HPに極振りの吟遊詩人になったら、別ゲーになりました。 作:涙姫
そうしてエテルノは討伐した達成感に震えていた。
「やったぞぉ!!私はやったのだ!
私はやればできる子だった!!
やればできる子、YDK!
はっはっはっはっは!
どうだ~!見たか運営!やってやったぞ~!」
そう言って一人ではしゃいでいた。
しばらくして落ち着いたのか、辺りを確認していた。
「さて、歓喜に震えるのはここまで。
さぁさぁ報酬確認~っと。
……およ?」
そうして倒した『炎獅子』のいたところに赤い結晶と炎のような綺麗な緋色の毛皮が落ちていた。
「お、まさかのドロップアイテム?
しかもこれ多分レア素材じゃない!?
超ラッキー過ぎる!」
そう言いながらエテルノは素材を回収した。
「さて次は、宝箱か転移ゲート探しだな。
流石にあの難易度でメダルなしだったら泣く自信ある。
それに転移ゲートなかったら脱出できないしね」
赤い結晶の部屋を歩き回ると案外すんなりと転移ゲートと宝箱が見つかった。
「よっしゃ、宝箱はっけ~、ん?」
その宝箱の近くには物影があった。
「何これ…?卵…?」
その正体は1つの卵だった。
卵は白く、少しの模様が入っていた。
「…何の卵だ、これ?」ピッ
そうして操作して、内容を確認した。
「えっと…【モンスターの卵】、温めると孵化する…ってそれだけ?
もっとこう中身は何、とか…なにかの気配が、とかないのか…」
そうして卵に触れた。
「あ、持ち帰れる。
もしかして、テイム*1できるタイプかな?
とりあえずこれ、宝箱確認してから試しに孵してみるか」
そうして卵を手に持ちながら、宝箱を開けた。
その中には5枚もの銀のメダルが入っていた。
「お~!大量大量!
もうかりまっか~ぼちぼちでんな~、なんてね。
これでメダルが合計7枚か。
うん、順調順調!」
そうしてエテルノは卵を持って移動し始めた。
「孵化方法わかんないから、とりあえずまず某ゲームだと移動して卵孵化させてだっけ?
試してみよう!」
エテルノの卵孵化作戦の開始であった。
~とある場所~
「『銀翼』の次は『炎獅子』がやられた!?」
「なんだと!?」
「『炎獅子』の攻撃力は並大抵のプレイヤーなら即死のはずなんだけど!?」
「貫通攻撃も最大火力にしてあるからメイプルでも倒すのは困難なはずだ!」
「今度は誰だ!?」
「この子だ…」ピッ
映し出された、大きなディスプレイには1人の少女の姿があった。
そう__
「エテルノじゃんか!!!」
「エテルノなら納得だわ…」
「あの音楽の技術力に、膨大なHPの量なら納得だ…」
「いや、エテルノでもあれは倒すのには苦労したんじゃ…」
「いや、【エレメンタルハーモニー】の2回分同時発射だ。
しかも炎属性の弱点になる水属性の【ムジークヴァッサー】だ」
「あぁ…【紡がれる詩】使ったかぁ…
そういえば噂で、ライブしたみたいだったし、取得してるだろうな」
「俺、人数が結構集まってみたみたいで、念のために調整必要かどうかの確認のためにこっそり行ったけど昇天した。
あれはホントに神だった」
「語彙力をなくしたか…」
「ってことは、あそこの【幻獣の卵】も持っていかれたのか!」
「マジかぁ…」
「あそこって確か…」
「確か、あれのはずだ」
「結構まずいことになってないか…?」
「エテルノの分もメダルスキル確認しないと…」
「あぁ…仕事が増えていくな…」
「エテルノちゃんも化け物と化してきたな…」
「わかる、癒しだけどな」
6/30 誤字訂正
7/1 文章の訂正
8/26 誤字訂正
卵孵化っていうと個人的に有名な某ポケットなモンスターを思い出して、それの孵化作業をちょっと混ぜてみました。
まぁあれの卵孵化は選別しまくるとホントに時間かかりますよね。
さぁエテルノちゃんの手に渡ったモンスターとは、これ如何に!
【今回出てきたセリフの豆知識】
特にはないのでおやすみです