ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  
 新地球暦1245年、人とゾイドの共存が進む中、ネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が地球の8割を支配している時代、辺境の村に住むゾイド好きの少年ウィルはライジングライガーに進化した相棒のシーザーとかつてのシーザーの相棒の血を引く少女エマ、伝説のすのリーダーの子孫であるストーム率いる同盟軍と共に、ゾイドと人々を帝国の支配からの解放と人とゾイドの共存のための戦いに身を投じていった。
 だが、ネオデスメタル帝国では着々と地球を壊滅させる程の力を持つ史上最強のゾイドが復活しようとしていた。


第53話「究極完全龍 アルティメットゼログライジス」

 現れたメカトピア共和国軍のゾイドの周りにいたのは何と野生のゾイドたちだった。それを見たウィルは、

 

 「凄い! 野生のゾイドたちが俺たちを助けに来てくれたのか!!」

 

 野生のゾイドたちは一斉になってギャラガー親衛隊ゾイドに向かった。

 ギャラガー親衛隊のキャノンブルG3、バズートルG3、ディロフォスG3は迎撃しようとするが、野生ゾイドたちはメカトピア共和国のゾイド同様に、この地球とゾイドをネオデスメタル帝国の手から救うと言わんばかりにその攻撃を全てはね除け、親衛隊ゾイドを次々と蹴散らしていった。

 

 「たかが、野生ゾイドごときが我がネオデスメタル帝国軍に勝てるとでも!?」

 

 ベケット少将のドライパンサーG3率いる四天王三人のゾイドが迎え撃とうとするが、野生ゾイドたちはギャラガー親衛隊ゾイドを遥かに上回る数に有無を言わし、ゼロファントスと同じゼロゾイド化した四天王ゾイドすらも苦戦させた。

 タッカー元帥のナックルコングG3も圧倒的な火力で数体蹴散らすも圧倒的な数に対抗出来ず、苦戦し、それを見たクリスとカーター大佐は、

 

 「よし、今だ! カーター大佐。」

 

 「了解! アブソルートショット!!」

 

 カーター大佐のスナイプテラの攻撃とクリスのジャックのPGM-11のミサイルがナックルコングG3の両目に直撃し、目が破壊され、ナックルコングG3は苦しんだ。

 「くそ、帝国の反逆者の分際で生意気な!」

 

 

 ゼロゾイド軍団はバイオアシッドの毒の入ったゼロブラスト技で、野生ゾイドを攻撃するが、野生ゾイドたちはそれにも怯まず、善戦していった。

 グレッゲル准将どブリューゲル大尉の量産型ゼロファントスは野生ゾイドたちに押されているが、ナッシュのゼロファントスだけは全て蹴散らしてやると言わんばかりに激しい死闘を繰り広げていた。

 

 「どけどけ! 何人たりとも皇帝陛下に指一本触れさせはしない。 う!」

 その時、背中と繋がっているケーブルから火花が飛び散り、同時にナッシュの身体にも火花が飛び散って、人工皮膚が剥がれ落ち、顔の右半分や半身が機械剥き出しになり、ナッシュの目のセンサーもイカれ、故障状態に陥っていた。

 

 「う、ウォー!! こんな傷、どうってことはない! 俺は機械の身体なんだ。こんなもの直ぐに修理出来るわ!!」

 

 しかし、ナッシュは自分の身体など顧みず、戦闘を続け、野生ゾイドたちを蹴散らしていった。それを見たケンは、

 

 「なんと、哀れな。自分の身体を改造しまくった挙げ句にもはや、自分の身体さえもどうでもよくなってしまったのか。」

 

 「皇帝陛下に逆らうものは全員死だ!! 消えろ~!!」

 

 ゼルに襲いかかる量産型ゼロファントスにゼルは瞬時に避け、量産型ゼロファントスの顎に攻撃した。顎を破壊された量産型ゼロファントスの動きが徐々に止まりつつあり、同時にナッシュの身体も動きが止まりつつあった。

 

 「なんだ? どうなってやがる! まさか、制御システムを破壊されたのか。そんな、俺はまだ死ぬわけにはいかない! ネオデスメタル帝国の未来と世界の秩序を守る… ために… 」

 

 ナッシュの目の色が消え、活動を停止したナッシュはそのままコクピットの中で倒れた。

 

 「こうするしか他はなかった。人間の身体に戻れなくなったお前を止めるためには… 」

 

 倒れた量産型ゼロファントスを見たケンは何とも言えない表情をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「キングオブクローブラスト!!」

 

 極限解放したキングの攻撃とドクターマイルスのゼロファントスの牙がぶつかり合った。 しかし、ゼロファントスはそれすらも跳ね返した。 

 

 「新・瞬撃殺!!」

 

 極限解放したジャンも続けて攻撃するが、

 

 「ふん、ディゾルレーザーキャノン!!」

 

 ゼロファントスのレーザーキャノンがジャンの装甲を撃ち抜いた。撃ち抜かれジャンは苦しむ。

 

 「ジャン、大丈夫か!? しっかりしろ!」

 

 「力の差をまだ理解出来ていないようだな。」

 

 「ち、あの野郎、冗談抜きで強いぜ。どうする? ストーム。」

 

 「ドレイク、俺とお前の全身全霊のワイルドブラストであいつの目障りなレーザーキャノンと牙をやれるか?」

 

 「なるほど、1人ずつ、奴のムカつく武器をぶったぎるつうわけだな!」

 

 「やれるか?」

 

 「は、誰に口聞いている? 俺は音速のドレイク様だぜ!!」

 

 「へ、言うと思ったぜ! じゃ、俺はあのムカつく牙をやるぜ。」

 

 「なら、俺はあの鬱陶しいレーザーキャノンだな!」

 

 「やれるか? キング。お前の力で!」

 

 グオォ~!!

 

 「何をするつもりか知らんが、所詮は耐Bスーツが無ければ、ゾイドに乗れん下等な人間の子孫の劣等種が宇宙で最も進化した我が古代ゾイド人に勝てるわけがない。

 それに、貴様らごときでは、陛下どころか、この私に傷をつけることすら出来ん!」

 

 「ただの人間だろうが、古代ゾイド人だろうが関係ない。本当に強いのは人の思いと、ゾイドとの絆だ!!

 行くぞ、キング! ドレイク!」

 

 「おう、新・音速殺!!」

 

 「ディゾルレーザーキャノン!!」

 

 ジャンはドクターマイルスのゼロファントスのレーザーキャノンをギリギリでかわし、ジャンは全ての力を出しきるかのように超スピードでゼロファントスに突っ走った。

 

 「バカな、奴等にまだこんな力があると?」

 

 「喰らえ、極限・新・音速殺!!」

 

 ジャンの攻撃がゼロファントスの背中のレーザーキャノンに直撃し、同時にレーザーキャノンが真っ二つに割れ、ゼロファントスの背中が爆発炎上した。

 

 「何!?」

 

 「今だ、ストーム!」

 

 「よし、この一撃に全てを込める。 極限キングオブクローブラスト!!」

 キングのツインドファングとゼロファントスのダイヤモンドの牙がぶつかり合い、激しい衝撃波が放たれた。

 

 「この程度で、私の最高傑作のゼロファントスがやられるか~!!」

 

 「ウォー!!」

 

 その時、ゼロファントスの牙にひびが現れ、ゼロファントスの牙が一刀両断され、ゼロファントスはビルの方に吹っ飛ばされた。倒れたビルの下敷きになり、身動きが取れなくなったゼロファントス、ジャンはキングの元に向かい、

 

 「やったな! さあ、次はウィルと皇子様のところへ… 」

 

 「いや… 」

 その時、なんとキングのツインドファングまでもゼロファントスの牙同様に割れてしまった。

 

 「ストーム、お前…」

 

 「どうやら、かなり危険な賭けだったようだな。すまない、アラシさん、あなたの大事な友人の相棒の片割れを俺の代で破壊してしまうなんて… やっぱり、俺はあなたのようになれなかったみたいだな。」

 

 その時、キングは力尽きたかのようにそのまま倒れてしまう。

 

 「おい、ストーム、おい!」

 

 「すまないな。俺はここまでだ。少し休ませてくれ。」

 

 「バカ野郎! 無茶しやがって。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 野生ゾイドたちとメカトピア共和国軍のゾイドの登場によって同盟軍が一気に優勢になったが、ガネストは獄炎龍形態になったデスレックスの力を試せると言わんばかりに、次々と野生ゾイドたちの大群を蹴散らし、火炎放射でゾイドを溶かし、強靭な顎で噛みつき、そのまま補食し、前足でゾイドの身体を引きちぎり、両足でゾイドを踏み潰したりと残虐な方法でゾイドたちを虐殺していった。

 

 「どうしたの? もっとかかってきてよ! 最高だ!!」

 

 デスレックスとコクピットのガネストを見たウィルはまるで人間とは思えないような信じられないような表情をしていた。

 

 「あいつ、こんな状況でも戦いを楽しんでいる。」

 

 自分の兄弟でありながら、今までエマと一緒にいて周りの人から大切に育てられてきた自分と全く違う環境で育ち、狂気的な性格になったガネストにレイルは複雑な表情をした。

 

 「く!」

 

 クルーガーはグラビティキャノンの照準をデスレックスに向けるが、デスレックスはその圧倒的な力で野生ゾイドたちを蹴散らしていっているため、中々照準が合わせないでいた。

 

 「くそ、こんなに激しく動いていては狙いが定まらん。仮に当てたとしても、周りの野生ゾイドまで巻き添えを喰らうことになるし、どうする。

 それにしても、この状況にも関わらず、ギャラガー三世は何故一向に現れないのだ? ゼログライジスの力を使えば、我々を制圧することは可能だというのに。

 だが、そんなこと今考えても仕方がない。先にゼログライジスから倒す。行けるか? ゴルド。」

 

 グオォ~!!

 

 クルーガーは帝都メガロポリスの中央にある宮殿にグラビティキャノンの照準を合わせた。

 

 「ターゲットロックオン、グラビティキャノン発射!!」

 

 ゴルドのグラビティキャノンの2門の砲塔が放たれ、その衝撃にゴルドが少し半歩下がり、2発のグラビティキャノンの弾が宮殿に向かっていった。

 グラビティキャノンの2発の弾丸が宮殿に命中し、宮殿は超重力に包まれ、徐々に押し潰されていった。それを見たタッカー元帥やベケット少将らは驚愕した。

 

 「そんな、まさか、ギャラガー三世陛下が!?」

 

 「よし、これでゼログライジスは始末した。後は一番厄介なデスレックスだ。」

 しかし、その時、グラビティキャノンの超重力で崩れる宮殿の中からなんと、ゼログライジスが現れた。それを見たクルーガーやウィルたちは驚愕した。

 ゼログライジスは超重力を食らっても全く通用しないように見えたが、実際はなんと超重力がゼログライジスを避けて発生していたのだ。ゼログライジスは両手を広げたその時!超重力は一瞬で消え去った。

 

 「バカな、ゼログライジスは重力操作が可能なゾイドだと言うのか、そんなことがあり得ない!」

 

 「いや、あり得る。それが出来るのはオリジナルデスザウラーであるこの私、ギャラガー三世と我が分身のゼログライジスだけだ!

 それに、かつての私に通用しなかったグラビティキャノンが今さら、この私に通用するとでも?」

 

 ゼログライジスが現れたのを見たガネストは、デスレックスをゼログライジスの方に向かせ、

 

 「やっと現れたようだね。父上… いや、デスザウラー。

 でも、残念だったね。ボクのデスレックスはもう最終形態になったよ! 今さら、ゼログライジスが出ても、ボクのデスレックスに勝てはしない。

 ボクはこの時を待っていたんだよ! お前を倒し、ゼログライジスの力を手にいれ、このボクが真の帝王になる。

 デスザウラーの力を得たこのボクこそが真の帝王ギャラガーとなって君臨するんだ!!」

 

 「違うな。待っていたのは私の方だ。お前のデスレックスが最終形態になるときを、そしてお前は私になるのだ!」

 

 その時、ゼログライジスの背中のコクピットから無数のケーブルのようなものが現れ、デスレックスの身体を包み込んだ。それと同時にガネストの身体も徐々に金属に侵食されていった。

 

 「何!?」

 

 デスレックスは次々とゼログライジスの無数のケーブルに巻き付かれ、どんどん飲みこれていき、ガネストの身体も足から首までが金属に侵食され、やがて、顔の近くまでいった。

 

 「バカな、こんなことがあり得ない! ボクがやられるはずがないんだ。ボクは帝王なんだから! ウォォ~!!」

 

 ガネストの言葉も虚しく、完全に金属に取り込まれ、コクピットには金属の塊が出来た。デスレックスもケーブルに全身を包まれた。

 包まれたデスレックスは小さく凝縮され、そのままゼログライジスの口まで運ばれた。ゼログライジスは口を開き、無数のケーブルに包まれ、凝縮されたデスレックスをそのまま、まるで喰うかのように口の中に入れた。

 ゼログライジスがデスレックスを喰ったその時、ゼログライジスに紫色の閃光と衝撃波が放たれ、周囲の親衛隊ゾイドと同盟軍ゾイド野生ゾイド、周りの都市は全て破壊された。

 爆発が止んだ後、帝都メガロポリスの3分の1がクレーター状になり、その中央に立っているゼログライジスは通常形態の数倍以上のサイズになり、全身に青みがかかったカラーリングになり、更に頭部のマインドホーンも通常形態の時より伸び、デスレックス獄炎龍形態の角のような形状になり、更にデスレックス獄炎龍形態みたいに炎を吐いた。

 

 「遂に完成した! これこそ、私が望んでいたゼログライジスの究極体、究極完全龍アルティメットゼログライジス!!」

 

 ゼログライジスのコクピットから出たギャラガー三世は身体が液体金属状になり、かつて地下研究所でレイルと対峙した時に見せた白と紫色のラインが入った刺々しいオーガノイドの姿になり、同時にゼログライジスの胸部が開き、オーガノイド体になったギャラガー三世は翼を広げ、紫色の光になってゼログライジスの胸部のコアに取り込まれ、そのコアと一体化した。

 

 「フフフフフ、これで私はかつて惑星Ziでデススティンガーと融合したあの力を遥かに凌駕する究極の力を手に入れた!

 これで、私は全宇宙に君臨する唯一絶対の完全生命体となったのだ!!」

 

 ギュオォ~!!

 

 目一杯咆哮を上げるアルティメットゼログライジス、それを見たリセルは、

 

 「何が究極完全龍だ! 今さら貴様がパワーアップしようが変わりはない!」

 

 そう言って、アルティメットゼログライジスに突っ込むジェノスピノ、

 

 「待て、リセル!」

 

 「鍊獄ジェノサイドクラッシャー!!」

 

 突っ込むジェノスピノにアルティメットゼログライジスは手を振りかざし、同時にジェノスピノの身体が浮いた。

 

 「まずは貴様からだ。」

 

 アルティメットゼログライジスは手を握りしめ、同時にジェノスピノの身体とジェノソーザーも握りしめられるかのように押し潰されていった。

 

 「止めろー!!」

 

 シーザーとオメガレックスがアルティメットゼログライジスに向かって走って行くが、アルティメットゼログライジスは再び手を振りかざし、シーザーとオメガレックスの身体の動きが止まった。

 

 「どうした? シーザー!」

 

 「この力は!」

 

 「そこで大人しくしていろ! 貴様らの相手はこいつの処分からだ。」

 

 「くそ、これでも喰らえ!!」

 

 ジェノスピノはアルティメットゼログライジスに火炎放射を放つが、火炎はアルティメットゼログライジスを避けるかのように2つに割けた。

 

 「な、何!?」

 

 「ふん、こんなものか。火炎とはこうやるのだ!」

 

 その時、アルティメットゼログライジスはデスレックス獄炎龍形態のような凄まじい火炎放射をジェノスピノに放った。それを見たレイルは、

 

 「あれは、デスレックスの火炎放射! まさか、あのゼログライジスにはデスレックスの能力を受け継いでいるのか!?」

 

 アルティメットゼログライジスの火炎放射を喰らったジェノスピノの装甲は一気に大半が溶けてしまった。

 

 「究極体となった記念すべきアルティメットゼログライジスの最初のご馳走はお前だ。 私の身体の一部になれることを光栄に思え。」

 

 アルティメットゼログライジスは手を振りかざした時、ジェノスピノの装甲にひびが割れ、その中からゾイドコアが現れ、同時にリセルもコクピットから強制的に出された。

 

 「これは、どうなっている!?」

 

 アルティメットゼログライジスは口を開き、リセルとジェノスピノのゾイドコアはその口に吸い込まれていった。それを見たウィルとレイルは抵抗しながらも、

 

 「リセル!!」

 

 リセルとジェノスピノのゾイドコアはアルティメットゼログライジスに取り込まれ、吸収したアルティメットゼログライジスの身体からはデスレックスを取り込んだ時のように紫色の閃光と衝撃波が放たれた。

 

 「ああ~、これがジェノスピノの力か! 最高だ。」

 

 ゾイドコアを失ったジェノスピノはそのまま石化した。それを見たレイルは怒り狂い、

 

 「貴様、許さない!」

 

 オメガレックスは自力でアルティメットゼログライジスの重力から脱出し、シーザーも重力から出ようとするが、中々出ることが出来ない。オメガレックスはアルティメットゼログライジスに荷電粒子砲の照準を合わせ、

 

 「僕は今までお前を父と思って尊敬し、ネオデスメタル帝国を正義と信じ、皇帝になるためにずっと必死になって頑張ってきた。

 けど、今となってはお前は僕の父親じゃない! ただの悪魔だ!! 行くぞ、オメガレックス!

 オメガレックス、進化 解放! エヴォブラストー!! 荷電粒子砲発射!!」

 

 オメガレックスはアルティメットゼログライジスに向けて荷電粒子砲を放ち、アルティメットゼログライジスに直撃するが、アルティメットゼログライジスには傷1つ付かず、そればかりか、まるで何事もなかったかのように首を傾げた。

 

 「そんな…!」

 

 「もはや、荷電粒子砲等、過去の異物だ。」

 

 アルティメットゼログライジスは手を振りかざし、オメガレックスの身体が宙に浮いた。

 

 「我が宿主の分身であるアーネストよ! 今度こそ、私と1つになるのだ!」

 

 「嫌だ! 僕はお前なんかと1つにはならない。僕はエマと一緒にいなければいけないんだ! 僕を失って彼女を悲しませたくない!」

 

 「ふん、貴様は所詮、私の一部になるために生まれてきたに過ぎん!! 

 かつて、地球に移住したときに造った我が分身も貴様のように私に逆らったが、貴様も同じようにはさせんぞ。どのみち貴様に逃げ場はない!」

 

 「嫌だ、嫌だ! 僕は帰らなくちゃならないんだ。エマのところに!」

 

 「もらうぞ、オメガレックスの力を!」

 

 ジェノスピノ同様にオメガレックスの装甲にひびが割れ、そこからゾイドコアが現れ、同時にレイルもアルティメットゼログライジスの重力操作によってコクピットから引きずり出された。そして、レイルはオメガレックスのゾイドコアと共にアルティメットゼログライジスの口に吸い込まれた。

 

 「ウワァー!!」

 

 それを見たウィルとシーザーは、

 

 「レ、レイルー!!」

 

 グオォ~!!

 

 レイルとオメガレックスのゾイドコアも吸収したアルティメットゼログライジスの身体に更に強力な衝撃波が放たれ、周囲にいた親衛隊ゾイドと野生ゾイド、同盟軍のゾイドや都市も一瞬で破壊された。

 

 「レイルとリセルを返せー!! スピリットバーストブレイク!!」

 

 シーザーはアルティメットゼログライジスに向かって攻撃するが、アルティメットゼログライジスは口からオメガレックスと同じ荷電粒子ビームを放った。シーザーはギリギリでかわすが、荷電粒子砲を喰らった野生ゾイド、同盟軍のゾイドは一気に消滅した。

 

 「そんな、荷電粒子砲まで… 」

 

 「フフフフフ、ハーハッハッハッハッハッハ!!」

 

 ギュオォ~!!

 

 ギャラガー三世の高笑いとアルティメットゼログライジスの咆哮が響いた。

 

 To be continued




 次回予告

 シーザーたちとの戦いを経て、最終形態となったデスレックス獄炎龍形態と融合したゼログライジスは究極完全龍アルティメットゼログライジスとして究極進化を遂げた。
 アルティメットゼログライジスはジェノスピノ、オメガレックスのゾイドコアも吸収し、かつてレオとライガー(シーザー)、帝国、共和国による合同軍と戦った時とかつてのギャラガー三世の本体であるオリジナルデスザウラーを遥かに凌駕するパワーで野生ゾイドや同盟軍ゾイドを帝都ごと一瞬で葬り去り、更にそのゾイド因子とゾイドコアを取り込み、パワーアップを遂げた。
 アルティメットゼログライジスは更なる進化と宇宙支配のために地球上に存在する全てのゾイドの補食と反乱軍との最後の戦いのためにそのままレッドケルベロス本社に向かう。
 アルティメットゼログライジスの圧倒的な力の前に絶望するストームたちだったが、ウィルは単身シーザーと共にアルティメットゼログライジスの元に向かった。

 次回「最終決戦、シーザーVSアルティメットゼログライジス」

 本能を呼び覚ませ、ライガー!!

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