HPに極振りの吟遊詩人になったら、別ゲーになりました。 作:涙姫
多分原作だったらステータスの条件未達成なんだと思うんですけど、今回はご了承ください。
「えっと…」
「ケホケホ」
「大丈夫?」
その部屋にいたのはベッドで座る少女とその少女を介護する母親だと思われる女性だった。
「ごめんね、何もしてあげられなくて…」
「この感じNPC*1…?」
「あの…!」
「は、はい!」
「あなたは騎士様ですか?」
「き、騎士…?」
「騎士様…!」ガシッ
「い、いえ!私はただのプレイヤーで…!
ってNPCだからそんなの言っても意味ないのか」
「お願いします!娘を助けてください!」
「えと、助ける…?」
「何もお返しできませんが、お願いします!どうか!」
ピロリン♪
クエスト〔博愛の騎士〕
「あ、これクエスト発生か。
まぁ、やってみるとしますか!」
そういってクエスト表示の下にあるOKのボタンをタッチした。
「ありがとうございます!
娘の薬が必要なのですが、私一人ではたどり着けそうになくて…
私が案内するので、連れて行ってください!」
「達成条件はお母さんを死なせずに目的地にたどり着くこと、か…指示された場所に一人で行くわけではないのね
わかりました。案内をお願いします」
・・・
「えっと…まず目的地を簡単に教えていただいて大丈夫ですか…?」
「街を出て北西に『退魔の泉』があります。
そこに連れて行ってもらえば」
「なるほど…『退魔の泉』か」ピッ
(マップを見る限り、ここに着くには森を通り抜けなきゃダメなのか。
てことは絶対いるんだろうな、モンスター)
そうして装備を【銀鱗の鍵盤】から【弾奏のギター】に切り替え、森に入っていく。
「この森には恐ろしい怪物がたくさんいるのです。
騎士様も十分にお気を付けてください」
「了解です」
「ガァアアアアア」
「早速来たね」
そうして現れたのはゾンビや骸骨のようなモンスターだった。
「結構厄介だろうけど、頑張ってみますか!」
そう言って【旋律のヘッドホン】を付け、【独奏夜想曲】を発動させた。
~♪~♪
「首吊る前に アンプを繋いで
ストラト背負って クラプトン弾いて
テレキャス持った 学生をシバいて
さあ トリップしよう 愛すべき世界へ」
(クエストで守るってだけだから協力ではないからそこまで会話を気にする必要もないし、この方が逆に守りやすい)
【独奏夜想曲】で一定範囲内の敵味方両方の位置も全て把握しつつ、演奏しながら【詠唱水晶】を操作する。
「はーなんて時代に 生まれたもんだ
ドラえもんは居ないし ポッケは無いし
バカは死なんと治りゃしないし」
「グゥウウウアア」
そうしていると母親に攻撃しようとするモンスターも現れる。
「もう どうにでもなれ」ドカン!
しかし、それを逃すわけもなくギターのネックを持ってハンマーのように振り下ろし相手を叩き潰す。
「天国が呼んでいる
千鳥足でざわつくパーティーピーポーはファックオフ」
そうして順調に母親を守りながら、『退魔の泉』に近づいていく。
しかし不満がないわけではない。
「ガァウアアアアア」
「どうして渋っている 早く音量を上げてくれ」
(モンスター多すぎやしませんかね!!)
「エビバリ
現実逃避に縋れ 縋れ
負け犬になって吠えろ 吠えろ
理想像なんて捨てろ 捨てろ
それが 脱法ロックの礼法なんですわ」
(あ!あそこだ!『退魔の泉』見えた!)
「最底辺に沈め 沈め
社会不適合者に堕ちろ 堕ちろ
自殺点ばっか決めろ 決めろ
それが 脱法ロックの礼法なんですわ」
モンスターのあまりの多さに段々やけくそになりながらも倒して道を進んでいく。
「年中イキっていこう〜」
そして__
・・・
「何とか着いた!
さぁ!着きましたよ!」
【独奏夜想曲】を解除し、母親に到着したことを告げる。
そうすると母親は泉に向かい、容器に泉の水を入れていく。
ピロリン♪
「ありがとうございます!これで娘も助かります!」
「良かったです。
じゃあ、帰りますか」
そう言って、多くのモンスターを倒しながら同じ道を戻り始めた。
6/9 誤字訂正
【今回出てきたセリフの豆知識】
今回もおやすみです。
【今回使用した楽曲】
Neru(押入れP)「脱法ロック」