雷の剣士、時間も世界も超越す   作:かーねーごーん

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思いつきで書いたものでございます。
知識が中途半端なので粗が目立ちましてもご容赦いただけたらと思います。


形見で遊ぶべからず

 

 

~ある日の昼下がり~

 

 

よく晴れている日の午後、男はふいに語りだした。

 

 

 

少し、昔話をしてやろう。

俺が此方に来ることになったあの日の事を。

あれは、今みたいに晴れた日だった。

その日は仕事も休みで、俺は自宅で寛いでいたんだ。

愛刀の手入れをして、続けて形見の刀の手入れをしていた時のことだ。

 

 

 

 

 

あの戦いからどれ程の月日が流れただろう。

 

「俺も衰えたもんだな…」

 

縁側に座り、黄色の布地に三角の柄がある、爺ちゃん(師匠)に貰った、大切な羽織を肩にかけながらぼそりと、俺は呟いた。

手には友の日輪刀、傍らには俺の日輪刀。黒い刃が日にあたり、輝いている。

 

「思えば死ぬ死ぬ言いながら、ついぞ死なんかったな」

 

戦いの日々の中で、師が、兄弟子が、知り合いが、友が、鬼が消えて逝った。

それで世の中で何か変わる事はなく、俺達の戦いの歴史は時間と共に時代の中に埋もれていった。

思い出すのは辛く、悲しく、だけど大切な思い出、記憶。

 

 

鬼舞辻無惨

 

 

最初の鬼にして、最凶の鬼だった。

奴との戦いは苛烈、熾烈を極めた。多くの命と、多くの人の人生を犠牲にしてようやく奴を倒すことができた。

 

その中で俺は生き残れた。生き残ってしまった。

俺より生き残っていなきゃいけない奴が沢山いたのに、俺より長生きしなきゃいけない奴が最後の戦いでその命を削って、削って、削りきってしまった。

 

 

竈門炭治郎

 

 

日の呼吸、ヒノカミ神楽を持って無惨を最後まで追い詰め、滅した英傑。俺の同期、俺の親友。

全てが終わって、重体だった俺達は蝶屋敷に入院していた。そこで身体を休めて、暫くしたある日、気づいてしまった。気が付いてしまった。

炭治郎から聞こえてくる色々な音が少しづつ、少しづつ、小さくなっていることに。最初は勘違いだと思った。炭治郎はいつもと変わらないような表情で声で、笑っていたから。

 

でも俺は臆病で心配性で弱虫だから、その違和感を無視できなくて、でも炭治郎に聞くのは抵抗があって、だからアオイちゃんに聞いたんだ。炭治郎の病状について。

 

聞くんじゃなかった、聴かなきゃよかった。

 

炭治郎の命があと少ししかないなんて、知らなきゃよかった。

 

 

 

 

 

「なぁ、善逸」

 

「なんだよ、炭治郎」

 

「禰豆子の事を頼むよ」

 

ある日の昼下がり、突然そんな事を言い出した炭治郎をボケッとした顔で見つめてしまった。何を言ってるのか、理解出来なかった。

 

「は?なに?何なの?若い身空でついにボケたの?戦い過ぎちゃってほうけたの?はーー!全く、気が抜けすぎじゃない?」

 

俺が罵倒してるにも関わらず、炭治郎は笑っていた。ニコニコと、屈託のない笑顔だったのを今も覚えている。

 

「善逸、分かってるんだろ?」

 

「何の事?」

 

「俺の死期が近いことさ」

 

思わず胸ぐらを掴んで睨み付けた。それでも炭治郎は笑っていた。

 

「冗談でもそんな事いうなよ!お前は生きる!生き続けて、そんでカナヲちゃんと結婚して、子供を育てて!それで「善逸」…何でだよ、何で笑ってんだよ…」

 

「自分の体だから、何となく分かるんだ。もう、そんなに時間が残ってないんだろうな、て」

 

胸ぐらを掴んでいた俺の手を、炭治郎が自分の手を重ねてほどく。視界が歪む。ポタポタと、涙が溢れて止まらなかった。

 

「善逸はさ、いい奴だから。情けない所がいっぱいあるけど、それが霞んじゃうくらいに優しくて、強くて良いやつだから。それに、鬼だった頃から禰豆子を好きだって言い続けてくれたから。俺は任せたいんだ」

 

覚悟が決まっている。そんな音を聴いて、俺は何も出来ない自分が情けなくて、でも、親友の願いを望みを託されて、泣き続けることしか出来なかった。

 

 

 

その言葉から三年後、炭治郎は眠るようにこの世を去った。

 

 

 

 

 

「ままならんかったよなぁ」

 

それからはひたすらに走り続けた。

鬼舞辻無惨の血を多く受けていた鬼は無惨討伐と同時に灰になったのだが血を少ししか受けてない鬼が残っている事が発覚し、鬼殺隊は徐々に規模を縮小させつつも、鬼の討伐を続けた。

その中で俺は雷柱をお館様から任命されて、親友の願いもあったけど、自分の気持ちをちゃんと伝えて禰豆子ちゃんを嫁に貰い、子供が出来て、幸せで、孫が出来て、師匠と同じ歳になり、妻の最期を見送って…

 

「いっけねぇ、湿っぽくなってるな」

 

縁側から庭に出る。友の刀を右の手に、自分の刀を左手に。そして、構える。

 

「獣の呼吸…なんつって」

 

 

 

 

 

とまあ、遊んでいたら何か雷が落ちてきてな?

おかしなもんさ。あの時は晴天で、雲一つなかったのにな?形見の刀で遊んでいた天罰かね?

んで、感電して気を失って気づいたら山の中、身体は全盛期に戻っとるし、隊服を着てるし、友の刀と自分の刀を持ってるしで頭がこんがらがっちまったよ。

そこで数人の子供と会えて事情を聞いたんだけど、ま、その話は追々話してやるとして…

 

まあ、一つ忠告しといてやろう。

 

「形見で遊んじゃだめだぞ、天罰くらって死ぬ思いするから」

 

 

 

 

 

 

これは臆病だった優しい雷の剣士の物語。

彼が居たのは選別の鬼の山、子供達は未来の柱、そこは己の過去と似かよいながらも別の過去、服のボタンをかけ間違えたような、でもそれが正しい世界。

彼が世界を歩き、聴く音は一体どのような音色だろうか?

 

 

 

 

「助太刀感謝する。俺の名前は錆兎、後ろの2人は義勇に真菰だ」

 

 

死ぬはずだった者達との邂逅

 

 

「僕の名前は煉獄千寿郎、こっちは弟で継子の杏寿郎だ、よろしくね」

「杏寿郎だ!よろしくお願いする!」

 

生まれが逆転した兄弟

 

 

「僕の名前?無一郎だよ。そして、俺が有一郎だ」

 

 

一つの身体に二つの心を持つ者

 

 

「行きましょう、しのぶ」

「分かってるわ、カナエ」

 

 

姉妹であれど、双子になった者

 

 

「悪鬼滅殺…忍とは影なり」

 

 

地味な忍者

 

 

「私が長女の禰豆子です!こっちは兄の炭治郎!」

「…こんにちは、炭治郎です」

 

 

性格に差異がある者

 

 

「なに?あんた、ぶっ殺されたいの?」

 

 

性別も性格に変わってしまった者

 

 

 

さあさ、舞台の幕が上がる。

神か閻魔のいたずらか、どうして剣士がこの場に居るのかは、誰も知らない、分からない。

さりとてやる事、変わらず、変えられず、己の刃をその手に持ちて、変えてみせよう惨劇を。

 

悔いの残らぬ人生を、今ひとたびと、歩み行く。

心やさしき雷剣士、悲しき運命(さだめ)を断ち切りて、それらをもって終いとしよう。

 

 

 

 

 

「さーて、いつまでも悩む程若くもないし、何処まで通じるか分かんないけど、死なない程度に頑張りますかぁ!」

 

 

世界も時間も違えども、雷の剣士は再び駆ける。

今度こそ、周りの人々から少しでも良いから幸せの音色が聴こえる事を、世界が違えど友を救える信じて。

 

 

 

 

 




話が思い付いたら続くかもしれないかも。
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