HPに極振りの吟遊詩人になったら、別ゲーになりました。 作:涙姫
「マジ…?ちょっと聞くだけはしに行こうぜ?」
「エテルノちゃん、マジ神」
段々エテルノの歌声を聞きつけたのか、プレイヤーが集まり、エテルノを応援する声が聞こえだした。
(そろそろかな…?)
楽曲の1番が終わるタイミングを見越し、エテルノが標的を特にメロディーを崇めていたプレイヤー達を攻撃する。
「どうも様子がおかしい月曜日
一つ二つと崩れゆく辻褄が
僕を猜疑する
「お前は一体誰だ」と」
エテルノがプレイヤーを倒していくと、とあることにメロディーは気づいた。
そう、エテルノの攻撃によってメロディーを崇めていたものは倒され、残っていた者も__
「いったれ~!」
「カワイイぞー!エテルノちゃーん!」
「エテルノの糧になるなら本望です」
エテルノの応援をしていた。
「ちょっと待って
知らない昨日 知りもしない言葉
そうやっていつの間にやら影は溶けゆく
僕は何なんだろう
ねえどうか存在を返して」
エテルノはメロディーの狼狽える姿を見て笑みを浮かべる。
そうしてエテルノがはっきりと告げる。
「「生憎様だがこっちはこっちで随分心地が良くて」
「もうあなたの居場所は
此処にはない事分かってるんでしょ」
「ねえ奪われたんなら奪えばいいだろ
今度はお前の番だから」
含み笑いで
でも『奪え』って…まず、こんなの適うわけないよ…!」
メロディーはその歌の歌詞に絶望した。
「拝啓ドッペルゲンガー 君は 君は誰?
嗚呼 混濁と交差して僕は誰?
まあ そりゃそうかそうだよな
命の椅子は一つだけ
拝啓ドッペルゲンガー 誰は 誰は君?
零れ落ちた一粒 乾き果てる前に
誰でもいい 何でもいい 器を下さい
狂った正解が染め上げて ルンパッパ」
エテルノは浮かべていた笑みを更に深くして奏でる。
「PRAY
それはずうっと続くヒトの業の連鎖
PAIN
委ねあって許しあって満たされ往く
PRAY
欠けたピース 無価値のペイン 冀望また愛も
PAIN
託し合って生まれ替わるイニシエイション
PRAY
「僕のほうがちゃんと君を生きてやるから」
PAIN
「君も次の誰か ちゃんと救わなくちゃ」
PRAY
「もう分かってんだろ 何をすればいいかさ」
PAIN
どうか誰か僕に奇跡をくれよ」
そして少しずつエテルノの攻撃目標がメロディーに変わった。
最初は【詠唱水晶】か欠片が少しずつ攻撃を加えていく。
メロディーはそれを防ぐように杖で緑の綺麗な壁を生み出し、攻撃を防いだ。
そうして辺りを見渡すが__
「サイコー!」
「つーか…あの女の子誰?」
「さぁ、エテルノちゃんそっくりだけど…」
「なんでも、偽物だってよ」
「へぇー」
「それよりエテルノちゃんだって!」
今まで虎の威を借る狐のように、エテルノという存在を利用してきた彼女には守ってくれる人など残っていなかった。
「拝啓ドッペルゲンガー 君は 君は誰?
嗚呼混濁と交差して 僕は誰?
もう止まらない戻れない
どうもこんにちは 君の」
そう歌うとエテルノのメロディーへの攻撃を一気に増した。
【詠唱水晶】を防ぐために、意を決してメロディーは【障壁】を展開したもののそれもすぐに破壊されため、今度はエテルノを倒すために【水弾】を放つが、その攻撃も【調魔】によって瞬時に避けられる。
そして___
「拝啓ドッペルゲンガー それはそれは僕
蝕まれた存在に世界が気付こうが
もう鳴り止まない 醒め止まない 奇跡の輪廻が
狂った正解を染め上げるさ
上手くやれよ ルンパッパ」
なんで………まさか…!」
そういってメロディーは瞬時にステータスを確認する。
【MP】の値は0を表示していた。
メロディーが前を向いたその瞬間、エテルノはメロディーの目の前にいた。
その近くにいくつもの【詠唱水晶】があり、それは__
「「どうもこんにちは 君の分身です」」
__メロディーの体を貫いた。
メロディーのHPは一気に減っていく。
そんな言葉と一緒にメロディーの姿は銀のメダルを落としながら、いくつもの光の粒となって消えていった。
実は今回のお話「拝啓ドッペルゲンガー」という楽曲が大好きで、だしさ故に書き上げた物語だったりします。
ちなみにアニメ9話で【多重障壁】をフレデリカさんは隠したがっていたので、【障壁】くらいだったら大丈夫かな?と思ってます。
ただ「隠したいなら、MPの消費量もやばいんだろうな。だったら【障壁】があったとしてもそれも消費量多そうだな」と推測して、今回書いてます。
【今回使用した楽曲】
kemu「拝啓ドッペルゲンガー」