譲らない姿勢を見せた。
その時、ジェノスピノの背後からシーザーが現れ、デスレックスに向かって飛び込んできた。
「行くぞ、シーザー! Eシールド展開!」
グオォ~!!
「スピリットバーストブレイク!!」
「ふん!」
デスレックスはデスジョーズでシーザーを掴み、その攻撃を防いでしまった。デスレックスはウブラドリルでシーザーのEシールドを貫こうとした。
「う、く… 」
「いい連携だったけど、それでもボクには勝てないよ。」
シーザーは身動きが取れない状況だったが、その時、ウィルはニヤリとし、それを見たガネストは、
「ん? 何がおかしいの?」
「おかしいんじゃない。計画通りだよ!」
その時、ジェノスピノがジェノソーザーに火炎放射を放ち、ジェノソーザーの鋸が一瞬で炎に包まれた。
「これが、ジェノスピノ最大の必殺技、煉獄ジェノサイドクラッシャー!!」
ジェノスピノは炎に包まれたジェノソーザーに切りつけた。その凄まじいパワーは通常のジェノサイドクラッシャーを遥かに上回り、デスレックスのデスジョーズにやっと傷をつけた。
「少しはやるようだね。でも、それでもデスレックスにとってはかすり傷に過ぎないよ!」
「1人ならな。 行くぞ、シーザー!」
グオォ~!!
その時、なんとシーザーは全身にEシールドを張り、デスジョーズの拘束が少し外れ、シーザーはそのまま回転しながら、スピリットガンスラッシュを放ち、デスレックスのデスジョーズから脱出した。それを見たガネストは驚き、
「さっきのジェノサイドクラッシャーといい、全身にEシールドを放つなんて普通に考えても出来るはずがない!
まさか、奴らの思いがゾイドに届いて不可能を可能にしたというのか!?」
「ウィル、あの両脇の邪魔な牙、ぶった斬れるよな!?」
「ああ、俺とシーザー、そしてリセルとジェノスピノの力があれば、出来るさ!」
その時、シーザーとジェノスピノの身体にオーラが放たれた。
「行くぞ! スピリットバーストブレイク!!」
「煉獄ジェノサイドクラッシャー!!」
シーザーとジェノスピノの攻撃がデスレックスの左右のデスジョーズに直撃し、その凄まじい攻撃で、デスレックスは苦しみだした。
ギュオォ~!!
「デスレックスが苦しんでる!? まさか、こんなことが…!?」
シーザーとジェノスピノはそのままデスレックスを後退させ、宮殿の門まで行った。そして、門を突き破ったその時、
「いっけ~!!」
デスレックスの左右のデスジョーズが斬り落とされ、デスレックスはその衝撃で苦しんだ。
ギュオォ~!!
「バカな、デスレックスの顎が斬られるだと!?」
「やった、デスレックスの顎を破壊した!」
「いい気になっているのも今のうちだよ! いくら、顎を破壊しても、主力武器のウブラドリルがまだ残っているよ!」
デスレックスは口内のウブラドリルをむき出しにするが、
「いや、まだ、取って置きのがあるよ!」
「何!?」
その時、デスレックスがシーザー、ジェノスピノと戦っている間に向こう側にいるレイルのオメガレックスが荷電粒子砲を放つ体勢を取り、デスレックスに向けて照準を向けた。
「ターゲット、ロックオン。 行くぞ、オメガレックス!」
ギュオォ~!!
「オメガレックス、進化 解放! エヴォブラスト-!! 荷電粒子砲発射!」
シーザーとジェノスピノは直ぐにその場を離れ、宮殿にいるベケット少将は兵士に、
「直ぐに宮殿内にEシールドを張れ! 陛下を御守りしろ!」
「駄目です! デスレックスはEシールドの範囲外です。」
「何!?」
オメガレックスの荷電粒子砲がデスレックスに直撃し、司令室の兵士も宮殿が破壊されないようにEシールドを展開した。 宮殿の周囲は爆発し、巨大なキノコ雲が現れ、デスレックスはその中に飲み込まれた。
数分後に煙が晴れると、デスレックスの姿はなく、巨大なクレーターが存在していた。
それを見たタッカー元帥、宮殿の司令室にいるベケット少将、ルメイ大将、デーニッツ中将、量産型ゼロファントスに乗るグレッゲル准将、ナッシュ、ブリューゲル大尉、アーミテージ大尉らは驚愕な表情をした。
「そんな…、皇帝ギャラガー四世陛下のデスレックスが負けるだなんて…」
「こんなことあり得ないわ!」
「まさか、我々ネオデスメタル帝国の誇りたるデスレックスが反乱軍ごときに!」
レイルはタッカー元帥たちに、
「これ以上の戦いは無意味だ! 大人しく降伏しろ。」
帝都メガロポリスから離れた場所にグラビティキャノンで照準を合わせたクルーガーは、
「どうやら、デスレックスに対しては、私が手を出すまでもなかったようだな。それにしても、ウィル、立派になったな。天国のデイビットも喜んでいるだろう。」
宮殿の方を見たドレイクはドクターマイルスに、
「へ、どうやら、1人目の皇帝はやられちまったようだな! もう1人、先帝はいるが、もはや、今の貴様らに勝ち目はない。かつての旧デスメタル以上に無様な醜態を晒す前に降伏したら、どうなんだ?」
その時、ドクターマイルスは笑い声を上げた。
「フフフフ、ハハハハハハハハ!!」
「何がおかしい?」
「それで、貴様らは勝ったと思っているのか? 本当に人間とは愚かな生き物だ!」
「何!?」
その時、キングが激しく警戒し、
グルルル、
それを見たストームは、
「キングのこの警戒、まさか!?」
同時にシーザーも激しく警戒した。
グルルル、
「どうした? シーザー!」
その時、突然倒れたデスレックスが起き上がり、天に向かって思いっきり咆哮を上げた。
グロロロロォ~!!
同時にデスレックスの頭部や顎の横に火炎放射機に似た突起がデスレックスの装甲をぶち破って現れ、その突起から炎が放たれ、デスレックスの身体がマグマのような赤い色になり、全身が炎に包まれた。
宮殿の玉座の間の倉庫にいるゼログライジスが何か感じ取ったかのように咆哮を上げた。コクピットにいるギャラガー三世は、
「我が分身が喜びの咆哮を上げている。 ほぅ…、遂にデスレックスが獄炎龍形態になったのか。 全ては計画通りだな!」
デスレックスは真の姿になれたことに喜ぶかのように目一杯咆哮を上げ、その咆哮が帝都メガロポリス中に響いた。
To be continued
次回予告
デスレックスは遂に真の最終形態である獄炎龍形態になり、その圧倒的な強さで、同盟軍と新帝国、旧共和国の合同軍のゾイドを次々と蹴散らしていった。
ウィルとレイル、リセルはシーザー、オメガレックス、ジェノスピノの3体がかりで迎え撃つが、獄炎龍形態になったデスレックスの力は予想以上に凄まじくシーザー、オメガレックス、ジェノスピノの3体がかりでも苦戦を強いられ、クルーガーはゴルドのグラビティキャノンでデスレックスを迎え撃とうとした。
しかし、ドクターマイルスは倒されたゼロファントス部隊の代わりに更にゼロスティレイザーと同様のゼロゾイドを呼び出してしまう。
果たしてウィルたちにデスレックス獄炎龍とネオデスメタル帝国軍を倒すことが出来るのか!?
次回「デスレックス獄炎龍」
本能を呼び覚ませ、ライガー