HPに極振りの吟遊詩人になったら、別ゲーになりました。 作:涙姫
そして、スオーノの性別が決まりません。
というか、あの世界ってモンスターに性別あるんだろうか…
生まれたばかりのスオーノを肩に乗せ、転移ゲートを通るとその先には草原が広がっていた。
「おぉ~、今度は森じゃないのか。
清々しいねぇ~」
「スガスガシイ?」
「うん、清々しい。
さて、君もレベルアップしないとね。
今回のイベントって、モンスター出てくるのかな…」
そうして歩いていくと、草むらからガサゴソという物音が聞こえてきた。
「なに…プレイヤー…?」
そのまま草むらからの物音が近づいてくる。
警戒しているとそこから現れたのはピンクの体が連なったモンスター、『オオムカデ』だった。
「わお、モンスターいたぁ…
ていうか、もはやこの状況あれかね?
『野生の オオムカデ が現れた』じゃん。
リアルポケットなモンスターのはじまりか…?」
そうこうしていると『オオムカデ』はこちらに近づき、攻撃をしようとしていた。
(これくらいならこの子でも倒せるかも…?)
「スオーノ!【ついばむ】!」
「ピィィー!」
そう言うとスオーノが『オオムカデ』に向かっていくと、くちばしで連続でつついていった。
しかし流石にレベル差があるのか段々スオーノの方が劣勢になっていく。
(ちょっと劣勢だな…ちょっとぐらいサポートしてもいいかな)
「【開演】」
~♪~♪
「【魅惑の旋律】」
演奏を始め、【魅惑の旋律】で『オオムカデ』のAGIを下げ、攻撃回数を一気に減らした。
そうするとスオーノが勝機だと思ったのか攻撃回数が増加した。
しばらくすると『オオムカデ』は光となって消えていった。
「ピィィー!!」
『オオムカデ』を倒したスオーノを見ると、傷つきつつも、すごくキラキラした瞳と一緒に「ドヤッ」と擬音が聞こえてきそう顔でこちらを向いていた。
「すごく満足そうな顔してんじゃん、スオーノ。
そして、すごい子じゃん」
「スオーノ、スゴイ?」
「うんうん、すごいすごい!」
「スオーノ、スゴーイ!」
(なんだろ…なんていうか幼児を扱ってるみたい…)
そうして、遭遇したモンスターをスオーノが倒していった。
……【魅惑の旋律】でこっそりとサポートをしながら。
移動しながらモンスターを倒す。
草原からまた森に入り、しばらくするとレベルが上がり、段々サポートも必要がなくなってきた。
そうして、倒していくと__
「あ、レベル3になったよスオーノ!」
「レベルアップー!」
「うん、レベルアップだよ。
えっとステータスは…うん、順調みたい。
あ、またスキル獲得してる…【休眠】と【覚醒】?」
そうするとスオーノは気になったのか、エテルノの肩に乗り、一緒に画面を確認した。
しかし流石に文字はわからなかったようで、すぐ高く飛び上がり空から周りを見渡していた。
「えっと【休眠】が指令で指輪の中で眠って安全に体力の回復…【覚醒】がそれを呼び起こすってことか。
うん、便利だね。
スオーノ!寝るー?」
「ネルー?ネルー!」
「よし、じゃあ【休眠】」
そういうとスオーノは【絆の架け橋】に入っていった。
「おやすみ、スオーノ」
「ん…?」
スオーノを【休眠】させると、プレイヤーの声が複数近づいていることに気付いた。
あの鳥モンスターを倒せばメダルがもらえるかと」
「ですがそんな姿、今は見えないですよ?」
「一定時間しか姿を現さないのかもしれない…念のため慎重に行こう」
「他プレイヤー…?できるだけ対人戦は避けたいけど、メダル持ちなら倒した方がいいかもしれない…
ちょっと様子見してみるか…」
そうしてこっそりと木々に隠れながら、プレイヤー達を確認する。
そこにいたのは赤を基調とした衣装のプレイヤー。
そして中心にいたのは赤い髪の少女__
__『炎帝ノ国』のミィとその一行であった。
「やばいのに遭遇した…!」
テイムというかモンスターって言うと、やっぱりよくやってきた有名なポケットなモンスターよく思い浮かべるんですよね。
【絆の架け橋】も収納できるボールみたいだなとたまに思います。
まぁあれは基本的には回復方法はないんですけど。
【今回出てきたセリフの豆知識】
『野生の オオムカデ が現れた』は、ポケットなモンスターこと、正式名称ポケットモンスター、縮めてポケモンのバトル画面でのメッセージ、「やせいの ○○○○(ポケモンの種属名)が あらわれた」を基にしています。
ちなみに『あらわれた』ではなく『とびだしてきた』と表記されることもあります。
ポケモン以外でも使用されることが増えていて、まるで原作者(漫画家・アニメーター・イラストレーター)本人が描いたとしか思えないような、極めてオリジナルに似た画風のファンアートのことを「野生の公式」という呼び方がそこから生まれていたりします。
ちなみにドラクエにも敵登場時のセリフがありますが、『○○○○(敵の名称) あらわれた』だけで『野生の』は付きません。