明悟は産屋敷で1泊すると朝の早くから屋敷を出た。もうすでに耀哉やあまねは起きていたから2人に挨拶とまた会う事だけを約束して出ようとしたら、寝間着状態の子供達からしがみつかれた。
どうやら、挨拶をやってる時に全員起きたようだ。明悟は子供達にも挨拶と再会を約束してから出た。
隠に案内されて屋敷に行く手筈になってるので屋敷に来た隠と一緒に向かう。
案内されてついた屋敷は普通の一般家屋だった。
ちょっと安心した明悟である。
隠とはそこで別れると明悟は屋敷に入り、内装を見た。まだ誰も使われてない部屋。
広くて大きくて暖かい。
そう思いながら台所に行くと、釜戸だけでなく、囲炉裏もあり、心が落ち着いた。
本当に良い家だ。
明悟は屋敷の事は後回しにして、昨日約束していた炭治郎に会いに行くことにした。
居るのは蝶屋敷。
但し、明悟は家主から立ち入り禁止と言われてる。まぁそんな決まりは破るのが明悟ではある。
スタコラサッサと歩いていく。途中でお詫びの品として羊羮を買って向かう。
●●●
蝶屋敷に着き、玄関を叩く。
「すみません!誰かいませんか?」
すると、ひなき達よりも小さい3人の女の子達が来る。
「どちら様ですか?」
「昨日から柱になった津上明悟って言います。先日、此方の主である蟲柱の胡蝶しのぶ様に対して失礼してしまいましたので謝罪に来ました。また昨日から厄介になってる竈門兄妹、我妻善逸、嘴平伊之助は私の友人ですのでお見舞いに来ました」
そう言うと3人の女の子達は奥へと行って暫くしたら、主のしのぶがやって来た。
「お引き取り下さい」
「本当に申し訳ありませんでした」
「大丈夫ですよ。もう怒ってはいませんから、ただ不快ですので消えてください」
「それを怒ってると言うのでは?」
「いえ、家にある何の価値もないゴミを見てる気分です」
「そこまで!?」
「ですので、死ん・・・帰って下さい」
「そこを何卒お許し下さい」
明悟はそのまま詫びの品として羊羮を出す。
「これは貰っておきますが帰って下さい」
しのぶの受け付けなさに明悟は本気でどうしよう?と悩む羽目になった。1つ言っておくが今回の事は明悟が完全に全て悪い。擁護なんてする方がアホである。
故に苦しむ羽目になっているのだ。
「イャャャャャ!!!」
奥の方から何やら汚い高音が聴こえてくる。
明悟はその声の主が善逸なのだと瞬時に理解した。
「まだ掛かってましたか・・・」
「善逸君か・・・俺が彼を何とかしたら許してくれます?」
「・・・・・・・お手並み拝見とさせて貰います」
草履を脱いで上がる明悟。
そしてしのぶに案内されて元の善逸、炭治郎、伊之助がいる部屋に入った。
「いい加減にして下さい!!飲まないと治りませんよ!!」
「嫌だ嫌だ!!無茶苦茶苦いもん。こんな不味い物1日に五回も飲みたくないよ!」
明悟は頭に手を当てた叫んでたから過激な事をさせられてるのかと思いきや、薬が苦くて不味いから飲めないなんて・・・少しでも心配した自分が馬鹿らしくなった。
しかもこの屋敷の看護婦なのか?似たような年の女の子に怒られてるなんて・・・さっき出迎えてくれた3人の女の子達までいるし・・・
「善逸君・・・」
「明悟さん!助けてお願い!!」
明悟は善逸のベットまで行き、肩に手を当てる。
ミシミシミシミシと善逸の肩から骨がきしむ音が聴こえてくる。
「明悟さん!止めて!!俺、なんかした!?」
「薬が苦くて不味いから叫ぶなんて・・・少しでも心配した俺が馬鹿だったよ」
「ヒィィィィィ!!!」
「その薬、貸して!!」
「は、はい!!」
明悟は薬を持ってる女の子から薬を貰う。
そして、善逸の口を無理矢理開けて無理矢理薬を口の中に入れた。
突然の事に吐き出そうとするが明悟は口と鼻を抑えて意地でも外に出ないようにしたすると物の数秒で善逸は薬を飲み込んだ。
飲ませた明悟はやりきった爽やかな顔になり、飲まされた善逸はベットの上でぐったりしてた。
「ふぅ、良い仕事した」
「その場しのぎじゃないですか」
「でも飲ませたよ」
「・・・・・まぁ、良いでしょう。この品と行動に免じて許しますが次はないと思ってください」
しのぶはそう言って羊羮を持ったまま去っていき、看護婦の子達も去っていく。
「明悟さん、昨日はありがとうございます」
明悟は善逸の隣のベッドにいた炭治郎を見る。ボロボロで治ってないのにベッドの上で正座して頭を下げる炭治郎。
「良いよ、ただ他の柱の人達もそれぞれ事情があるから、そこも考えてあげてね」
「はい・・・けど禰豆子を傷つけかけたあの人は許しません」
「・・・まぁ、そこは任務で一緒になる可能性もあるから、そう言った時に問題ないようにね」
「はい!」
明悟は実弥と炭治郎の仲が心配になるが、そうそう柱と柱より下の隊士が関わること無いかと思ってそのままにした。
「伊之助君は大丈夫?」
炭治郎の隣で善逸の隣のベッドで静かに横になってる伊之助に聞くが何も答えない。
「どうしたの?」
「なんか、落ち込んでるみたいで・・・」
「そっとしておくよ・・・治ったら一緒に天ぷらでも食べよう。俺の天ぷらも絶品だから」
「ウン」
潰れた喉で掠れ掠れに聞こえる伊之助の声はえらく静かだった。
「明悟さん~、よくもやってくれましたね~」
善逸が明悟に恨み節で睨む。
明悟はそれに対してあっけらかんとした顔を向ける。
「いや、善逸君・・・情け無さすぎるよ」
「じゃあ、あんた飲んでみろよ!!無茶苦茶苦いんだぞ!?恐ろしいくらい不味いんだぞ!?」
「いや、蝶屋敷じゃないけど昔、もっと凄いものを飲んだから・・・」
「えっ?」
「ちょっと鬼にやられて応急処置として恐ろしい物を飲まされたんだけど無茶苦茶不味くて苦い上に異臭がした。それに比べれば異臭がしないだけマシだよ」
明悟の何やら達観した言い方に善逸は苦笑いした。
「それに善逸君、薬も飲めないようじゃ好きな子に呆れられて捨てられるかも、想像してごらん」
善逸の頭には薬飲むのに駄々をこねて禰豆子に呆れられて捨てられる未来を想像する。
まぁ、禰豆子は善逸の彼女ではないが・・・善逸の顔が絶望に染まる。
「嫌だ、それだけは嫌だ」
「なら、文句言わずに飲まないと治ったら良いうなぎの店を紹介して挙げるから」
「本当!?」
「良いよ、一見さんお断りの店だけど顔見知りになるまで奢って挙げるよ」
「マジで!?飲む飲む!!頑張って飲みます!!」
善逸の現金な性格を上手く使って取り敢えず蝶屋敷の人に迷惑がかからないようにするも内心、次に大怪我や毒で入院したらどうやろうと思っていた。
「皆も生きてて良かったよ。それじゃ、俺は柱合会議があるからもう行くね」
「はい!ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
「アリガト・・・」
全員がもう行く明悟に感謝の言葉を言う。
伊之助まで言ってくれたのに対して明悟は笑顔になった。そのまま病室を出ていく明悟。柱合会議に向かおうと廊下に出る。
「あ、貴方は・・・」
明悟は声がした方を見る。そこにいたのは那多蜘蛛山で助けた真魚が松葉杖を付きながら立っていた。
「・・・真魚ちゃんだっけ?」
「はい、先日はありがとうございました!」
「無事とは言えない様だけど、生きてて良かったよ。回復出来そう?」
「はい!私だけじゃなくて他の2人も大丈夫らしいです」
「良かった・・・それじゃ、俺は行くね?柱合会議があるから」
「柱だったんですか?」
「昨日からね。光柱 津上明悟」
明悟はそう言うと真魚の顔が青くなる。隊士にとって柱とは雲の上の存在であり、尊敬するべき存在である。先ほど迄の口調が馴れ馴れしくなかったか不安になったのだ。
「こ、これからも宜しくお願いします。光柱様」
「止めて止めて、そう言うの苦手だからさ。明悟で良いよ」
「で、でも・・・他の隊士に示しが、」
「無理してやっても価値がないよ。それに俺は柱だろうが甲だろうが俺だ。肩書きで呼ばれるのは嫌だ」
真魚は明悟のその言葉を聞いて深呼吸する。
「これからも宜しくお願いします。明悟さん」
その言葉に明悟は嬉しくなる。
「宜しくね」
明悟はこうして、蝶屋敷から出た。
●●●
明悟は蝶屋敷から出て耀哉の屋敷に向かう迄に和菓子屋に寄り道して、団子を結構、後はきんつばを買ってから向かった。
屋敷に着くと、かなたとくいなが出迎えてくれる。
「叔父様、お帰りなさいませ」
「柱合会議に間に合ってるよね?」
「はい、まだ大丈夫です」
「良かった。はいこれ」
明悟は団子が入った菓子折をくいなに渡す。
「明悟叔父様、これは?」
「柱合会議の合間で出してほしいんだ。ずっと重い雰囲気だと息が詰まっちゃってね。」
「わかりました」
「それと、これはくいなちゃん達の分だよ」
明悟はきんつばが入ってる袋を渡す。
「ありがとうございます!きんつばですか?」
「うん、5人で食べてね」
「「はい!!」」
明悟は屋敷に上がる。場所は知ってるのでそのまま向かう。かなたとくいなは頬を緩ませながら、団子ときんつばを持って明悟とは違って台所に向かった。
扉を開けると中には既に耀哉とひなきとにちかがいた。
他の柱はいなかった。
「やっぱり、明悟が一番早かったか」
「お父様、ひなきやにちかの言った通りですね」
「そうだね。明悟は御飯が絡まないと基本的に早いからね。けどまだ会議まで判刻はあるよ」
判刻・・・約1時間である。
明悟は会議の1時間前に着いたのだ。
「昨日はすぐに会議になってゆっくり話せなかったからね。それに待たせるのは好きじゃないんだ」
「明悟のは早すぎだけどね」
耀哉は無茶苦茶早く着いた明悟をからかう。ひなきとにちかも2人の様子を見て笑う。
本当に仲が良い2人だ。
互いに互いが遠慮なんて物を一切持ってない。そこには当主や部下の関係がない。耀哉に取って明悟の存在は自分を真摯に見てくれる貴重な存在である。勿論、柱達や隊士達が見てくれないわけではないが、遠慮を一切しない明悟は耀哉に取ってはありがたかった。耀哉に取って明悟は親友でもあるが義兄弟としての感覚が強かった。
「そう言えば、報告書に下弦の弐と2回交戦したってあったが、どんな奴だった?」
明悟と耀哉の顔が一気に仕事の顔になる。
「遠距離型の血鬼術を使って、自分の指を飛ばしてくる。かなりの威力だった。おまけにかなり冷静で逃げる為には日の光を浴びる事も辞さない程に肝が据わってる」
「倒せそうかい?」
「何とか、ただ常に冷静で逃げるから2人がかりじゃないとキツいかも、1人が相手して1人が逃げ道を絶たないと逃げる」
「厄介な相手だね」
明悟は耀哉に話ながら下弦の弐である轆轤を思い出してた。冷静で尚且つ肝が据わってる。そう言う奴は倒しにくい。
次に会った時に決着を付けられるか、明悟にはわからなかった。
そうこうしてる内に他の柱達も入ってくる。
何名かは明悟が一番乗りしてる現実に苦虫を潰したような顔付きになったが一瞬で冷静になって会議を始めた。
因みに他の柱達の明悟に対する印象は主に4つある。
蜜璃と義勇は柱として認めている。
無一郎は無関心を決め込んでいる。
天元は柱として一応認めているが印象は蜜璃と義勇の2人に比べたら悪い。
杏寿郎、しのぶ、小芭内、行冥、実弥は実力だけは認めている。
と言う状態である。
会議は順調に進んだ。最近の鬼の活動範囲から隊士達の資質の問題、育手育成環境の状態から鬼の調べる為に街中で出てる噂話の信憑性まで様々である。
そして昼になる。
「それじゃ、午前の会議は終わって昼食を挟んでから続きをしよう。一刻後にまたここで」
「「「「「御意」」」」」
明悟も今回はちゃんと礼儀をわきまえて挨拶する。まぁ堅苦しくて嫌ではあるし、めんどくさいと心から思っているが、やらないと更にめんどくさくなると思ってやった。耀哉的には今さらやられても手遅れで逆に気持ち悪いと心の底から思っていた。
他の柱達と一緒に部屋から出ると明悟は昼飯をどうしようかと思った。このまま産屋敷で食べるのも悪くはないが、昨日の今日に続いてまた食べさせて貰うのは流石にただの居候と変わらないので御飯が不味くなる。外食をするかと決めた。
他の柱達もそれぞれ次の会議まで有効に時間を使うようである。
「あ、あの津上さん!」
「ん?」
明悟は呼ばれた方を見ると蜜璃がいた。
「もし宜しかったら、交流も兼ねて一緒に食事に行きませんか!?」
「良いよ。蜜璃ちゃん」
((((蜜璃ちゃん!?)))
明悟の蜜璃ちゃん呼びに呼ばれた本人は勿論、他の柱も急な名前呼びに驚く。
何せ、まだただの知り合いの上に昨日の柱騒動に関しては蜜璃ですら、反対の立場を取っていたのだ。それをこうも感じさせない言い方に蜜璃含めて他の柱達も茫然となる。
約1名の蛇を首に巻き付けてる人は明悟を目力で殺すかの勢いで殺気を放つが明悟にはまるで効果がなかった。
(急な名前呼び・・・素敵!)
呼ばれた本人は新鮮な感覚にときめいてた。蛇の殺気が更に強くなるが明悟には効果がない。
「それじゃ、俺はあんまりここら辺の食事処は知らないからオススメの店を教えて欲しいな」
嘘である。ほんとは殆どの店の店主の顔を覚えられる程の常連である。それなのに何故、店を紹介しないのかと言うと蜜璃がどれだけ食べるのか分からないし、どんな料理が好きなのか分からないから紹介出来ないのだ。それなら蜜璃の行き付けの店に行って知ってから紹介した方が良いと思っての行動だった。
「任せてください!良いお店を知ってますので!」
「宜しくね」
「甘露寺・・・俺も・・・」
「伊黒さん・・・(はっ!ここで伊黒さんと一緒に行ったら、伊黒さんと津上さんが喧嘩してしまうかも!?それはお店の人に迷惑だわ。伊黒さんがそんな事をしないのはわかってるけど津上さんはどうかわからないし・・・申し訳ないけど伊黒さんには今回は別で食べてもらいましょう・・・それが良いわ!!)・・・申し訳ないけど今回は別で・・・また一緒に食べに行きましょう!」
「そ・・・そうか・・・そうだよな・・・はは・・」
フラレた小芭内の声のトーンの低さに他の柱は哀れと思い、当事者の蜜璃は全くその事に気付かなかった。明悟は小芭内の様子から何となく察した。
「小芭内君も一緒に行こうよ。御飯は一緒に食べると美味しいし」
(((小芭内君!?))))
柱達が今度は絶対に自分達では呼ばない言い方に驚いてその語呂に少しだけ内心笑った。
「フン・・・結構だ」
「良いよ。蜜璃ちゃんも交流だったら大勢の方が良いじゃん。他の皆も一緒に来ない?」
「遠慮する」
「断る」
「断る」
「申し訳ないが断らせて貰う!」
「断らせて貰います」
「遠慮します」
「ふざけんな!」
他の柱は1人も来ない事になった。後は小芭内だけである。
「・・・甘露寺、やっぱり一緒に行って良いか?」
「津上さんがそう仰るもの!伊黒さん、先程はごめんなさい!」
「かまわん」
素っ気ない言い方ではあるが、内心喜んでるのを明悟は理解していた。
●●●
蜜璃行き付けの定食屋に入る3人。
店員の気前の良い挨拶が聴こえて席に座る。
この定食屋も明悟の行き付けである。
ここは値段の割に量が多くておまけに御飯のおかわりは自由な店である。
「いらっしゃ・・・何だ、兄ちゃんに嬢ちゃん達だったか」
「お久しぶりです」
「津上さん、ここのお店知ってたの?」
「まぁね」
「なら、何故教えなかった?」
「2人が何を食べて何が好きか知らないから教えられないよ。御飯は美味しく食べての御飯」
「相変わらずだな、兄ちゃん。嬢ちゃん達は知ってるか知らねぇが、この兄ちゃんはここら辺の飯屋の店主じゃ知らない人間は居ねぇほどに良く食ってくれて今じゃこの近辺の店は全て常連だよ」
「そうなの?でも今までお会いした事が無いわ」
「時期がずれて会えなかっただけだよ」
「確かに俺達は忙しいからな・・・会える方が珍しい」
「まぁ、何だ。3人ともいつもので良いか?」
「お願いします」
「ありがとうございます!」
「ありがとう」
店主はそう言って厨房に入り、料理を作って持ってくる。蜜璃が特大天丼で小芭内はとろろ昆布、明悟は特量天ぷら定食である。
3人とも自分の料理を食べていく。
店主も他の客の所に行くと会話が始まった。
「小芭内君はとろろ昆布だけで大丈夫なの?」
「問題ない」
「津上さんもたくさん食べるのね!」
「蜜璃ちゃんもじゃない。いや、下手すると俺より量多いよ」
「はしたなくてすみません」
明悟の言葉に少し暗くなる蜜璃。
「そんな事は無いぞ甘露寺!何も気にする事じゃない」
「そうだよ、それにそんなに気持ち良く食べる人を見ると此方まで幸せになるよ」
2人の言葉に少しだけ恥ずかしくなったが、蜜璃は嬉しくなった。
「2人ともありがとう!」
昼食を終えてお茶を飲んで落ち着く3人。
それぞれ、雑談を続ける。
「へぇ、じゃ蜜璃ちゃんは添い遂げたい人を探しに鬼殺隊に来たんだ!」
「はい!」
「好い人は見つかった?」
明悟の質問に蜜璃ではなく小芭内がそわそわし出す。
「いえ、けどきっと見つけます!」
その言葉に隣の小芭内は意気消沈していた。明悟は援護しようかと思ったが下手に拗れる可能性が高いので止めた。
「津上さんは恋した事ありますか?」
「恋?1回だけあるよ」
明悟の言葉に蜜璃は興味津々になり、小芭内も少しだけ興味が出ていた。自分の恋の参考にしようとして・・・
「どんな人と恋したんですか?」
「ある時、その人に任務で助けられてけどその人も怪我をして一緒に藤の家にご厄介になって互いに互いの事を話したなぁ。まぁアギトの事は言ってないけど・・・暫くは一緒に任務をしてたけど、俺は呼吸は使えなくてアギトの力を使ってたから彼女と良く離れてね。良く怒られたよ。何を考えてるの!?死にたいの!?ってけど教えられなくてね。そんな時に俺が大怪我したら、彼女が本気で泣いてくれたんだ。申し訳なかったし辛かった。暫く療養も兼ねて休暇してたけど、彼女は俺を蝶屋敷に連れて行こうと必死だったよ。まぁ行かなくて藤の家に居たけど、けど一緒に過ごしてキネマに行ったり、落語に行ったり、祭りに行ったりで楽しかった。ただ嫁入り前の娘だから身内には俺の事を言ってなくて紹介して驚かそうとしてたけどね。本当に明るい娘だった」
優しい顔を浮かべながら話す明悟。蜜璃も小芭内も本当に幸せだったんだと心から思った。
「それで、その娘とはどうなった?」
「死んだよ。結婚の約束をして1週間後にね。彼女の身内には3日後に紹介される筈だったけど、結局紹介はされなかった」
「・・・・すまない」
「ごめんなさい、辛いことを聞いて」
衝撃の事実に小芭内も蜜璃も咄嗟に謝る。いや、鬼殺隊は兎に角死にやすい。こんな事だって日常茶飯事であるがそれでも実際に聞いて戸惑わない人間はいない。
「良いよ別に、けどアギトの事をずっと言えなかったのは今でも後悔してる。もっと言いたかった。言って一緒に歩きたかった。それからかな?人前で変身するのに躊躇しなくなったのは・・・」
「だったら、鬼殺隊を辞めれば良かった」
「伊黒さん?」
小芭内の言葉に明悟は黙って小芭内を見る。
「その女もお前も人並みの幸せが欲しかったなら鬼殺隊なんか辞めてさっさと何処へでも行けば良かった。たかが2人辞めたって支障は出ない。それに鬼殺隊に入ってる限り、そんな平穏は訪れない。覚悟が足りないからその女は死にお前は苦しんだんだ」
かなり、キツい言葉ではあるが、明悟にはその言葉の意図が理解できた。小芭内もまた人に恋するただの人間。明悟にはその心が理解できた。
「心配してくれてありがとうね」
「お前、馬鹿か?今の言葉をどう聞いたらそう解釈できる?」
「さぁね、けどもう大丈夫だよ。心に穴が開いた見たいにスカスカになってたけど彼女の分も必死に生きるって決めたからね。蜜璃ちゃんも小芭内君もこれからどんな人と出会うか分からないけど、後悔はしないでね」
「当たり前だ」
「はい!」
蜜璃も小芭内も明悟の言葉にそれぞれ返す。
そんな話をしてると時間になったので店を出ることにした3人。
因みにお代は全て明悟持ちである。
最初は蜜璃が出そうとしたが、小芭内が止めて払おうとしたら、明悟が食べてくれたお礼も兼ねて出した。
蜜璃と小芭内には先に行ってもらい、明悟は1人ゆっくりと歩いて向かう。
1人になりたかった。初めてこの事を話した。炭治郎達にもましてや耀哉達にも話してない明悟の秘密。2人の思い出。
「君の分まで俺は生きてるかな?“カナエ“ちゃん」
明悟は心で本当に好きだった元花柱で恋人だった“胡蝶カナエ“の事を思い出していた。
はい、それでは第8話が終わりました。次回は機能回復訓練とあのぶっ飛びまくったパワハラ会議をやりたいと思います。
それでは今回の話ですが、まぁザ・日常編ですね。
鬼滅の刃ってスピーディーな展開が売りの1つでもあるのにこんなにゆっくりで良いかと思いますがまぁそれも味として許してください。
いや、ほんとはこの後の団子の茶会までやろうとしたのですが、蛇足と判断して切りました。
次回でもそこは書く気はないです。
そして胡蝶カナエの名前が出てきましたね。
一体二人に何が会ったのかはこれから回想と言う形で細かく分けてゆっくりやって行きます。
恋柱と蛇柱が明悟と関わりました。最初にやるならこの二人。原作での顛末に泣いたのでやりたかったのです。
そして柱達の明悟の評価ですがあれくらいが妥当だと思ってます。
蛇柱は今回、少しだけ良い思いをしたので少し認めつつあります。
主に恋のキューピッドとして・・・
次の次には無限列車に行きたいです。
それではアンケートは本日4月26日の23時59分59秒、翌日の0時0分00秒を持って締め切ります。どのような結果になるかは分かりませんがどのような結果になっても頑張って書きます。
4月27日 0時5分
仮面ライダーのアンケートを終了しました。
1票差で仮面ライダーと名乗らせる事が決定しました。ここまで白熱した投票は色んな方々の投票だったり、ハーメルン歴が長い作者でも見たことが無かったです。投票してくださった全ての読者の皆様に感謝を述べます。
ありがとうございました!
ディケイド登場になりましたが、登場させないに票を出した方々も納得する位に気合いを入れて書き上げたいと思います。
批判感想質問は気軽に送って下さい。作者にとってはやる気が出ますし、必ず返信致します。