『しんじゃおうかな』
悩んでいた私に、貴方は声をかけて下さいました。
私は、貴方が見せてくれた景色、くださった言葉を
今でも大切にしまっています。今日はそんな思い出話を、どうか聞いてくださいませんか?
こちらのカップリングが苦手な方は申し訳ありませんが、無視をお願い致します‥!
感情論的な書き方なのでそれが苦手な方もいらっしゃるかも‥!
とても下手くそな文ですが、たまおちゃんと葉くんの組み合わせへの『大好き』だけを詰めております。暖かな目で見守ってくださると嬉しいです。
‥これは、私が修験者見習いとして麻倉の家へやってきた頃の話です。
そして、とても大切で忘れられない思い出のひとつ。
ほんの少しだけ、私のそんな思い出話のお相手になってくださいませんか?
あれは、良く晴れた‥とある夏の夜のこと。
‥
‥
当時4歳。知恵も力もなく、その上泣き虫だった私は、自分の人生というものを呪っていた。
どうしてもっと、普通ではなかったのか。
身寄りがなかった、その事実についてふっと考えてしまい。私はなかなか寝付けずにいた。
「ちょっと、だけ。」
周りを起こさないように、周りにばれないように。寝室を抜け出して、そっと庭へと抜け出す。
少しでいいから、外の空気が吸いたくて。
月明かりだけで照らされる夜の道に、裸足で駆け出していたことにふっと気がついた。
「‥っ、いたい‥。」
小石が当たった痛みによって。
それが、今の私にとってはとても痛く感じ、つい溢れそうになる涙をぐっと堪える。
こんなことで泣いていてはダメなのだ。
泣き虫は卒業しよう。
強くならなくちゃ。
何故か?それは、私が麻倉の家に拾われた身だから。
「わたしはつよい‥わたしは‥つよ、‥ううん、つよくない‥よ。」
麻倉の家での修行は過酷だ。
力も運動能力も皆無と言っていい私にとって、ある意味『地獄』と言っても良いだろう。
正直、ここから逃げて死んでしまった方が。
幸い、身寄りのない私がいなくなった所で悲しむ者など誰もいないのだから。
その方が楽かもしれないと、最低な答えにたどり着く。
「やっぱり、しんじゃおうかな。」
ぼそりと呟いたはずの言葉だけど、その声は以外と大きかったようで。
誰の耳にも届くはずのない想いに、なぜか言葉が返された。
「死ぬなんてよくないぞ?」
「え‥?」
上から降ってきた言葉に驚いて、私がふっと顔を見上げると、一本の大きな木の上に男の子が座っていた。
「あ、あぶないですよ?!おちちゃうかも‥!」
バランスを崩したら、大変なことになりそうだ。
更に驚いた私は、必死に降りてくるように声をかけたが、その男の子はそんな私の慌てぶりににかっと歯を見せるように微笑んだ。
「だいじょーうぶ。木の上ですわったり、ねたりするのはけっこう、なれてるんよ。」
「‥あれ、このこえ‥葉、さま‥?」
慌てすぎていた私は、その声がこの家の大事な跡取り息子である『麻倉 葉』様だということに漸く気がついた。
「はは。そういうお前は、たまおだろ?さいきん家に来た。『修験者見習い』だよな?」
なんて優しい声なんだろう。
その瞬間、雲に隠れていた月がふっとその雲間から顔を除かせ、真っ暗な夜の世界を光で照らし始める。
そう、彼の顔も。
「はい‥葉さま‥///」
どきっとしてしまう、あまりにも綺麗で優しい表情。
私だけに向けられた、勿体無いほどの。
「な、たまおもこっち来いよ。この木、けっこう高いからさ。中々、ながめが良いんよ。」
「え、‥でも‥。」
私は、すぐに落ちてしまいそうだ。
怖いという気持ちから、首を横に振ると彼は笑ってそんな私に手を差しのべた。
「おいらが支えてやる。だから、来いよ?たまお。」
な?と、更なる笑顔を見せる。
「は、はい‥!」
気が付いたら、差しのべられた手を掴むためにこの手を伸ばしていた。
どうして、私はこんなにも安心しているのだろう。
彼の言う通りに木をゆっくりと登っていく。
「よし、後もうちょっとな。そこのえだに足をのせて‥」
「はい‥!」
「そのまま、ゆっくり‥おいらのとこまで上がってこい。もうちょっと。」
彼の手が私の手を優しく掴んだ。
「///‥はい!」
再び、ドキッと心が高鳴る。
私より大きくて暖かい手。
「よい‥っしょ‥っと!ふわ‥っ?!」
「おっと‥!」
最後の最後、バランスを崩しそうになったが彼がそれを支えてくれた。
「ご、ごめんなさい‥葉さま‥//」
「はは、だいじょうぶか?たまお。けが、ないか?」
「‥は、はい‥だいじょうぶ‥です。(わぁ‥か、かおがちかい‥///)」
「そっか、なら良かった。」
予想以上に近くなった顔に、耳まで真っ赤になっていくのが分かる。
どうしよう、なんか恥ずかしい‥と、オロオロしていると彼は私の名前を再び口にした。
「ほら、見てみろよ、たまお。」
「え‥?‥あ、わぁ‥。」
彼の指差す方に視線を変える。
そこには、どこまでも広がる満点の星空が。
「とってもきれいですね。」
「だろ?このあたりって、木が多いからさ。下じゃここまで広くは見えないけど、この辺りで一番大きいこの木に登ると、この星空を見ることができる。だから、よく晴れてる夜には良くここに来るんだ。おいらのひみつの場所。」
へへっと、笑う彼に私はハッとした。
「!す、すみません!‥そんな、葉さまのひみつのばしょに‥わたしなんかが、その‥」
「はは、だいじょうぶ。嫌なら登ってこいよ、なんて言わないって。あ、でも。この場所他の人には知られたくないからさ、おいらとたまおのひみつにしといてくれるか?」
そう言って、彼はシーっと私の口に人差し指を当てた。
「!///わ、分かりました‥」
「はは、さんきゅーな。たまお。」
「‥///」
満足げに微笑む彼の笑顔を月の光が照らす。
私は、その笑顔から目を離せなくなって。
顔が真っ赤になっていくのも止められない。
ドキドキ‥。
この高鳴り続ける心臓の音は一体なんだろう‥。
「なー。なんでさっき『死にたい』なんて思ったんだ?」
ふと戻される話。
けれど、だからと言ってそれは責めた言い方でも、嫌みな言い方でもない。自然な問いかけで。
私も自然と口を開き、答え始めていた。
「じつは、わたし、みよりがないんです‥あさくらのいえにひろっていただいたみなんです‥。」
「うん。」
「‥それから、このいえにはいったからには‥と、わたしもしゅぎょうをするようになりました‥」
「うん。」
「‥わたし、なにもじょうずにできなくて‥とくいなことも‥とくにないですし‥おこられることもたくさんで‥」
「うん。」
「それが、すごく、なさけなくて‥まわりにいるこたちは‥みんな‥じょうずにできてるし‥」
「うん。」
「だから、わたしなんか、いないほうがいいのかなって‥っ、だんだん、じしん、なくなって‥それに、しんだら‥おかあさんたちにあえるのかな、って‥‥そんなこともおもって‥」
「‥だから、消えようと思ったのか‥。そっか。」
「ごめんなさい‥。」
いつの間にか、涙が止まらなくなっていた。
手で何度拭っても切りがないほどに。
寂しくて、情けなくて、こんな弱い私をだからこそ、いっそ『消えたい』なんて思ってしまった。
「良いよ、あやまらなくて。おいらもさ、修行がキライなんだ。なんか、めんどくさいじゃん?おいら、めんどくさいのイヤだからさ。あ、それでよく、じーちゃんにおこられてるけど。」
ポン‥
彼は、私の頭の上に優しく手を置いた。
「‥‥葉さまが?でも、葉さまはいつも‥どんなときでも、わらっていらっしゃいます‥とても、たのしそうです。」
そう、彼はどんな時も笑っている。
だから。楽しいのかな、好きなのかな。って、いつもそう思っていた。
「‥辛いことをさ、『ツラい』って思ってると、それは本当に辛いんよ。たとえば、おいらは食べるのが好きだ。たくさん腹を空かせるとその分、その日の夕飯がうまくなる。おいらが修行を頑張るのはうまい夕飯が食いたいからだ。」
「‥うまい、ゆうはん‥」
「そ。そのためにがんばるのもなかなか良いぞ?たまおもやってみろよ。それにさ、たまおが今死んでもたまおのお母さん達はきっとよろこばないし‥たまおが死んだら、おいらがすごくかなしい。」
「‥葉さま‥。」
悲しんでくださるのですか‥?
こんな、長所なんて何もない。私のことを。
「わー、泣くな、たまお‥;;ごめん、おいら、変なこといっちまったかな‥;;」
「あ‥、ちがうんです、ごめんなさい‥葉さま‥!その、わたし、すごくうれしくて、ありがとうございます‥」
「‥おう。へへ、笑ったほうがたまおにはあってるぞ。」
「葉さま//‥はい!」
‥
‥‥
あの時、葉さまが下さった言葉を私は、ずっと忘れません。
そして、この胸の中にずっと、大切にしまっておくんです。私だけの宝物だから‥。
そうしたいと願ったと同時に、私は自然と貴方を好きになったのだと自覚しました。
‥私の大好きな人は、いつも笑顔が素敵で。
何よりも、星を見るのが大好き。
幽霊とも仲が良くて。
誰よりも、心の優しい人。
あら、私ったら‥つい、語りすぎてしまいました。
お恥ずかしい‥。
では、私はまた修行に戻らなければならないので今日はこの辺りで‥。
え?葉さまとはその後どうなったか、ですか?
ふふ、どうにもなってませんよ。
葉さまには、大切な許嫁の方がいらっしゃいます。
だからこれは
『けして、叶えてはいけない恋』
ただ、想いだけは大切にしたくて。私の心の中に閉じ込めて、鍵をしてしまおうと決心しました。
だからけして、誰の耳に届くことのないように‥私と貴方の秘密にしてくださいね。
自分より小さな小さなお客様の頭を一撫で。
ニャー、とか細く鳴く声はまるで、自分の名前を呼ばれたよう。
『では、行ってきます。』
そう一言、言い残して。
たまおは、その場から小走りで立ち去っていった。
たまおは気づかなかったが、猫の頬は‥どこか真っ赤に染まっていた‥。
‥続く(かもしれません)‥
最後まで読んでいただきありがとうございました‥!
私は、シャーマンキングの男女カップルでこの二人が1番好きでして。
ほんと、何でもするからたまおが救われるようなお話
でも、公式では拝めないので、なら私がいっそ、書いちゃおう!書こう!下手だけど、任せろ、たまお!!という気持ちで書いた次第です!
このお話は続く予定です。とはいえ、このお話だけで完結しても良いように、続きもそれだけ読んでも分かるようにはしたいと思っております。
もし宜しければ、そちらもお待ちくださいませ。作者の月でした!