ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  
 新地球暦1245年、人とゾイドの共存が進む中、ネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が地球の8割を支配している時代、辺境の村に住むゾイド好きの少年ウィルはライジングライガーに進化した相棒のシーザーとかつてのシーザーの相棒の血を引く少女エマ、伝説のすのリーダーの子孫であるストーム率いる同盟軍と共に、ゾイドと人々を帝国の支配からの解放と人とゾイドの共存のための戦いに身を投じていった。
 だが、ネオデスメタル帝国では着々と地球を壊滅させる程の力を持つ史上最強のゾイドが復活しようとしていた。


第54話「最終決戦 シーザーVSアルティメットゼログライジス」

 吸収したオメガレックスと同じ荷電粒子ビームを放ち、オメガレックス以上の威力を持つアルティメットゼログライジスにウィルや皆は驚愕した。

 

 「そんな、さっきの火炎放射といい、何で荷電粒子砲まで!?」

 

 驚くウィルにドレイクは、

 

 「あのゼログライジスは融合したデスレックスの能力を受け継いでいて、デスレックスがゾイドを喰らうごとに進化するように奴も人間とゾイド因子、ゾイドコアを吸収し、しかもその能力まで得る能力を持っているのだろう。」

 

 「そんなことが…」

 

 「なら、これでも喰らえ!!」

 

 クルーガーはゴルドのグラビティキャノンをアルティメットゼログライジスに向けて放つが、アルティメットゼログライジスは両手のGグラップクローを振りかざし、重力操作でグラビティキャノンの2発の弾を直前で停止させた。

 

 「そんな!」

 

 「今さら、これが私に通用するとでも思ったのか? ホラよ、返してやる。」

 

 アルティメットゼログライジスは重力操作で止めたグラビティキャノンの2発の弾をそのまま返し、周囲にいたメカトピア共和国軍ゾイドと野生ゾイドが全て全滅してしまった。

 その時、ビルの瓦礫からボロボロになったドクターマイルスのゼロファントスが現れた。アルティメットゼログライジスを見たドクターマイルスは、

 

 「オオ、遂に究極の存在になられたんですね。これで我がネオデスメタル帝国の栄光と古代ゾイド人による天下が約束された!」

 

 野生ゾイドたちとの戦いでボロボロになりながらも立ち上がるナックルコングG3、ドライパンサーG3、ゼロスティレイザー、ゼロディメパルサー、ゼロドライパンサーに乗るタッカー元帥、ベケット少将、デーニッツ中将、ルメイ大将は歓喜した。

 

 「オオ~。我が帝国国民よ! 喜ぶがよい。 今まさに皇帝ギャラガー三世陛下は究極の力を手に入れた!

 これで、我がネオデスメタル帝国は永久不滅の完全な帝国になったのだ!!」

 

 ウォォー!! 

 

 それを聞いた帝国市民は一斉に歓喜した。

 

 「さあ、皇帝陛下! そのお力で、反乱軍を根絶やしにし、世界に示すのです!」

 

 それを聞いたギャラガー三世は不敵な笑みを浮かべ、

 

 「そうだな。だが、帝都と貴様らがこんな様では、もはや帝国も終わったな。

 まあ、この力が手に入った時点でそれも必要なくなったがな。」

 

 「え、何を?」

 

 そう言うと、アルティメットゼログライジスはGグラッドクローでドクターマイルスとゼロファントス、タッカー元帥とナックルコングG3、ベケット少将ら四天王と全ての親衛隊と親衛隊ゾイドだけでなく、帝都メガロポリスにいる市民を全て重力操作で浮かした。

 

 「こ、皇帝陛下! 一体何をなさるのです!?」

 

 「決まっている! 今の私は更なる強大な力を得るために餌を求めているのだ。だから、使い物にならなくなった貴様らを私の糧にさせてもらう。」

 

 「そんな、バカな!?」

 

 ドクターマイルスは慌ててギャラガー三世に、

 

 「皇帝陛下! これはいくらなんでもあんまりでは! こんなことして、我ら古代ゾイド人とネオデスメタル帝国の未来はどうなるのです!?」

 

 「心配はいらん。この力があれば、帝国等いくらでも作り替えられる。人間やゾイドの駒等いくらでもあるのだからな。」

 

 「そんな…」

 

 「だが、心配することはない。貴様らは私の身体の一部となり、私の力になるのだ。光栄に思うがよい。」

 

 「バカな、我々の正義は、信念は何処にいってしまったのです!?」

 

 「もらうぞ、貴様らの力を!」

 

 「お許しください! 皇帝陛下ー!!」

 

 そう言うと、アルティメットゼログライジスはGグラッドクローでドクターマイルスとゼロファントス、タッカー元帥とナックルコングG3、ベケット少将ら四天王と全ての親衛隊と親衛隊ゾイドだけでなく、帝都メガロポリスにいる市民やさっきの荷電粒子砲と返されたグラビティキャノンで全滅したメカトピア共和国軍ゾイドと野生ゾイドを全て吸収してしまった。それを見たウィルたちは驚愕した。

 

 「あいつ、自分の国の国民や部下にゾイドまで喰いやがった!」

 

 「奴にとっては国家も組織も国民もゾイドも全てはあのアルティメットゼログライジスを完成させるための餌に過ぎなかったのだ!」

 

 その時、アルティメットゼログライジスの身体が段々熱くなり、歩くと、その足跡がマグマのように溶け、周りの建物がアルティメットゼログライジスが近付くだけで、全て溶解していった。

 

 「ど、どうなってるんだ?奴の身体は!」

 

 ジョンが分析すると、

 

 「アルティメットゼログライジスの装甲が高熱を発生し、一万度以上、いや更に急上昇していっています!」

 

 「一万度以上だと! 太陽の表面温度以上の熱を発生しているっていうのか!?」

 

 アルティメットゼログライジスが近付いていく中、ゾイドたちの身体も徐々に溶解していった。

 

 「これは不味い! 一旦逃げるぞ!!」

 

 「そうはさせるか!」

 

 アルティメットゼログライジスの背中のドーサルキャノンが帝都中に縦横無尽に発射していって、シーザーたちはその攻撃を食らって、全滅してしまう。

 

 「さて、貴様らの力を貰うとしよう。」

 

 その時、何者かがアルティメットゼログライジスを攻撃した。攻撃してきたのは、コナー少佐のステゴゼーゲMk-ⅡとナックルコングG3との戦いで死んだはずのグラッドのレックスだった。それを見たストームたちは驚愕した。

 

 「待たせたな!」

 

 「グラッド、どうしてお前が?」

 

 「説明している暇はない! 今のうちに早く逃げろ!!」 

 

 「わ、わかった!」

 

 コナー少佐のステゴゼーゲMk-Ⅱとレックスがアルティメットゼログライジスの注意を引き付けている間にシーザーはジャックに、キングはミクロラプトル種のゾイドにそれぞれの飛行ゾイドに運ばれ、同盟軍とメカトピア共和国軍は撤退した。それを見たギャラガー三世は、

 

 「敵わぬと見て、一時撤退したか…。 いい判断だが、所詮何処に逃げても無駄なことだ。貴様らに更なる絶望を与えてやろう。 フフフフ、ハーハッハッハッハッハッハ!!」

 

 ヴオォ~!!

 

 ギャラガー三世の高笑いと共にアルティメットゼログライジスも咆哮を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レッドケルベロス本社に戻ったストームたちは、傷付いたシーザーやキングたちの修復を行っていた。修理されているキングを見ているストームの元にグラッドが立ち寄り、

 

 「随分派手にやられちまったな!」

 

 「それにしても、お前、どうやって助かったんだ? あのまま行けば、お前もレックスもペチャンコだったんだぞ!」

 

 「レックスがまだ死ぬ訳にはいかないと言わんばかりにあいつの機転で助かったんだ。

 落下する途中、レックスが自らナックルコングG3に撃ち込み、その衝撃でジャンプし、瞬時にナックルコングG3が地面に直撃しない腹の上にたち、ナックルコングG3がクッションになったおかげで、大したダメージにはならなかった。

 その時、気絶した奴に止めを差そうとしたが、ドクターマイルス率いる帝国軍が来ちまって一旦逃げて追いかけてお前たちと合流したってわけだ。」

 

 「全く、あれだけカッコいい捨て台詞を言っておきながら、結局コロッと生きているなんて、逆にカッコ悪いぞ!」

 

 「しょうがねぇだろ。相棒がまだ死ぬなって言って助けたんだから。文句があるなら、俺の相棒に言いな!

 それにしても、俺がいない間に随分賑やかになったもんだな~。」

 

 「アルティメットゼログライジスのせいだ。」

 

 「アルティメットゼログライジス?」

 

 「ゼログライジスの奴が最終形態になったデスレックスと融合し、とんでもない強さを手に入れたんだ!」

 

 「おいおい、マジかよ! ただでさえ、化け物の2体が一緒になっちまったのかよ!!」

 

 「そのおかげで、この様だ!」

 

 「更に状況が悪くなっちまったってわけか。 でも、ナックルコングG3の姿がいないってことは仇討ちに成功したってことだよな?」

 

 「ああ、リセルの手ではなく、皮肉にもあのアルティメットゼログライジスの餌になって消滅しちまった。」

 

 「だが、これでリセルは前に進むことができる。ところで、リセルは?」

 

 「リセルは……」

 

 部屋に戻ったウィルはエマやユリス、カティアに状況を話し、それを聞いたエマは膝を落とし、泣き崩れた。

 

 「そんな、どうして… どうして、レイルが!?」

 

 「ごめん、エマ… 」

 

 泣き崩れるエマにユリスは優しく肩を撫で、

 

 「泣かないで、エマ。ウィルのせいじゃないのよ。」

 

 「わかってるけど、レイルがいなくなったら、私どうしたらいいの?」

 

 そのまま泣き崩れるエマ、ユリスは悲しみを堪えながら、目に少し涙を浮かべた。

 それを見ていられないようにウィルは部屋を退出し、シーザーの元に向かった。

 

 「なあ、シーザー。俺はどうしたらいいんだ? エマの大事な人を守れずにデスレックスとゼログライジスを倒せなかった。

 こんな俺を相棒にして良かったのか? やっぱり俺じゃなく別の人に助けてもらってその人がシーザーの相棒になった方が良かったのかな?」

 

 それを聞いたシーザーは首を横に降り、何か言いたいようにウィルの顔をじっと見つめた。その顔を見たウィルは、

 

 「そうだ。レイルとリセルは死んでなんかいない!きっと何か救う方法はあるはずだ。 ありがとう。シーザー。」

 

 それを聞いたシーザーはゆっくり頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レッドケルベロス本社のビルの司令室ではカーター大佐とコナー少佐が再会した。

 

 「コナー少佐、来てくれたのか。」

 

 「私も戦います。帝国のために皇帝とゼログライジスを倒します!」

 

 「今となっては、帝国だけの問題だけではなくなった。これは世界全体の問題だ!」

 

 「カーター大佐!」

 

 兵士が呼んだ時、映像が送られ、その映像には侵攻していくアルティメットゼログライジスの姿が映り、アルティメットゼログライジスの歩いた帝国、共和国、ネオデスメタル帝国の都市と街は一瞬でマグマの溶岩で溶かされたように火の海になり、アルティメットゼログライジスが近付くと巨大な橋は一瞬でアルティメットゼログライジスの道を開けるかのように溶けた。

 

 「まさか、ゼログライジスの力がこれほどとは!!」

 

 その時、突然司令室の映像が乱れ、その映像からアルティメットゼログライジスのゾイドコアと一体化したオーガノイド体のギャラガー三世が映っていた。

 ギャラガー三世が映った映像を、ウィルやストームたち、エマやユリス、レッドケルベロス社のブラック社長たちもそれを見ていた。

 

 「やあ、愚かな下等生物の諸君、私の声が聞こえているかな?」

 

 それを見たグラッドがマイクを取り、

 

 「聞こえてるぞ! 随分派手にやってくれたもんだな。どうせ、要求は我々の降伏だろう。 悪いが、その要求には無条件で断ってもらうぞ。」

 

 「フフフ、ただの降伏ではない。貴様ら下等な人間とゾイド共に絶望を与えるために通信を開いたまでだ。」

 

 「絶望だと!?」

 

 「いいものを見せてやろう。」

 

 その時、映像が進攻するアルティメットゼログライジスに変わり、アルティメットゼログライジスが突然進攻を止めた。 その時、アルティメットゼログライジスの胸部からブラックホールのようなものが現れた。

 

 「これから、貴様らに見せてやろう。究極体となったこの私、アルティメットゼログライジスの真の力を!」

 

 アルティメットゼログライジスの前に現れたブラックホールのようなゲートは更に大きくなり、そのゲートの中に太陽が映し出された。 それを見て驚くグラッドたち、アルティメットゼログライジスはゲートに向けて胸部を開いた。

 

 「これから、貴様ら愚かな人間とゾイド共に見せてやろう。真の宇宙最強となったこの私、アルティメットゼログライジスの本当の力を!

 アルティメットゼログライジス、原始 解放! ゼロブラストー!! デッドエンド!!」

 アルティメットゼログライジスの胸部のコアがゲートの中に放たれ、その強靭なビームは太陽に直撃し、その太陽は一瞬の内に消滅し、超新星爆発を起こした。それを見て信じられないような光景を見るウィルたち、

 

 「安心しろ。今のは別の銀河の太陽だ。 だが、その気になれば、この地球どころか太陽系を破壊することなど、造作もない。

 今のうちに降伏し、私のペット(奴隷)になるなら、全ての命は助けてやる。しかし、降伏に応じないなら、さっきの太陽のように全滅してやる。 猶予は後7時間、私がレッドケルベロス本社に着くまでだ。それまでにゆっくりと考えておくがいい!」

 そう言って中継を切るギャラガー三世、それを見たストームやグラッド、クルーガーたち同盟軍は、

 

 「どうやら、あのアルティメットゼログライジスは俺たちの想像を遥かに凌駕する化け物のようだ。」

 

 「なあ、ストーム、他に戦えるゾイドたちと武器はまだあるのか?」

 

 「ああ、それが、お前が戻るまでにデスレックスとの戦いの時にほぼ全滅に近い状態で、援軍に来てくれたメカトピア共和国と野生ゾイドたちもあのアルティメットゼログライジスに吸収されちまった。」

 

 「グラビティキャノンの弾も全て使いきってしまったし、仮にあってもさっきの戦いで奴には一切通用しなかったからな。」

 

 「あ、そうだ! クルーガー。 そういえば共和国にはグラビティキャノンの他にロングレンジバスターキャノンってのがあったな。 それを使うのはどうだ?」

 

 それを聞いたクルーガーは少し残念そうに、

 

 「残念だが、あれは以前ギャラガー三世のジェノスピノ率いるネオデスメタル帝国軍が旧ネオヘリックシティを壊滅させた時に破壊されちまったんだ。」

 

 「おいおい、それじゃ、今万全の状態なのは俺とレックスだけってことになるのかよ!? そんなのムチャクチャだぜ!」

 

 「いや、1つ方法がある!」

 

 その時、メカトピア共和国軍のガルド将軍が口を開いた。

 

 「かつて、ゾイドクライシス以後の地球を壊滅寸前に追い込んだ完全体ゼログライジスを封印させ、古代秘宝Zの一員であったライオン種とティラノサウルス種のゾイドを復活させるしかない!」

 

 「てことは、そいつはウィルのシーザーや俺のキング、そして、デスレックスやオメガレックスとはまた違う同じ種の別のゾイドってことか…。」

 

 「その通りだ。我々メカトピア共和国の伝説に残り、地球をゾイドと他の生物が共存できる世界を実現するために動いた勢力のゾイドで、我々の思想にも影響を与えた者たちだ。

 伝説によると、彼らはゼログライジスが誕生した別次元の惑星に生まれ、ゼログライジスと共に地球に来て、そのときにもゼログライジスを封印したことがあり、進化ゾイド、兵器ゾイドとはまた違い、それらを遥かに上回る力を持っていたと伝えられている。」

 

 「てことは、彼らを呼び起こして味方にすれば、あのアルティメットゼログライジスでも同様に封印することが可能になるってことか!?」

 

 「ただ、1つ問題が… 」  

 

 

 「問題?」

 

 「そもそも彼らが何処に眠っているのか文献にもそれが示されていない。 ゼログライジスを封印したっていうなら、ゼログライジスが封印されたのと同じ場所の可能性がかなり高いが、そもそもその場所がわからない。

 知っているとするなら、ゼログライジスを復活させたネオデスメタル帝国の科学者のドクターマイルスだけだろう。」

 

 「ドクターマイルスはあのアルティメットゼログライジスにゼロファントスと共に吸収されちまったし、奴の研究所だって破壊されている。

 手掛かり無しで彼らを捜すのは至難の技だな。 しかもタイムリミットは後7時間しかない。彼らを捜す時間なんてない。」

 

 「仮に見つけて味方にしたとしても、彼らの力で、あのアルティメットゼログライジスに勝てるとは限らない。」

 

 「私の予想でもゾイドコアを吸収するごとに無限に進化できるあのアルティメットゼログライジスはおそらく、完全体ゼログライジスと同等か、それ以上かもしれない。」

 

 その時、ウィルがストームたちの前に現れ、

 

 「俺が行きます! 俺とシーザーがアルティメットゼログライジスと戦って時間を稼いでいる間にストームさんたちは伝説のゾイドたちを!」

 

 「何を言っている! シーザーはさっきの戦いでボロボロなんだぞ! そんな状態で戦ったら、お前はもちろん、シーザーも当然死ぬぞ!!」

 

 「それでも、行かなきゃならないんです! これ以上ギャラガー三世をほうっておいたら、もっと多くのゾイドや人々も死んでしまうんです! それを止めるために黙って見ているわけにはいかないんです!!」

 

 「気持ちはわかるが、お前をそんな危険な目に遭わせるわけにはいかない。そこまで行きたいんって言うんなら、この俺を殴ってから行け!」

 

 「え…」

 

 「それが出来ないなら、俺とキングが行ってやる!」

 

 「おいおいおい、ストーム! 言っとくが、キングだって出撃できる状態ではないだろ! それにツインドファングが修復されるのも後2日だって聞いたぞ。」

 

 それを聞いたストームは汗ダラダラな状態で、

 

 「あ! (しまった~!!)」

 

 クリスはグラッドに小声で、

 

 「あういうところが、リーダーの欠点ですよね。」

 

 「ま、ある意味先祖譲りでもあるがな。」

 

 「(ちくしょ~! せっかくウィルにカッコいいところ見せてやったのに、これじゃ、俺のイメージががた落ちじゃねぇか。

 どうする? ここは上手く誤魔化してやり過ごすか。いや、今さら誤魔化しても無駄だし…)」

 

 その時、カーター大佐とシュバルツ中佐が現れ、

 

 「でしたら、私のスナイプテラの装備とシュバルツ中佐のキャノンブルの9連キャノン砲をあなたのワイルドライガーに装備させるのはどうでしょうか?」

 

 「しかし、そんなことしたら、あんたたちのスナイプテラとキャノンブルも出撃出来ないんじゃないか?」

 

 「ですが、私のスナイプテラとシュバルツ中佐のキャノンブルもかなりのダメージでとても出撃できる程ではありません。」

 

 「カーター大佐の言う通りかもしれない。確かにキングはツインドファングを破壊されたとはいえ、ボディ自体は他のゾイドと比べると軽傷だ。 その判断は正しい。」 

 

 「といっても、兵器ゾイドの戦いかたはあまり俺の好みではないのだがな。」

 

 その時、突然地面が揺れ、

 

 「なんだ!? 地震か?」

 

 映像を流すと、進攻するアルティメットゼログライジスが手のGグラップクローで雲を移動し、台風や落雷を発生させ、海には津波が起き、地面に亀裂が裂け、それはまるでかつてのゾイドクライシスの再来のようだった。

 

 「あのアルティメットゼログライジスは天候操作も可能なのか!?」

 

 「復活した完全体ゼログライジスにもあれと同様の能力を持っていると聞いたことがあるが、奴はゾイドクライシス規模の地殻変動を引き起こすことも出来るんだ。」

 

 「そんなことまでできるゾイドがこの世にいるなんて…」

 

 「ゼロブラストだけでも厄介なのに、そりゃねぇぜ。」

 

 「奴はもはや、ゾイドじゃない! 完全な化け物だぜ!!」

 

 「もはや、グズグズしている暇はない! キングの改造が終わったら、直ぐにでも出撃する!」

 

 「しかし、リーダー! 出撃できるゾイドが僅かしかいません!」

 

 「この際、一か八か行くしかない。どうせ俺たちに逃げ場はないんだ! 黙って見ていてこのまま滅ぼされるよりはましだ!」

 

 ウィルはストームの元に行き、

 

 「ストームさん…」

 

 「ウィル、お前はここで待っていろ! 今のお前が行ったら足手まといになるだけだ。」

 

 「リーダー、ワイルドライガーの改造終わりました!」

 

 「よし、グラッド、ドレイク、行くぞ!」

 

 「おう!」

 

 キングとジャン、レックスと出撃できる残りの同盟軍ゾイドが次々と出撃していった。それを見てウィルは複雑そうな表情をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レッドケルベロス本社から3キロ離れた場所に侵攻していくアルティメットゼログライジス、アルティメットゼログライジスの歩いている周囲がアルティメットゼログライジスの装甲によって発生する一万度、十万度以上の高熱でマグマのように溶解し、全てが火の海になっていた。

 

 「後4時間か… だが、時間があろうとなかろうともはや、下等な人間やゾイド共にこの私を倒す手段はないがな。ん?」

 

 その時、目の前に9連キャノン砲を装備したキングとジャン、レックス率いる同盟軍ゾイドが現れた。

 

 「ほぅ、改造されたワイルドライガーか… ちょうどいい。この私の宿主であるギャラガー一世が倒したがっていた奴をこの私で潰してやる。」

 

 アルティメットゼログライジスは背中のドーサルキャノンを周囲に縦横無尽に発射していった。同盟軍ゾイドは次々と消滅していくが、キングたちはそれらを避けながら、アルティメットゼログライジスに向かっていく。

 

 「ようし、お前らワイルドブラストだ!!」

 

 「おぅ!」

 

 「狙い撃て、レックス! 俺の魂と共に、進化 解放! エヴォブラストー!! ファイナルガトリング!」

 

 「斬り刻め、ジャン! 俺の魂と共に、進化 解放! エヴォブラストー!! 新・音速殺!」

 

 「燃えろ、キング! 俺の魂と共に、進化 解放! エヴォブラストー!! キング… あれ? そういや、装備変えたから、キングオブクローブラストじゃなかった。

 え~と、確かキャノンブルのマシンブラスト名はナインバーストキャノンだったから…」

 

 「考えている暇はないぞ!」

 

 「よし、これだな! 新生キングのエヴォブラスト、キングオブクローブラスト改めキングオブバーストキャノン!!」

 

 キング、ジャン、レックスのエヴォブラスト技がアルティメットゼログライジスに直撃した。しかし、アルティメットゼログライジスは無傷だった。

 

 「歯応えはあったはずだが、やはりこれでも効かないか。」

 

 アルティメットゼログライジスは再びドーサルキャノンを撃ち込む。

 

 「くそ、これじゃ、奴に致命傷を与えることが出来ないぜ!」

 

 「なら、方法がある。俺のレックスとドレイクのジャンが奴を引き付ける。その隙にお前が奴の胸部にあるゾイドコアを狙い撃ちにするんだ!」

 

 「といっても、あの装甲だせ。おまけに一万度や十万度以上の高熱も発生させている奴のボディをキングの新しい技でぶち破れるか否か…」

 

 「お前にしては、珍しく弱気だな。そんなんじゃ、余計先祖に顔向け出来ないんじゃないか?」

 

 「そうだ。俺のジャンにはかつて完全体ゼログライジと戦った時に活躍した共和国最強のギルラプターLCのA-Zレーザーガンとインパクトレーザーガン改を旧共和国のデルタから貰ったんだ。 負ける気がしねぇぜ。」

 

 「そうだな。例え、この身が砕けようともこの世界を、ゾイドを救ってやる!」

 

 「よし、行くぞ。 ドレイク!」

 

 

 「やってやるぜ!」

 

 「ファイナルガトリング!!」

 

 「喰らえ、レーザーガン!!」

 

 アルティメットゼログライジスは再びドーサルキャノンを放つ態勢を取るが、レックスとジャンはアルティメットゼログライジスの両目だけ狙って攻撃した。 

 アルティメットゼログライジスはドーサルキャノンを放つが、両目を攻撃され、視覚がふさがれ、狙いが若干外れた。

 

 「よし、いいぞ! さっきと比べると狙いが不正確になっている。このまま行くぞ!」

 

 「何!? そうか、目を狙って、貴様らへの狙いを不正確にし、その隙に攻撃する算段か… だが、それもいつまで持つかな?」

 

 キングはアルティメットゼログライジスに向かって走って行った。アルティメットゼログライジスの近くに行った時、アルティメットゼログライジスの装甲から放たれる高熱で近付けそうになるが、ストームは怯むことなく、

 

 「行くぞ、キング!」

 

 グオォ~!!

 

 キングはアルティメットゼログライジスのボディに9連キャノン砲を撃ち込み、その衝撃で飛び、そのままアルティメットゼログライジスの格ボディに撃ち込んでその衝撃でボディに触れることなく上昇し、遂に胸部まで行った。

 

 「さあ、こいつで終わりにしてやる! キング! 進化極限解放! キングオブバーストキャノン!!」

 極限解放したキングの強烈な9連キャノン砲がアルティメットゼログライジスのゾイドコアがある胸部に超至近距離で直撃した。

 

 「終わったか… う…」

 

 しかし、アルティメットゼログライジスの胸部は全くの無傷だった。

 

 それを見たストームたちは驚愕した。

 

 「そんなバカな…」

 

 「今の攻撃、オメガレックスだったら、ゾイドコアも丸ごと破壊され、一発KOクラスだろうが、既に究極体となったこのアルティメットゼログライジスにとっては蚊に刺される程のレベルでもなかったわ!」

 

 アルティメットゼログライジスはGグラップクローを出し、キングやレックス、ジャンはその重力操作で身動きが取れなくなった。

 

 「さて、早速ギャラガー一世とデスレックスを葬ったワイルドライガーのゾイドコアを頂くぞ。デスレックスと共にゾイドの王と呼ばれたライガーなら、相当なご馳走になるんだろうな?」

 

 「ち、もう終わりか…」

 

 その時、強力なキャノン砲とアサルトキャノンがアルティメットゼログライジスのGグラップクローに直撃し、重力操作が一時解除された。重力操作が解除され、脱出するキングたち、そこに現れたのは改良したグラビティキャノンを装備したゴルド、クリスのジャック、ジョンのキール、ジェニファーのクーデリア、アレックスのウィーリィー、アッシュのバンプら同盟軍の精鋭部隊が勢揃いした。

 

 「お前ら!」

 

 「我々も戦います!」

 

 「俺たちだって、黙って見ていられないからよ!」

 

 「雑魚いくら集まっても同じことよ! 貴様らではこの私に指一本触れることすら出来ん。」

 

 「そんなけと試してみないとわからないぜ!」

 

 「なら、試してやるか?」

 

 キングたち同盟軍の精鋭部隊がアルティメットゼログライジスに一斉に立ち向かうが、アルティメットゼログライジスは格ボディから、十万度以上の熱風をまるで衝撃波のように放った。熱風を食らったキングたちはボディの大半が溶解し、一瞬で全滅してしまった。

 

 「なんて、パワーだ… 」

 

 「アップしているのは防御力だけじゃない。」

 

 「攻撃力も桁違いだ。」

 

 「ゼロブラストや大した武器を使っていないのに、あんな化け物、どうやって倒すんだよ!!」

 

 「脆い! これでは、遊び相手にもならんな。まあ、いい。腹が減ってきたから、ディナーにさせて貰おう。」

 

 「スピリットガンスラッシュ!!」

 

 その時、シーザーの攻撃がアルティメットゼログライジスに直撃し、シーザーがアルティメットゼログライジスの前に立った。

 

 「ほぅ、」

 

 それを見たストームは、

 

 「バカ野郎、何故来やがった!?」

 

 「俺だって戦いたいんです! 例え、負けると知っても、犠牲になったレイルやリセルや今まで戦ってくれたゾイドや皆、そして、この星に住む皆やゾイドのために俺はシーザーと共に最後まで戦わなきゃならないんです! シーザーがそう教えてくれたんです!!」

 

 「ウィル…」

 

 「ふん、今さら貴様が来たところで、何になるというのだ!?」

 

 「俺とシーザーの全身全霊の力でお前を倒す!! 行くぞ、シーザー!!」

 

 グオォ~!!

 

 「面白い!」

 

 アルティメットゼログライジスは荷電粒子砲を放つ態勢に入り、シーザーはEシールドを展開し、スピリットバーストブレイクを使う態勢に入った。

 

 「食らうがいい。これがアルティメットゼログライジスの真の荷電粒子砲だー!!」

 

 「スピリットバーストブレイク!!」

 

 アルティメットゼログライジスの放った荷電粒子砲に向かって突っ込んでいくシーザー、シーザーは荷電粒子砲に推されていくが、

 

 「持ってくれシーザー! 俺たちはこんなところで負けるわけにはいかないんだ! 俺たちの皆の、ゾイドの未来のために負けるわけにはいかないんだー!! シーザー~!!」

 

 グオォ~!!

 

 シーザーの力一杯放った咆哮と共にシーザーの身体がオレンジ色に輝き、同時にシーザーは徐々に荷電粒子砲を推していった。

 

 「何!?」

 

 それを見たストームやグラッドは、

 

 「いいぞ、あのまま行けば、アルティメットゼログライジスのゾイドコアに攻撃出来る!」

 

 「ウィル… 成長したな。」

 

 「ウォー!!」

 

 シーザーの身体がアルティメットゼログライジスに近付いたその時、ブレードがアルティメットゼログライジスの荷電粒子砲に耐えられず、溶解し、一瞬で破壊されてしまった。

 

 「そんな!!」

 

 「ふん。」

 

 今まで推していったシーザーは逆に荷電粒子砲に推され、そのまま山頂に向かって飛ばされ、爆発してしまった。それを見て絶望したような表情をするストームたち、

 

 「もはや、かつて惑星Ziで私を倒したようにはいかないのだ! フフフフフ、ウワーハッハッハッハッハッハ!!」

 

 ヴオォ~!

 

 ギャラガー三世の高笑いとアルティメットゼログライジスの咆哮が世界中に響き、世界は滅亡を約束されたかのように黒い雨が降り注いだ。

 

 To be continued




 次回予告

 ジェノスピノやオメガレックス、多くのゾイド因子を吸収したアルティメットゼログライジスにシーザーの攻撃は一切通用せず、遂にウィルとシーザーは敗れてしまう。
 アルティメットゼログライジスは、かつて完全体になった自分を封印したシーザーの相棒であるレオ・コンラッドの子孫にしてそのゾイド因子を受け継ぐエマを吸収するべく、ゲートを使ってエマのいるレッドケルベロス本社に向かった。
 アルティメットゼログライジスとの戦いでボロボロになるシーザー、ウィルはアルティメットゼログライジスを追うとするも、半ば諦めてしまう。
 その時、エマのゾイド因子が発動し、ウィルの前に死んだ父とシーザーがウィルに話しかけた。
 ウィルが目指す未来とは、そして、地球を取り戻せるのか!?

 最終回

 「未来を切り拓け、ライガー」
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