鬼滅の刃~太陽の化身~   作:怪獣馬鹿

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すみません。1日ずれました!
畜生!
今回の主役はタイトル通りです。
ではどうぞ!


零余子と禰豆子と善逸

我妻善逸は今日ほどの日を2度と忘れないと断言できる。

鬼との戦闘で入院してる筈の自分がなぜか桶の中に入って涙で風呂が出来るほどに泣いてるのを絶対に忘れないだろう。

 

 

 

 

 

 

●●●

事の始まりは3時間前。

我妻善逸はフラフラとした足取りで蝶屋敷に向かっていた。鬼との戦闘があり、足を負傷してしまったがギリギリ何とかなったので善逸は意地と気合いと根性で戻っていた。

 

「もう無理だ。絶対に死ぬ。色々と頑張ったけど死ぬんだ・・・絶対に死ぬ・・・」

 

色々とタフに成りつつあったが、もう既に頑張れる程の気力は無かった。

 

「もうやだ・・・絶対に次で本当に死ぬかも・・・」

 

どこぞの知り合いの柱が「死なない、死なない」と言って来そうであるがそんな物は関係なかった。

 

「そもそも、今まで残れたのも運が良いだけなんだ。何か毎回、鬼が勝手に死んでるし、今までの事は全部運なんだ・・・そうだ、そうに決まってる」

 

運ではなく、実力である。

眠ると本来の実力が発揮される人間なのでそれを認識できる者が周りの居ないのと教えても本人の頑固な悲観主義のせいで信じないので、信用できないだけである。

 

「(もう時期に死ぬんだ・・・)」

 

人間、一度悲観的になるとなし崩し的に悲観になり続けるのでこういう時は明悟や杏寿郎のような底無しの明るさと空気の読まなさ加減の人や鬼のように厳しい人がいれば良いが誰も居なかった。

 

そうこうしている内に蝶屋敷の塀が見えてくるが、疲れてた。

 

「禰豆子~!!」

 

その名前を聞くまでは・・・

 

「禰豆子ちゃん!」

 

好きな人である禰豆子の名前を聞いただけで飛び上がる程に元気になったが足の負傷が更に悪化した。

そんな事実にすら全く気に止めず、元気に溌剌と歩く善逸。

 

庭に行くと、禰豆子と零余子が2人して花冠を作ってた。

 

「キャァァァァァ!!!何!?嘘!?天使!?・・・あっ!?でも禰豆子ちゃんが外に!?え!?何で!?ひょっとしてここはあの世!?」

 

捲し立てるように叫ぶ善逸に気づいた禰豆子が近づく。

 

「お・・・か・・・えり・・」

 

「ありがとうございます!俺のため!?そうでしょ!?俺のためにお日様の下でも居られるように・・・」

 

「おかえり・・いのすけ」

 

禰豆子の容赦のない一言に善逸が固まる。

別に意地悪云々で言った訳でなく、単純に人物の認識が上手くいってないのと、善逸の名前を知らないからである。

 

そんな事を知らない善逸はかかとを返して、

 

「ちょっとアイツを殺してくる」

 

血を口から流しながら、去っていこうとする。

 

「ちょっと止まりなさい!」

 

零余子が善逸の襟を掴んで止める。

 

「ぐえ!」

 

「怪我してんだから手当てが先!」

 

「お・・・怪・・・我・・・?」

 

禰豆子が怪我をしてる善逸の足に触る。

しかし、力の加減をミスったのか、それとも元から1発でアウトだったのか分からないが、

 

「ギィャャャャャャャ!!!」

 

善逸の悲鳴が蝶屋敷に響いた。

 

 

 

 

 

 

●●●

善逸はちょっとベットの上で寝ていた。

足の怪我は元々酷かったらしいが、善逸のハイテンションの時点で既に悪化していて、単純に零余子の言葉でそれを善逸が認識しただけだと診断されて、禰豆子が悪化させたと思ってた零余子には一安心だった。

 

「しかし、大変だったね」

 

炭次郎が寝てる横のベットで2,3日安静する事になった善逸の横に零余子が座って話しかける。

 

「痛かった~。禰豆子ちゃんは?」

 

「あそこに居るよ」

 

病室の外から禰豆子が半身隠しながら覗き見していた。

知り合いだけしか居ないのは運が良いとしか言いようがなかった。

 

「禰豆子ちゃん、安心して!大丈夫だよ!」

 

善逸が元気に言うと禰豆子はトテトテと来る。

 

「・・・ごめんなさい・・・」

 

謝る禰豆子。

その何処か純粋な姿に心がキュンとなる善逸と零余子。

 

「全然!気にしてないよ!もうこんな怪我、明日には完治してるよ!」

 

「明後日まで無理しないようにって言われてたんじゃないの?」

「そんなの、俺の呼吸でどうにかして・・・」

 

騒いでる善逸の頭に禰豆子が手をのせる。

 

「寝てないと・・・だめ・・・だよ」

 

「はい!今から寝ます!」

 

さっきまで騒いでたかのが嘘のように善逸が寝た。

 

「うわぁ、チョロい・・・・・でもかわいい」

 

零余子がそう言うと2人は病室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

●●●

2時間後、善逸がゆっくり寝たので目を開ける。

見舞いに来る人など居ないのでそのままもう1回寝ようとすると、病室にコッソリと零余子が入ってきた。

 

「ねぇ、桃でも食べない?」

 

善逸は周りを見るが誰も起きてない。

 

「あんたに言ってんだけど」

 

「俺!?」

 

「要らない?」

 

「いや・・・た・・・食べたいです」

 

「じゃ、剥いてあげるね」

 

零余子はそのまま善逸の隣に座り、桃を包丁で器用に向いて切り分ける。

善逸はなぜ、零余子がこんな事をしてるのか全く理解出来なかった。ご自慢の聴覚で零余子が幸せな気分に浸っているのは分かったが自分に全く自信が存在しない上に接点が余りないので善逸は世話好きな子なのだろうと思う事にした。

 

「(これを気に禰豆子じゃなくて私に惚れさせてやる)」

 

悲しいかな、その想いは全く伝わっていない。

切り終わった桃を皿の上にのせて楊枝をさして渡す零余子。善逸はそれを受け取り食べる。

零余子はその様子を愛しそうに見てる。

 

「(なんか、食べずらい)」

 

見られてる善逸は今までされたことがない不思議な状況に困惑していた。

見てる方は結構微笑ましく見えるがそんな2人に対して病室の外から恨みがましい視線を送ってる者がいた。

 

 

・・・・禰豆子である。

 

 

さっきまで零余子と一緒に楽しく遊んでいたのに何時もよりも早く遊ぶのを止めて暇を持て余して探しに来たら、善逸と楽しそうにやってて禰豆子としては大変面白くない。

 

「(零余子ちゃん、友達。あの人、友達取った)」

 

いや、取ってない。

寧ろ、零余子から来たので善逸としては酷いとばっちりであるがそんな事、禰豆子には関係なく。

見事に善逸を珍妙なタンポポから悪いタンポポと認識した。

 

そう認識した禰豆子の行動は早く、禰豆子は病室に入ってきた。

 

「あれ、禰豆子ちゃん?どうしたの?」

 

善逸が尋ねるが禰豆子はガン無視して零余子の腕に抱きつく。

 

「禰豆子?」

 

そして禰豆子は善逸を睨む。

 

「え!?何!?怖い!??」

 

「零余子ちゃん・・・友達!友達・・・取らないで」

 

禰豆子はそのまま善逸に一睨みした後、零余子を連れて病室から出ていく。

 

「ちょっと・・・禰豆子!?待って・・・待って!」

 

静かになる病室で残された善逸はと云うと・・・

 

「禰豆子ちゃんに嫌われた」

 

そう呟いて、大号泣していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

庭まで零余子を連れてくる禰豆子。

連れてこられた零余子は折角の楽しみを妨害されたので少し苛立ちながら禰豆子の手を振りほどく。

 

「ちょっと本当に待って!何なの!?一体!」

 

そう言うと禰豆子が睨んでくる。

 

「な、何?」

 

「遊ぶ・・・約束・・・破った・・・」

 

「破ってないわよ!」

 

「嘘」

 

「本気で怒るよ!私は破ってない!」

 

「破った・・・いっぱい遊ぶ・・・約束・・・終わらせて・・・タンポポの所、行った・・・楽しそうにしてた」

 

「え?楽しそうにしてた?」

 

「・・・うん」

 

零余子は普通にしてたつもりだが、楽しそうにしてたと言われて恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちの両方を感じて顔を赤くして口を緩ます。

 

禰豆子としては本当に面白くなかった。

 

「零余子ちゃん・・・嫌い!」

 

禰豆子はそのまま零余子を置いて何処かへ行く。

 

「あ!?ちょっと・・・禰豆子・・・待って!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

「で、何でここに来たの?」

 

「禰豆子、悪くない」

 

明悟の所へ逃げ込んできた禰豆子に明悟は困っていた。

零余子が善逸に惚れてたのはそこまで驚く事じゃなかったが、禰豆子がこうなるとは予想外だった。

 

「(どうしよう・・・色恋は下手すると完全崩壊するし・・・)」

 

自分もそこまで色恋に知ってるわけでない明悟にとって難関な問題だった。

 

「禰豆子・・・悪くない」

 

「・・・でも、友達だったら邪魔しちゃダメだよ」

 

諭すように話す明悟だが、禰豆子はそれに対して頬を膨らませて明悟を睨んでくる。

 

「禰豆子・・・やだ」

 

「じゃ、零余子と友達止める?一生遊んでくれなくなるよ?それどころか・・・また善逸君の所に行っちゃうよ」

 

禰豆子は考える。

またさっきみたいなモヤモヤとした状況を思い出す。

 

「やだ・・・やだ!」

 

「なら、邪魔してごめんなさいって言わないと、ね?」

 

「うん」

 

禰豆子はそう言うと病室から出ていった。

 

「さて、善逸君はどうなってんのかな?」

 

明悟もそう呟くと善逸の病室に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

●●●

庭で零余子はどうするべきか考えていた。

善逸が禰豆子に惚れてるのは分かってからやった今回の作戦がまさかこんな展開になるとは思ってもいなかった。

 

禰豆子とは友達でいたい。

けど、善逸は掴んでおきたいのであまり会わせないようにしたのにこうなっては何の為にやったのか分からない。

 

「やっぱり、こういう狡い手はだめか~」

 

「零余子ちゃん」

 

そう呟くてると後ろから禰豆子の声が聞こえてきたので振り向く。

そのにはちょっと半泣き気味の禰豆子がいた。

 

「禰豆子?・・・なんかよう?」

 

先ほど邪魔されたのがまだ腹立つのか少し強めに言う。

 

「ごめんなさい!」

 

頭を深く下げる禰豆子。

 

「禰豆子・・・零余子ちゃんが取られると思って・・・それで意地悪しちゃった・・・ごめんなさい!」

 

真摯に謝る禰豆子。

零余子は愚痴でも言いたい気持ちはあるが、そこで言うと更に拗れるのは目に見えていたので止めた。

 

「禰豆子・・・もう良いよ」

 

「禰豆子・・・許してくれる?」

 

「うん・・・友達でしょ?」

 

「零余子ちゃん!」

 

零余子に抱きつく禰豆子。

 

「ちょっと、禰豆子。恥ずかしいよ」

 

「零余子ちゃん・・・大好き」

 

禰豆子の純粋な一言に赤面する零余子。

その後、2人はまた遊び始めた。

 

 

 

 

 

 

 

●●●

その様子を廊下から見てる明悟は微笑ましく思い、そして善逸がいる病室に入る。

 

「善逸君・・・大丈夫!?!?!!?」

 

善逸を見ると、なぜか大樽の中に入り号泣していた。

隣では玄弥がそれを見ていた。

 

「あ、明悟さん。どうも・・・これ何とかしてください」

 

善逸を指差す玄弥。

 

「え!?どうしたのこれ!?」

 

「実はさっきからずっと泣き続けてて、布団やら床がびしょびしょになったんで怒った神崎や蟲柱様が樽の中に入れたんですけど、涙が溢れそうです」

 

「禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた禰豆子ちゃんに嫌われた・・・・」

 

泣き続けてる善逸。

遂に樽の中の水・・・もとい善逸の涙が溢れる。

 

「あ、遂に溢れた・・・」

 

「嘘でしょ?」

 

明悟はそれから約2時間かけて善逸を泣き止ました。




善逸哀れなり。

・・・・最近の鬼滅人気凄いですよね。
先日、やっと映画館で無限列車を観たんですけど、やっぱり面白かった!

平日の昼間に観たのに観客が多かったのが凄かったです。煉獄さんやっぱりカッコ良かった!

次回は最終決戦に向かっての回になります。
ではお楽しみに
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