現実の分まで仮想世界を走り回りたいと思います。 作:五月時雨
「はぁ……っはぁ……っはぁぁ……っ」
ゲーム内の日没ぎりぎり。
ダンジョン内部であるため実際に日が落ちたかは分からないが、日が沈む16時には間に合った。
それに安堵しつつ、少女を背中からおろしたハクヨウは、ボス部屋全体を見渡す。
中は広く、直径五十メートルは優に超えるドーム型。
その中央には、全身が病的と思えるほど真っ白の鬼がいて、遠目から見ても体長はハクヨウの倍はあった。
「グハハハハハハッ!マサカ本当ニ間ニ合ウニンゲンガ現レルトハナ!」
高らかに、鷹揚に笑う鬼の声が響く。
「我ハ待ッテイタノダ、我ニ敵ウ存在ヲ!我ニ並ビ、超エルホド疾キ者ヲ!
ソノタメニワザワザ半刻トイウ試練ヲ課シタ!ヨクゾ我ガ試練ヲ超エタナ、疾キ者ヨ!」
鬼の叫びに、ハクヨウは漸く合点がいった。
「なるほど。それが、アナタが『また遅い』と叫ぶ理由、ですか」
少女が言っていた、『怖い鬼の話』そこで何故鬼は、人を食べてから『また遅い』と叫んでいたのかが疑問だった。
逃げる人を追いかけ、『遅い』と叫び捕まえても良いだろう。なぜ、叫ぶのが最後なのか。
待っていたのだ。叫びの矛先は、食べた人間ではなかったのだ。
一時間の猶予を与え、その時間内に鬼の住処にたどり着けるだけの
ハクヨウが予想した『午前に受け、情報を集める』これは、
最初からハクヨウは正攻法で挑んでいたのだ。
「然リ。然リ!
我ガ求メルハ早キ者。
我ガ打倒スルハ速キ者。
我ガ示スハ疾サノ頂キ。
我ヲ超エントスル者ヲ打倒シタ時、我コソガ最強最速ノ鬼トナラン―――ッ!!」
「……【跳躍】っ!」
無駄に長い口上を述べていたが、終わると同時にハクヨウに迫った速度は測りしれず。
地面を割り砕くほどの脚力で瞬く間にハクヨウの眼前に
ハクヨウは咄嗟に【跳躍】で横っ飛びに回避しながら距離を取る。
「ホウ、今ノヲ躱スカ小サキ者ヨ」
「……速い。少なくとも、下の子鬼達とは、比べ物にならない……けど」
(
それは、確信だった。
来る時は少女を背負っていた。素のSTRが0のハクヨウは、少女を背負っただけで全速力の六割程度しか出せない。それだけ、負荷が大きかった。
けれど、少女はボス部屋の隅に避難させてあり、鬼も完全にハクヨウだけを見ている。遅い者には興味がないのだろう。
そして全力でハクヨウが走れば、その身を視界に捉えることすら困難となる。
だから。
「今度は、こっちのばん……っ!」
小さく踏み込み、最短距離を最速で。
距離は十メートル。
その距離を、ハクヨウは
「人を食べる悪鬼……なら、
―――シャク、と。
小さく歯を立て、
堪らず鬼は咆哮を上げ、噛み付いたハクヨウを振り払おうとするもその時にはハクヨウは離脱。
その口内に肉片を転がしながら、不敵に笑ってみせた。
「……私に勝つには、アナタでは足りないものがある」
別に、ハクヨウはカニバリズム的な考えは持っていない。けれど、『お母さんを助けて』と泣く少女がNPCで、システムで決まった動作なのだとしても。
思うことがない訳じゃない。そこまで、人としての感性を捨てちゃいない。
だから、これはハクヨウなりの鬼への反撃。
クエストのバックストーリーだとしても、この鬼が語り継がれるほどに人を食べているのなら。
「誰かに食べられる恐怖。その身に、刻みこめ」
減ったHPは一ドット。1%程度だ。けれど、鬼は完全にハクヨウが見えていない。
それは先程の攻防で確信した。
ただ走って、噛み付いた。
それだけの事なのに、鬼はハクヨウの動きを見きれず、動き出したのは噛み付いてからだ。
なら、何も問題はない。
何一つ、問題なんて有りはしない。
「盛大な舐めプレイで、武器もスキルも使わずに、アナタを食べきる――っ!」
縦横無尽に床を、壁を、天井を蹴り抜いて高速で迫る鬼に。されどハクヨウはまた嗤う。
「足りないもの、一つ目」
―――シャク。
「謙虚な態度」
驕り高ぶり、ハクヨウがわざと背後を取らせた事に気付かず突っ込んた鬼を半歩で避け、ついでに一口。また少し鬼のHPが減る。
「二つ目」
―――シャク、シャク
「戦闘経験」
着地し姿勢を戻す僅かな隙に背後に回り込み、二口。いつもはクロムとコンビで戦うハクヨウ。
けれど、元々はソロでやってきたし、敵の僅かな隙を見逃さない観察眼は、森の中で養われた。
この鬼には、それがない。
「三つ目――四つ目――五つ目―――」
わざわざそれら全てを口に出し、鬼の体には無数の噛みつき跡が刻まれる。
鬼の攻撃はハクヨウに届かず、一方的に喰われる。けれどボスモンスターの鬼に恐怖はなく、尚も愚直に突っ込み、速さで翻弄し、疾さで攻める。
その全てが、ハクヨウには無駄であっても。
―――時間は、実に三時間を要した。
十を超えた辺りから言う事がなくなり、一方的に走り、食らいつくハクヨウは、他人が見れば悪夢でしかないだろう。あるいは、無限に食われる鬼に同情したかもしれない。
ハクヨウもハクヨウで、食べ続けて三割ほどHPを削った辺りから目的も忘れていた。
剣もピックもスキルも使わず、食べるだけで倒すという頭のおかしな縛りプレイを普通に楽しんでいた。何度もいうが、ハクヨウにカニバリズム的な思想は無い。
鬼もまた、ヤラレっぱなしではなかった。
HPが減るに連れ攻撃は苛烈になり、パターンも変わり、どんどん速くなっていく。
最初はハクヨウの半分もなかった速度は、徐々に追い付き、残り一割を切った時には、全身から赤い燐光が漏れ、一気に上がった。
それでもなおハクヨウは見切る。自分も物凄い速さで走れるがゆえに、その速度には慣れていた。例え、自分より鬼が速くなったとしても。
どれだけ速かろうが、それは転じて急停止、急旋回ができないことも理解していた。
鬼の動きは早い。速い。疾い。けれど、早くなるほどに精細さを欠き、動きは単調で読みやすくなった。
それを逆手に取り、超高速で突っ込んでくる鬼を転がした。
結果【体術Ⅰ】なんてスキルも取れた。
そんな、ハクヨウの初めての縛りプレイ。
鬼にとっての悪夢の時間は、残りわずか。
鬼のHPはわずか1ドットを残し食べ尽くされ、ハクヨウも最後の一手だと鬼に手を合わせている。『いただきます』あるいは『御馳走様』だろうか。
どちらにせよ、雄叫びのような咆哮を上げ、途中から人語を話さなくなった鬼が哀れである。
「さて。最後にもう一つ。アナタには、足りないものがある」
途中から話すのをやめ、ひたすらに鬼に齧り付いていたハクヨウが、ここに来て三時間ぶりに口を開く。
鬼はそんなことお構いなしに部屋中を駆け回り跳び回り、必殺の一撃を放つタイミングを見計らう。
「私がここに呼ばれた理由であり」
鬼が残像すら残さない神速に至ってなお、ハクヨウは余裕を崩さない。
「
ボス部屋の中は捷疾鬼の大気を蹴りぬく破裂音が支配し、けれどハクヨウの独白は朗々と響く。
「そう。だんだんと上がり、今では私を上回ったそれ。けれどいくら高かろうが、見極められる程度の、それ」
ボス部屋中央に立ち尽くすハクヨウの真上から、最後の破砕音が響き渡り、天井は蹴り砕かれ、獰猛な咆哮が降ってくる。
「――そう、何よりアナタには」
だからこそ、ハクヨウは最後の言葉を贈る。
鬼が至るは神の速さ。
視認は不可能。回避も不可能。
けれど。
「速さが足りない!!」
それでも、なお。敗因があるとするならば。
ハクヨウの方が
この一点に尽きるだろう。
「……御馳走様でした」
鬼と交錯した瞬間に、最後の一口を噛みつき、食べきると同時に粒子へと変わった鬼を眺め、ハクヨウはそう口にした。
『レベルが28に上がりました。』
『スキル
『スキル【捷疾鬼】を取得しました』
『スキル【瞬光】を取得しました』
『スキル【忍法】を取得しました』
さて。ハクヨウがなぜ、わざわざ食べるだけで鬼を倒したのか。それには、当初の理由とは別にもう一つ理由……というか、逸話に肖ったという意味があった。
それが、言わずと知れた足の速い神の代名詞。
『韋駄天』。
今回のクエスト及びダンジョンについて、掲示板での情報は皆無だった。
けれど、ダンジョンの名前にもなっている『捷疾』の二文字と、鬼、繋げて捷疾鬼という名前の鬼が存在する。
それが、韋駄天の逸話に繋がり、色々と省略し、面倒なことを全て語らず一言で纏めると
『悪いことをした足の速い鬼を韋駄天が瞬く間に捕まえた』というだけのことであり、その時の韋駄天の速度を計算すれば時速180億キロメートルだとか言われているが、それが韋駄天と捷疾鬼の関係性。
そして、わざわざ食べた理由だが、それは韋駄天が『御馳走様』という言葉の由来とされているからである。
正確には、『馳走』が韋駄天が食材を集めるために走り回った事を表現し、それへの感謝の意味が籠められて『御馳走様』となったらしい。
そのことをダンジョンを調べる片手間で知ったハクヨウが、『なら鬼を食べて、御馳走様で締めようそうしよう』と馬鹿みたいなことを思いついてしまったのである。
三度目になるが彼女はカニバリズムではない。
相手が人型に近いとはいえ、あくまでも『鬼』だと割り切っているからこそできた芸当である。
そんなハクヨウは、上がったレベルでのステータスポイントをAGIに振り、スキルを順番に確認していた。
―――
鬼、悪魔へ与えるダメージ+50%
取得条件
鬼にまつわるボスモンスターをHPドレインで倒すこと。
―――
食べることは、HPドレイン扱いだったらしい。
ただ、こんな事をする、できるプレイヤーが出てくるのはかなり怪しい所だ。
―――
【捷疾鬼】
初使用後からプレイヤーアバターの外観に永続的デメリットが付く。
初使用後、使用者の【AGI】を1.5倍する。
首を攻撃された時以外、どんな攻撃にもHP1で耐える。
MPを消費して一分間【捷疾鬼】を召喚する。
召喚は三十分後再使用可能
取得条件
【AGI】の実数値が600以上で【捷疾鬼】をHPドレインで倒すこと。
また、クエストNPCが一定以下のダメージしか受けていないこと。
―――
「アバターの、見た目が変わるってこと?でっかくなったり、本当に鬼になったらやだなぁ……」
しかし、その後に得られる恩恵もまた大きいのも事実である。
確定でどんな攻撃も耐えるスキルは、防御力のないハクヨウには必須と言えた。
また、MPが無い為に使えないが、【捷疾鬼】を呼べるのも良い。神速と呼ぶべきほどの速度は、ハクヨウは自信満々に『速さが足りない』と叫んだものの視認できなかった。
最後の交錯なんて勘だったのである。
そんな存在を一分とはいえ召喚すれば、戦場を蹂躙してくれるだろう。
―――
【瞬光】
五分間、使用者の反応速度を十倍に引き上げる。
一時間経過で再使用可能。
取得条件
プレイヤーのAGIが150以上、またはAGIの実数値が400以上の状態で単独でボスモンスターを討伐すること。
―――
反応速度。と言われ、ピンとこないハクヨウ。
説明も分かりづらいし、これはまた今度使用して、実際に確認することにした。
―――
【忍法】
MPを消費して【忍法】を使用できる。
それぞれ一日に一回ずつ使用可能。
取得条件
【手裏剣術Ⅴ】を取得し、単独でボスモンスターを討伐すること。
―――
「色んなスキルを複合してるんだ……えと、使えるのは五つ。全部補助的なスキルだよ、ね?これも後で使ってみよう」
忍術というだけあり、直接戦闘というよりは、戦闘を有利に進めるための補助的なスキルだった。
これも、今度確認しようと決め、ハクヨウは、それ以上に気になって仕方ない存在に目を向ける。
「宝、箱……?ダンジョンで道中に偶に手に入るってやつじゃない、よね?」
鬼を倒したことで、鬼が最後にいた場所。つまりハクヨウの真横に出現した宝箱に目を向ける。
かなり大きく、横は三メートル、縦は二メートル、高さは一メートルほどもある長方形。
重厚そうな見た目だが、緊張気味に手を添えると、驚くほど簡単に押せた。
ゆっくりと押し開き、全貌を顕にする。
「わ。……す、ごい。これ……」
ハクヨウは、驚きのあまり言葉を失う。
中に入っていたのは、真っ白の上衣。右の胸元と左の袖口、裾に真っ赤な彼岸花が描かれた以外は装飾がない純白のそれ。
袖口は、右は肩から下がばっさりと切られたノースリーブに対し、左は指先まで覆う長袖。それも袖がかなり広く取られていて、腕を軽く振るだけで大きく靡いた。右腕の分の布を、そのまま左腕に足したような布面積だ。しかし、そのアンバランスさがまた良い。
鍔はなく、刀身も柄も鞘さえも白で統一された、反りのない短めの日本刀。忍び刀、あるいは軍刀にも見えるそれは、一応片手剣のカテゴリーだった。鞘の鯉口の辺りに小さく彼岸花が添えられ、いいアクセントになっている。
下袴が無い変わりに、膝下まである丈の長い純白の
そして最後に、投げナイフ程の大きさの純白の
全てが白で統一された装備だった。
「良い、ね……。すっごく、きれい。脚を隠せないのが、ちょっと恥ずかしい、けど」
ハクヨウとしても、それ以外は満点だった。
幸い、上衣とはいえそれなりに丈が長く、ミニスカート程度に収まった。
そして、確認したステータスを見た時点で、その程度の悩みは受け入れてもお釣りが来ると口元が綻んだ。
―――
【ユニークシリーズ】
単独でかつボスを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者に贈られる、攻略者だけの為の唯一無二の装備。
一ダンジョンにつき一つきり。取得した者はこの装備を譲渡できない。
【彼岸の白装束】
【AGI +20】【破壊不可】
【鬼神の牙刀】
【AGI +35】【破壊不可】
スキルスロット空欄
【
【AGI +25】【破壊不可】
スキル【九十九】
【天神の足袋】
【AGI +20】【破壊不可】
スキル【韋駄天】
―――
全てが【AGI】を上げる装備。
そして、その上昇値は合計で【+100】。
ハクヨウのスキルによって単純計算で400もの上昇量だ。
「ユニーク、シリーズ……えへ。えへへ……」
まだ知らないことでいっぱいだなぁ……と思わず笑みが溢れてしまうが、我慢する。だってまだ、明らかな楽しみが二つ……三つくらいあるから。
―――
【スキルスロット】
自分の持っているスキルを捨てて武器に付与することができる。
こうして付与したスキルは二度と取り戻すことができない。
付与したスキルは一日に五回だけMP消費0で発動できる。
それ以降は通常通りMPを必要とする。
スロットは15レベル毎に一つ開放される。
【
【九十九】専用スキル。
【壱】から【玖拾玖】まで分裂し、一本でも手元に残っていれば、スキルの解除と共に全て手中に戻る。
全て同一のステータスを持つが、分裂による使用者のステータス上昇はしない。
【韋駄天】
三分間、使用者のAGIに+100%。
大気を蹴り飛ばし空を自在に駆けるが、使用中の減速、停止ができない。
―――
「このままいけば、スキルスロットはレベル30でもう一つ開放される?って事は、結構直ぐに二つは付与できるんだできるんだ……」
MPは上げていないが、【忍法】は五種類一日一回ずつなので、最高でも五回しか使えない。ならばと、迷わず【鬼神の牙刀】に付与した。
こうすれば、【忍法】を一切のMP消費なく使用できる。
続いて【九十九】……真っ白の苦無を装備して、確かめる。
「【九十九】っ」
発動した瞬間、手元の【九十九】に描かれていた彼岸花が【壱】の赤文字に変わり、腰に巻かれた帯に九本の全く同じ見た目の【九十九】が現れる。違いといえば、数字がそれぞれ【
試しに【
すると、帯の空いた部分を埋めるように、続きの数字が入った【九十九】が現れる。
と、不意に左の二の腕に硬質の感触がして、袖を捲って中を覗く。
「う、わ……。ここにも苦無ある。完全に、暗器だよ……」
四本の【九十九】が広い袖口で隠れるように、且つ全く目立たずに存在した。
恐らく、これをやるために左だけ袖口がかなり広く取られているのだろう。逆に右は【鬼神の牙刀】が振りやすいように、無駄を省いた結果だ。
軽く腕を振れば、何の抵抗もなく指の間に四本の苦無が挟まる。
握り込めば袖口からは【九十九】の切っ先しか見えず、それも彼岸花の下地の白と同化する。
それも投げると、また袖の中に苦無が入った感覚がして、思わず苦笑した。
「……【解除】」
そして、その言葉と共に投げた苦無が跡形もなく消え失せ、帯にも、左袖口にもあった重みが消える。ついでに【九十九】を見れば、数字ではなく彼岸花が。
「……ふふっ」
これは良い。そう、思った。
投げても壊れず、一つでありながら数は膨大。
スキルを解除すれば全て戻ってくる。
【AGI】が極限まで強化され、遂に実数値としては【AGI 1000】を越えた。
「こんな武器が、欲しかったんだぁ……」
もし、今日【石造りの遺跡】に行っていたら。これとは別の装備だったかもしれない。
クロムと二人で行けば、ソロ攻略が条件である以上無理だった。
「クロムに、悪いことしちゃったなぁー」
そういう顔は、早く自慢したいという感情が溢れていた。
そして、本日最後に【韋駄天】を確認したことで感情が爆発し、クエストの親子を完全に放置して暫く笑い続けていたのだが。
思い出したように
ちなみに報酬は【AGI +20】するペンダントと、捷疾鬼の角から作ったらしい角笛。倒した直後に作ったのかと、少し訝しんだ。
角笛は、吹くと巨体の鬼が三十分だけ戦闘以外で力を貸してくれるというもの。
戦闘力は持たず、召喚者とそのパーティメンバーを背中に乗せてものすごい速さで走るらしい。一日の使用回数は十回。
これはクロムとパーティを組んだ時、遠いフィールドに行くのに重宝しそうだった。
が、それも束の間。
今日が週末であり、休日でもあるから気にせず遊んでしまったが、すでに夕ご飯の時間になっているため、急いでログアウト。
無駄な縛りプレイをした自業自得なので、母の雷は甘んじて受けた九曜だった。
―――
【
【AGI +20】
【鬼神の角笛】
30分間、戦闘力を持たない鬼を召喚する。
鬼は使用者を含む味方プレイヤー一人を乗せることができる。【AGI】は使用者の半分。
使用可能回数は十回。
使用可能回数は一日毎に回復する。
何なんだろうね……当初の予定では、捷疾鬼を捕まえて、普通に倒して、普通に【韋駄天】を取る予定だったのに……
この子スク○イドのク○ガー兄貴の影響受けちゃってるよ……『速さが足りない』って言った最終局面では、ハクヨウちゃんAGI負けてるからね?
モグモグして装備に【韋駄天】付いたし。
なんかメイプルちゃんは必要に迫られてだけど、ハクヨウちゃん嬉々としてやったよね。
【九十九】は【投剣】取った辺りから考えてて、弾切れなし、破損なしの大量武器を実現。
装備の彼岸花は、花言葉に『情熱』と『諦め』っていう相反する言葉があったのが、ハクヨウちゃんの仮想と現実にピッタリだったから。
【捷疾の鬼殿】
【AGI 300】以上で挑戦可能なクエスト限定特殊ダンジョン。
ボスはもちろん捷疾鬼。
ボスの初期AGIは要求値と同じ300であり、HPが減るとAGIが上がっていく。
最大で【AGI 900】にまで上がる。
咀嚼音……ガブッだとスマートさに欠けて、『あむっ、もぐっ』系は可愛すぎかなと。
結果、鬼の身体はリンゴみたいな食感になりましたとさ。シャクシャクしてやったぜ。
AGIを上げるスキルが欲しいけど、【神速】はAGI上がらない、姿を消すだけの『神速(笑)』だからなぁ……と迷った結果、足の早い神様に因んだクエストやらせようってなった。
韋駄天の逸話とか御馳走様の由来とか諸々分かったけど、全部注ぎ込むのは流石にめんどゲフンゲフン……執筆が期限に間に合わないと判断し、要点だけ抜き取って逸話とも違うように構成。
【韋駄天】
某境界防衛組織の
空間も蹴って高速移動を可能とします。ハクヨウちゃんのAGIで使ったら……。
【瞬光】
ありふれた職業なのにムーブが魔王な白髪眼帯義手の主人公からのクロスオーバー。原作検索欄では防振りの少し上で見つかる。
反応速度だけ上がるから、AGIは速くならないけど、逆に主観的AGIが落ちるってことは……。
【九十九】
いっぱい増えるよ!以上!
【忍法】
【手裏剣術】辺りから感じてたかもしれないけど、ウチのハクヨウちゃんはこの路線です。どっちかというとサリーよりもカスミに近くて、でもムーブは正面戦闘よりもこっち系。
良い感じの技がまだ思いつかない。
【捷疾鬼】
説明文の前半は、初回発動以降パッシブスキル。後半の鬼を召喚するのはアクティブスキル。
【AGI 450】で召喚されて、大いに暴れます。
首を斬られなきゃ即死しないって、どこぞ滅される方の鬼かな?
呼吸使いでも出てくるのかな?(出ないよ)
【鬼神の角笛】
ハクヨウちゃんは人一人担げないからね。荷物持ゲフンゲフン……代わりに担いでくれるアッシーくゲホゲホッ……移動用の召喚モンスターを得ました。戦闘力は皆無です。たったの5もありません。
因みにハクヨウちゃんは素でこの召喚鬼より速い。つまり乗るのは……。