HPに極振りの吟遊詩人になったら、別ゲーになりました。 作:涙姫
「あそこだ」
そうしてプレイヤーに連れられて、森の中に進んで行き、茂みの中に隠れる。
1人のプレイヤーが指したその先には数人の男性プレイヤーに囲まれた一人の女性プレイヤーがいた。
その姿は白髪の腰まであるロングヘア、瞳は黒と青のオッドアイの少女。
とても色合いはエテルノにそっくりだった。
「見た目確かに似てる…でも__」
その視線の先にあったのは少女が装備している、エテルノとは一切違う装備だった。
少女が装備しているのはとても可愛らしくも露出度の高いワンピース。
武器も楽器ではなく、杖を装備していた。
彼女の周りには先程のプレイヤー達と同様なのだろう、少女のことを守るようにしていた。
さらに__
「【ヒール】!
エテルノちゃん、これで大丈夫かな?」
「うん、ありがとぉ!
でもぉ…私のことは『メロディー』って呼んでほしいなぁ。
本垢が戻るまではサブ垢の名前で呼んでもらわないと違和感あるでしょぉ?」
「う、うん…!ごめんね?メロディー」
「大丈夫だよぉ♡」
その少女、圧倒的ぶりっ子なのである。
「あれが、私とか…ちょっと思いたくはないかもな」
そんな姿を見てエテルノは少し引いていた。
「俺らあんなのについていってたのか…?」
エテルノを案内した数名のプレイヤーも思考が現実に戻ったのか引いていた。
「えっと、エテルノ様どうするおつもりで…?」
「う~ん、とりあえず__」
そうしてエテルノは笑顔を浮かべながら、茂みから飛び出した。
「__正面突破で」
ようやく姿を現したな…!」
「メロディー、お下がりください…!ここは私達が…!」
「ううん、私も戦うっ!
私だけがなにもしないなんてぇ、ありえないでしょぉ?」
「メロディー…!」
「あ、そういうのはいいんではやくしてくださーい」
「空気は読むものじゃなくて吸うものなので」
「で、私が偽物だって?」
「そのアカウントは彼女の頑張ってきた結晶なんだ…!」
「それを奪うなんて…!」
「お前ら人間じゃねぇ!!」
「みんな…!」
「あ~…悲劇のヒロイン役、お疲れ様です」
「まず今更なんだけどなんで私『偽物』って言われなきゃいけないわけ?」
「それに歌も上手く、歌い方もそっくりなんだ…!
どこに疑う要素がある…!」
「ふ~ん…じゃあ『生体認証』はどうするの?」
「認証…?」
「ゲームの説明書に書いてなかった?
『生体認証』必要なんだよ、このゲーム。
1人1人姿も形も違うんだから、それに合わせて操作も合わせないといけないじゃん。
それに生体認証が必要なの当たり前でしょ?」
「た、確かに…」
「うん、多分」
おバカさんの名前を『メロディー』にした理由は特にはございません。
安直な名前でごめんなさい。そして『メロディー』って名前が好きな人もごめんなさい。
【今回出てきたセリフの豆知識】
「お前ら人間じゃねぇ!!」はアニメ「ポケットモンスター アドバンスジェネレーション」176話「ロケット団解散!?それぞれの道!」において、タケシがロケット団に言い放った台詞です。
一見するとかっこいい台詞なのですがが、ポケモンアニメにはあるまじき台詞と、荒々しい声に対して顔は無表情というシュールさにより、ニコニコ動画ではMAD素材として扱われています。
私は当時素直に見てたんで、まさか後にこんなにネタになるとは思いませんでした。