鬼滅の刃~太陽の化身~   作:怪獣馬鹿

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すみません!
だいぶ遅れてしまいました!
いやぁ、仕事と体調不良のダブル攻撃で気力を失っていました上に展開に納得いかなくて何回も書き直しを繰り返してましたが特撮を観たりなんなりして戻してきました!

それではどうぞ!


ミラージュアギト

あれから7日たった。

炭治郎は何とか気合いと根性で生き延びていた。

絶食だけでなく、絶水の上に不眠不休と言う状況で炭治郎の命は尽きかけていたがそれでもう相手を見てどうこうする気力すらも喪われたことで相手の動きを匂いである程度予知できる段階まで進化して、縁壱人形の首を斬る事に成功。

中から、無茶苦茶古い刀が出て来て謎の刀と言う物に年頃の男子である炭治郎と小鉄は大興奮。

小鉄は炭治郎が自分の力で出したので炭治郎に譲る事になり、意気揚々と刃を抜くと・・・錆びてた。

 

2人とも絶望に包まれる。

 

そんな中、筋骨粒々になって戻ってきた蛍が任せろとだけ言い、強奪しようとしていて揉めていたが、鋼蔵のフォローによって錆を研磨して貰う事になった。

 

 

 

一方、その頃。

明悟と特訓をしていた零余子は見事に明悟にボコボコにされていた。殴られ蹴られ、更には隙を突こうとしたが見事に返されてしかも明悟も容赦なく弱点を狙ってきてる。

こうして一撃を入れれば良いと言う明悟の特訓を零余子は合格出来ないでいた。

炭治郎達の特訓と違って寝る時間と食べる時間が徹底されていてしかも休憩時間まである。

これは炭治郎の特訓が癖を直すのと相手の動きを匂いである程度予知できる段階まで強くなる為の特訓であるからで零余子のはあくまでも強くなると言う特訓であり、炭治郎とは本質も違っていた。

そもそも論ではあるが炭治郎と違って相手が明悟なので明悟が疲れた時に当たっても意味がないのでそれも加味される。

 

そして彼らからは離れた所で轆轤は1人また刀鍛冶の里の日常の音を聴いていた。

心地よく幸せだ。

7日間、轆轤はずっとこの刀鍛冶の里の日常を聴きながら、とある事を考えていた。

 

それは明悟のシャイニングフォームである。

文字通り太陽の化身と呼ぶに相応しいほどに太陽の光を放ち、下手な鬼では歯が立たない事は見れば分かった。

気になったのはなぜ明悟が変身したかだ。

朝日を浴びてなったと言っていたがもっと精神的な物だと轆轤は分かった。

そして断言できるのはアギトの力を持つ者が戦闘をして生き残り回復すると更に強くなっている。

勿論、隊士だってそうだが、延び幅が違っていた。

仮に炭治郎を10の延び幅だとするならアギトの力を持つ者は11だ。

たかが1されど1。

明悟と零余子が変身して戦闘特化の訓練をしてる。恐らく零余子の強さは前とは比べ物にならない位に強くなってる。

轆轤はそれを分かった上で特訓をしていない。

元々、明悟と轆轤は轆轤が少し上の互角であり、アギトの力を手に入れた事で延び幅も同じになり、グランドでの力は恐らく互角。

しかし轆轤はシャイニングにもバーニングにも目覚めていない。

だから轆轤はこれ以上の進化は力ではなく、精神的な何かが必要なのだと分かったのだ。

 

轆轤は瞑想する。

 

流れてくるのは刀鍛冶の里の音と自分の家族との思い出そしてさらに轆轤は深く深く潜る。

まるで暗闇の海底を潜るように・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扉が暗闇の中、ポツンと少しだけ光を出しながらあった。

前まで行き、扉を扉を開ける。

 

「ようこそ、芦原轆轤。まさか自力でここに辿り着いてくるとは予想外でしたが歓迎しましょう」

 

《火のエル》がソファーに座りながら、そう言う。

 

轆轤は前に座る。

 

「お前が《エル》なのか?」

 

「流石に私の大まかな事は津上明悟から聴いてましたか・・・そうです。私が《火のエル》です。それでご用件はなんでしょう?」

 

「俺が聞きたいのは1つだけだ。進化について」

 

「進化?」

 

「津上は太陽の光をそのまま出せるように進化し、氷川は鬼・・・竈門の妹を助けられるように進化した。聞きたいのは1つ、俺は津上と同等の進化が出来るのかって話だ」

 

「・・・その答えは“わかりません“。進化とは自ら行える物ではない。偶然と必然と努力と勇気、そして心が鍵となる。同じ進化などない。例え進化してもどうなるかは私にもわからない」

 

「お前の力だろ?」

 

「いえ、貴方達“人間“の力です。私はただ後押ししてるだけに過ぎない。この力で神にも悪魔にもなる事が出来るのは“人間“だけです」

 

轆轤は無意味な会話だと思った。

強くなる為にどうすれば良いのかわからず、ここに来たが説法を聞かされて終わった。

轆轤は自分を人間だと思ってない。

怪物か何かである。

そう思わないと苦しい。

家族を喰った苦しみで押し潰される。

だから轆轤は自ら怪物と自覚して苦しみに堪えてる。

 

「邪魔したな」

 

立ち上がり、扉から出ていこうとする。

 

「芦原轆轤。この世で1人で生きてる人間なんていない。誰もが誰かによって支えられて今は居なくても過去に誰かが一緒にいた事によって生きられてる。“誰かが君を愛してる“。それを忘れないでほしい」

 

胡散臭い言葉としか轆轤は捉えられず、無言でその空間を出た。

 

 

 

 

 

目を開ける轆轤。

夕方になっており、飯時である。

 

「誰かが俺を愛してるだと?そんな奴はもういねぇよ。俺が・・・・・喰っちまったんだから」

 

立ち上がり、宿に戻る轆轤。

その背中は悲しく辛くそして孤独に溢れていた。

 

 

 

 

 

●●●

宿でゆっくりしている轆轤。

同じ部屋に明悟と零余子もいる。

明悟は読書中であり、零余子は禰豆子とあや取りで遊んでいた。

 

「そう言えば、轆轤はこの7日の間何をしてたんだ?」

 

「瞑想・・・」

 

「効果は?」

 

「微妙」

 

「・・・なんともまぁ」

 

「気にしてねぇよ・・・ったく、どうしたら更に強くなれるのかねぇ」

 

「強くなって何をしたいんだ?」

 

「鬼を殺す」

 

「その後は?」

 

「・・・何もねぇ、消えるだけだ」

 

「その強さに意味あるの?」

 

明悟の言葉に轆轤は何も言えなかった。

 

「だから、絶対に・・・・!?」

 

「!?」

 

「!?」

 

明悟、轆轤、零余子は突然それを感じた。

圧倒される程にどす黒い感覚。

上弦の鬼だ。

禰豆子も含めた4人で走る。

 

全力で鬼の気配をする方に走っていくと障子が開かれた部屋を見つけ、その中を見る。

すると炭治郎と無一郎、そして無一郎に首を切り落とされた半天狗がいた。

 

「気を付けろ!そいつの血鬼術は・・・!」

 

轆轤が叫ぶ。

しかし、時は既に遅く、半天狗は2つに分裂した。

そして扇を持ってる分身が一回転して全員を吹き飛ばす。

炭治郎と禰豆子は何とかしがみついてどうにかなるが無一郎、明悟、轆轤、零余子は吹き飛ばされてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

吹き飛ばされた明悟と零余子は変身してアギトの状態で屋敷に戻っていく。

屋敷では雷がなったりとかなり激戦になっていた。

 

「急ぐぞ!」

 

「急いでるよ!」

 

全力で戻っていく2人。

すると屋敷から何かが飛び出してきて2人に向かって拳を振るう。

2人とも何とか避けて向き合うとそこには筋骨粒々の鬼がいた。

舌を出していてそこには《剛》と刻まれていた。

 

「何者だ!?」

 

「《剛力》。わが素晴らしき肉体の前に死ね」

 

2人は半天狗《剛力》と殴り合う。

普通ならばアギトの力によりどんな鬼でも多少なりは効くが剛力には全く2人の拳も蹴りも通じなかった。

異様に硬く、全身が筋肉の鎧で覆われていて中まで届いてなかった。

 

「硬い!」

 

「冗談だろ?」

 

2人とも手をブラブラと振って痛みを和らげる。

 

「死ねぃ!」

 

剛力が2人のベルトを殴る。

すると2人のベルトに罅が入り、2人の変身は解除されてしまう。

 

「そんな!?」

 

「バカな!?」

 

「我が素晴らしき肉体の前に死ねィ」

 

拳を振るってくる剛力に2人は生身で戦う羽目になった。

 

 

 

 

 

 

●●●

轆轤は全力で屋敷に戻っていく。

変身して何とか戻ろうと全力で駆けるが1番遠くに飛ばされてしまい、かなり時間が掛かっていた。

 

「うぉー!?来るな!」

 

声がした方を見ると鋼蔵が変な巨大な魚に襲われていた。轆轤は自分の作品を大事にしてくれた鋼蔵を守る為に魚をぶん殴る。

アギトの力を込めてるので普通の鬼や血鬼術ならば死ぬか消えるが一向に消えない。

瞬時に再生されていき堂々巡りをしてしまう。

何回かやり、たまたま壺を破壊して血鬼術を消し去った。

 

「おお、芦原殿!ありがとうございます!」

 

「大丈夫か!?」

 

「何とか・・・」

 

安心する轆轤と鋼蔵。

するとそこに小鉄を抱えた無一郎が走ってきた。

 

「おお、小鉄君!時透殿!」

 

鋼蔵が無一郎の刀に気づき、目を開ける。

 

「これは・・・酷い!」

 

「そう、だから新しいのを貰いに来たんだ」

 

「こっちへ、すぐに新しいのに!」

 

鋼蔵に案内されて全員でこんな状況なのに蛍がまだ研いでる工場へ向かう。

そこに無一郎の新しい刀もあるらしいので向かう。

 

「あそこです!良かった、あの魚もいない!」

 

「待て鋼蔵!」

 

「いる」

 

轆轤と無一郎は鋼蔵と小鉄を止める。

するとごろごろと壷が転がってきて、中から百足のように手が生えてる上弦の伍の玉壷が出てきた。

 

「ヒョヒョヒョ、勘が良いな。流石は柱にアギトだ」

 

目の部分が口になっており、今までの鬼の中で最も奇抜で不気味な存在である。

内心、対峙してる4人とも気持ち悪く思ってる。

 

「さて、猿同然のお前達に良いものを見せましょう」

 

玉壷は壷を新たに取り出す。

すると壷の中から数人の刀鍛冶の里の人間の死体が悪趣味極まりない程にボロボロかつあちこちから骨は飛び出て血まみれの状態で無理矢理繋げられた物が出てきた。

 

鋼蔵も小鉄も無一郎もあまりの物故に言葉を失う。

そして轆轤はそれを見て、20年前に鬼に殺された母親と妻の死体を思い出す。

あまりにも似てたからである。

 

「名付けて『鍛人の断末魔』!数人の刀鍛冶を元に作り上げた芸術品です!割れた仮面から見える表情は『無念』さを表し、デコボコと醜い手はあえて前面に押し出して勢いを大事にし!更に素晴らしいのは、こうやって何処かの刀を適当に押すと・・・」

 

「ギャァァァァ!!!」

 

「ご覧の通りに断末魔を再現する事が出来るのです!!」

 

吐き気がする。

鋼蔵も小鉄も無一郎も鬼畜そのものとしか言いようがない物に何も言えなくなる。

無一郎が問答無用で斬りに掛かろうとするが轆轤がそれを止める。

 

「何すんの?」

 

「うるさい。おい!20年前に蕪前岳で老婆と若い女を殺したのは貴様か!」

 

「は?」

 

「答えろ!!」

 

轆轤は玉壷に問いただす。

あまりにも似ていた。

20年前に殺された大事な家族にさせられた悪趣味な物に似すぎていた。

 

そして尋ねられた玉壷は数瞬してから思い出したかのように声を出した。

 

「あぁ、あの“失敗作“の事か?いやはや、私もあまりの失敗っぷりに今の今まで忘れていた。若い女と老婆を繋げる発想は悪くないと思っていたがやってみると何とも醜い物が出来てしまった。きっと素材が最悪だったのだろう・・・まぁ故に今まで・・・」

 

もはや弁明の仕様もなく、自分で20年前の殺しを軽々しく話す玉壷に轆轤は我慢の限界が来て殴りに掛かる。

玉壷は血鬼術による瞬間移動で避ける。

 

「ヒョヒョヒョ、どうやら大事な者だったようですな!しかし、所詮は失敗作にしかならなかった粗悪品でしかない!そんな者を大切に思うとは何という愚か者だ」

 

轆轤は明悟と違い、敵と認識したら一切の容赦はしない。相手が何を言おうが関係なく、叩き潰そうとする。

怒りに身を任せて戦うのが轆轤のやり方である。

しかし、冷静さが欠けては意味がない。

現に玉壷は余裕綽々に避けて、挑発してる。

しかし、ばか正直に一対一でやる決まりなどなく、無一郎が玉壷の首を斬りに掛かる。

 

「ヒョ?無駄無駄無駄・・・そのような鈍い刀では私の首などとてもとても」

 

玉壷の脳天目掛けて怒りに身を任せた轆轤の踵落としが叩き潰そうと迫るが玉壷はまた瞬間移動で避ける。

 

「血鬼術 千本針・魚殺」

 

血鬼術により、空中に金魚を作り出して、その金魚の口から大量の極太い針を射つ。

大量の針が轆轤と無一郎だけでなく、鋼蔵や小鉄まで迫りくり、轆轤と無一郎は2人の盾になる。

そのせいで2人の体に大量の針が刺さる。

 

「逃げろ、鋼蔵」

 

「早く行って、邪魔」

 

小鉄と鋼蔵は2人に言われ、蛍がいる工場に向かう。

 

「随分と滑稽ですねぇ、つまらない命を守ってつまらない所で死ぬ。しかし、そんな者達でも柱にアギト、どんな作品にしようか心が踊りそうだ」

 

無一郎と轆轤はボロボロの肉体になりながらもくどくどうるさい玉壷に攻撃しに行く。

 

しかし、血鬼術の瞬間移動に避けられまくる。

 

「血鬼術 水獄鉢」

 

「血鬼術 水縛糸」

 

無一郎は大量の水の中に閉じ込められて、轆轤は全身を水の糸によって拘束される。

 

「ヒョヒョヒョ、鬼殺隊の呼吸を封じさせて貰った。その顔が苦痛にまみれていくのが楽しみだ」

 

玉壷は水の中に閉じ込められてる無一郎を見ながら鼻で笑う。

轆轤はトリニティになり、血鬼術の拘束を無理矢理吹き飛ばす。

 

「ヒョ?あれではやはり無理だったか」

 

「死ね」

 

腕に光を纏わせて殴りに掛かる。

上弦でも軽視できない攻撃であるが玉壷には意味がなかった。

脱皮してそれを避ける。

 

「ヒョヒョヒョ、アギトはやはり私の真の姿で殺すのが美しい」

 

半魚人のような見た目になり、先程の気色悪さは残しつつも筋骨粒々になり、より変な姿になった玉壷。

そしてその豪腕を轆轤に振るう。

腕を十字にして防御するも豪腕に吹き飛ばされてしまう。

本来ならば、血鬼術の効果により、鮮魚になってしまうがアギトの力により、そこだけは相殺された。

しかし、吹き飛ばされて轆轤は何十本の木を薙ぎ倒しながら、地面を転がる。

 

「どうだ!?所詮はお前達など下らぬ物なのだ!下等で何の価値もない命なのだ!大人しく私に殺されろ!」

 

玉壷がそんな自分勝手な事をほざく。

 

「そうだ、思い出した!確かお前の家族を殺した時も往生際が悪く足掻いてだから、私は美しく作品にしようとしたのにあの2人をよく見たら、老婆は病で死にかけで、若い女は汚れきってきて、酷く醜い物だった。あんなゴミども、“生きる価値“などなく、“肥やし“にすらならなかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ブチッ!》

 

 

 

 

 

 

 

確かに玉壷の耳には何かが縮れる音が聴こえた。

なんの音か分からずに辺りを見回すがそれを出しそうな物など何も無かった。

気を取り直して、轆轤を見ると彼はもう目の前まで歩いていた。

ゆらゆらとした歩きでアギトの姿でそれをやられていてより不気味で玉壷の体に何故か知らないが冷や汗が流れた。

 

(怯えてるのか、この私が!?)

 

轆轤のベルトが光を放ち、それが強くなってくる。

玉壷の体が細胞レベルにまで震えて、何かをする前に攻撃という事すら頭から消える。

 

轆轤の変化は明悟と比べて異質だった。

 

クロスホーンが開き、そして右側のクロスホーンが折れる。

全身が真っ白になっていき、鎧が全て灰色になる。

手足からは、刃が生えて、今までのアギトの進化とは比べ物にならないほどに異なっていた。

 

轆轤の膨大な怒りにアギトの力が共鳴し、より強く、より容赦なく、その力は明悟のシャイニングに匹敵するほどに凶悪な《進化》

 

《ミラージュアギト》の誕生である。

 

「もう黙れ、お前はこの世に存在してはいけない者だ」

 

赤い複眼が玉壷を睨む。

玉壷は自慢の豪腕を振るうが轆轤はそれを掴むと背負い投げ飛ばす。

 

(何だ!?投げ飛ばされたのか!?この私が!?)

 

「俺の全てだった・・・心の底から大事な家族だった。それを奪い、楽に死ねると思うな・・・俺の怒りを思い知れ・・・・・生きてる事を後悔させてやる」

 

轆轤の言葉に玉壷は心の底から震えた。

全身震えてまともに対面出来ないほどに。

それほどまでに轆轤の放つアギトの力に無惨の血が怯えているのだ。

まるで絶対に勝てないと云わんばかりに怯えきっている。

 

玉壷は半天狗と共に刀鍛冶の里を壊滅させる為に来た。

しかし、こんな“怪物“と対面するとは思わなかった。

持てる力を全て使って逃げようとする。

 

「逃げるな」

 

しかし、尻尾を掴まれて逃げられない。

豪腕で地面に爪を立てて抵抗しようとするがミラージュアギトの底知れない力に全く抵抗出来ず。

玉壷はまた投げられる。

轆轤もそれだけで終わりでなく、尻尾を掴みながら、何回も何回も時には地面に時には木に玉壷をぶつけまくる。

 

辺りの地面は所々凹み、木は折られまくり、一種の災害のように悲惨な光景になってくる。

 

「ウォォォォォ!!!」

 

そして何百回目にして轆轤は玉壷を投げる。

玉壷は目は完全に潰されて、体のあちこちには木が刺さりまくり、惨たらしい姿になりながら、蛍が作業をしてる工場の方へと投げ飛ばされる。

工場である小屋を粉砕し、玉壷はゴロゴロと転がる。

 

「な!?何だ!?」

 

破壊された工場の中から鋼蔵がゴロゴロと転がる玉壷を見る。

 

「あれは、さっきの・・・ヒッ!?」

 

鋼蔵は轆轤の姿を見て怯える。

上弦の比ではない程に恐怖を怯えるが、轆轤は最早玉壷しか見えてないのかその横を通りすぎて行く。

 

「助け・・・助けて・・・」

 

玉壷が怯えた声を出しながら、這いつくばる。

しかし、ここまで自分勝手に人を食い物にしてきた外道に生き残れる道など“存在しない“。

 

轆轤は腕に生えた刃で這いつくばっている玉壷の背中を刺す。

 

「ギャァァァァ!!!」

 

何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も刺す。

 

背骨が見えたら粉砕する。

肋骨ならばむしりとる。

どう見ても鬼よりも鬼らしい。

やがて、心臓が見えると轆轤はその心臓を抉り出す。

 

血まみれの赤い臓器がまだ轆轤の手の中で動く。

そしてそれを玉壷の目の前に投げる。

 

「ヒ!?」

 

恐怖を与える為である。

しかし、玉壷は上弦の鬼故に回復する。

全ての傷が治る。

轆轤はそれを確認すると刃を脳天に刺し、投げる。

仰向きに倒れる玉壷。

口だけでなく、顔中のあちこちから血が出続けていた。

 

そして轆轤は馬乗りになり、殴る。

光など込めずに力の限り殴る。

鮮血が飛び散り、全身に返り血を浴びても関係なく殴る。

 

骨が折れ、玉壷の悲鳴だけが辺りを支配する。

その惨劇に工場で作業をしてる蛍以外の全員が何も出来なかった。

 

「・・・も、もうやべ・・・」

 

玉壷も恐怖で何も出来ない。

恐ろしくそして何よりも痛いのだ。

痛みで全ての事がどうでも良くなるほどに辛い。

 

「・・むざ、むざ・・・きぶ・・・きぶつ・・・・・・・鬼舞辻無惨!!」

 

そして遂に玉壷は無惨の名前を呼んだ。

もうこの苦しみから逃れたい。

ただそれだけの為に玉壷は“反逆防止の呪い“を知っててわざとやり、自殺を謀ろうとするが、一向に無惨の呪いは発動しなかった。

 

(こ、これはどうして!?)

 

玉壷の精神世界に思念体の無惨が現れる。

 

(む、無惨様なぜ!?)

 

(黙れ、ゴミが!満足に異常者どもも殲滅出来ない愚か者めが、お前など最早何処にも存在価値などない。おまけにアギトなる裏切り者に“痛め付けられてる“だけで死のうとする軟弱者など最早私の呪いで殺すのも勿体無い。そのまま朝日を浴びて死ね)

 

(そんな!?無惨様・・・・無惨様!!!)

 

無惨の思念体は消えていった。

こうして玉壷は無惨にすら見捨てられたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何時間も殴り続けられて遂に朝日が昇ってくる。

玉壷は火傷をしてそのまま燃えるように灰になってくる。

しかし、玉壷は感謝した。

死ねる事に感謝した。

 

こうして玉壷はこの世で最も残酷な焼死に対して感謝するという矛盾した物を抱えながら死んだ。

 

 

 

 

 

 

●●●

玉壷が灰になっても轆轤は殴り続けた。

灰すらなくなり、地面になっても殴る。

手が自分の力に堪えきれずに骨はアギトの皮膚を突き破り、血が出ていようが関係ない。

 

「芦原殿!」

 

そんな轆轤を不憫に思った鋼蔵が未だに殴り続けてる拳を止める。

轆轤は鋼蔵を見る。

 

「もう止めて下さい」

 

「・・・離してくれ」

 

「もう死んでます」

 

鋼蔵の言葉を聞き、轆轤は初めてそして漸く自分が地面を殴っている事に気がついた。

復讐が完了し、轆轤には最早生きる意味などない。

 

鬼として生きて人を殺し続けた物に居場所などないと轆轤はずっと思ってた。

そして轆轤は自分で自分を殺そうと、空いてる手の刃で首を斬ろうとする。

 

しかし、それは誰かによって止められる。

轆轤は空虚な思いで誰かを確認する為に見ると、そこには死んだ筈の自分の家族が腕を止めていた。

 

「もう、止めて・・・もう良いのよ」

 

自分の妻の涙が鮮血まみれた腕に伝わり少しずつであるが血が洗い流されていく。




今回は轆轤編の山場に突入しましたが、轆轤と玉壷の周りに拘りたくて何回も何回もやり直しをするはめに・・・

まぁ轆轤編は次回で完結しますので頑張ります。

今週は仕事が恐ろしい位に忙しくなる予定でして来週までに間に合うか分かりません。


批判感想質問は常時受け付けておりますので気軽にどうぞ。頑張る気力になります!
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