HPに極振りの吟遊詩人になったら、別ゲーになりました。 作:涙姫
「とりあえず数回、攻撃を受けようか…」
エテルノは演奏を続けつつ、近接攻撃を避け、赤い結晶の攻撃を【和音の障壁】で防いでいた。
近接攻撃によって赤い結晶でできた部屋は傷だらけになっていた。
~♪~♪
「ガアアアアアアアアアアア!!」
(今のところ【和音の障壁】は5回使ってる…)
「流石にこの状況を保つわけにはいかないよねっ!」
そういって『炎獅子』の近接攻撃を、いつものように【詠唱水晶】で防いだ。
しかし__
(え…?)
その威力は凄まじく、衝撃で【詠唱水晶】が砕け散った。
それでも勢いは収まることはなく、エテルノの体の一部を切り裂いた。
そうして衝撃によって、エテルノは壁まで飛ばされた。
その痛みは凄まじく、軽く血反吐を吐きかける程だった。
演奏も痛みの影響で止まっていた。
そうして次に前を見た瞬間、目の前には『炎獅子』が大きい爪をこちらに向けていた。
(あぁ…これは__)
__エテルノに『炎獅子』の斬撃が当たる。
HPのゲージが一気に減少していく。
(選択を間違えたね…
ここで今回は一度負けかな…
まぁ、結構頑張ったよね)
そうして身をゆだねようとした、その時。
言葉を思い出した。
自分を憐れめば、人生は終わりなき悪夢だよ。
(あぁそうだ…)
__HPの減少がほんの少しを残して止まる。
(なんで、諦めようとしてるんだろ。
なにが「頑張った」だ…
まだ目標出来てないじゃん)
__痛みが和らいでいく。
装備の〔破壊回復〕によるHPの回復だ。
(こんなとこで諦めてどうするのよ…
そんなの、かっこ悪い。
できるだけのことはやるんでしょうが…)
__そうしてエテルノは口を開いた。
「【紡がれる詩】」
そう言うと【銀鱗の鍵盤】と同時に【弾奏のギター】が出現した。
「さぁ……反撃の開始だよ…!」
~♪~♪
【紡がれる詩】によって【銀鱗の鍵盤】と【弾奏のギター】を同時に奏でる。
志し固いんだ 邪魔をすれば勿論 排除」
そうして『炎獅子』の攻撃をかわしながら、持っている楽器を【弾奏のギター】に変え、攻撃を繰り出していく。
(…やっぱり楽器2つ分は難しい)
複数の楽器を同時に鳴らすということは、複数の楽器の技術がまずなければできない。
あったとしても同時に鳴らすことは普通行わないため、どうしても集中がどちらかに偏り、その分ミスが増えていく。
逃がさないように切っ先を向けた」
(でも__)
エテルノは笑みを浮かべた。
挑戦的で期待以上に
不利なら不敵に笑って 頂点を
奇抜な野心を乱れた世に
独創的な誇りはとうに
不利から無敵に 撹乱ロマンチスト」
「ガアアアアアアアアアアア!!」
もちろん『炎獅子』もそれで止まるわけもなく、赤い結晶を出して攻撃を繰り出す。
「【和音の障壁】!」
それをエテルノは【和音の障壁】で受け止める。
「ガアアアアアアアアアアアアアアア!!」
それを見た『炎獅子』は即座に斬撃を入れようとした。
その斬撃を繰り出そうとした足をエテルノは【和音の障壁】で吸い込んだ。
4本足で立つ『炎獅子』にそれはとても致命的なもので、上手く着地することができなかった。
また、立ち上がろうとするもバランスを崩し、倒れてしまう。
挑戦的で期待以上に
不利なら不敵に笑って 頂点を
奇抜な野心を乱れた世に
独創的な誇りはとうに
不利から無敵に 撹乱ロマンチスト」
エテルノはそうして1曲の演奏を終えた。
そして次の瞬間には、エテルノの周りには水の塊がいくつも浮いていた。
「ねぇ知ってるかい?」
いくつもの水の塊は多くの槍に形を変えていく。
「ピアノってね、鍵盤楽器でもあるけど、打弦楽器って言って
だからね、【銀鱗の鍵盤】と【弾奏のギター】で弦楽器が合計2つあるんだ」
無数の槍が『炎獅子』を囲んだ。
「さぁこれに耐えれるものなら耐えてみてよ…!
水面の曲よ貫け…!!!【ムジークヴァッサー】!!!」
いくつもの槍が『炎獅子』を貫いていく。
「グルゥウウガァアアアアアアア!!!」
水の槍が『炎獅子』を貫いていく。
その数、計360本。
炎の鬣を持つ『炎獅子』には水の槍1本1本が致命的だった。
そして遂に『炎獅子』の体の結晶が砕け、光となって消えた。
「これ…勝てた…?
勝てたんだよね……
う…うぅううう………
やったぁああああああああああ!!!」
みなさん知ってましたか?
ピアノが鍵盤楽器だけでなく弦楽器にも該当するって。
ピアノの仕組みを簡単に説明すると鍵を押すと、鍵に連動したハンマーが対応する弦を叩き、それで音が出るんです。
なのでピアノは内部構造を考えると、弦楽器でもあり打楽器でもあるんです。
槍の本数は『撹乱ロマンチスト』が3分25秒なので、この数になってます。【奏者の鉄槌】とかもありますから耐えるのは難しくなりますね。
さぁ、運営がんばれ~(棒)
【今回出てきたセリフの豆知識】
『自分を憐れむな。自分を憐れめば、人生は終わりなき悪夢だよ。』は「文豪ストレイドッグス」より「太宰治」のセリフを使用させていただきました。
文ストの太宰は飄々と生きてますが、暗い過去があり、想像以上にすごい人生を送っています。
だからこそ言える深い言葉だと私は考えています。
【今回使用した楽曲】
「戦刻ナイトブラッド」より「撹乱ロマンチスト」