現実の分まで仮想世界を走り回りたいと思います。 作:五月時雨
私は、緊急事態宣言が発令した7都府県に住んでいる訳ではありません。しかし、それでも近くの施設、大学等の学校では活動自粛しています。最大限の警戒態勢を取っています。
皆さんも気をつけましょう。
私達一人ひとりが気をつけ、第一に
自分の住む地域で感染者が出たら、
暫くは自分が感染しているか分からないのですから、感染している可能性を考え、最初から人に伝染しない様な意識を持ちましょう。
なるべく家から出ないで人との接触を避けましょう。
家でずっと過ごすのは、辛いかもしれません。
誰とも会わない日々はつまらないと思います。
そんな時は、拙作(本作やPS特化)でも読んでのんびり過ごして下さい。
一人でできる趣味でも開拓しましょう。
ボッチ精神を携えた人たちが最強です。
……あれ?いま変なこと言った?まぁ良いや。
私は家から出ず、あらゆるモノづくりが好きなので、それに心血でも注いでます。
もちろん執筆も
さて、そんな現実の大変な状況はここでは捨てます。
シリアスな現実は物語で紛らわせます。
今回は、あの方です。
私が女性キャラ四番目に好きなキャラです。
いいキャラではあるんですが、どうにも上手く動かせない、私とは決定的に噛み合わないキャラだったりする……。
「あ、クロム」
「おう……おう、なんとなく分かったわ」
週明け。漸く予定が空いたクロムから、今日こそはダンジョンに行こうとのお誘いがあったのでログインしたハクヨウ。
噴水広場で会うなり、クロムはどこか達観したような目を向けてきた。
「……一応聞いとく。何した?」
「クロムが来なくてつまんなかった。適当にダンジョン潜った。その結果」
「俺が原因かよ……」
「うん。けど、お陰ですっごく、強くなれたよ」
真っ白の着物に身を包み、
「えぇっと、何から聞けばいいのか分かんねえんだが……とりあえず、その
先日の埋め合わせという事で、スイーツショップにやってきた二人。
ハクヨウの目の前に次々と並べられるケーキやらフルーツやらアイスやらを眺めつつ、クロムは諦めた視線で問いかけた。
「【捷疾鬼】ってスキルで、ね?外観に永続的デメリットがかかるんだって。その結果」
今のハクヨウは、捷疾鬼と同じ、病的なほどに白い肌をして、目の瞳孔が爬虫類のように縦に裂けて金色に輝き、額から一対の角が生えている。
どこからどう見ても、鬼娘だった。
鬼にしては可愛すぎるし威圧感とか全然ない。
ケーキで頬を緩める鬼とかなんなんだ。
「……メリットは?」
「えっと、AGIが1.5倍になって、即死耐性がついて、あと大っきい鬼が喚べるよ?」
ただしMPが足りないので、最後のだけはまだできないが。けれどレベルを30まで上げれば、【鬼神の牙刀】に付与してしまえばいいので問題ない。
「装備は……着物か」
「忍者みたい、でしょ」
むふーっ。と自慢げに胸を張るが、クロムは可愛らしい者を見る目だった。
のだが、真っ白な着物で別の色と言えば彼岸花の赤だけであり、病的な肌の白さから、むしろ死に装束に見えた。
「良く一式揃ったな。まだ装備なんてみんなちぐはぐなのによ」
「それは……まぁ、クロムなら良いや。びっくりしないでね?」
そんな前置きを残して、クロムに【ユニークシリーズ】の説明欄を見せる。
それを読んだクロムは笑い、店内にいる他のプレイヤーに聞こえないように続けた。
「ははっ、なるほど。クリアしたのは【石造りの遺跡】か」
「うぅん。AGIがかなり高くないと挑めない、クエスト限定ダンジョン」
ハクヨウもその意に応え、小声で続ける。
「そんなのもあるのか……いや、発見されたダンジョンが見つかりやすかったってだけかもな」
「だと思う、よ?あの二つ、もぐ、は見るからに、そうだと分かるダンジョン、はむ、だし。
特定条件を、あむ、満たさないと、入れないダンジョン、ごくん、とかは、まだあると思う」
「………話すか食べるかどっちかにしような?」
「……………」(あむあむあむあむ……)
「コミュニケーション放棄しやがった……」
目の前で甘いものが次々に消えていく光景に目を丸くするが、見るだけで口の中が甘くなるのでコーヒーを頼んだクロム。比較的近くにいたプレイヤーも、鬼の角が気になって見ていたため、この日はコーヒーがすごい売れた。
しばらくして。
「めっちゃ食ったな……」
「クロムを、破産させるつもり、だった。反省も、後悔もしない」
「スイーツ奢るってのを了承はしたけどよ……マジで所持金がかなり減ったんだが」
「むぅ……破産しなかった。今度は、頑張る」
「頑張るな!」
店員に良い笑顔を向けられながら店を出た二人は、クロム先導の元、街の中を歩いていた。
「……約束を守らなかった、クロムが悪い」
「それは悪かったよだからこうしてスイーツ奢ったろ?」
「……うん。だから、それは、もう良い。どこ向かってる、の?」
店を出てから、『行きたい場所がある』と言うことで、迷い無く歩を進めるクロムに付いていく形で歩いているが、今向かっている方向には何もなかったはずである。
「それが、新しく生産職プレイヤーの店ができたらしくてな。装備を作れるんだとよ」
「……プレイヤー、メイド?」
「そういう事だな。NPCの店がある以上、それよりはステータスの高い装備を作れるだろうし、ハクヨウは一式装備が揃ったからな。俺も店売りじゃなく、せめてプレイヤーメイドで一式作りてぇ」
クロムが言うように、ある程度のレベルの装備なら、店売りでも十分に揃えることができる。
しかし、それでもなお、生産職プレイヤーが自前の店を出すということの意味。それは、NPCよりも良い装備が作れるということに他ならない。
そう思い、クロムは店の情報を見て、早速向かおうと思ったのだ。
「……クロムは、ソロでダンジョン攻略は厳しい、もんね?」
「ま、大盾自体が防御特化で戦闘には向かねえからな。ハクヨウみてえなユニークシリーズは、もっとレベル上げてゆっくり頑張るわ」
「なるべく、手伝う」
「………おう、ありがとな」
角が怖いのでそれを避けてだが、優しく頭を撫でるクロム。ハクヨウもそれを普通に受け入れている。
だから兄妹だとか言われるんだ気付けアホ共。
そんなこんな歩いて見えてきた、一軒のお店。
「情報じゃ、あれみたいだな」
「普通のお店、だね」
外装は街の中の建物と同じで、代わり映えしないものだった。
店に入ると、中央を隔てるカウンターと、壁面に大量に飾られた武器の数々。大盾や、片手剣なんかもある。
中には女の人が一人カウンター越しに作業をしていて、来店した二人に気付き、声をかけた。
「あら、初めて見る人ね。はじめまして」
「ああ。はじめましてだな」
「こん、にちは」
クロムの後ろからハクヨウも挨拶し、女性プレイヤーの事をこの時初めて見た。
ハクヨウと同じように色を変えているのか、現実ではありえない水色の髪色をした大人の女性。
「あら?あらあらあら?その角はなぁに?可愛いし、着物にあってるし、良いわ、良いわぁ……」
「わ。えと……クロム……」
「あー……一先ず落ち着いてもらえるか?初めてだし、とりあえず自己紹介でもしようぜ」
ハクヨウを見て、次に角を見て、着物を見て、キランッと瞳が輝いたかと思ったら、カウンターを飛び越えてハクヨウの周りを間近でグルグルしてトリップする女性。
「あ、ふふっ、ごめんなさいね?一式装備、それもそんなに統一感ばっちりのを揃えられるなんて、どうやったのか気になってね。許して?」
「えと、怒ってません。困りはしたけど」
「ありがとう。……自己紹介ね。私はイズ。見ての通り生産職で、その中でも鍛冶を専門にしているわ。調合とかもできるけどね」
「俺は、クロム。見ての通りの大盾使いだ」
「ハクヨウ、です。AGI特化の片手剣使いで、クロムとコンビ」
「あぁ、あなた達ね。噂の最前線を走る最硬最速兄妹って言うのは」
「「兄妹?」」
「違うの?」
クロムは、そんな噂自体は知っていた。けれど、自分たちだとは思わなかった。
ハクヨウは、噂そのものを知らなかった。
だから。
「兄、さん?」
ちょっとだけ、巫山戯てみた。
小首を傾げ、身長差の関係で上目遣いになり、クロムを兄さんと呼んでみた。
ちょっとした興味本位。だったのだけれど。
「………ブハッ!」
「わ。クロム、大丈夫?」
「ハクヨウちゃん、恐ろしい子」
クロムは、その可愛さにノックアウトした。
◆◇◆◇◆◇
「ごめんなさいね?本当に兄妹としか思えないくらい、仲が良さそうだったから」
「いや、噂になってたのは知ってたが、まさか俺らだとは思わなかったわ」
「噂に、なってるの?」
「掲示板とかでな。チラッとは知ってたが気にしてなかったわ」
クロムが落ち着いたので、とりあえず座って兄妹じゃないと誤解を解いておく。
ついでにイズが言っていたことが気になったので、ハクヨウはクロムに聞いてみた。
「クロム、私達がいるのって、最前線?」
「ん、そうだぞ?まだたったの二週間だから、おいそれとは言えねえし他にも同じレベル帯のプレイヤーは多くいるが……気付かなかったか?」
「気付かなかった、てより、気にしてなかった」
「『真っ白の髪の小柄な女の子と対照的な大盾の男性プレイヤー。どちらも初期装備とか【鉄シリーズ】で絶対無理なはずなのに、最前線で誰よりも早く敵を倒す』って、結構有名よ?」
「そうなんだ?」
「いや俺に聞くな。俺は最前線を突っ走る兄妹プレイヤーとしか知らねえって。
イズって呼ばせてもらうぞ?
……まぁ、その噂合ってはいるな。大盾の扱いに慣れたってのもあるが、とにかくハクヨウが強いし速えから」
「えへへ……」
「鬼になるスキルなんて聞いたことないし、あるとしたら最前線だから納得だけど」
そして、だからこそイズは、クロムがここに来た理由もわかった。
「さて、お喋りはこのくらいにして、本題に行きましょうか。新しい装備の依頼でいいのかしら?」
「あぁ。金は……さっきコイツのご機嫌取りに散々使ったからな。素材持ち込みで、いくら位かかる?」
「元々の原因はクロム。……けど、素材集めなら手伝う」
クロムはこれまでにも様々なゲームをしてきている経験から、こう言った生産職の元で装備を作るための手順がある程度分かっている。
「そうねぇ……一式作るのに最低で百万Gくらいかしら?今の最前線なら、その最低価格の装備でも十分戦えるわよ?」
「いや、どうせハクヨウが突っ走るからな。俺も付いていくために、なるべく強い装備にしたい。金と素材集めの労力は、惜しまないぜ」
この時ハクヨウはそれなら、と自分の提案もすることにした。鬼の姿になってから、気付いているのだ。他人の視線を。流石にずっと見られるのは気になるし、良い気がしない。だから、隠したかった。
「あの、私の装備も作って下さい」
「ハクヨウちゃんの?一式揃ってるでしょう?」
「装備にあったデザインのフードを……角、隠したい、です」
「あら、やっぱりそれ、完全にアバターの一部なのね?」
「スキルのデメリット。強いけど、永続的にこの姿、なので」
「そうだな。流石に目立つし、ここに来るまでもずっと見られてて、あまりいい気はしなかったからな」
「私も、良いものを作るための労力は、惜しみません」
「って事で、二人分頼めるか?」
素材も、お金もいくらでも惜しまない。
二人してそう言ったことで、イズの生産職の魂に火をつけた。
「鍛冶専門だから【裁縫】はあんまり高くないんだけど……面白そうね。必ず納得のいく装備を作るわ」
◆◇◆◇◆◇
「素材持ち込みで二百万か……ま、金はかなり貯まってたからな」
「問題は、素材」
「だな」
詳しいデザインは後から決めるとして、装備のステータス方針や大まかな色合いから必要な素材を聞いた二人は、約束通りダンジョンに向かっていた。
イズから言われた金額。クロムは一式二百万G。ハクヨウは四十万G。それ自体は、二人の合計金額で普通に賄えるのだが、素材が軽く十種類を超えるし【採掘】や【採取】と言ったスキルが必要なものがいくつもあった。
「運がいいことに、【石造りの遺跡】の中で取れる素材もかなりあるからな。この際だ、素材集めもやろうぜ」
「メインはボス戦だよ」
「二人だからユニークは出ねえけど、宝箱も探してみるか」
「うんっ」
ダンジョンに向かう道すがら、モンスターを適当に排除しつつ話す二人。
「てか、マジですげえな。【九十九】だっけ?」
「うん。【手裏剣術】のピックを大量に買う必要も無くなったし、全部同一のものだからすごい扱いやすい」
道中は、フィールドでは二人を襲うモンスターが数多く出てくる。
けれど襲ってくる前にハクヨウの【気配察知】が見つけ、【手裏剣術】で対象を動けなくしているので、安全な道のりだ。
「【三重・毒蛾】」
「…………ほぅ。それが【手裏剣術】の別のスキルか」
【九十九】の真っ白の剣先が薄紫に染まり、刺さった相手を毒状態にする。
今のは毒の三重化。
強さとしては、【毒耐性小】の上から毒状態にできる。が、敵が弱い、あるいはハクヨウが与えるダメージが大きすぎるので、当たっただけで半分削れる。
「【手裏剣術】は、【状態異常攻撃】と連動したスキル。【状態異常攻撃】で、できる攻撃が増えれば、【手裏剣術】のスキルも増えてくんだ、よ」
「おぉ怖」
「それで、助かってるクロムが言う、の?」
「悪かったって、まじで」
今ハクヨウができるのは、五つ。
麻痺の【刺電】。毒の【毒蛾】。
火傷の【炎蛇】。睡眠の【睡閃】。
氷結の【凍貫】。
【二重】までは各耐性【小】で防ぐことができ、【五重】までは【中】で防がれてしまい、【八重】で【大】を持った相手も状態異常にできる。
威力を求めるなら【多重化】を避け、確実に状態異常にするならば【八重】以上を叩き込む。中・遠距離での最近のハクヨウの戦い方だった。
他にも、低い耐性の敵に【多重化】したモノを当てれば、効果がどんどん重くなる。
麻痺と睡眠ならば効果時間が伸び、毒と火傷はダメージ増加、氷結は拘束時間、寒冷ダメージのどちらもが増える。
その状態が、クロムと初遭遇時のゴブリンの末路である。
【状態異常攻撃】としては、他にもできる攻撃はある。けれど、【手裏剣術】のスキルレベルが届いていないので使えないのだ。
【手裏剣術】を使わなければ【投剣】で使えるが、やはり【手裏剣術】の方が使い勝手がいい。
それは威力と状態異常の両方を求める時、最も真価を発揮する。
「【三重・毒蛾】」
帯から引き抜いた二本の【九十九】を、HPの高い一体のモンスターに
するとかなり重い毒状態になり、直撃の威力でHP残り二割。そして次の瞬間には毒によって粒子に変わった。
「うお、えげつねー」
「あんまり【多重化】しなくても、同時に当てれば、同じく効果が重複できる。それが、【手裏剣術】の、最大の優位性、だよ」
「【状態異常攻撃】は重複できないからな。今のは【六重】と同じ毒状態になったってことか」
「威力も、かなり望める。数さえ揃えれば、十重二十重の【多重化】もできる、よ」
もし【九重】で最大数八本を全て当てれば、それだけで【七十二重】というとんでもないダメージがでるだろう。しかし、それでも【無効】は貫けないのが悲しいところであるし、なにより全くの同時に当てなければ重複せず、ただの状態異常として処理されてしまうのが厳しい所だった。
今はまだ、二本同時に当てるので限界である。現状では利き手である右手でしかできないのも、剣が使えなくなるという点で使いにくかった。
「【六重・凍貫】」
「【シールドアタック】!」
確実に動きを止めるために、今もモンスターの足に【九十九】が当たると、霜がビッシリとこびり付き、モンスターはその場に転倒。
加えて徐々にダメージが入る。
「クロム、それじゃ霜散ってる。別の使って」
「あ、あぁ悪い……って、ハクヨウも【刺電】じゃ駄目だったのかよ?」
「【刺電】だと、スキルレベル上がりにくいんだもん……一番、最近使えるようになった攻撃が、一番、上がりやすい、の」
「なら、しゃーねえか。……【炎斬】なら?」
「氷溶ける。……【八重・炎蛇】。良い、よー」
「よっしゃ、【炎斬】!」
【九十九】が刺さった所を起点にして一瞬火花が散ったかと思うと、モンスターの身体に火傷の状態異常によるエフェクトが散る。この状態で炎系の攻撃をすると、火傷ダメージが一気に重くなるので効果的だった。
「クロムも、各属性の攻撃を、使えれば良い」
「確かに、それならハクヨウのかけた状態異常を更に重くして、ダメージも稼げるか……今んとこ【炎斬】だけだし、少しずつ増やしていくわ」
「うん」
かくしてどんなモンスターも状態異常で動きを止め、全くダメージを負わずにダンジョンまでやって来ることが出来た二人。
「なんか、大盾として最近働いてないな」
「フィールドは、広いから。私も自由に動ける。けど、ダンジョンはむり」
「おう。空間が限定されるからハクヨウの機動力が活かせない場所もあるだろうし、なるべく俺の後ろにいてくれ」
「守って、ね」
「……おう、任せろ!」
二人での初めてのダンジョンが始まる。
どうでも良い宣言。
防振りで好きなキャラは、上からミィ、クロム、サリー、メイプル、イズ。
メイプルとサリーはまだNWO初めてないから仕方ない。今後は、トッププレイヤーの人たちともハクヨウちゃん遭遇させたい。
ドレッドと最速コンビを組ませたい。
ミィと一緒にあわあわさせたい。
ペインをハクヨウちゃんの雰囲気に巻き込ませたい。
フレデリカと……やばい思いつかない。
な感じで、まだ書いてないしどうなるか分かんないけど、トッププレイヤーと絡ませていきたいと思ってます。