捏造設定、御都合主義は大好物の作者です。
駄文ですがどうぞ。
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・・・・・・。
・・・・・・・・・。
ああ、またこの夢か。
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・・・・・・・・・・・・・・・。
「ぎゃあああっ!!」
「γ(ガンマ)型だ!近付けるな!!」
「ちくしょう!飛び跳ねまくって狙いが!」
「マザーシップが主砲を撃つぞ!!」
「退避!退避だ!」
上空に停滞するマザーシップが主砲にエネルギーをチャージし始め、地上が薄緑色の光に照らされる。
しかし地上の敵は攻撃の手を緩める事はない。
恐怖を感じない侵略型外来生物達は主砲の破壊予想範囲から必死に逃げる者達を追い、その背後からシールドベアラーによって守られた武装したエイリアン達がプラズマ砲等で追撃して来る。
主砲が放たれ、直下にあった団地群は瓦礫に姿を変える。
「俺は五人兄弟だった!でも今は一人っ子だ!!」
そう声を上げながらレンジャーがショットガンの連射で近付いて来るエイリアンの装甲を削って行く。
「お前が生き延びて両親の面倒を見てやれ!!」
その削れた装甲にスナイパーライフルやアサルトライフルの弾丸を叩き込み装甲に穴を開けて行くレンジャー部隊もいた。
『こちら輸送機ノーブル!エアレイダー、新しいビーグルを持って来た!』
上空を飛び交うドローンの大軍を掻い潜り飛来してきた輸送機が発煙筒とビーコンで合図をしたポイントに輸送コンテナを投下する。
『もう一台ある!すぐに持って来るぞ!』
輸送機ノーブルは戦闘空域から離脱しコンテナは落着と同時に内側から解放され、中に格納されていたコンバットフレーム・ニクスに乗り込む。
OSを立ち上げ、戦闘モードに移行。
マシンガンと火炎放射器で近付いて来る侵略型外来生物の群れや武装した巨大エイリアンを死骸に変え、レンジャーとタイミングを合わせてシールドベアラーのシールド内に飛び込みシールドベアラーを破壊する。
残弾がレッドゾーンに入る手前で要請した次のコンバットフレームが投下され、残弾が尽きると同時に新しい別武装のコンバットフレームに乗り込みミサイルランチャーのターゲットをドローンに合わせてミサイルを発射する。
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
・・・。
生存の危機と判定。
全制限を無期限無制限解除。
前世の経験を人格に影響のない範囲で上書き。
どこかで聞いたことのある様な無いような声がどこからか聞こえた気がした。
「うっ・・・・?」
意識をゆっくりと取り戻した。
全身が痛い。
辺りを見回す。
地下を流れる川の中洲の流れ着いたようだ。
全身が中途半端に痛いが幸にして折れている様子は無い。
「・・・・EDF・・・」
思い出す。
前世と言うべきか。
プライマー大戦を中心とした記憶で名前等を含めた戦前戦後の記憶は細かく思い出せない。
今世の記憶ははっきりしている。
先ほど聞こえたような気がする言葉の内容からすると、今世の人格に影響せずに記憶を思い出せるようになったのだろうか。
「・・・・・そうだ、アーティファクト・・・いや、エアレイダー装備・・・!!」
落下の衝撃で脱ぎ掛けたヘルメットを装着し直す。
レーダー表示は正常だ。
だが・・・。
「少し離れたところに・・・いるな・・・」
レーダー圏内に2体、圏外に複数の光点が表示される。
「今いる場所は川の中洲・・・深さはよく分からないけど、取り敢えずは安全か・・・?」
そう一人呟き、所持品の再確認を続ける。
少し水に浸かっていたからか、アーティファクト本体・・・いや、エアレイダー装備の重要な物が入った背嚢のどうやっても開かなかった口紐が水でふやけ、解け掛けている。
近くに落ちた配給の短剣でその口紐をこじ開け、中身を取り出す。
「やっぱり・・・」
エアレイダーがEDFの通信回線や支援要請に使う背負型の通信装置だ。
水に浸かっていたが、その程度で壊れるやわな代物ではない。
何せ敵の砲撃の直撃を受けても機能するEDFのオーバーテクノロジー感満載の代物だ。
前世の記憶通りにいくつかのチェックをし、背負い固定する。
「さて・・・駄目だろうが試してみるか・・・」
支援要請の中から試しに適当に砲撃要請をする。
『支援砲撃は難しい状況です』
「!?」
通信機から反応があった。
記憶を頼りに通信回線を開く。
「誰かこれが聞こえるか?聞こえたら応答してくれ」
しかし反応はなく、いくら試しても雑音のみが流れる。
試しに次は空爆要請を行うが同じ音声が流れただけだ。
自動音声による応答なのだろうか、そもそもどこから発信されているんだろうか?
いくら考えても答えは出ず。
ヘルメットのフェイスシールドに表示されている装備武器を試しに選んでみる。
カチャッと足元から音がし、見れば選択してみたリムペットガンが転がっていた。
仕組みはわからないが有難い。
リムペットガンを構えて中洲から腰まで浸かる深さの川を越え、対岸に辿り着く。
「この向こうにいるな・・・」
大きな岩の反対側から少し離れた場所に敵性反応の赤い光点が一つある。
その光点は何かを探しているかのように特に目的地を定めた動き方をしていない。
匍匐前進で場所を移り、岩の陰から双眼鏡を使い様子を見る。
「狼か・・・?」
少し安心するがすぐに思い直す。
なんせここは魔物が徘徊する階層のかなり下の方だろう。
それにあの狼には尻尾が二本ある。
視線をフェイスシールドのゲージ表示にやればまだアーマー表示は少ない。
「・・・ドローンの攻撃一回も耐え切れない数値なんて心許ない・・・」
そうなればやることは一つ、アーマー稼ぎである。
「まずは戦術の確立だな・・・」
プライマーや侵略性外来生物や巨大怪獣とも言うべきエルギヌスやアーケルスとも異なる敵であり、どのような攻撃をしてくるか不明だ。
「・・・・悩んでいても始まらない、やるか」
頭の中で立てた作戦に従い時間をかけて準備をする。
「よし、上手くいってくれよ・・・」
リムペットガンを構え、射線上に狼のような魔物・・・二尾狼を捕らえる。
パスッと軽い音と共にリムペットガンの弾丸である超小型の吸着爆弾が飛び出す。
「ちっ、外したか・・・」
外した爆弾の起爆装置を無効にし、再度撃つ。
「・・・・やっぱ、勘が鈍っているな・・・」
再び外し、起爆装置の無効化を繰り返す。
次第に勘が戻って来るのを感じる。
「よし、もらった・・・!」
パスッ!
吸着爆弾が二尾狼の胴体に吸着し、チカチカと起爆可能を知らせる赤い光の点滅を繰り返す。
二尾狼は突然の事に戸惑ったようだが、すぐに警戒態勢になり辺りを探る。
今まで嗅いだことのない匂いを嗅覚が感じ、すぐさま戦闘態勢に入り一直線に獲物に向かって駆け出す。
「起爆!」
ピッ。
リムペットガンの起爆スイッチを押す。
ボンッ!
吸着爆弾が爆発し、二尾狼は突然の事に戸惑う。
深部層の魔物に相応しく、リムペットガンの一発の爆発では軽い怪我を追わせた程度に過ぎなかった。
しかし二尾狼の殺意は増し、武一に向かってその尻尾から電撃を放射してきた。
「電撃か!エルギヌスを思い出すな!」
リムペットガンを再び構え、乱射する。
吸着爆弾は地面に吸着し、起爆スイッチによって爆発する。
二尾狼はその爆発を警戒し、迂回するように爆発を避け移動する形になる。
「かかった!!」
ピッ。
別のスイッチを押す。
カシャカシャカシャッ!
複数の場所から機械の作動音がする。
そしてその装置の配置は二尾狼を囲う形で三ヶ所に配置されている。
セットアップが完了した装置・・・火炎放射セントリーガンFZ-GUN MXは二尾狼をセンサーで捉える。
ゴオオオッ!
真っ赤な炎を勢い良く吐き出し、二尾狼を生きたままバーベキューにし始める。
二尾狼は突然の炎に逃げようとするが索敵センサーによって自動追尾する放射口からは逃れられず、丸焼きになっていく。
フェイスシールドに倒れた二尾狼からアーマーと修復剤が飛び出すように表示される。
「おお、意外と多い!やっぱり強い敵からは多くドロップするのか・・・」
火炎放射の必要がなくなり、処理用のスイッチを押すと火炎放射は終了しFZ-GUN MXの役目は終わる。
同時にフェイスシールドの右下方に表示される選択している武装がリロードを開始し終了するまでの所要時間をゲージ表示する。
アーマーを回収し、これを何度か繰り返す。
「腹減った・・・」
戦闘に明け暮れ、大事なことを失念していた。
食料が無い。
元々日帰りのような訓練だったから食料なんかは持ってきていない。
せいぜいが水筒で、それも革の物で入る量はそこそこ。
エアレイダー装備に着替えた時に捨ててEDF制式装備の濾過装置付きの水筒で綺麗な水にありつけるが食料はない。
それに・・・
「やばい、寝る場所を考えていなかった・・・」
ハジメがいれば錬成で何処かに穴を掘ると言う手も使えたが、今のところセンサーに反応はない。
「まさか、死んじまったとか・・・・?」
最悪のケースを想像する。
「いや、そうと決まったわけじゃない・・・」
事実、武一は川に流されハジメと相当距離が離れて、レーダー圏外のような状態であった。
岩に隠れて寝ようかと考えている時、ふと思いついた事があった。
「物は試し・・・やってみよう・・・!」
装備選択の項目で武装類の項目からビーグル要請の項目に切り替える。
目的の物を見つけるとそれを選択し、要請する。
ボウンッ、とそんな音と煙と共にそれは武一の目の前に現れた。
そのビーグルのシリーズ名はデプスクロウラー。
EDFの四足歩行戦車とも言えるビーグルであり、何故か地底でも要請できるのだが地上で要請する際には他のビーグル同様に輸送機がコンテナを輸送し指定の場所に投下してくれるのだが地下で要請すると煙と共に現れると言うEDF七不思議の一つとしてエアレイダー仲間の間で語られていた。
プライマーの物質転送技術を鹵獲して使っていると言う真偽不明荒唐無稽な噂話も聞いた事がある気がする。
乗降口を開き乗り込み、座席に座る。
「ふー・・・」
長時間の任務にも耐えられるように設計された座席の懐かしい座り心地は心地良かった。
内側から乗降口を閉め、記憶を頼りにデプスクロウラーを起動させる。
室内灯が灯り、いくつかのディスプレイモニターや計器類が光を灯す。
「確かここに・・・」
車で言うダッシュボードを開くと高カロリーの戦闘糧食・・・早い話がレーションがいくつか入っている。
それを一つ鷲掴みにし、包装を破り齧り付く。
「美味い・・・!!」
懐かしい味を噛みしめ、腹を満たした後に睡魔に負け、そのまま眠る。
「こっちは行き止まりか・・・」
レーダーに適性反応を検知したらその魔物を倒しアーマーを稼ぎ、疲れたらデプスクロウラーの中で眠る。
デプスクロウラー内のレーションが尽き、別のデプスクロウラーを要請するとその中にはちゃんとレーションが用意されている。
食料と飲み水には事欠かず、探索とアーマー稼ぎを同時に進めて行き壁に辿り着いた。
「ここまでハジメの反応はなかった・・・と言う事は、もう死んでいるか他の階があれば移動したか、ただのレーダー圏外か・・・」
デプスクロウラーに乗り込み、来た方向とは真逆の方向に向かう。
位置的に最初に魔物と遭遇した場所に戻り、そこを起点に今までとは逆方向に探索を進める。
魔物と遭遇すればいつも通りにアーマーを稼ぐ為に魔物を殺し、疲れたらデプスクロウラーの中で眠る。
「ん・・・?」
デプスクロウラーの大型ライトが照らす地面の一部が周りの色と異なる光景がモニターに映った。
そこに近付き、降りて変色した地面を触る。
「・・・・血?もう乾いているな・・・。相当量の出血だ・・・。これは・・・!?」
地面を染める血の中に布の切れ端のような破れた何かがあった。
「・・・・服の一部か・・・?」
辺りをデプスクロウラー内部から持ち出したライトで照らしながら見る。
レーダー上では索敵範囲内に適性反応が表示されているが幸にして近くにはいないから比較的安全が確保されている為ゆっくりと辺りを捜索できる。
「穴・・・?」
デプスクロウラーを降りた時には気付かなかったが、近くに不自然な穴が開いている。
人が一人潜っていけるような小さな穴だ。
ライトで穴の中を照らすと血痕が奥まで続いて入る。
意を決して穴に入っていく。
センサーに友軍反応はないし一般人を表す白い光点もない。
先程の大量出血の痕跡から重症を負ったのは間違いない。
いつライトがハジメの遺体を照らすか覚悟を決めながら進む。
しかしハジメの遺体はなく、少し広い空間に出た。
地面には穴が開いており、勢い良く飛び出していたら落ちて穴の中の尖った岩に串刺しになっていたかもしれない。
穴の近くには何かの骨が無造作に散らばり、地面には何かの図面のような物が描かれている。
「・・・・これは、銃の設計図なのか・・・?それに、この食い終わった後のチキンの様に捨てられた骨の山・・・」
座学を思い出す。
魔物の肉は有害であり、人が食べれば命を落とすと。
「ハジメが食ったなら、耐性があったとかか・・・?」
少なくともここにいて生きながらえていたのがハジメの可能性が大だ。
少なくともこの世界の住民に銃の知識はないと思われるからだ。
すぐに引き返し、デプスクロウラーに乗り込む。
武装システムを起動し、ガトリングを短時間だけ撃つ。
すぐにデプスクロウラーから降り、耳を澄ませながらレーダーを監視する。
赤い光点が幾つか移動するのが見えるが青や白の光点は皆無だ。
今まではあまり音を立てるのは何処かにいるハジメを魔物の脅威に巻き込む可能性を考えて危険と思い、火炎放射型のセントリーガンか小爆発だけ起こすリムペットガンを使っていたが銃をもし完成させているならば身を守る事はできるだろう。
ならばこっちも音を出してハジメに気付かせる方法も取れるし効率的にアーマー稼ぎが出来るだろう。
そう考え、再度デプスクロウラーに乗り込み赤い光点を発見次第ガトリングガン、時にはラピッドバズーカを使い魔物を効率よく殺しアーマーに変える。
上に行く階段は見つからなかったが下に行く階段は見つかった。
その時点で既にレーダーに表示される赤い点は無くなっていた。
この階を探し尽くし、上に行く通路や階段は無かった。
デプスクロウラーならば壁面をよじ登って上層の階層まで行けるだろうがそれはハジメを見つけてからだと決意し、デプスクロウラーに乗ったまま下層へ降りる。