はじまりの罪を背負う者達は…魔王達と共にあり 作:五月雨☆。.:*・゜
中央に立つハジメの眼前に立つ青年は、よく見れば後ろの骸と同じローブを着ていた。
「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?」
「反逆者…」
「ああ、質問は許して欲しい。
これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。
だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。
このような形を取らせてもらった。
どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを……」
そうして始まったオスカーの話は、楓達が聖教教会で教わった歴史とは異なった驚愕すべきものだった。
それは狂った神とその子孫達の戦いの物語。
神代の少し後の時代、世界は争いで満たされていた。人間と魔人、様々な亜人達が絶えず戦争を続けていた。
争う理由の一番は"神敵"だからだ。
今よりずっと種族も国も細かく分かれていた時代、それぞれの種族、国がそれぞれに神を祭っていた。
その神からの神託で人々は争い続けていたのだ。
だが、そんな何百年と続く争いに終止符を討たんとする者達が現れた。それが当時、"解放者"と呼ばれた集団である。
「……」
それは全員が神代から続く神々の直系の子孫であったということだ。
そのためか"解放者"のリーダーは、ある時偶然にも神々の真意を知ってしまった。
何と神々は、人々を駒に遊戯のつもりで戦争を促していたのだ。
彼等は、"神域"と呼ばれる神々がいると言われている場所を突き止めた。"解放者"のメンバーでも先祖返りと言われる強力な力を持った七人を中心に、彼等は神々に戦いを挑んだ。
しかし、その目論見は戦う前に破綻してしまう。
何と、神は人々を巧みに操り、"解放者"達を世界に破滅をもたらそうとする神敵であると認識させて人々自身に相手をさせたのである。
守るべき人々に力を振るう訳にもいかず、神の恩恵も忘れて世界を滅ぼさんと神に仇なした"反逆者"のレッテルを貼られ"解放者"達は討たれていった。
最後まで残ったのは中心の七人だけだった。
世界を敵に回し、彼等は、もはや自分達では神を討つことはできないと判断した。
そして、バラバラに大陸の果てに迷宮を創り潜伏することにしたのだ。試練を用意し、それを突破した強者に自分達の力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願って…。
「……」
長い話が終わり、オスカーは穏やかに微笑む。
「君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。
君に神殺しを強要するつもりもない。
ただ、知っておいて欲しかった。
我々が何のために立ち上がったのか。
どのように使うも君の自由だ。
だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。
話は以上だ。聞いてくれてありがとう。
君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」
そう話を締めくくり、オスカーの記録映像はスっと消えた。
同時に、ハジメの脳裏に何かが侵入してくる。
ズキズキと痛むが、それがとある魔法を刷り込んでいたためと理解できたので大人しく耐えた。
やがて、痛みも収まり魔法陣の光も収まる。
ハジメはゆっくり息を吐いた。
「大丈夫か?ハジメ」
「あぁ、大丈夫だ……にしても、何かどえらいこと聞いちまったな」
「狂った神…」
「私達が聞いていたことと違う……」
「……ん……どうするの?」
ユエがオスカーの話を聞いてどうするのかと尋ねる。
「うん? 別にどうもしないぞ?元々、勝手に召喚して戦争しろとかいう神なんて迷惑としか思ってないからな。
この世界がどうなろうと知ったことじゃない。
地上に出て帰る方法探して、故郷に帰る。
それだけだ。……ユエは気になるのか」
「ううん、私にはハジメ達の隣に入れるだけでいい」
「そうか、楓と香織はどうだ?」
「俺は、構わない。クラスメイトが俺達の邪魔をしなければな…」
「私も、ハジメくんの隣に入れればいい。」
「あと何か新しい魔法……神代魔法っての覚えたみたいだ」
「「「神代魔法…!?」」」
信じられないといった表情の3人それも仕方ないだろう。
何せ神代魔法とは文字通り神代に使われていた現代では失伝した魔法である。
「何かこの床の魔法陣が、神代魔法を使えるように頭を弄る?みたいな」
「……」
「……大丈夫?」
「おう、問題ない。しかもこの魔法……俺のためにあるような魔法だな」
「……どんな魔法だ?」
「え~と、生成魔法ってやつだな。魔法を鉱物に付加して、特殊な性質を持った鉱物を生成出来る魔法だ」
ハジメの言葉にポカンと口を開いて驚愕をあらわにするユエ。
「……アーティファクト作れるんだよな?」
「ああ、そういうことだな」
そう、生成魔法は神代においてアーティファクトを作るための魔法だったのだ。
まさに"錬成師"のためにある魔法である。
「ねぇ、ハジメくん。分身魔法とか使えないよね?」
「あぁ、どうした?香織」
香織はハジメの後ろを示すのでハジメは後ろを見ると自分がもう1人いた。
「誰だ!!」
ハジメはドンナーを構えて撃つが偽ハジメはキツネのように逃げる。
「流石は、この迷宮に辿り着いただけのことはあるね?」
「誰だ!!お前は!?」
偽ハジメは逃げるのを辞めると立ち止まり煙に包まれると茶色の長い髪に巫女装束に身を包みキツネの耳と尻尾。
「私は、キツネの巫女コリン。私に化かされてみないかい? 」
「なんで此処にいる?」
「敵対しないから撃たないでくれないかい?」
ハジメは拳銃をしまうとコリンの話を聞く。
「私は、大昔にオスカーに拾われてね。オスカーと共に此処に住んでいたんだよ。懐かしいな…」
「なんで俺達に姿を見せた?」
「それは、闇の王子。私の事覚えてるよね?私、亜人として転生していたんだ」
「久しぶりだな、コリン。」
「夢でアイリスに会って君達が来ることを知ったんだよ。」
ハジメはヒュドラを倒した人を言っていると理解した。
「…だから君達を待っていた。私も君達と行く為にさ。どうだい?私の力は魅力的だよ?こんな風に化けれるんだからさ」
コリンは香織に化けてハジメに近付いた。
「どうだい?」
「いいだろう。だが、香織から姿を戻してくれ!!」
「おやおや、顔が赤いね?興奮したのかい?私はそういうことは興味無いからね…じゃあ、これからもよろしく」
「…あぁ」
と、言う訳でコリンが加入しました。
キツネの巫女、コリンの転職について
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