HPに極振りの吟遊詩人になったら、別ゲーになりました。 作:涙姫
母親から届いた荷物を受け取り、自室で開封する
ビリビリ
(にしてもお兄ちゃん、ハードもゲームもって良い人過ぎない?
いつか彼女ができても、貢がされる人生送ってそうな気がするんだが)
なんてものすごく失礼なことを考えつつ中身を確認する。
ガサゴソ
まず出てきたのは白に水色のラインの入ったVRハード。
「おぉ~!なかなかにハードのデザインイケてるじゃん!さっすがお兄ちゃん!
そ・し・て~」
ガサゴソ
その次に出てきたのは白に綺麗な緑のグラデーションの竜、そして真ん中に《New World Online》と書かれたパッケージが出てきた。
「結構デザインはシンプルなんだ~。うむ、なかなかに良き。」
そうして鼻歌混じりに説明書を読みながら簡単な設定を済ませる。
「さ~てさて、設定はこれで大丈夫かな?あとはこれを被って~、っと。これで残りの設定しなきゃね。
いざ!ゲームの世界へ!」
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そうしてなんとかハードの設定を終え、
十和は真っ白な世界にいくつもの四角にラインの入ったデザインの入った場所にいた。
そう、《New World Online》の初期設定の開始である。
「あ、身バレ*1防止で髪色と目の色だけは変えれるんだ。他も変えれたら良かったのにな~。
とりあえず何となくで髪の毛真っ白にしてみよ~。
うわっ…ほんとに真っ白、雪みた~い。
目の色~は、そのままでいっか。」
ピッ
「え~っと、次はプレイヤー名か。
本名でやっても良さそうだけど、それだとなんかつまんないしな~…う~みゅ…」
・・・
「十和…とわ……とわは『永遠』って書けるけど…
英語だとエターナルとかフォーエバーだけど、それだと何だかダサいしな…」
・・・
「そういえば永遠ってイタリア語でエテルノだっけ…
………まぁ、それでいっか。
エ・テ・ル・ノ~っと、これでよ~し!」
ピッ ウォン
名前を打ち込むと入力画面が消え、様々な透明な武器が現れた。
「いっぱい武器出たど~!ってことは次は初期装備か」
様々な武器を見つめ、じっくりと考える。
「杖に槍に弓、片手剣、双剣、大剣、メイス、斧…あ、大盾なんてのもあるんだ。
ん~…自分から行くよりは遠距離とかサポートの方が好きなんだよね~。
だからするなら杖か弓かな~って、ん?」
その視線の先にあったのは武器に並んだ異色のもの。
「いやいや、なんで初期装備に交じってんの?
___このハープ」
思わず気になり、詳細を開く。
「えーっとなになに?
《楽器 弓》
これちゃんと武器なのか。そして完全遠距離型。近づかれたら対処できなさそう。
あ、矢撃たずにぶっ刺そうかな……いやダメか。
《楽器があればどこでも楽しく演奏できる》
……それ、何か意味あるのかな?
《ステータスは低めだが、HPは№1》
え、意外。HP、これ1番高いんだ。
HP高いのっていいな。どんなに痛くても死ななきゃ安いし。
某RPGのコマンドにもあるもんね《いのちだいじに》って。
それに楽しそうだし、これにしてみよっと。」
ピッ ウィン
「次はステータス~ってことはこれが最後の設定かな?
ステータスポイント*2は100あって、HP*3、MP*4、パラメータのSTR*5、VIT*6、AGI*7、DEX*8、INT*9に振ることができるってわけか~
こういうゲーム興味はあってもやったことないし、乙女ゲーム*10にもこのタイプのあったけど、こんな感じに振り分けとかの描写なかったし…どうしよ?」
・・・
「物は試しだし、
とりあえず、命大事にしたいからHP極振りしてみよう
__これで!」
ピッ
「いざ!ゲームスタート!」
【今回出てきたセリフの豆知識】
『いのちだいじに』は有名なRPG、「ドラゴンクエスト」のコマンドの1つです。
ほかにも有名なものを挙げると『ガンガンいこうぜ』があります。
この2つのコマンドは大人気ゲームである「スプラトゥーン」のコラボフェスのお題になったことがあります。
なお、その時の結果は『いのちだいじに』の勝ちだったようです。
私は「スプラトゥーン」は持っていませんでしたが、当時ネットで状況を眺めつつ「『いのちだいじに』頑張れ~」と陰ながら応援してました。
また、主人公のサラッと言った、『死ななきゃ安い』は今は『まだ死んでいないのなら、まだチャンスはある』という意味で使われていますが、最初は「GUILTY GEAR」の「チップ=ザナス」というキャラを使うプレイヤーが言った『なんだこのコンボ7割しか減らないのか、安いな』という、装甲の弱さを比喩した言葉でした。
つまり本来は『安くねーよw』というツッコミ待ちのボケでした。
1つのコンボで体力が7割も削られたら心が折れそうですね。そう考えると、実に謙虚な言葉ですよね。
まぁ、今は即死なんていくらでもありますから、命があるだけ幸せですね。