HPに極振りの吟遊詩人になったら、別ゲーになりました。 作:涙姫
「さてこれでどうなるか_」
「もしかしたら、【祈りの大樹】にいけば…」
「【祈りの大樹】…?」
「遠くの街の近くにあるモンスターが集まる森に【祈りの大樹】という木があり、そこにある条件を満たすと実る木の実には特別な力があるという話を聞きます」
「指輪の時も、遠くの街って言ってたし…ってことは第1層?
モンスターが集まる森ってどこだろ、1層には元々木は多いし
それに近くにある大樹って…?」
「騎士様!よろしければその木の実を探して来ていただいてもよろしいでしょうか!」
「探して持ってくればいいんですね」
「はい、ですが今回は私はお供することはできないのです。
今回ばかりは私も娘のことが心配で…できるだけそばにいたいのです」
「わかりました。必ず探し出してみせます」
「ありがとうございます、騎士様!」
(正直母親連れての冒険は結構怖いしね)
「では失礼します」
「よろしくお願いいたします!」
そうして家を離れ、一度1層の大きな街にに戻る。
「まさか2層に行ってすぐ1層に戻る羽目になるとは。
でも大樹…?とりあえず試しに西の森に行ってみるか。
あわよくば【フォレストクインビーの指輪】もほしいし」
西の森を進んで行く。
「ここでウサギさんと戦ったり、狼さんと戦ったっけ?」
「そうそう、ウサギさんはこんな鳴き声で……って、ん?」
そうして現れたのはお久しぶりの登場、『アルミラージ』である。
「相変わらず可愛いなぁ…って、モンスターだから倒さないとね。」
「ごめんね、あんまり時間は掛けれないんだ。
それっ!」
「どうか安らかに。
でも【詠唱結晶】でワンパン*1か…。流石に矢の時とは違うよね」
そう独り言をつぶやきながらモンスターを倒し、森を進んでいく。
「ここで狼さんを倒して__」
「ここでは蜂さんと戦って、耐性を手に入れたな…」
そうして森を進み、たどり着いたのは1本の木だった。
「そうそう、ここで初めてハープで演奏したんだっけ…」
そう言って見上げると想像以上にその木は大きく、木漏れ日が明るく差していた。
「第1層にある【祈りの大樹】……大樹ってことは大きな木だよね。
……まさか_」ピッ
一度木を調べてみると、そこには【祈りの大樹】と表示がされていた。
「まさかの既に訪れてた。
でも、ある条件を満たすと実る木の実…その条件がわからないんだけど」
そうして【祈りの大樹】に触れると、木々がざわめきだした。
特に強い風が吹いたわけでもない。
なのに、そのざわめきはだんだん大きくなっていく。
「これは、どういう__」
すると、どこからか金色の光が集まり出す。
その光は集まって線や模様を描き、そして木々の木漏れ日が1つ1つの音符となって、大きな楽譜が現れた。
そして、その楽譜の上には少しいびつな形で【プリローダ】と記されていた。
「【プリローダ】…ロシア語で自然…?
これを演奏すればいいのかな…?」
そうして楽譜の前に立つ。
「【開演】」
~♪~♪
優しくそれでいて自然の強さが感じれるように強弱をつけ演奏をする。
しかしそれは決して心地よくはなく、不協和音が響き渡っていた。
演奏をする度に木々はざわめき、何か違うというのを察することができた。
(これ…もしかしてそのまま演奏するんじゃない?)
いびつな形をした【プリローダ】という文字、パッと見は正しそうなのに不協和音が作られていることに注目をする。
(まさか、楽譜を整えるの?)
試しに変に上がっている音などを調整し、演奏をし直す。
するといびつな形だった【プリローダ】の文字は綺麗な形になり、謎の木々のざわめきもおさまる。
(うん、多分合ってる。これを続けてみるか)
そして演奏を行っていくと【祈りの大樹】に1つの蕾ができた。
蕾は一瞬で綺麗な花となり、そう思えばすぐに散り、そこには1つの木の実が生った。
その木の実は一定の大きさになると落ち、エテルノの手元に渡った。
「正解だった…!
これを母親に届けなきゃ!」
今回登場した楽曲【プリローダ】は現実にはない楽曲です。
もし現実にあれば、それとは別の楽曲だとお考えください。
ジャンルはクラシックのピアノ・ソナタです。
(ピアノ・ソナタでは、個人的には「ベートーヴェン」の「月光」という曲が好きです。良かったら聞いてみてください。)
【今回出てきたセリフの豆知識】
おやすみ〜( ˘ω˘ 〜)スヤァ