鬼滅の刃~太陽の化身~   作:怪獣馬鹿

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それでは第18話です。
あんまり話が進んでませんが・・・
大丈夫です。
次回で進みます。
と言うか戦闘まで絶対にしてやる。


零余子と禰豆子

童磨にボコボコにやられた明悟は隠に連れられて近くの藤の家に向かう。

この頃の蝶屋敷は今のような病院としての機能は始まったばかりで隊士達も隠達もまだ蝶屋敷にすぐに運ぶのではなく、まずは藤の家で治療してからある程度回復して問題なく動けるようになり、その後で蝶屋敷に通院しすると言う感じだった。

カナエやしのぶはそうやって藤の家に運び込まれた隊士の情報を聞いて、そこに行き、医者から状態を聞いて必要な物を揃えて通院に備えるのがこの時の蝶屋敷のやり方だった。

明悟はそこで目を覚ますとそこには今、自分に目を閉じながら接吻してカナエだった。

突然の事に呆然となる明悟。

カナエが目を開けて明悟の目と合う。

顔がリンゴのように真っ赤になり、勢いよく離れたカナエ。

 

 

事は一時間ほど前。

カナエはまた今日も眠っている明悟の世話をしようとくる。童磨にやられてから4ヶ月の間、明悟は一切目を覚まさなかった。

最初にカナエが聞いた時、青ざめる事はなかった。

明悟なら起きると思って楽観していた。

だが、藤の家について現状を聞き、更に一向に目を覚まさない明悟に徐々にカナエは悲観的になった。

 

任務をこなし、明悟の吉報を待つカナエだが、目を覚まさない。

体はもう治っていつ目を覚ましてもおかしくないのに目を覚まさない明悟にカナエがここ最近、明悟に対して思ってたのは苛立ちである。

 

「明悟さん、私は貴方の事が好きです。あれから半年も待たせて女性にあそこまで言わせたのに全然来ないし、きっちりしてる風に見せても案外ずぼらだし、ネチネチ小言を言うし、子供っぽくてムキになりやすいし、自分勝手だし・・・それでも鬼とか人間とか関係なく悪人には愕然とした態度で接して、鬼に対しても供養できる貴方が私は大好きです・・・私、もう16になったんですよ。明悟さんと思い出が出来ると思ったけど、出来なかった。私はずっと寝てる貴方の隣にただ居ただけ。私だって生きてるんですから・・・・・・・・ずっと隣には居られませんよ」

 

最後の言葉を明悟の耳元で言うカナエ。

 

「これからの人生でずっと貴方が永遠に好きなんて甘い事、考えないで下さいよ。このまま起きないと心変わりして別の人の所に行くかも知れませんよ、私結構寂しがりなんですから」

 

カナエはまだ一向に起きない明悟の唇にカナエは自分の唇を近づける。

言いたいことは全部言って気持ちを区切る事が出来た。

これからどうなるか全然分からないがカナエはある種の別れとして接吻する。

これで明悟が起きようと起きまいと自分の人生を生きる為の誓いとしての接吻だった。

 

(こんなに悲しませて・・・明悟さんなんか大嫌い)

 

心で明悟に悪態をくつカナエ。

 

 

 

 

ここで戻る。

 

 

 

 

 

勢いよく唇を離すカナエ。

色んな意味で最悪の気分になる。

嫁入り前の娘が寝てる男に接吻するだけじゃなくて色々と覚悟を決めたのにタイミング悪く起きた明悟にカナエは自分のタイミングの悪さを呪った。

 

(もう、何で今なの!!?いつも間が悪いって・・・嫁入り前の娘があんな事して・・・まぁやりたかったからやったんだけど・・・もうやだ・・・今すぐ消えたい・・・でもそれはそれで逃げた感じがしてやだなぁ)

 

意気消沈してるカナエ。

やられた明悟は起き上がろうとするが、今まで寝続けていた事もあって上手く起き上がれず、寝返り、うつ伏せになってしまう。

 

「明悟さん、大丈夫ですか!?」

 

倒れた明悟に手を伸ばすカナエ。

明悟はその手を取り、何とか座ろうとするが上手くいかず、またカナエを押し倒した状態になってしまう。

前回とは違い、カナエはそのまま目を閉じる。

明悟はゆっくりとカナエに接吻する。

少ししてから唇を離す。

 

「カナエちゃん、俺・・・君の事が好きだ」

 

「一先ず、離れて下さい・・・心臓がまろび出そうです」

 

顔を真っ赤にして話すカナエに明悟は慌ててカナエから離れる。カナエは体を起こす。

2人とも顔を真っ赤にする。

 

「教えて・・・くれないかな?」

 

「・・・私は明悟さんの事、好きですよ」

 

「俺も好きだ」

 

「でも、ずっと寝てて心配したんですからね」

 

「・・・どれくらい寝てたのかな?」

 

「・・・4ヶ月です」

 

「そんなにか・・・」

 

「私は16になりました。あの喧嘩で疎遠になって、明悟さんがこうなって気づいたんです。私も貴方も永遠じゃない。だから私は自分の人生を生きようと決めたんです。もしも、起きなければこのまま貴方の前から消えるつもりでした。私はそう言う人間です」

 

明悟はフラれた思い、顔を下に向ける。

カナエは明悟の手を握る。

明悟はカナエを見る。

 

「だから、手を離さないで下さいね」

 

「分かった」

 

抱き締め合う2人。

これが2人の新しい始まりだった。

 

・・・胡蝶カナエ死亡まで後1年と2ヶ月・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

女郎屋の“ときと屋“で明悟は目を覚ます。

今日は天元があの3人の誰かを無理矢理にでもここに連れてきて売る筈なので明悟もそれに合わせて情報をすぐに渡せるように紙で纏める。

明悟はそれが終わると板頭を見に行く。

稼ぎ頭の遊女には優劣が着いていて名前のついた板で人気がわかる。本来はこれはしきたりがドン引くほど強い吉原ではまずない。

しかし、時代が移り変わり客層も武士層や大名等ではなくより一般的な町人層になり、町人は南の品川等に比べて吉原は格調が高すぎて欠片も入ってこない為、この店の何代か前の主人が客を呼び込むためにやった処置である。当然吉原では大問題になるほどであったが、その時、“京極屋“の1番人気だった花魁が認めた事で事なきを得た。

その縁か“ときと屋“と“京極屋“の仲は悪くない。まぁ“京極屋“の傘下みたいな物であるが・・・

 

板を観に行くと“須磨“と言う板が外されていた。

 

「その子はどうしたんですか?」

 

「足抜けだよ」

 

板を取った男衆の男からそう言われた。

“須磨“と言う名前は天元の3人いる嫁の1人で明悟は出来ればその花魁がどうなったかを知りたいが、一見である明悟にその情報は来ない。

ならばと思い、明悟は部屋に戻る。

 

「失礼します」

 

轆轤が襖を開けて朝食を持ってくる。

因みにこの前、轆轤と零余子に監視をつけると言う話があったが、監視をつける前に2人が見事に消えて見つけられなかった。

元十二鬼月は伊達ではなかった。

 

「なぁ、須磨花魁って知ってるか?」

 

「あぁ、ここに来たときに仲良くなったよ」

 

「花魁と!?」

 

「だって、ここの鯉夏花魁と同じくらい優しくて美人で男衆からは人気だったんでな」

 

「吉原の花魁ってしきたりキツくなかった?」

 

「そりゃ、江戸時代はな。今は大正だぞ?江戸のままだと格調が高すぎるから、吉原でもここは品川の色が強いし、そう言う古い吉原に行きたかったら北の方の店に行けよ。政治家とか御用達の店だらけだぞ」

 

「息が詰まりそうでやだ」

 

「だよな」

 

「一応、言っとくが須磨花魁に変な気は出すなよ。彼女の旦那から言われてるし」

 

「安心しろ、俺は死んだ女房一筋だ」

 

「蕪前岳にいた家族か?」

 

明悟はこの前会った時に轆轤が魘夢に聞いていた事を思い出しながら尋ねた。

 

「あぁ、俺には勿体無い程に出来た女房だったよ。臆病だったし、変な部分で子供っぽくて、それでいて凄い頑固で強かった」

 

「そうか・・・お前が探してるのはその人を殺した鬼か?」

 

「あぁ・・・絶対に見つけ出す。この手でそいつの息の根をこの世で1番えげつない方法で止めてやる」

 

言葉の節々から怒りが滲み出ている轆轤。

明悟はその姿に冷や汗を欠いた。

 

「それで、須磨花魁が足抜けした事に関して何か知らないか?」

 

「分からない・・・が、鬼の気配は感じていた。すぐにそっちに向かったが居なくて、見つけたのは大量のクナイと斬撃の後と少しの血だけだった」

 

「そうか・・・って昨日の内にお前、それ教えろよ」

 

昨日の“京極屋“の時の話を思い出す明悟は、その時に教えなかった轆轤を睨む。

 

「噂って言ったのお前だろう」

 

「屁理屈こくな」

 

「屁理屈も立派な理屈だ」

 

「性格悪!」

 

「こんな性格じゃないと十二鬼月になれねぇよ」

 

全く悪びれない轆轤に明悟は苛つき始めるがここで怒って店に迷惑を掛けるのもあれなので止めた。

轆轤におひねりを渡して朝食を食べる明悟。

早く天元達が来るのを待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

零余子は“ときと屋“の給仕として働いている。

遊郭に売られた女は全員が花魁になると言うのは少し違う。

借金の担保として店に置かれる事に違いないのだが、当たり前だが大事な娘にそんな事をさせたくない親だって普通にいる。

ならばどうするか、借金を作った親が借金を返せなくなるまでは給仕などをさせて完全に返せないと判断されてから花魁になる。

これも江戸時代に武士層が主な客層だった吉原では珍しい事だが、町人層が客層だった品川では珍しくもなかった。これも“ときと屋“の主人がやった処置の1つでこれをやると借金相手と距離が近くなりより手玉を取れて、無理だったら娘を花魁にすれば良い。

また女給仕も飯の腕が良くて尚且つ美人であれば単純な男衆がより働く。

まぁ、零余子は身内が居ないから借金を返せる分けが無いのですぐに身売りさせても良かったのだが、そこは“ときと屋“と言うか遊郭の主人で、一応零余子自身はまだ“ときと屋“そのものに借金はまだ全然軽い。足抜けが多い今の状態で無理矢理させるよりはこのままゆっくりと借金を増やさせて首が回らなくなってる状態で今の恩を含めて脅してさせた方がより確実であると言うわりと下衆な事を考えて、1年間給仕としてこき使う気満々だった。

 

まぁ、零余子は昨日轆轤から明悟との交渉を聴かされていたのでそんな心配は完全に消えたわけである。

 

明悟としても鬼殺隊として連れていかないといけないので払うしかない。

どちらかと言うと鬼殺隊としての脅しだった連れていく話を逆手に借金を返させる轆轤の発想の勝利である。

 

そんな中、女将の怒鳴り声が聞こえる。

それにビビると明らかにイライラしてる通り越して激怒してる女将と宥めてる主人だった。

 

「おい、零余子!さっさと新入りに飯を持っていきな!」

 

「は、はい!」

 

零余子は思わない飛び火が来るも膳を持って新入りの所に行く。

 

「晩御飯をお持ちしました」

 

花魁の地位が高い遊郭で1番地位が低いのはどんな存在かと言われれば零余子のような地位にいる者だろう。

まぁ、身売りして働いてるのに身売りをせずに遊郭にいる方も方である。

けど、それでイビられる事は零余子に関してはあまりなかった。

何故かと言うと、まず花魁達が忙しすぎてそんな暇はない。次に働く時間帯が違う。

更にここは板頭があるのでぶっちゃけると端金の稼ぎにもならない零余子のイビりより、自分の商売敵をイビってボロボロに潰して自分がその客をぶん取る方が金になるので零余子に構う暇がない。

 

膳を持って新入りの部屋に入ると、そこには女装した炭治郎がいた。

 

「あんた、何やってんの?」

 

「零余子さん、お久しぶりです」

 

挨拶をする炭治郎。

零余子は膳を置く。

 

「鬼殺隊の仕事?」

 

「はい!」

 

元気に答える炭治郎。

零余子は部屋の隅に置いてある禰豆子が入った箱を見た。

 

「ねぇ、あの鬼の子はあそこなの?」

 

箱を指差して言う零余子。

 

「禰豆子の事ですか?」

 

「禰豆子って言うんだ」

 

「禰豆子に何か用があるんですか?」

 

正直に言うと炭治郎は禰豆子を轆轤や零余子には余り関わらせたくない。炭治郎は善良な鬼と悪鬼を見分けているがその方法は人を食ってるか食ってないかで轆轤や零余子は十二鬼月になるほど人を食べている。

鬼のままであるならば、炭治郎は速攻に2人を斬るが人に戻り、そして轆轤は自分達と同じように人を守った。

その事実が炭治郎の決めてた一線を越える。

会わせるべきか会わせないべきか白と黒で分けられない部分をどうすれば良いか炭治郎には分からなかった。

輝哉の命で一応協力しようって話にはなってるが、炭治郎自身の意見などはない。

だから炭治郎は零余子と向き合う。

敬語なのは出来る限り、親しそうに話すのではなく見極める為に敬語である。

 

「こ、この前のお礼を言いたくて・・・」

 

消え入りそうな声で炭治郎に言う零余子。

普通だった。

あまりにも普通な内容で少しだけ肩透かしを喰らう。

零余子もまたアギトであるので炭治郎の鼻が効きにくいがそれでも大体の感情をかぎ分けられないほど炭治郎の鼻は安くない。

 

「わかりました!」

 

炭治郎は周りに人がいないのを確認してから、箱を開ける。禰豆子がのそのそと箱から出るといつもと違う格好の炭治郎に首を傾げる。

 

「禰豆子、この人がこの前のお礼を言わせて欲しいって」

 

炭治郎は禰豆子に零余子を紹介する。

零余子は顔を赤らめながらも禰豆子に近づく。

 

「この前はありがとうございました!」

 

禰豆子に頭を下げる零余子。

禰豆子は頭を撫でる。

零余子は笑顔を向けて禰豆子も零余子に笑顔を向ける。

微笑ましい光景である。

 

「あ、あの・・・友達になってくれませんか?」

 

恐る恐る手を差し出す零余子。

零余子の言葉に炭治郎も禰豆子も目を開く。

真正面からこうもはっきり言う人は中々珍しい。炭治郎は零余子が鬼だった事実を含めて迷うが、禰豆子は零余子の手を握る。

なんとも嬉しそうである。

 

「と、友達で良いのかな?」

 

零余子は炭治郎を見る。

炭治郎は禰豆子の行動を信じ、首を縦に静かに振る。

 

「私は氷川零余子・・・零余子って呼んでね」

 

零余子の言葉に禰豆子は何かを言うが、口枷で分からないが言ってる内容は同じだろうと感じた。

 

「禰豆子って呼んで良いかな?」

 

零余子の言葉に嬉しそうに首を縦に振る禰豆子。

2人が“友達“になった瞬間であった。

零余子は仕事がまだあるので下がった。

 

互いにまた遊ぶ約束をして・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

明悟は天元に外で情報を纏めた紙を渡した。

 

「これが、ここ2、3日で纏めた情報。“京極屋“に黒い噂がかなりあるって」

 

「そんなのは知ってる・・・やっぱり集められる情報は微妙だったか」

 

天元は明悟に任せた事を後悔し始めた。

そりゃ、客として入る事と働き手で働くのでは情報の量も質も違う。

寧ろ、良くそこまで集まった方である。

印象第一な吉原で・・・

 

「まぁ、そう言わないで・・・君の奥さんの須磨さんは足抜けしたって見られてるよ」

 

「何処に行ったか分からねぇのか?」

 

「そこまでは・・・」

 

天元は何も成果を上げられてない明悟をぶん殴ろうかと考えたが、そんな事をやっても情報が降ってこないので止めて、また情報を集めに別れた。

 

 

 

 

 

 

そして2日経ち、京極屋に潜入してた善逸が消えた。




と言うわけで第18話は明悟とカナエが恋人になった事と禰豆子と零余子が友達になって終わりました。
長かった、とくに明悟とカナエが恋人になるまでが長かった。これで早く進めても問題なくなって良かったです。

読者の皆様に謝らなければならない事があります。
今作の遊郭の描写は『幕末太陽傳』と言う日本のコメディ映画で最高峰の一本から多大な影響を受けてますが、調べたら品川遊郭と吉原じゃ、システムそのものが違いすぎて全く合わないと言うのに前回の投稿が終わった後に気づきました。
今から変えるのもあれなのでこのまま行きますが間違えるつもりが無いのを間違えてしまい申し訳ありませんでした。
まぁ、大正なのに仮面ライダーが出てる時点で間違えもクソも無いですけど、やりたかった話回りだから余計に申し訳ないです。
一応、処置として“ときと屋“の主人は品川遊郭のシステムを吉原に入れてるとしました。

調べて一言・・・仕事って全く同じシステムなのはそうそう存在しないんだね。


批判感想質問は随時受け付けておりますので気軽にどうぞ。内容によってはそこで裏設定とこうなった経緯を暴露します。
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