鬼滅の刃~太陽の化身~   作:怪獣馬鹿

41 / 50
遅れて申し訳ございません!
盛ろうと色々と練ってたら遅れた上にいつもの分量と本末転倒な結果に・・・
申し訳ございません!


光の友情

ある日、一人の男が出会ったのは光だった。

ある日、光が出会ったのは一人の男だった。

 

彼らは友人になった。

 

光は男に憧れた。

どんな困難にも負けず、優しき良心で人を導く強い男に憧れた。

 

男は光に憧れた。

どんな困難にも前線で立ち向かい、仲間の光となる光に憧れた。

 

これは彼らの最期の”戦い”。

 

 

 

 

 

 

●●●

初めて会った時、私は彼を可哀想な人だと思った。

記憶がなくて、お腹を空かして孤独な彼を放っては置けなかった。

まぁ、たまに放って置けば良かったと後悔している時もあるんだが、大体は助けて良かったと思ってる。

彼は過去に興味を持っていなかった。

ひょっとしたら、記憶が無いのは嘘かも知れないし、とっくに戻ってたのかも知れない。けど私には関係なかった。私と彼の関係は記憶では変わらないと感じていた。

彼は私の親友であり、相棒であり、兄弟。

 

これは私の”兄弟”の物語。

彼の名前は津上明悟。

 

またの名を”仮面ライダー”

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

運命の決戦が始まったのは秋から冬に変わり、初雪が降るかと思うほどに寒い夜、禰豆子に鬼から人間に戻す薬を打った夜だった。

 

耀哉は横になっていた。

あまねが看病し、ひなきやにちかが毬を楽しんでいた。

そんな中、彼らの元に”無惨”が現れた。

 

「無惨、初めて会うね。そこに居るんだろ?この時を私の一族は長年待っていた」

 

「長年、うんざりしてきた。だが、拍子抜けもしてる。鬼殺隊など作り上げた化け物の親玉がこうも死にかけとはな・・・」

 

無惨の言葉に隣で聞いてるあまねは悔しさと怒りで握ってる拳から血が少しずつ出る。

ひなきやにちかも何の問題も無いように振る舞っているが憎しみですぐにでも無惨に飛び掛かりたかった。

 

「こっちも驚いているよ。わざわざ敵地に君が来るとは」

 

「今宵、私の夢が叶う。そして私は永遠に不老不死となる。何故なら、何千年も長い時を生きていて私には天罰など下った事など無い。神や仏など存在しない」

 

「私も神や仏には頼ってないよ。神や仏は結局、気休めにしかならないから、けど人は違う。人の想いや願いだけが永遠なんだ。君は必ず私達が倒す」

 

「その体で世迷い言をほざくな」

 

「世迷い言じゃない。君との戦いは今夜終らせる。彼が必ず君を倒す」

 

無惨には耀哉の言ってる彼がわかった。

鉱山の時に真正面から自分を批判し、憐れんだアイツだと無惨は理解した。

 

「アギトか・・・随分と親しいようだな。だがそんなちんけで虚しいだけの友情などに倒されない」

 

「そんなんじゃない。彼を知らないね。性格が最悪で人の言うことなんて欠片も聞かなくてサボり癖が強くてサボる度に人の子供を出汁にするわ、無遠慮で無作法でいらない一言を言ってあまねにビンタされるわ、何回か金的を食らうわ、そのせいで前まで私達夫婦は胃潰瘍だった上に子供達に変な趣味を植え付けるわ。あまねの酒癖は悪くなるわ、人を不器用と言いまくるわ・・・」

 

「お前達、本当に友人か?」

 

愚痴が止まらない耀哉に無惨がつっこむ。

あまねやひなき達はまたいつもの発作が始まったと少し呆れてる。

 

「けど1つだけ信じてるのがある。彼は”約束”を守る男だ」

 

「約束だと?」

 

「あぁ、君を倒す”約束”だ」

 

耀哉は嘘を言った。

明悟が約束したのは倒したら、”旅”をしようと云う約束であり、無惨を倒すだけの約束などしていない。

 

「・・・・そんな物騒極まりない約束は初めて聞いたな。だが、そんなの私の”夢”の前には無意味だ・・・長話はここまでだ・・・死ね」

 

「ただで死ぬ気なんて私達には無いよ」

 

耀哉が最期の力を振り絞って布団を翻すと中には大量の爆薬があり、導火線に火がついていた。

無惨は突然の状況に頭が真っ白に為る。

 

「無惨!私とともに冥土に行け!」

 

爆薬が爆発する。

至近距離にいる耀哉、あまね、そして外にいるひなき達も死ぬ覚悟で決めた事だった。

だが、彼らが死ぬ前に超高速で光が通過し、耀哉、あまね、ひなき、にちかの全員を爆発な捲き込まれないように遠くに連れていき、無惨1人だけが爆風を浴びる事になった。

 

 

 

●●●

耀哉達は死んだと思った。

だが、聴こえてくる爆発の音に死んでないとわかった。

 

「あまね、ひなき、にちか?」

 

耀哉はそれに気づくと自分の事より、家族の無事を確認した。

 

「私達は無事です!」

 

あまねの大声の中にはひなき達の声もあって耀哉は一安心する。そして耀哉には分かった。

 

「明悟か!?」

 

「流石だな」

 

耀哉の前には明悟が変身を解いて立っていた。

 

「どうしてだ!?なぜ、助けた明悟!?」

 

「友達助けるのに理由が必要なのか?」

 

「違う、そうじゃない!アイツを足止めしないといけなかった!だから私達は命を掛けたんだ!どうして邪魔をした!?」

 

「耀哉、お前・・・本当にバカだよな。ただアイツを倒しても意味がない。生きて謳歌しないと意味がない」

 

「私はもう充分に謳歌した!あまねに出会った!ひなき達と暮らせた!大事な子供達もいた!・・・それに君に出会った!もう謳歌してるよ・・・どうして助けたんだ。これじゃ、私はずっと・・・ずっと・・・ずっと・・・ずっと”君の足手まとい”じゃないか!」

 

耀哉が大声で泣き、明悟にすがろうとするが目が見えて無いので空を切った。明悟は座り、耀哉と正面から向かい合う。

 

「耀哉、俺は”足手まとい”なんて思った事無いよ。お前に出会ってなかったら、俺はどこかで死んでた。お前が助けてくれたんだ。俺は幸せだよ」

 

「明悟・・・」

 

「俺は絶対に帰ってくる。だから耀哉、俺を信じてくれ!俺はお前の”仮面ライダー”で鬼殺隊”光柱 津上明悟”だ!」

 

明悟は立ち上がり、耀哉に背中を向ける。

ベルトが現れて光が放たれる。

 

「変身!」

 

明悟は自分だけのアギト《サンシャインフォーム》になる。背中に刻まれた白銀のアギトの紋章から光が出る。

 

「終わらして来る。んで朝日を一緒に見ようぜ!」

 

無惨の所に向かう明悟。

耀哉達はそこに残される。

 

「お館様、急いで輝利哉達の所に」

 

「あぁ、そうだね。あまね、明悟の背中ってあんなに輝いてたんだね」

 

「あなた、ひょっとして目が!」

 

耀哉とあまね達はとりあえず、輝利哉がいる屋敷まで戻る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

明悟は全力で爆発した所に戻っていく。

跳躍して無惨に拳を叩き込もうと上から行く。

上から見えてきたのは、棘によって拘束されて女性・・・珠代の腕が無惨の腹に刺さり、周りから全柱と零余子と轆轤が無惨を倒そうとしていた。

 

だが、突然琵琶の音がなり、足下に障子が現れて落ちていく。

明悟は空中を蹴り、無惨と珠代が居るところに突っ込み、2人と一緒に無惨の根城の無限城の中を落ちていく。

 

「無惨!!」

 

「アギトォォォ!!」

 

明悟は無惨を殴り、首を吹き飛ばす。

しかし、いくらサンシャインフォームのアギトでも無惨の首を吹き飛ばすだけでは倒せず、極めてゆっくりとだが、再生されていく。

無惨の肉体がゆっくりと火傷して行ってるので確実に無惨に効いていた。

だが、隣にいて無惨の腹を貫いてる珠代にも効いてしまい、顔の半分が大火傷を負ってしまい、皮膚の下の筋肉すらも焼け始めていた。

 

「(マズイ!)」

 

珠代とは何の面識もないが、明悟は少なくとも無惨を倒そうとしてるのは感覚でわかったので死なせたくなかった。

明悟は一先ず離れようとするが珠代が空いてる手で明悟の腕を掴む。

肉が焼ける音が聴こえる。

 

「このままコイツを殴り続けて!」

 

珠代の言葉に明悟は驚く。

 

「もっと火傷するかも知れない!」

 

「コイツを殺せるなら、構わない!」

 

止めようとしたが、そう言われると止められない。明悟は関係なく両手に光を纏わせて殴る。

腕が消し飛び、足も消し飛ぶ。

珠代にも甚大な被害が出て、無惨の体に刺していた腕が焼け縮れてしまい、珠代は明悟と無惨から離れてしまった。

 

「大丈夫です!薬は無惨の中に確実に入ってます!どうかその男を必ずー」

 

珠代が言葉を言い切る前に琵琶の音が鳴り、何処かへ飛ばされる。

 

明悟は無惨の体を容赦なく殴り続ける。

体内に入れた薬を無駄にしないために体に攻撃はあまり入れてないせいで決定的な物に成らず、無惨の頭が再生される。

 

「己、化け物!」

 

無惨が叫び、無数の刺と云うよりも牙と呼べる物を腕に生やして明悟の体を貫こうとするが明悟はそれを止める。

 

「お前が言うな!」

 

明悟は最大の光を手に込めて無惨を殴り飛ばす。

ガンガンと無限城の床や壁や障子やらを壊して壊しまくり、やがて勢いも衰えて床に陥没して止まった。

明悟は一気に決着を着けようとして空中でアギトの紋章を浮かばせ、蹴りの体勢になり、潜り抜ける。

ベンベンと琵琶の音が鳴り、明悟を何処かに飛ばそうと障子が出てきたり、あるいは壁で押し付けて起動を変えようとするが明悟の蹴りがその血鬼術そのものを壊しながら無惨に突っ込んでいく。

 

「黒死牟!!」

 

無惨が叫ぶと、上弦の壱の黒死牟が空中に出てきた障子を潜り抜けて現れる。

 

「血鬼術 月の呼吸 捌の型 月龍輪尾」

 

横なぎの巨大な斬撃と明悟の蹴りがぶつかり合う。

そして、猗窩座の時と同じように明悟は黒死牟の記憶を見てしまう。

 

 

1人の侍としての将来を約束された子の兄と双子の痣を持って生まれた忌み子の弟。

全く話さず、母親の側を離れず、父親から殺されかけ、三畳の部屋に閉じ込められ、10歳になったら出家と云う過酷な状況に陥っていた弟を兄は憐れに思い、何気なしに手作りの笛を作って挙げた。

だが、やがて弟は突然喋りだし、剣の才能を兄や父親達に見せつける。兄は弟の突然の変化に気持ち悪くなった。跡継ぎも弟かと考えるようになったが、母親が死に弟は寺に出奔される事になった。その時、兄は母親が遺した日記を読み、弟は母親にしがみついていたのではなく、病魔に体を蝕まれていた母親を支えていたのだと知り、兄の中にあった憐憫が嫌悪と嫉妬になった。

やがて結婚し、子供も出来た。

だが、鬼に襲われていた所を鬼狩りをしていた弟に助けられた。

嫌悪と嫉妬が嫌悪と増悪になり、弟を超えようと兄は妻子、家、全てを捨てた。

呼吸を極めて痣も出た。

だが、弟には追い付けず、25になると死ぬと云う状況から超えられなくなると云う悲しみと刻一刻と無くなる現実だけしか無かった。

そんな兄はある時、無惨に鬼に勧誘された。

時間がなく焦っていた兄に鬼の不死身は神からの恵みのように思えた。

そして兄は鬼になり、黒死牟になった。

 

 

明悟には黒死牟の鬼になった理由を理解した。

理解できた。

自分も先日、光太郎といた時に光太郎に対して似たような思いを感じていた。

自分よりも完璧な存在に対する”嫉妬”。

その事に対しての無神経さに対する”嫌悪”。

超えられない自身に対する”怒り”。

”無力感””苦痛””屈辱””哀しみ””焦り”、様々な感情が自分を支配して、残るのは何もない”自分”だけ。

 

そういう意味では明悟と黒死牟は似ていた。

だが、違う。

明悟はそれでも良いと踏ん切りつけられた。

自分は特別と云う”愛情”ではなく、自分はそれだけの存在と云う”愛着”・・・ある種の無関心でバランスを取った。

 

だが黒死牟はどこまでも”出来る自分”を愛し続けていた。”出来ない事”から逃げていた。

 

そこが明悟と決定的に違う所であった。

 

 

 

明悟と黒死牟は斬撃と蹴りがぶつかった衝撃により、弾かれ、鳴女の琵琶により2人とも広い空間に飛ばされる。

 

「初めまして、上弦の壱。あれがあんたの記憶か?」

 

「見たのか・・・ならば殺す」

 

明悟の言葉に黒死牟は顔に血管を浮かばせて淡々と言った。

 

「随分と物騒な・・・けど構ってる暇はない」

 

「それは私も同じだ。それに私にとって最も触れられたくない事に土足で来た貴様はすぐに殺す」

 

「そいつは失敬。けど、それが俺だ。良く皆に怒られる」

 

「なら、次は冥土でやられろ」

 

「断る」

 

明悟はガリバーを出現させて、二刀流で構える。

黒死牟も刀を抜き、刀の刃から二本、峰から更に一本の刀を生やし、特殊な大太刀にして構える。

 

「名前を名乗れ 私は上弦の壱 黒死牟」

 

「俺は光柱 津上明悟 そして仮面ライダーアギトだ!」

 

黒死牟の威圧に明悟は全身に鳥肌を立たせるも啖呵を切る。

 

「貴様を殺し、全ての鬼殺隊を殺す」

 

「お前を倒し、全ての鬼をぶっ潰す」

 

互いに睨みあい、足をにじらせ、距離を掴もうとする。

 

「「すぐに終らせる」」

 

互いに自分の武器を振りかざし、斬撃を飛ばす。

ぶつかり合い、衝撃により、部屋が崩壊した。

 




遂に始まりました。
最終決戦!
明悟VS黒死牟は無惨に行く前の戦いにしたいので次回から暫くは炭治郎、善逸、轆轤、零余子を始めとした明悟以外が主役です。

それでは次回 「長男VS長男」をお楽しみに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。