雷の剣士、時間も世界も超越す   作:かーねーごーん

6 / 6

大正こそこそ話

本作の善逸が冷静に考察したり、ハチャメチャな思考をしたりしているがこれは肉体に精神が引っ張られている状態だからである。
本来ならそれなりに歳をとった善逸はしっかりと考え行動出来る大人になったが肉体が若返った事で頭の回転が早くなり、不安な予想をすぐにしてしまうようになってしまった。


いざ、産屋敷家へ

ふと、外を見ると時は既に昼を迎えていた。

善逸と出会ったのは夜明け前、あまりにも、あまりにも衝撃的な内容に小金井は終始驚き、憔悴していた。

 

 

「鬼舞辻無惨の討伐に成功した、未来…」

 

 

善逸から語られた数々の話、善逸は本来であれば五十は越えた歳であり、藤襲山には何故か若返り隊服を纏って立ち尽くしていたこと。そこから下山し、私達の前に現れて今に至る。

そして知らされる上弦の月の鬼達の姿や能力、これから起こるであろう事態、彼の知る限りで犠牲になった者達、痣者、赫刀、さらには無惨の能力まで、鬼殺隊の柱である自分ですら知らなかった、いや、鬼殺隊が知らない事まで話されて。

 

 

「信じらませんよね」

 

 

軽く思考停止してしまった私がハッと前を向くと、悲しげな目をしながら、それでも微笑みながら善逸はこちらを見つめている。

 

 

「馬鹿な話だと、俺でも分かります。けれども、俺が柱に就任した代で滅ぼし尽くした鬼があれだけいて、俺自身も二十代。己の時だけ巻き戻されたものかと思いましたが、どうやらそれも違うみたいだ」

 

 

善逸は自身が雷柱に任命された時に歴代の鳴柱を確認したという。そこには先代の鳴柱、桑島殿の名前はあったが私の名前は無かったそうだ。

 

 

「俺が話した内容は、貴方には、貴方達には信じられない出来事だ。だからこそ、信じて欲しい。これからを、此処から、この時から変えるために」

 

 

正座をし、姿勢を正した善逸はそのまま床に頭をつけんばかりに頭を下げる。

 

 

「悲しみを、これ以上増やさない為にも、どうか」

 

 

その姿に重なるように見えたのは、私に想いを、願いを託して逝ってしまった者達の姿のような気がして、私は彼から目が離せなかった。

 

 

 

場面転換

 

 

 

「ほぅ、それは本当なのかな?」

 

 

夕焼けが空を綺麗に染める頃、鳴柱の担当をしている鎹鴉からの伝言を聞き、私は複雑な感情をもて余すことになった。

嬉しい、気味が悪い、驚き、疑問、興奮、嫌疑、いろいろと混ぜ回した感情がぐるぐると渦巻いていく。

 

 

「これは、是が非でも会わなくちゃならないね」

 

 

歴代の産屋敷当主ですら知らない事を知る者、善逸。

自身の直感が告げてくる。この自分が当主であるこの時代はかなりの波乱に満ちるであろうことが。

その波乱の果てに、何が起こるかは分からないがそれでも願って止まない事がある。

 

 

「必ず、必ず終わらせてみせる。私の代で終わらせてやるぞ、鬼舞辻無惨」

 

 

呪いで皮膚が爛れ、見えなくなりつつある視界。

だがその瞳に消えることの無い憎悪の炎を宿して、産屋敷輝哉は広がりつつある夜の闇を睨み付けた。

 

 

場面転換

 

 

夜の闇のなかを二つの影が駆けていく。

二つの黄色の羽織はその速さもあって不規則にはためき、雷が地上を走っているように見えた。

 

 

「大丈夫ですか?善逸さん」

「これくらい、問題ないですよ。小金井さん」

 

 

息を乱すことなく、駆け抜ける二人はある場所を目指していた。日が暮れた頃に二人の元に鎹鴉が訪れ、その流暢な言葉使いに産屋敷家が直接遣わした鎹鴉と分かった二人はその内容に驚愕した。

 

 

「鳴柱小金井、最優先任務として、藤襲山に現れし鬼殺隊員を連れて産屋敷家に出頭せよ」

 

 

此処で驚愕したことは二つ。

一つは柱直々に善逸を連れて来いということ。

二つは善逸は藤襲山に来て一日か二日しか経っていない、にも関わらず直接呼び出しをしてきた事。

産屋敷家の当主には先見の明、良く当たる勘があることを知る善逸と小金井ではあったが、二人が抱く思いは全く正反対ともいえた。

小金井はお館様への尊敬の念を、善逸は予知じみた行動に恐ろしさを。

 

 

そんな心情をお互いに顔には出さずに、

産屋敷家への案内役の隠に合流すべく、双雷は駆けた。

 

 

場面転換

 

 

(ああぁああぁぁあ!?いきなりお館様に呼び出されるとか!?本気か!?正気なんですか!?正直いうけど今の俺って身元不明の鬼殺隊員だぞ!?は!まさか、裁判が開かれるとか?あり得る、あり得るぞ!)

 

 

目隠しをされた状態で産屋敷家に向かう隠に背負われながら、必死に考える。いや、不安しかない。

正直に小金井には自身の持つ情報の殆どを話した。

これに後悔はない。例えあの場で謀ったと言われて切られても…いや、そうなったら全力の霹靂一閃・神速で逃げ出したが。

それでも産屋敷家や煉獄家に話が伝われば無惨討伐の一助になる筈だから。

無惨が討たれる前だったかに、炭治郎に聞いていた話がある。うろ覚えではあるが煉獄家に伝わる手記だったか指南書だったかに始まりの呼吸、日の呼吸の使い手について書かれていたらしいというのを。

ならば、産屋敷家にもある筈なのだ。

始まりの呼吸に始まりの剣士、痣や嚇刀に関する文献が。それがあれば自分の話が真実であると分かる筈だ。

 

 

(いや、でも待て。そんな文献があればもっと早く無惨が討てた可能性があるよな?どうして…あぁ、そうだった。爺ちゃんが話してくれたっけ。長い歴史の中で鬼殺隊が何度か壊滅的な被害を受けたって)

 

 

身体が若返っているせいか、歳を重ねてきて耄碌し始めていた記憶がいろいろと鮮明に甦る。

若かりし日の思い出。泣き虫な自分を鍛えてくれた師の言葉。親友達と駆け抜けた日々。妻に初めて会った時の衝撃、我が子を抱いた感動…

 

 

(…て、違う違う、今考える事はそうじゃない。今後の事だ)

 

 

修行時代に爺ちゃんが話してくれた内容。

鬼殺隊が壊滅的な被害を受けた、というなら産屋敷家も存続出来ていたとはいえ無事ではなかった可能性がある。恐らくだがその際に失伝してしまったのではないだろうか。

他の者達についても存続出来なかったのもあるだろうが長い年月のせいで伝えきれなかったのかもしれない。

代を重ねすぎたのも原因だろう。

 

 

(クッ…こんな事ならもっと真面目にお館様や炭治郎から聞いておけば良かった。いやでも今、この状態が異常事態なんだからどうしようもないか)

 

 

まさか自分が若返って時代も遡って、もう一度鬼を刈る事になるなど誰が予想できようか?いや、誰も出来ない筈だ。お館様にも無理だろう。出来たら恐ろしすぎる。

 

 

(あああああ!やっぱりお館様は恐ろしいに帰結するじゃんか!くそぅ!こうなりゃ腹括るしかない!頑張れ俺!やれば出来るぞ俺!長男かどうかは分かんないけどやるしかないぞ俺!)

 

 

若死にしてしまった親友が言っていたような記憶がある言葉を胸のうちで叫びながら覚悟を決めようとして決めきれない善逸であった。

 

 




やべぇ、半年経ってるのにこれだけしか書けてない。
想像力、想像力を高めなければ…( ´-ω-)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。