鬼滅の刃~太陽の化身~   作:怪獣馬鹿

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では皆さん、無惨との最終決戦をどうぞ!
次回はエピローグになります。
何としてでも来週中には終わらせますので待っててください!


仮面ライダー 死闘の代償

最初に動いたのは無惨だった。

走ってくる無惨の姿は獣同然でもう理性なんて感じさせなかった。叫びながら来て、拳を明悟に振るうが明悟はそれを受け止める。そして止まった無惨の顔面に耀哉が散弾銃を放つ。

アギトに変身したせいで致命傷にはなっていないが強烈な衝撃に後退する無惨。

明悟は、両手のカリバーで無惨の無防備な体を斬る。火花が飛び散り、着実に死に向かっていく無惨。 

 

「アァァァアァァァァ!!!」

 

もはや、人語すらも捨てて明悟を殴り飛ばす。

 

「明悟!」

 

耀哉が無惨を散弾銃で撃ちまくる。理性すらも失った無惨は銃では死なないのを理解したのか突っ込んでくるがその分、耀哉にとっては当てやすく当て続けるがそうすると弾が無くなる。無惨は耀哉に向かって再度突っ込むが背中の狙撃銃ウィンチェスターM1892で撃つ。レバーアクションの独特の機構により、散弾銃よりは装填と撃つ間隔が長いがそれでも無惨に当たるし、後退していく。

 

明悟はそんな耀哉を見ながら自分も戦いに戻ろうとするが立てなかった。それどころかドンドンと眠気が強くなっていくのを感じていた。無限城に入ってからの激戦に加えて何回も体力を消費しながらやった超回復の2つの要因によって明悟の命はもう殆ど残っていなかった。本来ならば既に死んでる程の疲労の上に先程からの無惨にやられた攻撃で生きてるのも不思議な程だった。

 

そんな明悟を守ろうと耀哉は明悟の前に行って無惨に弾丸を撃ちまくるが致命傷になってないので徐々に耀哉に近づいていくる。獣同然となった無惨の拳を耀哉はギリギリで避けるが次に脇腹を殴られて肋骨を折られてしまう。そして凶悪な口で無惨が喉元目掛けて噛みつきに来るがそれを杏寿郎が無惨の顔面に刀を振るってそれを止める。

 

「杏寿郎!」

 

「よもやよもや、お館様まで来るとは・・・先程までの体たらくぶりを見られていたとは・・・穴があったら入りたい!」

 

何時もと同じように快活に話す杏寿郎。耀哉としては別にそんな事を微塵も感じていないがこれは杏寿郎のただの癖である。

顔面に刀がめり込んでもなお進んでくる無惨に杏寿郎は押されるが行冥と天元が後ろから飛びかかり、杏寿郎から離す。

 

「いい加減、派手にくたばれ!」

 

「宇髄、絶対に離すな!」

 

豪腕2人の力によって少し離れる無惨に杏寿郎は容赦なく斬っていくが火花が散るだけで全然効いてなかった。杏寿郎を蹴り飛ばし、行冥と天元をどうにかしようともがくが元々、常人以上の筋肉に続いて呼吸でさらに力が強くなった2人はそう簡単に振りほどけなかったが全力で回転し、遠心力を持って2人を吹き飛ばす。

無惨は精神的支柱の役割を担っている耀哉を殺そうと向かうが実弥と玄弥が前に入って止める。

斬り掛かる2人の刀を受け止めて破壊して吹き飛ばすが今度は蜜璃に背中を斬られ、蜜璃の方を向くとしのぶが一瞬、無防備になった無惨の顔面を貫こうと突っ込んでくるが無惨は寸前の所で受け止めて刀をへし折り、吹き飛ばそうと殴るがしのぶは頭を下げてその拳を避けて無惨の顔面に両足飛び蹴りを噛まし、後退させる。

無惨は立て直そうとするが畳み掛けるように今度は蜜璃が無惨の体に両足飛び蹴りを噛まして完全に吹き飛ばす。壁にめり込む程強く打ち付けられた無惨に伊之助、善逸、炭治郎の3人が追い打ちを掛けるが無惨は何とか止めて3人の肋骨を砕きながら吹き飛ばすが間髪入れずに無一郎が斬り掛かり、そして義勇と小芭内、カナヲも斬りかかり、諸に斬撃を浴びた無惨は吹き飛びゴロゴロと転がる。

 

そんな無惨に耀哉は容赦なく銃弾を当てていくが火花が散るだけだった。

無惨は起き上がり、向かってくる全員に手から衝撃波を放って吹き飛ばす。

無惨は吹き飛んだ耀哉を殺そうと走り、手で頭を貫こうとするがそれを立ち上がった明悟が止める。

 

「アァギィトォ!!!」

 

ギリギリ何を言ってるのかわかる程度の言葉しか話せなくなった無惨に明悟は手に光を込めて殴るが受け止められて殴り返される。耀哉は腰に差してた2丁のM1901を至近距離で撃って無惨に当てまくる。耀哉を殺そうと無惨が狙いを定めると明悟が腹に膝蹴りを喰らわして下がらせる。すかさずにマガジンを替えて弾をまだ撃つ耀哉。そしてカリバーで無惨を斬りまくる明悟。無惨はフラフラになりながら吹き飛ばされるがしつこく立ち上がる。

そんな無惨に対して行冥は鉄球をぶつけるが火花が飛び散るだけで死なないので鎖を巻きつけて引っ張る。行冥と天元を軸に、柱や炭治郎、善逸、伊之助、玄弥、カナヲ、耀哉の6名も鎖を引っ張る。

無惨は暴れまくり、何と足から衝撃波を放とうとするがボロボロな零余子が足に体に風穴が空いてる轆轤が体に抱き着き、止める。

 

「今だ明悟!」

 

「やれ!」

 

耀哉と行冥の2人の声に明悟が構える。

明悟と無惨の間に20のアギトの紋章が現れる。

それは明悟も含めたここにいる者達全員と明悟が最も愛した人カナエと明悟が明悟になる前、まだ哲哉だった自分が死に追い込んでしまった親友明悟の分も含めた数だった。

 

明悟はその紋章を全て潜り抜ける。

単純な跳躍と跳び蹴りはアギトの紋章を1つ1つ潜り抜ける度に変化していく。全て潜り抜けると明悟の蹴りは光そのものだった。

 

そして蹴りが無惨にぶつかる。

大量の火花を散らし、そのぶつかった時の衝撃波で無惨を抑えていた全員が吹き飛びそうになり、1番近くで無惨を抑えていた零余子と轆轤の2人は力尽きて吹き飛んでしまう。

 

「芦原!」

 

「零余子ちゃん!」

 

轆轤に杏寿郎が零余子に善逸が手を延ばして2人が飛んで行かないようにしようとするが2人は飛んでいってしまう。

 

「何故だ!?私は完全生物なのに!生きたかっただけなのに何でこんな怪物と異常者に!!!」

 

理性すら失ってもまだ負けを認めない無惨に明悟は何も言わない。蹴りに更に力を込める。

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

蹴られてる無惨の頭に流れていたのは明悟が哲哉から明悟になった日の夜、無惨が踏みつけた津上明悟とかかれたお守りとそして因果岩に刻まれた自分の死の運命だった。

 

「お前か・・・お前があの時の!!」

 

無惨がそれに気づいたが時は既に遅かった。

明悟の放った最後の‘‘ライダーキック’’は無惨を抑えていた鎖を粉々に粉砕する程の力で無惨を吹き飛ばし、明悟はそのまま着地して立ち上がり飛ばされた無惨を見た。地面に頭からぶつかり、地面を抉り、何回もゴロゴロと回転して地面を抉り取りながら止まった。

そんな無惨を見て、もう全員が疲労で動けなかった。

だが、無惨は立ち上がる。

まだアギトの力で進化しようとしていた。

だが、明悟が放ったライダーキックに込められた光に対応出来ない。

光が首からそして腕から、鬼殺隊や耀哉が致命傷に出来なくてもあたえつづけた事による罅を起点に漏れ出て火花と共に噴出してくる。

それはアギトの力と無惨自身の血に遂に無惨の体が限界を迎えたと云う証拠だった。

 

「なぜだぁ!?私はただ生きたかっただけなのにぃ!?」

 

最後の最後まで決して自らを反省しなかった無惨はそう叫びながら倒れ、アギトの力による暴走により爆発した。

 

「お前の生きるには無いだろ・・・‘‘命’’も‘‘人’’も」

 

明悟は爆発した無惨を見ながら、そう呟いた。

長きに渡る無惨の討伐という使命が漸く終わった。

 

「明悟、終わったね」

 

漸く悲願が達成された耀哉は後ろから近づき明悟の肩を叩いた。これから一緒に生きれる嬉しさから来るものだったが、明悟はそれを受けた瞬間、倒れた。

 

「明悟・・・明悟!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

吹き飛ばされた零余子は眠りそうだった。

無惨を殺す為に体力を消耗する超回復を使って命を削っていた上にベルトを破壊されての吹き飛ばしによる痛手でまだ致命傷は避けていたが最後に無惨を抑えた後の衝撃波による吹き飛ばしにより、無惨が暴れた時に出来た尖った瓦礫が腹に刺さり、それが致命傷になっていた。

失血が止まらない。

 

「(禰豆子は戻ったのかな?・・・禰豆子に会いたい・・・)」

 

零余子が頭で考えていたのは禰豆子の事だった。

鬼から人に戻った零余子にとって禰豆子はそんな事を気にしない大切な友人だった。大切だから零余子はアギトになり、仮面ライダーに成れた。禰豆子にとっての仮面ライダーが零余子の願いだった。

 

「零余子ちゃん!」

 

突然、聴こえてくる声に零余子は何とか顔を向けるとそこには禰豆子がいた。そして人間に戻っていた。

 

「禰豆子・・・良かった・・・人に戻ったんだ」

 

「良くないよ。何にも良くないよ・・・零余子ちゃん、死なないで!」

 

零余子の腹からの失血をどうにかしようと抑え始める禰豆子だが止まらない。

 

「禰豆子・・・」

 

「私、覚えてるよ零余子ちゃんと遊んだ日々を・・・

だから死なないで、もう1度一緒に遊ぼう」

 

禰豆子の言葉に零余子の目から涙が溢れてくる。出来る事ならば生きてもう一度禰豆子と遊びたいし、本気で恋もしてみたい。だが零余子には理解できた。自分が絶対に生き残れないほどの傷を負ってるのに生きる資格が無い事を・・・

零余子は禰豆子を抱きしめる。

 

「禰豆子、もう良いよ・・・私ね・・・今、生きてて1番幸せだよ。出来る事ならもっと生きたいよ・・・死にたくない・・・でも私は禰豆子と違って人を食べた・・・絶対に生きてはいけないの・・・ごめんね哀しい想いさせちゃってごめんねごめんね」

 

「なら生きてよ・・・生きてよ!」

 

泣きながら話す零余子と泣きながら叫ぶ禰豆子。

徐々に零余子の抱きしめる力が弱くなってるのに禰豆子は気づいた。

そんな2人の元に炭治郎、善逸、伊之助がやってくる。

 

「禰豆子ちゃん、零余子ちゃん」

 

この何も言えなくなるほどの状況の中、善逸が2人に声を掛けると零余子は善逸に笑顔を向けた。

 

「善逸だぁ・・・ねぇ、私・・・善逸に言いたかった事があるの・・・出来れば手も握ってくれない?」

 

零余子の消えかけの声に善逸は素早く動いて手を握った。力が弱く、心臓の音が弱くなってきて死ぬ事を避けられない事に善逸は涙を流す。

 

「私・・・善逸に助けられた時、ずっと嬉しかった。あの時、守ってくれなかったら死んでたから、ありがとう守ってくれて・・・本当にありがとうございます!」

 

それは純粋な感謝の言葉だった。

今まで善逸はずっと眠りながら戦っていた事により覚えていない。感謝されても自分の生来の悲観思考により信じてなかったし、世辞だと思ってた。だが死にかけの零余子の言葉は感謝だけしかなく流石の善逸も真実だと実感した。そう零余子は善逸が鬼殺隊として助けた人の中で初めて善逸の心に感謝が届いた人だった。その事実に善逸は本気で泣き始めた。自分に感謝の言葉を言ってくれてそしてそんな人を死なせてしまう自分の無力さに涙が止まらなかった。

 

零余子は泣いてる禰豆子と善逸を最後の力を振り絞って抱きしめる。

 

「2人共、ありがとう・・・私を人間にしてくれてありがとう!!」

 

零余子の言葉に禰豆子と善逸は力一杯抱きしめた。

暖かくて優しい感覚だけが零余子を包み込み、笑顔にした。

 

「人って・・・暖か・・・い・・・」

 

最後の言葉も上手く言えず、零余子は息絶えた。

禰豆子も善逸も叫びながら零余子を抱きしめ続けた。

 

 

 

後年の産屋敷家の歴史にはこう書かれてる。

 

 

民間協力者 氷川零余子

 

191X年 1月28日 午前11時30分 死亡。

 

遺灰は彼女の友である竈門禰豆子が引き取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

●●●

轆轤は無惨が死んだのを見て漸く終わった事に安心し、近くの建物に背を預けながら座り込む。そして死ねる事に嬉しさすら出ていた。体に穴が空き、寧ろ最後によく動けていたと感心するくらいだった。恐らくアギトの力の賜物だろう。

変身も解けて轆轤もまた永遠に眠りそうだったが、

 

「芦原、無事か!!?」

 

非常に煩い杏寿郎の声で眠れない。

やってくる杏寿郎を睨む轆轤。

杏寿郎は轆轤の姿を見ると息を飲んだがそれだけだった。人の死を見続けてる杏寿郎はもう助からないと確信めいた直感があった。

 

「芦原・・・もう無理そうだな・・・」

 

「あぁ、無理だ・・・最後にわがまま言って良いか?」

 

血を吐いてそれが固まり、非常に聞き取りにくいが杏寿郎は一言一句聞き逃さないようにしていた。

 

「何だ?」

 

「俺の首を斬ってくれ」

 

「な!?」

 

あまりの言葉に目を開く杏寿郎。それどころか少し後ろに下がる程にその言葉は狂気的に感じた。

 

「なぜ、斬るのだ?お前は人だろ?」

 

「違う。化け物だ。それに人を殺した。血塗れのクズだ。例え、罪を償えたとしてもそれは俺の気休めだ。食った奴やその家族が求めてるのは償いなんかじゃない。罰だ、死んで地獄に行くことだ。俺だけじゃない。零余子もそうだ。俺や零余子はもうじきに死ぬ。でも本当に怨みが強い奴が求めるのは無残な死体だ。女の零余子にそれはさせたくねぇ。だから炎柱、頼む。俺の首だけで勘弁してくれ。どんだけ晒されても構わねぇから、頼む!」

 

頭を下げる事も出来ない轆轤はそう言った。杏寿郎は反論したかった鬼殺隊にそんな奴は一人もいないと言いたかったが言えなかった。それほど自分達の鬼殺隊と怨みの感情は切っても剥がせない程に強いから・・・そして轆轤の首を斬り落としたとしてもそれが無いとは言えない。無意味で終わる事を告げようとした時、杏寿郎は轆轤の目を見ると何も言えなくなった。

轆轤の眼力の強さに圧倒されたのだ。

悩んだ杏寿郎は轆轤に告げる。

 

「わかった・・・だが、どうして俺なんだ?」

 

「お前が人間で最初に俺達を信じたからだ・・・だから、斬られるならお前がいい」

 

「わかった・・・」

 

杏寿郎は刀を持って轆轤の横に来て手を伸ばした。

 

「煉獄?」

 

「さらばだ。轆轤」

 

轆轤はその言葉に笑い、自分も手を伸ばして杏寿郎の手を握った。建物に背中を預けていたが最後の気力を振り絞って杏寿郎が斬りやすいようにする。

 

「全く、よもや介錯を頼まれるとはな・・・夢に出て来そうだ」

 

「実際に化けて出て来たらどうする?」

 

「こんな事を頼み化けた罰だ。拳でその性根を叩き直してやる」

 

「怖いな、杏寿郎」

 

「俺も怖いさ」

 

杏寿郎はそう言って轆轤の首を斬り飛ばした。苦しまないように一発で斬り飛ばした。生首が飛び、ゴロゴロと転がっていくのを見ながら、杏寿郎はその嫌な感触を胸に刻んでいた。

 

 

 

 

後年の産屋敷家の歴史にはこう書かれてる。

 

 

芦原轆轤 元下弦の弐。

炎柱 煉獄杏寿郎の手によって1月28日 午前11時に斬殺。

 

 

 

 

 

 

 

●●●

倒れた明悟に耀哉が駆け寄る。

抱き起こそうとするが明悟は立ち上がれなかった。

 

「明悟・・・明悟!!誰か・・・明悟を!しのぶ!!」

 

普段から想像もつかないほどの大声と慌て方でしのぶも反応が遅れたが明悟を診ようとするが明悟がそれを止める。他の柱も皆、2人を見る。

 

「止めてしのぶちゃん。もう分かってるんだ」

 

明悟の言葉にしのぶは手を引いた。無理だと悟らされたからだ。だが耀哉は叫んだ。

 

「止めるな!しのぶ、明悟を助けろ!・・・頼むよ、しのぶ・・・私の大事な兄弟なんだ・・・頼むよ!・・・やってくれ!・・・やれ!!」

 

荒々しくなってくる耀哉。そこには鬼殺隊のお館様ではなく産屋敷耀哉としての本来の姿があった。

 

「良いんだ、耀哉。もう良いんだ」

 

「ふざけるな!」

 

「もう無理なんだ。それに思うんだ。俺も無惨と一緒なんだ。近い力を使う化け物なんだ。だから一緒に消える方が良いんだ」

 

「違う、君は人間だ!誰よりも人間だ!」

 

「違う・・・人間ってのは耀哉や皆の事だ。皆、俺みたいな化け物に成らずに無惨を追い詰めてた凄いよ本当に・・・耀哉・・・俺・・・お前に会えて嬉しかったよ・・・」

 

「私もだよ・・・呪いが無かったらもっと一緒に・・・」

 

「旅とかしたかったな・・・何にも無かった俺を助けてくれた・・・俺を人間として扱ってくれた・・・耀哉、俺・・・嬉しくてしょうがないよ」

 

明悟の目からは心の底からの嬉し涙が溢れ出ていた。

 

「死ぬな・・・頼むから・・・私を置いて行かないでくれ・・・一人にしないでくれ・・・お願いだよ」

 

「俺は居るよ。これからも耀哉が忘れない限り居るから・・・約束してくれ・・・俺を忘れないでくれ・・・」

 

「うん・・・」

 

明悟は耀哉の手を振りほどき、地面を転がる。

 

「明悟!」

 

耀哉だけでなく、柱の皆も近づこうとするが明悟は叫ぶ。

 

「来るなぁ!自分の足で立つ!」

 

誰の手も借りずに明悟は立ち上がり、フラフラになりながらも歩いて、皆の方を向く。

 

「思うんだけど、俺のアギトの力を皆にあげたら、多分だけど痣の寿命を何とか出来ると思うんだけど・・・いる?」

 

「「「「「要らねぇよ、アホ」」」」」

 

明悟の提案に皆が突っ込む。

そんな皆の選択に明悟は笑う。

 

「だよね・・・皆・・・俺、先に行くけど・・・必死に生きてから来てよ・・・」

 

「お前に言われずとも生きるさ」

 

明悟の言葉に行冥が話す。

その顔は憑き物が落ちたかのようで明悟は嬉しくなった。

 

「流石、行冥さん」

 

「必死に生きて、来世になるかも知れんがまた会おう。そこでお前のその飄々とした軽薄な性根を直してやる」

 

行冥の言葉にそれぞれが最後に言い始める。

 

「俺は酒を飲ませまくってうんざりする程惚気を聞かせてやらぁ」

 

「天元君」

 

「やりたい事は無いかとお前は前に聞いた。俺も見つけるさ。そして冥土で自慢を永遠に言ってやる」

 

「小芭内君」

 

「私だって必死に生きる。津上さんが聞いてて楽しくなるように!」

 

「蜜璃ちゃん」

 

「なら、俺は自分の生き方を最後まで貫くぞ!津上・・・お前のようにな」

 

快活な声を出しながら、杏寿郎がやってくる。

 

「杏寿郎君」

 

「僕はまだ何をやるか決めてないけど、見つけてみるよ。津上さんが羨ましがるほどのやつを」

 

「無一郎君」

 

「さっさと行け。爺になった時に会いに行ってやら」

 

「実弥君」

 

「・・・・・・・・・・さらばだ、津上」

 

「義勇君」

 

「義兄さん、姉さんに遅れる事だけ言っといて下さい。ただ今度、会ったら姉さんを義兄さんの手から奪い返すので覚悟だけはしといて下さいね」

 

「しのぶちやん・・・てか皆、容赦ないね」

 

思い思いに話しまくる面々に明悟は苦笑する。

 

「「「「「日頃の行いを省みろ」」」」」

 

皆の容赦が全く無い言い方に明悟は笑う。

嬉しくて笑ってる。

耀哉だけは納得出来ずに泣いていた。

 

「明悟さん!」

 

零余子を善逸が抱き抱えた状態で炭治郎達もやってくる。

 

「炭治郎君・・・ありがとね。あの1月は本当に楽しかったよ。弟と妹が出来たみたいで・・・」

 

明悟の言葉に炭治郎達も涙をこぼし始める。

 

「・・・耀哉・・・お前、もう泣くなよ・・・」

 

「うるさい!・・・行くなよ・・・馬鹿野郎・・・」

 

「頑張れよ・・・お館様・・・」

 

明悟はそう耀哉に言うと、皆に背中を向けて手を伸ばしてもう真上に来た太陽の光を全身で確り浴びていた。

 

「あ~、最高の人生だった!!」

 

最後に明悟は笑顔でそう叫びながら、立ったまま死んだ。

明悟の最後に耀哉以外は沈黙で答えようとするが耀哉だけは違った。

 

「何が最高だよ・・・ふざけるな馬鹿野郎!・・・勝手に死ぬなアホ!・・・お前なんか大嫌いだ!・・・大嫌いだ・・・人をおちょくるわ!・・・子供に変な趣味を植え付けるわ!・・・自慢は長いわ!・・・妻を酒乱にさせるわ!・・・怠け癖が強いわ!・・・お前なんか最低のクズ野郎だ!・・・勝手に居なくなるわ!・・・何時もの器の小ささはどこに行った!?・・・いつもみたいに反論しろ!・・・反論して喧嘩してくれよ・・・お前なんか、お前なんか大嫌いだ!!!」

 

カンカンと照り続ける太陽の下で耀哉の罵倒だけがその場に響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●●● 

明悟は花畑を歩いていた。

幻想的で美しくて、花の香りが強すぎて目が眩む程に圧倒された風景の中、明悟は歩いていた。

そんな時、花畑にある女性がいた。

髪の毛に蝶の羽根飾りを2つ付けた美しい女性。明悟が生涯思い続け、恋焦がれたたった一人の妻 カナエだった。

彼女は明悟を見ると駆け出して、そして顔を思いっきり引っ叩いた。

 

「何やってるの・・・お爺さんになって来るって言ったじゃない・・・」

 

カナエは目に涙を浮かばせて声を絞り出す。

 

「ごめん・・・」

 

カナエとの約束を守れず、明悟は叩かれた所を抑えながら呟いた。

 

「ごめんじゃないよ・・・いつもそうじゃない・・・勝手な事して・・・私はそんな所がずっと大嫌いよ!」

 

カナエは顔を伏せて明悟の胸を叩く。

 

「大嫌い・・・大嫌いなんだから・・・」

 

「うん・・・うん・・・」

 

明悟は相槌を打ってカナエを抱き締める。彼女はそれでも胸を叩き続けるが次第に弱くなってくる。

 

「嫌いよ・・・嘘つきなんて・・・絶対に離縁してやる・・・」

 

「うん」

 

「・・・忘れてやる・・・」

 

「うん」

 

「他の人と消えて、一生悔しい思いをさせてやる」

 

「うん」

 

「絶対に嫌われてやる」

 

「うん」

 

「だから・・・帰って生きてよ・・・一生恨んでも憎んでも良いから、生きてよ!」

 

涙声で顔がぐちゃぐちゃになり、美人な面影を感じない程に酷い顔になって罵倒し続け、明悟に嫌われて帰らそうとしてる彼女を明悟は抱きしめ続ける。

 

「カナエは・・・本当に優しいね・・・」

 

明悟も涙声になり、顔がぐちゃぐちゃになりながらもそう呟いた。

 

「止めて、あなたっていつもそうやって・・・濁らせるんだから・・・だから嫌いになれなくなって・・・会いたくなって・・・」

 

「うん・・・俺・・・会いたかったよ」

 

「私も・・・会いたかった・・・」

 

2人はこの花畑でそのまま今の嬉しさに泣いて噛み締めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後の産屋敷家の歴史にはこう書かれてる。

 

 

191X年 1月28日 正午

 

光柱 津上明悟 永眠

 

年齢➖不明

 

生年月日➖不明

 

生まれた里➖不明

 

家族➖不明

 

その過去➖一切不明












































書き終えた感想としては、最後に明悟を殺せて良かったです。自分はどうもハッピーエンド思考な部分が非常に強くて最初は生き残らせようと考えていたのですが、井上先生の書く話はどんな話でも人殺しには容赦が無く。ファイズなんて主人公死亡が示唆されて終わりですから、それを自分なりに考えて、悩んだらこうなりました。

次回はエピローグ!
頑張ります!
後、完結後に今作の裏設定込みの超全集的なのを載せようか迷ってるのでアンケートをやります。
火曜から水曜の0時まで。
最後まで御付き合いさせて申し訳ありません。

超全集入ります?

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