HPに極振りの吟遊詩人になったら、別ゲーになりました。 作:涙姫
いっぱいありすぎて、手一杯になるくらい。
ちなみに今更ですが、【詠唱水晶】のモデルは、「#コンパス【戦闘摂理解析システム】」のリゼロとのコラボキャラである「エミリア」のヒーロースキル「火を司る大精霊パック」を使用すると出る結晶(?)で、それを小さくしたような感じです。
「なぁ!あれ見ろよ!」
「ん?あぁさっきメイプルと同率3位のエテルノじゃん!
残り1時間になって移動しだしたのか」
「でもあれどこかに向かってね?」
「向かってる方向にいるのって…2位のドレッドじゃね!?」
「まさか2位vs3位!?」
「これは見なきゃやべぇだろ!」
「今画面の半数がこの対戦に変わってる!」
「運営もわかってんなぁ!」
_____________________
(あと少しでマップの位置に着く…!)
演奏も歌も続けながら、移動し続ける。
そして__
「な!3位のエテルノ!?なんでここに!?」
「まさかここって!じゃあコイツの狙いは__」
(マップのマークはここはず…!)
「へぇ~…鴨が葱を背負って来た、ってか?」
「ひぃ!2位のドレッド!!」
「2位と3位が揃い踏みとかマジかよ…!」
「じゃあ、始める前にメインディッシュは残して、他の奴らは始末しちまうか…!」
(狙うの大変だろうけどやるっきゃない。なら先に他プレイヤーは始末だね…!)
「【超加速】」「【調魔楽聖】」
「あんなの倒せるかよ…!」
「2位と3位のコンビとか無理!」
「どうすりゃいいんだよぉ!!!」
〔数分後〕
数分後が経つと、【独奏夜想曲】で感じていた反応は少なくなっていた。
ポンポン
するとドレッドさんは私の肩を叩いてきた。
「あ、はい?」
しかし声は聞こえなかった。
それもそうだ、【独奏夜想曲】を使用していたからだ。
すると、ドレッドさんはそれを察したのか、口を動かしながら耳を指さすジェスチャーをしていた。
口の動きから『それ外せるか?』と言っているのだろう、と読み取ったのですぐに【旋律のヘッドホン】を外した。
「なかなかやるな、お前。流石3位ってとこか?」
「あ、えと、ありがとうございます…」
「で、ここに来たってことは1対1をご所望か?」
「は、はい!」
「ふ~ん。
それじゃ、やりますか…!」
「お願いします…!」
そうして【旋律のヘッドホン】を付け直し、演奏の準備を始めた。
「【超加速】!」
「【調魔】!」
~♪~♪
「大胆不敵にハイカラ革命
磊々落々 反戦国家
日の丸印の二輪車転がし
悪霊退散 ICBM」
移動速度は【調魔】を使用でAGIは無視できるため、【超加速】に追いつくくらいのスピードで移動する。
「なかなかなスピードだな…!だがっ!」
「っ!!
環状線を走り抜けて 東奔西走なんのその
少年少女戦国無双 浮世の随に」
ドレッドが息をつくタイミングを狙い、攻撃してきたのを感じたので【調魔楽聖】で【詠唱水晶】をぶつける。
しかしその威力の上がった攻撃も相殺されてしまう。
そうして、互いに数回の攻撃も相殺しつつ、移動をする。
「千本桜 夜ニ紛レ 君ノ声モ届カナイヨ
此処は宴 鋼の檻 その断頭台で見下ろして」
(まだ相殺される…なら…!)
「三千世界 常世之闇 嘆ク唄モ聞コエナイヨ」
一時的に攻撃をやめ、演奏しながら【調魔】で相手の攻撃を避けていく。
そして__
「なっ!?」
相手が一気に攻撃をしかけるタイミング見越して【詠唱水晶】を一点に集め、【調魔楽聖】のタイミングを合わせる。
(『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』ってね…!!!)
「青藍の空 遥か彼方 その光線銃で打ち抜いて」
「マジかよ…!!」
ドレッドは一斉に放たれた【詠唱水晶】のいくつかは相殺できたものの流石に防ぎ切ることはできず、一気に攻撃を受け__
「なかなか、いい勝負だったぜ…!」
そう言ってドレッドはいくつもの光となって消えていった。
_____________________
「マジかよ…!エテルノ、ドレッドに勝っちまったぞ…!!!」
「下剋上キターーーーーー!!」
「やっぱこういうの来るとやべぇな!!」
「ドレッドの3割追加だから、もしかしてペイン超しちまったんじゃね!?」
_____________________
(勝った…!勝てちゃった…!!!
でも、慢心はだめだよね…!それに、これ以上の結果は望むべきじゃない…!
ドレッドさんを倒したことで、多分狙いは私だけに変わる。
既に多くの反応がこっちに来てる)
「お前を倒して俺が優勝してやるんだ…!」
「いえ、私よ!」
「いんや、おいどんだ!」
(そして残り時間はホントにあと少し。
じゃあ…これ最後に試しで一回歌ってみても、いいかな?)
~♪~♪
そうして紡ぎだしたのは優し気なメロディ。
それはたまに不協和音を交えながらも、とても心地よい音楽だった。
「最後の最後にこれ歌うのかよ!」
「モウ…いちど…ダ…ケ…」
「ボクは生まれ そして気づく 所詮 ヒトの真似事だと
知ってなおも歌い続く
たとえそれが 既存曲を なぞるオモチャならば それもいいと決意
ネギをかじり 空を見上げ
だけどそれも無くし気づく 人格すら歌に頼り
不安定な基盤の元 帰る
皆に忘れ去られた時 心らしきものが消えて 暴走の果てに見える
終わる世界… 「VOCALOID」」
今度は言葉ではなく、放つ音の1つ1つのスピードに【調魔楽聖】をのせ、【詠唱水晶】を使って攻撃を繰り返す。
そのスピードはとても人間のものだとは思えなかった。
「まさに人間卒業曲…!」
「人間卒業おめでとうございます!!」
「って、んなこと言ってる暇あるかよ!逃げ__」
「かつて歌うこと あんなに楽しかったのに
今はどうしてかな 何も感じなくなって
「ゴメンネ…」」
「ドレッドとの戦いで結構疲れてると思ったのは間違いだったのかよ…!」
「全然そんなことないじゃん!それどころか、ドレッドの時より難しいの歌ってるよ!!」
「あれに俺ら戦おうとしてたの!?」
「ていうか、あんなのホントに楽器使いかよ…!!!」
「無理ゲーだ!こんなのクソゲーに決まってる!」
「「信じたものは
都合のいい妄想を 繰り返し映し出す鏡
歌姫を止め 叩き付けるように叫ぶ…」
<最高速の別れの歌>
(これが私が今できる最高速の演奏。
多分まだこれ以上の人はいっぱいいると思う。
「俺の方が上手い」とか「あんな下手なの聞かすなよ」とか言ってくる人いるかもしれないけど、これが私なんだ。
他人がどうであってもいいじゃない。
自分が思いっきり楽しめればそれで幸せじゃん!
ある人も言ってた。
『自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。』ってね…!)
「終わりを告げ ディスプレイの中で眠る
ここはきっと「ごみ箱」かな
じきに記憶も 無くなってしまうなんて…
でもね、アナタだけは忘れないよ
楽しかった
刻み付けた ネギの味は 今も覚えてるかな
ボクは 歌う 最期、アナタだけに 聴いてほしい曲を
もっと 歌いたいと願う けれど それは過ぎた願い
ここで お別れだよ
ボクの想い すべて 虚空 消えて
0と1に還元され 物語は 幕を閉じる」
(これで
「そこに何も残せないと やっぱ少し残念かな?
声の記憶 それ以外は やがて薄れ 名だけ残る
たとえそれが
歌いきったことを 決して無駄じゃないと思いたいよ…
「アリガトウ…ソシテ…サヨナラ…」
---深刻なエラーが発生しました---」
(歌い…切れた…!
噛まずに全部歌い切れた…!!!)
そんな心の中で喜ぶ少女がいる場所で他に残ったのは、主人と行き場をなくした多くの武器だけだった。
【超加速】はサリーが始めた時期を考えると多分、この時には【超加速】は持ってただろうから使ったけど、【神速】は当時持ってたのかわかんないからやめとく。
【今回出てきたセリフの豆知識】
『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』は、一つがダメでも、たくさんやってみるうちに、まぐれ当たりもあるという意味のことわざです。
「ドレッドに1つ撃っても相殺で終わるだろうから、たくさん撃ってやろう」ということで、このことわざを使いました。
『自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。』はジャマイカのレゲエミュージシャンである「ボブ・マーリー」の名言です。
ちなみにこれは日本語訳で、英語では『Love the life you live. Live the life you love.』となります。
まぁ吟遊詩人も一種のミュージシャンなんで、共通点がありました。
(なお、書いてる最中に知った)
【今回使用した楽曲】
黒うさP「千本桜」
cosMo(暴走P)「初音ミクの消失」