ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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  ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。
  新地球暦1245年、世界はネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が支配していた。
 各地で帝国の支配に抵抗するレジスタンスが立ち上がり、帝国とレジスタンスが激しい戦争を繰り広げている戦乱の時代となっている中、帝国に捕らえられていたビーストライガーにシーザーと名付け、相棒となった少年ウィルは謎の少女エマと共に冒険の旅に出掛けた。


第6話 「弾幕の幻狐」

  基地を襲撃し、絶対絶命のウィル達の危機を救ったのは、ガトリングフォックスだった。  姿を見せたガトリングフォックスを見たカーター大佐は、  

 

 「まさか、ここで再び会うとは思わなかったよ!」  

 

 ガトリングフォックスのライダーは、

 

 「へ、別にあんたに用があって来たわけじゃねぇ!この基地に用があって来たんだよ!」  

 

 「グラッド・バレル!もし、投稿するなら、罪を許そう!もちろん、帝国軍の再入隊も許す!」  

 

 しかし、グラッドは、 

 

 「お断りだ!俺はもう二度とあそこに戻るのはごめんだぜ!」  

 

 「そう言うと思ったよ!なら、私と戦え!君にも借りがあるんでね!」  

 

 「おいおい、いくら、スナイプテラだからといって、俺とレックスに勝てるとでも?」  

 

 「それはやってみなきゃわからない!」  

 

 そう言い、ガトリングフォックス向けてガトリングを撃つスナイプテラ、ガトリングフォックスは走りながら避ける。そのままガトリングを撃ち続けるスナイプテラ、その様子を見たグラッドは、  

 

 「へ、いくら同じガトリングでも俺とレックスには勝てねぇぜ!」  

 

 「ふ、この私が何の策も無しに撃ち続けたと思っているのか?」  

 

 スナイプテラが空中で止まったとき、ガトリングフォックスは既に道を塞がれていた。  

 

 「しまった!」  

 

 「これなら、狙いが定める。覚悟しろ、グラッド・バレル!アブソルートショットー!」  

 

 ガトリングフォックスに向けて、アブソルートショットを撃つスナイプテラ、  

 

 「くそ、ここまでか!‥‥な~んてね!いくぞ、レックス!」  

 

 グラッドの掛け声と共にアブソルートショットが当たる寸前にガトリングフォックスが身体をひねって避け、 

 

 「ファントムガトリングガン!」  

 

 スナイプテラに向けてファントムガトリングガンを撃つガトリングフォックス、左翼を撃ち抜かれるスナイプテラ、  

 

 「攻撃が当たる寸前に身体をひねって避けてそのまま攻撃するとは!敢えて乗ったにしても、かなり危険な行動だ!それを躊躇せず、やるとは!」  

 

 驚愕するカーター大佐にグラッドは、  

 

 「伊達に同盟軍の総司令はやってねぇ!俺とレックスは常に修羅場で生きてんだよ!」  

 

 「ふ、なるほどな!流石にちょっと油断したが、私のスナイプテラもそうヤワではない!」  

  

 態勢を立て直し、もう一度、アブソルートショットを撃とうとするスナイプテラ、その時、スナイプテラのコクピットから通信が入る。  

 

 「カーター大佐、反乱軍がこの基地に襲撃して来ました!」  

 

 「なんだと!規模はどれぐらいだ?」  

 

 「陸上には複数のラプトリア、スコーピア、ガノンタス、空中にはカブターと大量のクワガノスが!」  

 

 「なに!既にクワガノスを復元していたのか!」 

 

 「それだけではありません!陸上にファングタイガー、パキケドス、アンキロックス、スパイデス、ハンターウルフ、グラキオサウルス ボルカノ、空中にはソニックバードまでいます!」  

 

 基地の入口ではラプトール、ディロフォス、キャノンブルが同盟軍のラプトリア、スコーピア、ガノンタス部隊との撃ち合いになっているが、すぐさま、ファングタイガーが現れ、  

 

 「切り裂け、ゼル、私の魂と共に本能 解放!ワイルドブラストー!!」  

 

 ワイルドブラストし、ラプトール、ディロフ ワイルドブラストし、ラプトール、ディロフォス部隊を一瞬で蹴散らし、キャノンブル部隊がファングタイガーに9連キャノン砲を撃ち込む。

 しかし、ファングタイガーはその攻撃を全て避ける。二体のキャノンブルが突進しようと襲いかかるが、それも避ける。ファングタイガーのライダーは、  

 

 「遅い!そんな武器に頼っているから、ゾイドの本来の力を発揮していないのだ!」  

 

 そう言い、ファングタイガーは全てのキャノンブルの9連キャノン砲を一瞬で真っ二つにする。そして、その背後にパキケドスが現れ、  

 

 「突き抜け、ウィーリー!俺の魂と共に、本能 解放!ワイルドブラストー!!」  

 

 ワイルドブラストして、全てのキャノンブル ワイルドブラストして、全てのキャノンブルを一蹴する。  すぐさま、バズートル部隊が攻撃するが、パキケドスの横にいたアンキロックスが、  

 

 「振り抜け、バンプ!俺の魂と共に、本能 解放!ワイルドブラストー!!」  

 ワイルドブラストと共にバズートルを蹴散らす。そしてそのとき、銀色のスパイデスがジャンプして現れ、  

 

 「突き刺せ、キール!俺の魂と共に、本能 解放!ワイルドブラストー!!」  

 

 ラプトール、ディロフォスを糸で絡みとって、スパイダーポイズンを浴びせる。また、その横に若草色のハンターウルフもラプトール、ディロフォスを蹴散らす。

 前線で無双するファディロフォスを蹴散らす。前線で無双するファングタイガーにコナー少佐のステゴゼーゲMk-Ⅱが立ちはだかる。  

 

 「ここから先は通すわけにはいかない!」  

 

 ステゴゼーゲMk-Ⅱを見たファングタイガーのライダーは、  

 

 「敵の大将とお見受けした。私と勝負せよ!」  

 

 「ふ、大将は私ではないが、その勝負受けてたとう!ステゴゼーゲ、強制 解放!デスブラストー!!」  

 

 「虎振!」  

 

 「ナイフオブフィフティーン!」  

 

 激突するファングタイガーとステゴゼーゲ、 両者共に一歩も譲らない。しかし、そのとき、両者共に一歩も譲らない。しかし、そのとき、グラキオサウルス ボルカノが現れ、キャノンブル、バズートル、ラプトール、ディロフォスがグラキオサウルスに向けて一斉に撃ち込むが、グラキオサウルスは無傷のまま、前進し、  

 

 「蹴散らせ、ゴルド!私の魂と共に、本能 解放!ワイルドブラストー!!グランドハンマー!」  

 

 グラキオサウルスのグランドハンマーでキャノンブル、バズートル、ラプトール、ディロフォスが一蹴される。空中にはカブターとクワガノスが帝国軍のクワーガと交戦し、その内の一体のクワガノスが、 

 

 「飛び抜け、クーデリア!私の魂と共に、進化 解放!エヴォブラストー!!」  

 

 クワーガの身体を一瞬で真っ二つにし、すぐさま、ソニックバードが翼で蹴散らす。戦況を見たコナー少佐は、通信でカーター大佐に、  

 

 「大佐、我が軍はほぼ全滅です!ここは撤退を!」  

 

 通信を聞いたカーター大佐は、   

 

 「く、まさか、私がガトリングフォックスとやりあっている間に襲撃して来るとは!どうやら、今回は私の負けのようだ!全軍、撤退!」  

 

 カーター大佐の命令と共に、スナイプテラについてコナー少佐のステゴゼーゲMk-Ⅱと残りの帝国軍が基地から撤退していく。ガトリングフォックスが遠吠えを上げ、次々と同盟軍のゾイドが入り、帝国軍基地は完全に制圧された。  ウィルとエマはその様子を見て唖然としていた。そのとき、ガトリングフォックスのコクピットからグラッドが降りてきた。ウィル、エマもシーザーから降り、グラッドにお礼を言おうとするが、グラッドはウィルに、  

 

 「おい、ガキ、いくら、ビーストライガーでもスナイプテラに勝てるわけないだろ!もっと相手のことを知って戦え!」  

 

 それを聞いてウィルはむっとして、  

 

 「なんだよ!俺をバカにしてるのか!それに俺はガキじゃねぇ!」  

 

 

 「ウィル、あまりムキにならないの!」  

 

 エマはグラッドに頭を下げ、  

 

 「助けていただいてありがとうございます!」  

 

 お礼を言うエマにグラッドは、  

 

 「いや、礼には及ばない!」  

 

 「あなたなのね!帝国の脱走兵にして、唯一帝国に抗えるレジスタンスの総司令、グラッド・バレルというのは!」  

 

 「詳しいな嬢ちゃん、俺のファンかい?」  

 

 「いいえ、あなたのことを知らない人はいないわ!」  

 

 「そういう、嬢ちゃんだって、有名人じゃないか!元帝国のゾイド学者エマ・コンラッド!」  

 

 それを聞いたウィルは、  

 

 「え!エマって帝国にいたの!?」  

 

 「ええ、そうよ!」  

 

 「てめえだって、有名人だろ!伝説のビーストライガーを脱走させたウィルってガキ!」  

 

 「だから、俺はガキじゃねぇって!」  

 

 怒るウィルにグラッドはウィル、シーザー、エマの写真が入った手配書を出す。  

 

 「コルクの一件で、お前たちは帝国のお尋ね者として手配されている。俺たちは連行されたお前たちの保護とこの基地を制圧するために来たんだ!」   

 

 ウィルはグラッドに、  

 

 「助けに来たって、あんたたち、何者だ?」  

 

 「やれやれ、何も知らないガキだな!俺たちはネオデスメタル帝国からゾイドと人々を解放するために戦っているレジスタンス、反ネオデスメタル同盟軍!そして、こいつは俺の相棒のガトリングフォックスのレックスだ!」  

 

 そのとき、帝国軍を蹴散らした同盟軍の精鋭部隊のメンバーが集結する。  

 

 「紹介しよう!俺たち同盟軍のメンバーを、ファングタイガーことゼルが相棒の城時ケン、ウィーリーことパキケドスが相棒のアレックス・バーンズ、バンプことアンキロックスが相棒のアッシュ・ブレインズ、キールことスパイデスが相棒で、潜入工作員ジョン・パーカー、クーデリアことクワガノスが相棒のジェニファー・クライス、ジャックことソニックバードが相棒で、精鋭部隊隊長クリス・マコーミック、ゴルドことグラキオサウルス ボルカノが相棒で同盟軍の副官、アーレン・クルーガー、そして、ハンターウルフが相棒で同盟軍に入ったばかりのリセルヴァ・ディアスだ!」  

 

 そこへ、街の町長と人々が現れた。 

 

 「同盟軍の皆さん、帝国の支配から解放していただきありがとうございます!」  

 

 

 「助かったよ!これで帝国の支配から解放される!」  

 

 礼を言う町長と人々にグラッドは、  

 

 「いや、そもそもそれが俺たち同盟軍の任務ですから!」  

 

 町の人々のおもてなしを受けて、町一番の店で食事を取るグラッドたち同盟軍とウィルたち、アレックスはグラッドに、  

 

 「なあ、グラッド、しばらくこの町にいるのか?」  

 

 「そうなるな!今回、戦闘に参加したクワガノスたちは復元したばかりで、まだライダーたちを相棒と認めていないし、それにクワガノスたちの整備にはうってつけの場所だ!それにここが制圧されたとなると、帝国軍だって黙ってはいないだろう!」  

 

 ウィルは、基地に配備されてメンテナンスを受けているクワガノスを見ていた。  

 

 「あれがクワガノス!初めて見た!」  

 

 クワガノスに見惚れるウィルにグラッドは、  

 

 「ゾイドが好きなら、もっと詳しく知るべきだな!さっきの戦いだってただやたらとビーストライガーの攻撃を当てるだけだった!あれじゃ、スナイプテラには敵わないぞ!」

  

 「もう、俺をバカにするなよ!」  

 

 「ウィル、いい加減にしなさい!」  

 

 

 場所は変わり、カーター大佐とコナー少佐が撤退した場所、そこは帝国の南方面を支配する総督にして、ネオデスメタル四天王の一人、ゲーチス・アッカーマン中将のいる基地だった。  アッカーマン中将に敬礼するカーター大佐とコナー少佐、  

 

 「ご無沙汰しております!アッカーマン中将!」  

 

 「カーター大佐にコナー少佐、よく来てくれた。士官学校以来だね!」 

 

 「はい、ですが、我が軍の空軍基地が反乱軍に制圧されてしまいました!ですが、この失態は何としても償います!」  

 

 「まあまあ、そう焦るな。今回は相手が悪かった。それに君のスナイプテラはコナー少佐のステゴゼーゲ同様、かなりダメージは大きい!出撃は無理だ!」  

 

 「しかし!」

 

 「心配はいらない!基地奪還の指揮は私自らとる!」  

 

 「中将自らですか?」  

 

 「ああ、それに今回の作戦にはある方も協力してくれる!」  

 

 「ある方とは?」 

 

 アッカーマン中将の横に壁越しで腕組みしているアーネストがいた。  

 

 「殿下!」  

 

 「今回の作戦には殿下が私の参謀として加わってくれる。君たちはこの基地の警護を任せる!」  

 

 「しかし、いくら殿下のギルラプターでもガトリングフォックスに勝てるとは!?」  

 

 「殿下のギルラプターはそう甘くはない!それに今回の作戦は殿下自ら考案したものでね!」  

 

 「殿下自らですか?」  

 

 「そうだ!だから、君たちは安心して警護に当たってくれ!」 

 

 二人のやり取りにアーネストは、   

 

 「もう、出撃してもいいかな?いい加減、早く出たいんでね!」  

 

 「もちろんです!では、手筈通りに!」  

 

 アッカーマン中将の許可を得て、ギルラプターエンペラーに乗って出撃するアーネスト、  

 

 「いよいよ、あのライガーを潰すときが来た!それに反乱軍の大将のガトリングフォックスまで片付ければ、その実力を父上に認めてもらえる!」  

 

 その後にアッカーマン中将がナックルコングMk-Ⅱに乗って、部隊と共に出撃する。それを見たカーター大佐は、   

 「殿下が考案した作戦とはいったい?」 

 

 アーネストのギルラプターエンペラーが空軍基地に到着し、警護をしていたラプトリア、ガノンタス、スコーピア部隊を一瞬で蹴散らす。  

 警報が鳴り、グラッドとウィルたちは外の様子を見ると、目の前にギルラプターエンペラーが現れ、  

 

 

「さあ、反乱軍の大将、さっさと姿を現せ、後、ライガーもいたら、そいつも出せ!」  

 

 「レイル‥‥。」  

 

 ギルラプターエンペラーを見たエマは悲しそうな目をしていた。  様子を見て、アレックスは、  

 

 「相手がギルラプターエンペラーとはいえ、所詮一人、俺たち全員がかかれば、勝てるはずだ!」  

 

 グラッドは、  

 

 「いや、俺たち精鋭部隊がいるこの基地に一人で行くなんてあまりに無謀すぎる!ここは俺とレックスが出て、奴の注意を引き付ける!お前たちは待機していろ!」  

 

 しかし、そのとき、ウィルがシーザーに乗って基地から出る。  

 

 「奴の狙いは俺だ!ここは俺に任せてくれ!」  

 

 「おい、待て!たく、困ったガキだ!」  

 

 ギルラプターエンペラーの前に立ちはだかるシーザー、 

 

 「ギャラガー!」  

 

 「また、会えて嬉しいよ!」  

 

 「この前は、やられっぱなしだったが、今度はそうはいかないぞ!」  

 

 「へぇ~そいつは楽しみだ!」  

 

 「切り拓け、シーザー!俺の魂と共に、進化 解放!エヴォブラストー!!ビーストオブクローブレイク!」  

 

 しかし、ギルラプターはさっと避け、尻尾でシーザーをぶっ飛ばす。  

 

 「そのライガー、随分怪我してるじゃないか!ま、カーターのスナイプテラにやられたんじゃ仕方ないか!」  

 

 と言い、シーザーに突進するギルラプター、  

 

 「ブリューゲルのガブリゲーターも倒したそうだが、まさか、このザマとはね!物足りなさすぎるけど、これで終わりにするよ!」

 

 止めを指そうとするギルラプター、しかし、咄嗟にレックスが現れ、ギルラプターをぶっ飛ばす。  

 

 「たく、しょうがないガキだ!なら、俺とレックスが本当のゾイド乗りとしてのバトルを見せてやるよ!」  

 

 それを見て唖然とするウィル、  

 

 「俺たちが遊んでやるよ!皇子様!」  

 

 「ようやく、大将のお出ましか!相手にとって不足はないね!」  

 

 それぞれぶつかり合うレックスとギルラプター、前足でやり合い、レックスがギルラプターの背後に来てギルラプターがそれを尻尾で凪ぎ払おうとしたところを避け、突進するレックス、しかし、ギルラプターは怯まず、ジャンプしてレックスを踏み潰そうとする。レックスはそれを避ける。ギルラプターはすかさず、避けたレックスを尻尾で凪ぎ払う。  怯まず、態勢を建て直すレックス、  

 

 「なるほど、同盟軍の大将なのは伊達じゃないね!でもその程度かい!」  

 

 「俺とレックスを舐めていると痛い目見るぜ!いくぞ、レックス!」  

 

 グラッドはゾイドキーを取り出す。 

 

 「狙い撃て、レックス!俺の魂と共に、進化 解放!エヴォブラストー!!」  

 

 エヴォブラストしたレックスを見たウィルは驚愕していた。  

 

 「あれがガトリングフォックスのエヴォブラスト!」  

 

 「ファントムガトリングガン!」  

 

 ギルラプターは驚異的なスピードで攻撃を避けながらレックスに近づく。しかし、レックスは近づく寸前に避け、ギルラプターにファントムガトリングガンを撃つ。

 一旦は怯むも態勢を建て直すギルラプター、それを見たグラッドは、 

 

 「やるね!そのギルラプター中々、タフじゃないか!皇子様の実力も舐めたもんじゃないね!」  

 

 「僕の父上は、最凶のゾイド、デスレックスとジェノスピノを従える皇帝だ!その皇子たるこの僕がただ城にこもっているだけの男じゃないんだよ!!」  

 

 そう言って、猛スピードでレックスに近づくギルラプター、ギリギリで避けるレックス、  

 

 「今のは危なかった!確かに強い。でも今のままじゃ、俺とレックスには勝てねぇぜ!てめえもそろそろ本気を出したら、どうなんだ?」  

 

 「僕に本気を出せと要求してくるなんて、そのうち後悔するよ!」  

 

 すかさず、デスメタルキーを取り出し、  

 

 「ギルラプター、強制 解放!デスブラストー!!真 瞬撃殺!」  

 

 猛スピードでレックスの方に向かうギルラプター、レックスはギルラプターにファントムガトリングガンを撃ち込む。直撃しても怯まず、近づくギルラプター、レックスも猛スピードでギルラプターに向かう。

 互いにぶつかり合うレックスとギルラプター、ぶつかり合いの末、互いに弾かれる二体、そのとき、突然基地が攻撃を受ける。  アッカーマン中将の操るナックルコングMk-Ⅱとその部隊が襲撃してきたのだ。それを見たグラッドは、  

 

 「そうか、奴が一人で来たのは奴自身を囮にして俺たちの注意を引き付け、その隙に攻撃することだったのか!」  

 グラッドは通信を開き、  

 

 「クリスたち精鋭部隊はナックルコングMk-Ⅱとその部隊の相手を、俺とレックスはこのまま奴を引き付ける!」  それに対し、クリスは、  

 

 「クルーガー将軍は?」  

 

 「今はゴルドの整備を行っている。とにかくお前たちで敵を食い止めろ!」  

 

 「了解!」  

 

 グラッドの指示で、精鋭部隊が基地から出る。それを見たアーネストは、 

 

 「フフ、今さら、出撃しても遅いよ!」  

 

 「おいおい、てめえの相手は俺だぜ!」  

 

 そのとき、シーザーも精鋭部隊についていく。  

 

 「おい!たく、融通の利かないガキだな!」  

 

 「よそ見してる場合じゃないよ!」  

 

 突進するギルラプター、それを避けるレックス、基地の周辺では、帝国軍が既に警備を突破していた。  

 

 「ナックルコング、強制 解放!デスブラストー!!」 

 

 デスブラストしたナックルコングMk-Ⅱが次々と同盟軍のゾイドを蹴散らす。ケンのゼルとアレックスのウィーリーがナックルコングMk-Ⅱに一撃を食らわすが、ナックルコングは物ともしない。  

 

 「く、こいつ強い!」  

 

 「流石にファングタイガーやパキケドスと言えども、私のナックルコングMk-Ⅱには敵わないようだな!」  

 

 ナックルコングに吹っ飛ばされるゼルとウィーリー、一気に劣勢に追い込まれた同盟軍、しかし、そこへシーザーが現れ、帝国軍のゾイドを蹴散らす。シーザーを見たアッカーマン中将は、 

 

 「ほぅ、あれがビーストライガーか!」  

 

 シーザーはナックルコングMk-Ⅱに向かい、攻撃する。  

 

 「ビーストオブクローブレイク!」  

 

 しかし、ナックルコングには通用しない。  

 

 「甘いな!そんなんじゃ、このナックルコングには通用しない!」  

 

 ナックルコングに吹っ飛ばされるシーザー、絶対絶命のそのとき、整備を終えたクルーガーのゴルドが現れる。それを見たアッカーマン中将は、  

 

 「何!?もう、グラキオサウルス ボルカノの整備を終えたのか!」  

 

 

 「蹴散らせ、ゴルド!私の魂と共に、本 「蹴散らせ、ゴルド!私の魂と共に、本能 解放!ワイルドブラストー!!グランドハンマー!」  

 

 ゴルドのグランドハンマーで次々と帝国軍のゾイドが一蹴され、ナックルコングMk-Ⅱもその攻撃を受ける。ナックルコンは胸熱拳と装備しているガトリングとミサイルで攻撃するが、ゴルドには全く通用しない。それを見たアッカーマン中将は、  

 

「流石にグラキオサウルス ボルカノを相手にするのはきついか!」  通信を開き、  

 

「殿下、グラキオサウルス ボルカノで我が軍は劣勢です!一旦、撤退を!」 

 

 通信を聞いたアーネストは、  

 

 「ち、せっかくもう少しだったのに!」  

 

 デスブラストを解除し、ギルラプターは後退していき、ナックルコングMk-Ⅱを始め、他の帝国軍部隊も撤退していく。ゴルドから降りるクルーガー、そこへウィルやグラッドたちが駆け寄り、  

 

 「助かったよ!クルーガー、」  

 

 「何とか間に合ったようだ!君たちもよく頑張ってくれた。もちろん、ウィル、君も!」  

 

 「俺は当然のことをしたまでです!」  

 

 それに対し、グラッドは、  

 

 「ま、無茶しすぎだがな!」  

 

 ウィルを見たクルーガーは心の中で、 

 

 「ウィリアム・ロバートソン、なるほど、あいつによく似ている。どうやら、将来が楽しみだ!」  

 

 To be continued




 次回予告  

 アーネストとアッカーマン中将率いる帝国軍を何とか退けた同盟軍、グラッドたち同盟軍の力を目の当たりにして己の無力さを知ったウィルはグラッドに弟子入りを求める。  グラッドは断るが、ウィルはグラッドに決闘を申し込む。果たして、ウィルとシーザーはグラッドとレックスに勝てるのか!?

 次回、

 「ウィルの試練」

 本能を呼び覚ませ、ライガー!  

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