HPに極振りの吟遊詩人になったら、別ゲーになりました。 作:涙姫
「あ、銀のメダルゲット。
へぇ…一応集めてはいたんだ」
そうして地面に落ちた銀のメダルを回収すると、エテルノは近くに集まってきていたプレイヤー達に向き直った。
「皆さん、この度は集まってくださりありがとうございます!
いかがでしたか?」
「ありがとうございます!では、フィナーレと参りましょう!」
そうしてエテルノは「パチン」と指を鳴らした。
すると辺りを赤い五線譜が駆け巡り始めた。
その五線譜は大きな円描きながら、多くのプレイヤーを包んでいく。
「待て…!逃げる時間を…!」
「まだ終わりたくない…!」
「エテルノちゃん!どうかお慈悲を!」
「え~…まぁいいですよ。
少し猶予を与えます。
じゃあ私がちょっと詠唱を唱えている間に逃げてください」
「__しかし、そのままで逃がすわけにはいきません。
【魅惑の旋律】」
「あなた方の移動速度が勝つか、私の詠唱が勝つか。
さぁ、頑張りましょう」
「赤き黒炎、万界の王。
天地の法を
「ちょ、押すなって!」
「そんなに押し合っても転ぶだけだろが…!」
「ちょ、押すな__うわぁ!」
バタン
皆が必死で逃げるために押し合っている。
そんな中で一人が転べば、ドミノ倒しのように倒れていく。
バタバタガヤガヤと音を立てながら倒れていていく様を横目に見ながらエテルノは詠唱を続ける。
「崩壊破壊の別命なり。
永劫の鉄槌は我がもとに下れ!
……詠唱終わっちゃいましたね。
では…!旋律よ焼き尽くせ!【フラムミロ―ディア】!」
赤い五線譜は大きな火種に変わり、一気に燃え広がっていく。
火種は大きくなり、多くのプレイヤーを包み込んでいく。
「キィェエエ」
「あ、あ…」
「エテルノ様ぁ!」
その火から逃げきれたプレイヤーはいなかった。
「推しは推しても、人は押さないように」
そう一言呟きながらエテルノは落ちている銀のメダルを回収していった。
一方その頃、エテルノに倒されたメロディーは…
「全く、ひどい目にあったわ…」
真っ白な空間で復帰を待っていた。
「まさか…本人が出しゃばって来るとか。
ちょっとだけ有名になってるプレイヤーの偽物だって、名乗って乗っ取りすればいいと思って、今回もどうせ名前だけ有名なんだろうと思って、歌で有名らしいエテルノにしたのに…
あのプレイスタイルとか無理じゃない。
もうちょっと調べたらよかった…
でも…今回くらいだし、まだどうにかなる。
それにあれくらいの人数なら私の天下は揺るがないわ」
そうして高笑いをしていた。
メロディーは懲りていないようだ。
「……にしても復活遅いけど…一体何かあったのかしら?」
そうしているとピロリン♪という音と共に、メロディーに1通の通達が届いた。
「何…?運営から…?えっと…
「多くのプレイヤーからあなたのアカウントは通報されました。あまりに多かったため、早急に対応したところ他プレイヤーの尊厳を傷付けるとても悪質なプレイだったため、こちらで一度アカウントを停止させていただきます。」
……なんですって!?」
そう、今回の出来事はこっそりとファンクラブにて拡散されており、多くのファンによってメロディーのアカウントはあっという間に通報まみれとなってしまったのである。
「そ、そんなぁ…!」
その通達にメロディーは愕然とするしかなかった。
8/27 誤字訂正
【今回出てきたセリフの豆知識】
「赤き黒炎、万界の王。天地の法を
ちなみにこの「エクスプロージョン」の詠唱は毎度違っていて、これは1期の4話で使用されたものです。