3話から5話で必ず終わらせる事を目標に頑張ります。そして明悟とカナエの夫婦の活躍をどうか期待してください。ではどうぞ!
大正ビギンズ カナエ
あの吉原の事件から1週間後、明悟を含めて全員が回復した。
全員を蝕んでた妓夫太郎の毒は起き上がった禰豆子の血鬼術の爆血によって消せたので、全員が肉体的にはかすり傷と少しの生傷で済んだのは奇跡に近かった。
しかし精神的には敗北としか言いようがなく、特に明悟とカナエの事に関してはあまりにも重かった。
それに関してはカナエの家族であるしのぶやカナヲ、アオイ、きよ、すみ、なほ以外誰も何も言う権利もないので誰も触れなかった。
明悟はこの1週間の治療は蝶屋敷でやっていない。完全に自宅で療養していた。それに蝶屋敷で治療しなくても問題なかったのも事実で、天元達のように毒にやられてなかった。
明悟はしのぶが他の蝶屋敷の子達が来るかと思ったが誰も来ず。同じアギトの2人である轆轤と零余子は自分の家に置いておく事になった。
そして今日は全柱が産屋敷に集結し、轆轤と零余子と協力するかどうするかを決める会議がある。明悟、杏寿郎は協力の立場を取っていて、2人を弁護する気満々である。蜜璃は完全に会うまで判断しないと中立を表明、無一郎と義勇に関しては無関心であるがどちらかと言えば反対よりの表明であり、残りは反対だった。
共に戦った天元に関しては轆轤と素手の対決を望んでいて、それで協力に納得出来るかどうかを決めると言う物騒極まりない事をやろうとしていた。
この会議に関しては隊の中でも極秘で行われる。今回の事でこの会議の存在を知ってるもの柱と当事者の炭治郎達、そして耀哉やあまねの産屋敷一家位であり、隠でも知ってるのは殆どいなかった。
轆轤や零余子は元十二鬼月であり、この2人に家族を殺された隊員も必ずいると言う判断から極秘でやる事になった。
「さて、行こうか」
いつも以上に服をキッチリする明悟。とてつもなく重要な会議で自分は2人の弁護に立つ側なので流石に普段通りではなかった。
「あぁ」
轆轤は行く気を確りと決めてきたが、零余子に関しては・・・
「ごめんなさい。私は実は“会議に出たらいけない病“が・・・」
「そんな病はない」
ごねる零余子の首を引っ張って無理矢理連れ出す明悟。
「嫌よ!絶対に行くもんか!」
「行かないなら、ここで無理矢理眠らしてから連れていくけどどっちがいい?」
笑顔で尋ねる明悟に零余子は観念して大人しくついて行くことにした。
●●●
無事に産屋敷に着くと、庭に行く。
屋敷に上げるのは問題なのではないかと言うことでこうなった。
行くともう既に全柱が来ていた。
ここ最近の会議は無茶苦茶早くから来る明悟に対抗心を燃やした実弥と生真面目一直線な杏寿郎が負けじと早く来るようになり、しれっと義勇も早くなり、対抗心を燃やした小芭内や真面目な行冥に蜜璃、しのぶ、天元、無一郎と早くなった。
明悟、轆轤と零余子の登場に杏寿郎と中立をしてる蜜璃はともかく残りの柱は恨みの視線を向けていた。(ただし、天元に関しては轆轤だけに向けていた。よっぽど嫁に抱きつかれてたのが憎たらしいのだろう。まぁ勘違い甚だしい私怨ではあるが)
「芦原、氷川。久しぶりだな!」
「煉獄か、久しぶりだな」
「・・・久しぶり」
杏寿郎が轆轤や零余子の元へ駆けつける。
「お前達を許して良いかはまだ決めかねている!しかし、人の為に鬼と戦うならば誰もが鬼殺隊だ!共に戦おう!」
手を差し出す杏寿郎。
だが、2人は手を取らなかった。
「お前、前から思ってたが随分とさっぱりしてんな」
「グダグダ考えるのが性に合わんのでな!」
笑顔で答える杏寿郎。
轆轤も零余子もここまでさっぱりした人間は初めてなのでどうしたら良いかは分からない。
「お館様の御成です」
ひなきがそう言って縁側ににちかと共に耀哉を連れてくる。杏寿郎や他の柱が耀哉の前に瞬時に跪くが轆轤と零余子はこの忠臣っぷりに若干引いていた。
明悟は本来ならば跪くべきなのだが、ここで2人をほっぽりだしてやるのもあれなので止めた。
優等生の実弥が明悟を睨むが、明悟からすればどこ吹く風でしかなかった。
「やぁ、皆。息災で何よりだよ」
「耀哉もまだまだ元気だな」
「明悟か・・・婚約までしてたんだって?仲人の挨拶の依頼は来てなかったよ」
「・・・・後日、頼むつもりだったんだ。俺の仲人に相応しいのは耀哉だけだしな」
「嬉しいね」
軽口を言い合い、明悟にとってはあまり触れられたくない内容でも耀哉はガツガツと言う。
明悟も耀哉の性格を熟知してるので軽口で答える。
(昔から傷口にズケズケって入って来るんだよなぁ)
心で耀哉に悪態をつくが悪い感情ではなく、懐かしいと明悟は思った。
轆轤と零余子を耀哉の前に連れていき、座る明悟。
2人も砂利の上に正座する。
耀哉は音で2人が座ったのがわかった。
「その2人が芦原轆轤と氷川零余子だね?私の名前は産屋敷耀哉。よろしく」
軽く挨拶をする耀哉。
その独特な声調に零余子も轆轤も緊張が解ける。
「早速で申し訳ないが、2人がアギトとして人を守る為に鬼殺隊に協力してくれると言うのは本当かな?」
「あぁ、本当だ」
「本当・・・です」
轆轤は普段と同じ感じで答えるが零余子はビビりな性格故か敬語になっていた。
「ありがとう・・・柱の皆にもう一度聴きたいんだが、2人の協力には反対なのかな?」
「お館様の御命令でも出来ません!」
「あぁ・・・それだけは出来ない」
「信用出来ません」
「死んだ方がマシです」
「俺は賛成です!2人は信用に値する戦いをしてます!」
「私は、もう少し御二人の事を知らないと判断出来ないです。申し訳ありません」
「僕はどっちでも良いです。裏切れば斬れば良いですし、信用出来るなら別に」
「(本来ならば反対ですが、柱ではない俺にその権限はございませんので)・・・賛成です。(それに煉獄の人を見る目は確かですし、3人の柱が共に戦ったのであれば実力は申し分ないかと思います)」
義勇がまた言葉足らずに賛成を表明したので約3名からの怒りの視線が強くなるが疎い義勇には伝わらなかった。
「派手に反対です。氷川はともかく、芦原は信用できねぇ。いつ俺の妻達が襲われるか」
天元が轆轤を睨むが轆轤も流石に睨み返す。
「俺が人妻に手を出す分けねぇだろ。独身でもやる気はないが」
「それを地味にどう信用しろと?」
天元からの言葉に轆轤は深呼吸をして落ち着く。
「俺の妻は襲われて手籠めにされた」
轆轤からの一言に柱だけでなく見えない耀哉を覗いた全員が轆轤の話を聞く。
「死んだ蕪前岳の奥さんだね。教えてくれないか?お前が鬼になった理由を」
轆轤の話を以前聞いていて明悟が再び尋ねる。
聞かれた轆轤はここで話さないといつ後ろの自分を殺したがってる柱達が襲いに来るか分からないので、死ぬほど話したくはなかったが話すことにした。
「今から20年ほど前に病の母親と妻と一緒に暮らしてた。ある日、妻が買い物に昼頃出掛けたが、夜になっても帰って来ずに探しに行った。その時、町の離れにあったおんぼろの小屋で妻を見つけた。着物は乱れるどころか所々が切り裂かれたり、血だらけで妻の体もボロボロだった。何が起きたのかすぐにわかった。一人の男がやって来た。俺を見て怯えて妻もそいつに怯えてて誰なのか理解した。俺は逃げるそいつを半殺しした。半殺しだったのは妻が俺を人殺しにしないように止めてくれたからだ。警察で真実を言ったが、誰も聞き入れなかった」
「その男から警察は聞けただろ?」
杏寿郎が轆轤の話を聞いて出た疑問を尋ねる。
「意識不明で聞ける状況じゃなかったからな。蛭川雅史って奴だ。聖都病院に行けば記録が残ってる筈だ。あのゴミも警官だったらしいから不祥事は避けたかったらしいし。俺は刑務所に入って母親が危篤になったのを手紙で知った。外に出ようにも出れずにいた所、上弦の肆の鬼に血を与えられて鬼になった。人を食いたかったがそれよりも母親に会いたくて家まで走って、着いたら2人は殺されてた。辺りは血の海で妻や母はまるで壊れかけの人形のように残酷に殺されてて埋めようと触れたら悲鳴だけ出てくるって悪趣味な状態だった。俺は2人から悲鳴を出させないために2人の死体を食った。何も考えずに苦しませたくないから・・・それで俺は何もかも忘れて鬼として生きた」
明悟は轆轤の話を聞いて何も答えない。
鬼によって運命を狂わされてる。いや、轆轤は鬼だけでなく、“人にも運命を狂わせれた“。
鬼からも人からも苦痛を味わった轆轤に明悟は何も言えなかった。
他の柱もこの話を信用しないと思うのは簡単だった。
しかし、出来なかった。
何故ならば“轆轤は血の涙を流して体から溢れてくる怒気はそんな疑いを吹き飛ばす程に強烈だった“。
「ごめん。辛い話をさせて」
明悟が轆轤に謝罪するが、轆轤は何も言わなかったが、黙って頷いていた。
「零余子の話も教えてくれないかい?」
耀哉が零余子に尋ねる。
零余子もまた深呼吸して話す。
「今から6年ほど前に病になった。酷い大熱で苦しんで私の両親は夜分遅くに山に入って薬草を探しに行った。裏山だったし、薬草が多い山だったから、いくら待っても帰って来ずに心細くて私はその時、看病してくれた人の目を盗んで山に入った。けど居たのは両親じゃなくて血塗れの両親の着物と口が血塗れだった無惨だけだった・・・怖くて命乞いをした。そして鬼になった」
轆轤と比べると他の鬼と同じように“ありがちな話“だった。しかし、この場に同じ状況になった時にその行動をするのは尤もな為に誰もそれには批判しない。
「しかし、お館様。この2人は元十二鬼月です。殺された隊士は大勢います」
実弥が耀哉に言う。
正論だし、非常にまともな理屈だった。
「けど、上弦や無惨を倒すにはこの2人の力が必要だ」
明悟が2人を擁護する。
ここで重要なのは明悟も2人が人を喰ってる事に関しては擁護も何もしておらず、力が必要だからやるべきだとキッチリしている点だった。
別に裁判でも何でもなく2人と協力するかの話だったから、2人が鬼に対して有効だと証明できれば良い話であり、そこら辺に関しては明悟的には禰豆子よりもやり易かった。
轆轤に関しては初戦(明悟が確認してる)で十二鬼月を撃破してそのまま杏寿郎と明悟の3人で猗窩座と戦闘し、吉原では童磨、妓夫太郎、堕姫と戦闘した為に強さに関しては折り紙付きだった。
零余子は初変身が吉原と言う事もあって轆轤よりは信用もとい実績の量は足りないが、堕姫だけでなく妓夫太郎の首を吹き飛ばしたと言う実績の質は凄く、あの2人が鬼として特殊な体質だったから効果がなかっただけでこれが普通の鬼の場合だと、正直に言ってこの中の誰よりも戦績が凄いと言う事になる。
だから、反対を表明してる人間は性格なりなんなりでやるわけだが、実績優先の完全な実力主義を唱えてる鬼殺隊でそれらを有効にするには2人の実績が全くないか無茶苦茶酷いかと言う状態じゃないと出来ない。
結局の所、反対する理由は山ほど出てくるし、擁護してる人間も反対の表明をするか迷ってるが協力を拒否するとそれはそれでとてつもなく戦力が激減するし、下手をすると今までの戦いでいなかった場合、隊士、最悪を考えると柱が死んでいた可能性が高いため、協力するしかなかった。
完全な実力主義と実績主義が反対をしてる実力と実績で上り詰めた柱の首を絞める事になるのは皮肉以外の何物でもなく、会議は恐ろしいくらいギスギスしていた。
そして全員が疲れを感じ始めてた頃、昼から始めた会議が、夕方になり、これから夜になろうとしてる頃。
「藤の山で緊急事態!緊急事態!」
明悟の烏の龍悟が飛びながらそう叫ぶ。
「山で大火事!山で大火事!鬼が脱走!脱走!」
藤の山では試験の為に鬼を捕獲してる。その鬼が脱走すると言うことは周りの村や人々が危ないと言う事に他なく、明悟も含めた全柱が動いた。
火事なので轆轤の水の力は必須なので、轆轤は明悟が零余子は杏寿郎が首根っこを引っ張り全員が全力で藤の山に目掛けて走る。
●●●
藤の山に着くと悲惨な状況を彼らは目にした。
山は火があちこちに出て拡がって多くの隊士が収拾の為に動いていた。
山火事は小さな火だと水を掛けるくらいでも何とかなるがここまで大きい火だと反対側から日を着けてぶつけて燃やすものを完全に焼失させて沈静化するのが1番良く、既に山の反対側はその火なのか燃えていた。
だが、ここは鬼殺隊が長年試練に使っていた大事な山。中にはここで死んだ友人や同門もいる。
その事実は柱達にもの悲しさを与える。
パンッ!
突然、手を叩く音が聞こえて全員がそっちを見る。
最年長の行冥が手に数珠を巻いて叩いたのだ。
「何が起こってるのか冷静に説明して欲しい」
盲目ゆえに火事が起こってても耳での情報しか入ってこない。しかし、鍛え抜かれたその聴覚は何が起こってるのか分かった。
ただし、それでも目の情報が必要なので叩いて他の柱から情報を得ようとした。皆を冷静にさせる為でもある。
「藤の山が燃えてる。かなりの山火事でもうここで試練は出来ない。多くの隊士や隠が事の収拾に当たっているけど人手不足だ」
明悟が行冥に間髪入れずに情報を答える。
「分かった。山の鬼を一体残らず倒そう。一体残らず確実にだ!」
「俺は山の頂上に行く。火の中は任せてくれ」
「なら俺は麓に行き、拡がらないようにする」
「私は轆轤と一緒に行動する」
「なら俺は、芦原と氷川と共に行動した方が素早く事に当たれるな」
「残りは私と共に反対側に行き、逃げてる鬼を倒す」
早くやる為、全員がその案に乗り、山に向かう。
明悟、轆轤、零余子はベルトを出す。
そして走りながら、ベルトが光出す。
「変身!」
「変・・・身!」
「変身!」
3人がアギトになり、明悟はフレイムフォームに、轆轤はアクアフォームに変わって、明悟は山の頂上を目指し、轆轤と零余子は火の手で1番村に近く、大勢の隠が村人を非難させてる所に行き、杏寿郎が轆轤達と隠達を柱権限で協力させる。
そして山の反対側で山から逃げてきた鬼を大勢の隊士と一緒にやる。本来ならば、消火能力がない零余子は此方に回ってくるのが良いと思うが、元鬼の零余子を1人だけ、滅殺の精神が杏寿郎や明悟以上に根付いてる柱達と一緒に行動させたら混乱しかない。まぁそれを全員が理解してる上に尚且つ急いでやらないといけないのでグダグダと配置をしてもしょうがないので誰も零余子に愚痴は言わなかった。それに大人しく協力出来る柱はわりとドライな考えが根に染み付いてる天元か人を助けるのが最優先な杏寿郎、憎むと言う考えがそもそもない明悟くらいで他は憎しみも怒りも常人以上なのでやっても血が増える以外何もない。
燃える山の中で明悟は残された人や隊士を探し、鬼は見つけ次第倒す為に動いているが、人や隊士は居なく、鬼も居なかった。
完全に無駄骨でしか無いが、もしも避難に遅れた人間がいた場合を考えると問題で、これは必要な行動でそれがフレイムフォームだと明悟にとっても問題なく出来たからやってる。
すると背後から何かが来るのをフレイムの持つ直感で感じとり、明悟は前転して避ける。
すぐに背後を見るとそこには、鬼の仮面をし、蝶の模様の羽織を着ていて、黒い蝶の髪飾りで後ろでゆったりと纏めていた女性の隊士がいた。
「ここは危険だから早く逃げて麓の柱と合流して!」
明悟は叫んで、そう言う。
しかし、彼女は日輪刀を振りかざして、明悟に斬りかかる。
「ちょ、ちょっと待って!」
明悟はその刀を避ける。
避けた先にある燃えてる木が綺麗に斬られる。
豪腕っプリに少しだけ明悟は引く。
「俺は味方だ!」
彼女は明悟の言葉を聞かずに攻撃し、明悟も避けたり反らしたりさせて何とかする。一向に決着がつかずに膠着し、火の手がドンドンと回ってきてこのままではいくら呼吸をしてるからと言っても危険になり、無事でいられなくなる可能性が高い。
明悟は変身を解除する。
アギトの姿を詳しく知らない隊士もまだ大勢いるので、生身で隊服姿なら安心し、敵と認識しないと思ったからだが、彼女はお構い無しで攻撃する。
明悟は自分の日輪刀で受けて、確実に眠らそうと峯を当てに行くが、彼女も負けじと受けていた。
その太刀筋に明悟は懐かしさを感じるがあり得ないと思った。
そして何回かぶつけ合って、つばぜり合いになり、明悟は体を反転させて後ろから彼女の首を取り、投げる。
彼女は投げられて地面を転がり、仮面が取れる。
明悟はその顔をして呆然となる。
何故ならば、彼女は死んだはずの“胡蝶カナエ“だった。
鬼の血鬼術かと思ったが、アギトの超能力が本人だと認識していた。
混乱する明悟にカナエは睨みながら、再び日輪刀を構える。
「カナエちゃん、何で?」
「カナエって誰?」
カナエはそう言い、日輪刀を明悟に振るう。
明悟はギリギリ受け止めるが、動揺して先程のような膠着する事なく完全に圧されていた。
「カナエちゃん、俺だ明悟だ!」
「知らない」
「君の夫だ、共に将来を約束した!」
「知らない」
「共に戦い、共に笑って、共に泣いて、喧嘩して、仲直りを繰り返した!」
明悟はカナエに否定され続けても叫び続ける。
しかし、カナエには全く届いてなかった。
「花の呼吸 参の型 泰山朴」
力の限り下から上へ切り上げる型。
花の呼吸で一撃ならば最大の威力を発揮し、呼吸により常人以上の力を出してカナエは明悟を吹き飛ばす。
吹き飛ばされた明悟は木にぶつかり、膝をつく。
カナエはその隙に明悟の目の前までやってくる。
「これで終わり」
刀を振りかぶるカナエ。
明悟は混乱し、動けなかった。
振り下ろされて斬られると思い、明悟はそんなカナエを見るのが嫌で眼を瞑るがその刀は明悟を傷つけなかった。
明悟が眼を開けると、1人の隠が小刀でそれを受け止めていた。
「何者?」
「門矢士・・・仮面ライダーだ」
士はカナエを蹴り飛ばす。
「仮面ライダー・・・?」
明悟は立ち上がって士から出た言葉が気になり、尋ねる。
「おい、大丈夫か?」
「あぁ・・・それより君は一体・・・」
2人が対面しあってるとカナエはその場から逃げる。
「カナエ!」
明悟は士は一先ず置いといて、カナエを追う。
「おいおい、随分と熱を入れてるな」
士はカナエを追った明悟に呆れつつ後を追う。
●●●
山の反対側では行冥を始めとして、しのぶ、義勇、蜜璃、小芭内、実弥、無一郎、天元が山から降りてくる鬼を斬り倒していた。
そして最後の1体を行冥が鉄球で首を吹き飛ばす。
「よし、これで最後か!?」
「何とかなったな」
「危なかったですね」
一仕事終えた彼らに突然手を叩く音が聴こえる。
「いやいや、中々に素晴らしい力ですね」
無惨と接触した神父が彼らの前に現れる。
「何者だ!?」
実弥が神父に聞くが神父は彼らに薄ら笑いを見せる。
「何、ただの神父ですよ。ほら眼を見てください。鬼ではないでしょ」
確かに神父の目は人間だった。
しかし、鬼の存在を認知してる神父と言う時点で怪しく全員が警戒する。
「おや、中々に警戒が強いですね」
「怪しい者には疑り深くが鬼殺隊のやり方だ」
神父の言葉に行冥が答える。
すると、明悟達から逃げてたカナエがやって来て、神父の前に膝まずく。
カナエの登場にカナエを知っている者は驚き、しのぶは普段の冷静な笑みが完全に消えていた。
「姉さん?・・・なんで、姉さんは死んだはず!?」
驚く柱達にカナエを追ってきた明悟と士が合流する。
「津上さん!・・・と貴方は誰ですか?」
蜜璃がやって来たボロボロの明悟とけろっとしてた士を見る。
「門矢士だ、桜髪」
髪の色で答える士。
この髪の毛は蜜璃に取ってみればコンプレックスの塊なので地雷ではあるものの状況が状況なので堪える事にした。
小芭内が士を敵認定したのは言うまでもない。
「カナエに何をした!?」
明悟がカナエと一緒にいる神父を問い詰める。
普段からは考えられないほどに動揺していた。
神父は対称的にけろっとしていた。
「記憶を消したのですよ。まぁ今は手となり脚となってる駒として最高に優秀ですけどね」
「貴様!」
明悟は神父に飛びかかり、殴ろうとするがカナエに空中で腹を蹴られて飛ばされる。
ゴロゴロと明悟は転がり、倒れながら腹を抑える明悟。
「てめぇ、何者だ!?」
怪しいイカれた神父に天元が刀を突きつける。
「そうですね。神父ですが・・・死を司る存在ですよ」
神父は小さいUSBメモリーのような物を取り出し、それに付いてる唯一のスイッチを押す。
《ダミー》
メモリーから音がなり、神父は左腕にある独特な紋章の中心に挿す。
メモリーが神父の体内に入る。
すると神父は“変身“した。
紫と白の体に凶悪な顔つきで顔にあるプレートが痛々しくより凶悪な顔つきを見るものに印象づける。
史上最悪の存在“アナザーディケイド“である。
「人の記憶から模してるわりには良くできてるな」
士が神父の姿を見て余裕そうに答える。
「人の記憶から模してる故に能力はオリジナルよりも遥かに自由。つまりこういう事も出来る」
神父が手を翳すと灰色のオーロラが現れて、神父とカナエを通りすぎる。
やがて、オーロラは消えるが、そこから1人の男が現れた。
蛇柄のジャケットを着て無精髭を生やしてその目は獣同然の怪物“浅倉威“だ。
「ここか、祭りの場所は・・・」
「そうだ、そしてこれが新しいベルトだ。もう鏡すら必要ない」
神父は手から蛇の紋章が刻まれたデッキを浅倉に渡す。
浅倉は試しにデッキを前に突きつけると、本来ならば鏡や水面と言った写すものがないと現れないベルトが浅倉の腰に装着される。
「なるほど、確かにこれは良いなぁ」
凶悪な笑みを浮かべる浅倉。
その姿に士も含めた全員が怯む。
「変身!」
浅倉はベルトにデッキを挿す。
すると浅倉の姿が紫色の装甲を纏った蛇を模した存在“王蛇“になる。
「アイツも変身するのかよ」
実弥が2人の男が見せた明悟とは印象も何もかもが違いすぎる変身に冷や汗を掻く。
《ソードベント》
浅倉の手には黄金の鉄鞭のベノサーベルを召喚して手に持つ。
「さぁ、殺り合おうぜ」
声色から明らかに喜んでる浅倉に全員が警戒する中、士はマゼンタ色のバックルを取り出して、腰に装着する。
「俺が相手になってやる・・・変身!」
《kamen ride decade》
士の周りに10対の影が現れてやがて集中する。
そして士は“仮面ライダーディケイド“になった。
「祭りの始まりだ」
浅倉は士に向かって突進してサーベルを振るう。
士もライドブッカーを取り出して、何とか防いで2人はそのまま戦闘を始める。
「おい、どうすんだ!?わけの分からないのがまた増えたぞ!?」
実弥が鬼とは違う3つの存在とカナエに流石に混乱する。声に出したのは実弥であるが全員が同等以上に混乱していた。
「今は目の前にいる存在が先だ!・・・津上、集中しろ!」
行冥が場を引き締め、明悟に渇を入れる。
ブンブンと鉄球を振り回す行冥。
その顔つきは明悟がビビるほどに険しかった。
「カナエは任せろ。お前はあの神父を討て!アイツを何とかすればカナエはどうにかなる筈だ!」
そんな確証は何処にもない。しかし、行冥の言葉は明悟に届き、冷静に頭を回させる。
冷静になるには充分な言葉だった。
明悟はベルトを出現させる。
それは普段とは違い3本の爪で中心のオルタリングを守るような形が印象的なベルトだ。
「変身!」
明悟はそのままバーニングフォームになり、カリバーを出現させてシングルモードにして神父に襲いかかる。
またカナエが空中で明悟を切り落とそうとする。
「蟲の呼吸 蜂牙の舞 真靡き」
しのぶがカナエの攻撃を自身の蟲の呼吸を使って遮断する。カナエは顔を少しだけ後ろにして避ける。
対面しあう姉妹 カナエとしのぶ。
カナエは無表情でしのぶの顔はえらく険しかった。
「ここは私達に任せて!」
明悟はそのまま神父に向かってカリバーから業火を出して神父に斬りかかる。
しかし、神父は腕一本でそれを受け止めた。
「ウォォォォ!!」
叫びながら、何回も斬ろうと振りかぶる明悟だか、神父は腕一本でそれを全て受け止めていた。
「ハハハ、その程度か!?」
神父はそのまま明悟の持っていたカリバーを弾き飛ばす。手からカリバーが弾き飛ばされた明悟だが、そのまま炎を拳に込めて殴りかかる。
しかし、それすらも神父は受け止めて左手で明悟の首を掴み、重くなってるはずのバーニングフォームの明悟を空中に上げる。
「どうしたのだ?この程度か?しかし、この力は最高だ。どんな者も私の意のままに操れる」
「お前を倒してカナエを元に・・・」
神父の腕にしがみつき、脱出しようとする明悟だが、手は緩まなかった。
「それは止めといた方が良い。何故なら私を倒せば彼女はまた死ぬ」
「!?」
「私は彼女を別の世界から呼び寄せたそこがどんな世界なのかは知らないが彼女は現れた。まぁすぐに記憶を消して駒したが、私と彼女は一心同体。私を倒せば彼女はまた永遠に消える。“津上明悟“・・・“君は愛する人の為に愛する人を殺せるか?“」
愛する人の為に愛する人を殺す。
矛盾してる問いに明悟は呆然となる。
それは神父からしてみれば最大の隙になり、神父は右手に紫色のオーラを込めて隙だらけな明悟に向かって殴る。
明悟は木々を薙ぎ倒しながら吹き飛ばされてそのまま気絶する。
バーニングフォームの強さを間近で見て1番その姿の驚異を知っている天元が最初に駆け寄り、他の柱達も人間相手のカナエがやりにくく1度撤退するために明悟の近くによる。
「姉さん、私よ!しのぶよ!思い出して!」
「知らない、“家族“なんて記憶にない!」
カナエは冷徹にしのぶにそう言って蹴り飛ばす。
しのぶはゴロゴロと転がり、まだカナエに向かいに行くが義勇がそれを止める。
「胡蝶、今は一先ず退散だ!」
「離して、姉さんがそこにいるのよ!?」
「今行っても犬死だ!」
言葉足らずな義勇だったが、必要な言葉をしのぶに言い、何とか止める。
そして、浅倉と戦ってた士も浅倉を一先ず吹き飛ばして明悟達の方に行く。
「おい、一先ずは逃げるぞ」
「だから、誰だよお前は!?」
「詳しい話は後だ」
カナエとまだまだ暴れたりない浅倉が猛スピードでやってくる。
士は灰色のオーロラを出して、全員がその場から逃げる。
空を切るカナエと浅倉の攻撃にカナエはすぐに神父の元へ行き、浅倉は暴れたりないのか振り回してた。
「なんだ、折角面白くなってたのに逃げるのか、くそが!」
「逃がしてしまい申し訳ありませんでした。“ロベルト志島様“」
神父・・・志島は元の人間の姿に戻る。
「まぁ良いでしょう。津上明悟はあの様ですし、鬼殺隊とかは楽勝なようですしね」
嗤う志島に浅倉が変身を解いて近づく。
「おい、また戦えるんだろうな?」
「勿論ですよ。私が貴方に戦いを提供して貴方は私を守ると決めてる。だからそのデッキを貴方の記憶を元に作ったのですから・・・」
「そうか、なら良い」
笑い会う浅倉と志島。
カナエはそんな2人を黙って見ていた。
《ダミードーパント》ロベルト志島
《仮面ライダー王蛇》浅倉威
《元花柱》胡蝶カナエ
《仮面ライダーディケイド》門矢士
突然現れた4人の存在。
彼らが一体何をもたらすのか、そして明悟はカナエを救い出せるのか、まだそれは誰にも分からなかった。
と言うわけで、ディケイド編のラスボスはMOVIE大戦2010の仮面ライダーW ビギンズナイトでの敵のダミードーパントがこの話のラスボスです。
元々、ディケイド編は単純に明悟に仮面ライダーと言わせたいだけでしたので決まっていた悪役がおらずにやるとしたら、アナザーディケイドかウィザードの最後の敵のアマダムのどちらかと思ってましたが、両方とも怪物過ぎてしかも野心も強いし、適度に小物で尚且つ厄介でおまけに倒しても問題ないキャラと言えば、ダミードーパントと思い出しました。
浅倉に関してはダミードーパントだけだと弱すぎて、ダミードーパントでも条件を満たしていれば問題なく暴れてあちこち滅茶苦茶にする怪物で仮面ライダーの中で最も異端だったのが浅倉だったので出しました。
次回では遂に明悟がなぜ記憶喪失だったのかをやります。おまけに士と大樹の2人が何故にこの世界にやって来たのかをやります。
それともう1つのメインは明悟としのぶですので楽しみに待っていてください。
今回がかなり多くて自分でも書くのに手間が掛かったので1週間投稿に間に合わないかも知れませんが絶対に3日以上は遅らせないと約束します。
それではまた会いましょう!
おまけ話
この前、コロナの影響で気軽に映画館に行けない今の状況の中、行って「ランボーラストブラッド」を観たのですが、本当に感動して楽しめました。
まぁスプラッター映画よりもえぐい演出が多くて人を選びますけど・・・
実は轆轤の復讐キャラはランボーラストブラッドの予告から思い付いてやったので、轆轤編を早く書きたいので頑張ります。
その前にディケイド編と恒例のギャグ回がありますけどねw
批判感想質問は気軽にどうぞ!
メッセージボックスでも承っております。
では皆さん、1週間後に会いましょう!
大正ビギンズの主題歌は何にしましょうかね?(このアンケートはあくまでも読者の皆様に読んでる時にBGMとして聞いてほしいと思う曲を選ぶ物です。1番多い物はビギンズか終わり次第、章の名前に付け加えます)
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ONE WORLD
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Bright our future
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事件だッ!
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Be the one
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我ら思う、ゆえに我らあり