迂闊だったと、激しく後悔した。
自分はまだ誰にも知られていない、無名なアイドル候補生。そう思っていたからこそ、まさか私の顔を覚えていた人がいて、こんな写真を撮られてしまうとは想像もしていなかった。
劇場で開かれたBBQ会の帰りに、りっくんを連れて立ち寄った公園で偶然にも“あの”天ヶ瀬冬馬と出会った日の二日後。学校を終え、劇場に訪れた私を待っていたのは騒然とするメンバーたちと、プロデューサーから聴かされた思いも寄らない事態だった。
「志保さん、気が緩んでたんじゃない? 桃子たちはプロなんだからもっとしっかりしないと」
踏み台の上で腰を手を当てて見下ろす周防桃子の厳しい言葉。年下の子に説教されるとは……、なんて情けなく思う気持ちも少しだけあったが、桃子の言葉は正論そのもので、私はただただ肯定することしかできなかった。
年上にも物怖じせず、ズバズバと誤りを指摘する彼女の強気な性格は、幼い頃から子役として身を置いてきた芸能界という名の修羅場で培われた代物だろう。11歳にして多くの作品に出演した経歴を持つ彼女は、それ故か非常にませた性格をしており、年相応にもとても見えないほどの醒めた性格をしていた。
その一方、キャリアも経験値も多いだけあってプロ意識は非常に高い。子役として磨かれた演技の実力も確かなモノで、初めて元子役の迫真の演技力を見たレッスンの時から私は彼女の存在に一目置いていた。
「桃子の言う通りだわ、軽率だったと思う。迷惑かけてごめんなさい」
「大丈夫よ志保ちゃん。若い頃は誰だってデートの一つや二つ、して当然なんだから」
厳しく叱咤する桃子とは対照的に、楽しそうな笑みを浮かべながらそう口にしたのは百瀬莉緒さんだ。グラマラスなプロモーションが特徴的な莉緒さんは私よりだいぶ歳が離れた23歳。劇場にやってくるまではごくごく普通の社会人として都内で働いていたらしい。
ちょっと莉緒さん、と不満そうに頬を膨らませる桃子には目もくれず、テーブルに頬杖を付きながら前屈みになって顔をグッと近づけてくる。その瞳は無邪気にキラキラと光っていて、隣で不貞腐れたように莉緒さんを見る桃子より何倍も子供っぽく見えた。
「そ・れ・で、デートしてた男の子は志保ちゃんの彼氏なの?」
「……違います。そもそもデートじゃないですって」
「もうっ、ガールズトークに隠し事はなしってお姉さんずっと言ってるじゃない」
「別に隠してるわけじゃ無いですよ。本当に彼氏でもなんでないので」
志保ちゃんはなかなか強情ね、と困ったように唸る。
同性から見ても魅力的な引き締まったスタイルは勿論、端正に整った顔立ち、肩まで伸びた茶色の髪からさえも色気を感じるような、そんな美人なお姉さん––––、これが初対面の時に莉緒さんに抱いた第一印象だ。
だけど実際はともかく明るくて人好きな性格でお喋り気質、美意識に強い拘りがあるようで、ヨガやネイルを嗜んでいるが、異性を意識するあまり私服は派手で露出度の高いモノばかり。何より極め付けは究極の酒癖の悪さ。BBQ会に最後まで残っていたメンバーの証言で、お酒が入ると莉緒さんは悪酔いすることが赤裸々に公にされてしまった。
見た目に相反する人間性から、さしずめ“残念美人”といったところだろうか。これが今の莉緒さんに対する印象である。普通にしていれば美人なのに……と、満場一致でメンバー全員が内心思っているだろうが、その反面歳上らしからぬ親しみ易さもまた、彼女の魅力の一つだった。
親睦を深めるために開かれたBBQ会も莉緒さんがプロデューサーに提案していたようで、年長者だけあって面倒見もよく周囲への気配りもしっかりとできる。知り合って間もないメンバーたちがすぐに打ち解けれたのも、彼女の人間性のおかげによる部分が大きかった。
ただ、異性の話題となると莉緒さんは途端に面倒臭くなる。だから私はなるべく簡潔にキッパリと否定していたが、それでも莉緒さんの瞳に映る、興味の炎が弱まることはなかった。
「若いって良いわねぇ、青春できて。お姉さん羨ましいわ」
「話聞いてますか? そういうのじゃないんですって」
「そうムキにならないの。若い時に青春するのはとても大事なことだと思うわ。恋が女の子を一番成長させるって言うでしょ?」
「仮にそうだとしても、恋愛なんてアイドル活動する上では足枷になるだけじゃないですか」
「そんなことないわよ。現に劇場のメンバー内にだって彼氏がいる子沢山いるじゃない」
「そうなの!?」
「あら、桃子ちゃん知らなかった? そういう桃子ちゃんには彼氏とかいないのかしら」
「かっ、彼氏なんて桃子にいるわけないじゃない!」
(……いつまでこの話続くのかしら)
自分が火種とはいえ、そろそろ興味のない恋愛トークが面倒くさくなってきた頃だった。私たちのいる控え室をノックする音が二度響いた後、スマートフォンを片手にしたスーツ姿のプロデューサーがドアの先から現れた。私たち3人を見て、「莉緒と桃子も一緒だったのか」と年代がバラバラの珍しい組み合わせに少し驚きつつ、プロデューサーはテーブルを挟んだ私の向かい側、莉緒さん座る席の腰に腰を下ろした。
「今回の件はもう大丈夫だ。投稿者と直接話をして、削除してもらったから」
プロデューサーが私に向けたスマートフォンには、『このツイートは表示できません』の文字。問題の写真がしっかりと削除されていることを証明する画面だ。
「ありがとうございました。あと、ご迷惑とお手数をおかけしてしまってすみませんでした」
「良いって、これくらい気にするなよ」
アイドルのプライベートを守るのも仕事のうちだからな、なんて言いながらプロデューサーは特に私をお咎めることもなく笑っている。恋愛禁止を公言し、アイドルのプライベートを徹底的に管理する事務所も多いと聴く業界だが、765プロでは特に厳しい縛りがあるわけではないらしい。
「ただし、今後は気を付けるように。志保はアイドルなんだし、何より一般人の個人情報が特定されてしまうと厄介だからな」
プロデューサーの言う通りだ。SNSが異様に発達してしまったこのご時世では、ネットの炎上がキッカケで一般人の名前や住所などの個人情報が特定されてしまう事件が多発していた。一度特定されると情報はネットの海に残り続け、完全に消し去ることはほぼ不可能に近い。当事者の生活は勿論、周囲の家族や友人たちにまで被害が及ぶ可能性があるため、不用意な炎上は絶対に避けれなばならない。
……今回の場合、正確には一般人ではないけど。それは置いといて、自身もアイドルとしての自覚がまだまだ足りなかったのだと、私は兜の緒を引き締める気持ちで反省の意を表す。
「……はい、肝に命じておきます」
「分かればよろしい。相手にも一言、謝りの連絡くらい入れとけよ」
私の返事に満足そうな笑みを浮かべると、プロデューサーはこれ以上何も言わず、席を立って部屋から出て行ってしまった。
その背中を見つめていた莉緒さんは、ドアがバタンと音を立てて閉まったのを確認すると、ザックリと開いた胸元を強調するかのように身を乗り出して、
「と・こ・ろ・で、ジュピターの天ヶ瀬冬馬似ってくらいだから、イケメンなんでしょ? ねぇ、写メとか見せてよ」
やっと終わったはずの話題を再度引っ張り出しては、得意気に片目を閉じて両手を合わせる仕草を見せながら、甘い声を出した。その隣でドン引きしている桃子には気付かずに、ドヤ顔混じりのしてやったりの表情で。
そんな莉緒さんを軽くあしらい、似じゃなくて、本人なんだけどな、と心の中で呟く。勿論、そんなことを実際に口にできないけれど。
ここにいたらいつまでも埒があかないなと判断した私は、肺の底から深い溜息を吐いて席を立った。
––––天ヶ瀬冬馬。
一時期アイドル界を沸かせた3人組ユニット、ジュピターのリーダーを務めていた男性アイドルだ。
突如アイドル界に姿を現した3人は、爆発的な売れ行きと人気を博したデビュー曲『Alice or Guilty』をキッカケに、王道とも云える男性アイドルグループとして幅広い年齢層の女性の支持を集め、瞬く間にスターダムへと駆け上がることに成功した。それこそ、ジュピターの全盛期はまさに“あの”春香さんたちに匹敵する––––……いや、もしかしたらそれ以上の勢いがあったのではないかと思う。男性アイドルグループに疎い私でも名前や顔を覚えるほどに、彼らの知名度はとてつもなく高かった。
だが彼らの全盛期も長くは続かなかった。半年ほど前から徐々にメディアへの出演が減り始めたかと思いきや、いつの間にかジュピターは表舞台からパッタリと姿を消してしまっていた。
まさかTwitterにアップされた写真に写りんだ人物が、そんな表舞台から姿を消したはずジュピターの天ヶ瀬冬馬本人だとは、プロデューサーも莉緒さんも桃子も、誰一人として想像もしていないのだろう。
「今からレッスンなんで。失礼します」
少し時間は早かったが、私はそう言い残すと、莉緒さんから逃げるようにして控え室を後にした。
独りで歩くレッスンルームまでの道中、プロデューサーの言葉を思い出し、私は鞄の中から財布を取り出して、財布の中で綺麗に四つ折りにされていた一枚のメモ用紙を広げた。
『これ、俺の携帯番号だから! 何かあったらすぐに連絡してくれ!』
私が渡したメモ用紙に慌ててペンを走らせ、半ば強引に押し付けて去って行った彼はそう言ったものの、彼の予想していた事態とは似て異なる結果になってしまったのではないかと思う。彼が考えていたことは私も理解できたし、万が一のことがあったら彼が恐れていることが起こるのだろうと予測もしていた。だが彼は私が765プロのアイドルだと気付いていなかったのと同じように、私たちの写真を撮った本人もまた、帽子を被った男が天ヶ瀬冬馬だとは思ってもいなかったのだろう。
そんな小さなズレが重なって合って、今回の事件が起こってしまった。天ヶ瀬さんが懸念していた事態ではあるのだろうけど、問題のツイートの文面では肝心の主語が完全に入れ替わってしまっているのだ。
「……これ、どう伝えればいいのかしら」
私は妙な困惑を抱え、一人で頭を悩ませたのだった。
★☆★☆★☆★☆
「あの」
申し訳なさそうに言葉を紡いだ後に、ウェーブのかかった綺麗な黒髪の少女は小さな声で「すみませんでした」と付け加えた。
少女の言葉の意図が分からなかったが、すぐに頭上に向けられた視線に気が付き、「別に、気にすんなよ」と返す。それでも少女は申し訳なさそうに眉をハの字にしたまま、俺を見つめていた。
少女は俺の変装を見破ってしまったことに罪悪感を抱いていた。確かに男女問わずアイドルと様々なメディアに出ている人の中には、プライベートで声を掛けられることを極端に嫌がる人も多い。当の俺もなるべく人目に付かないようにと、この季節には不自然な帽子を被って正体を隠しているつもりだった。
だけど、そんな事を当然幼い子供が当然知る由もなくて。少女の弟は一瞬で俺の正体を見破ってしまった。もちろん、その行動に悪意はなかったはずだ。
「バレちまったもんは仕方ねぇよ。悪気があったわけでもないだろうし」
「それは……、そうですけど」
訊けば弟さんはまだ5歳。さすがに小学生にもなっていない子供に怒るほど、俺も心が狭い人間ではない。寧ろ、若い世代のファンの人たちでさえそんな気遣いができる人の割合が圧倒的に少なくて、変装をしていても街で声をかけられることが多々あるくらいなのだから。
だからこそ、この少女は若いのに本当にしっかりしているなと思った。真っ先に謝りに来た時に弟の前で見せた立ち振る舞いもだが、俺のようなイレギュラーな人間に対するマナーもしっかりしている。落ち着き払った雰囲気が大人びて見せるが、少女の顔付きが大学生にしては幼すぎて、中学生にしては歳不相応なくらいに大人びて見えて、 おそらく俺と高校生くらいだろうなと思っていた。それでもしっかりし過ぎていると思うが。
「……それにしてもお前の弟、よく気が付いたな」
「以前天ヶ瀬さんがバラエティ番組でサッカーしているのを食い入るように見てたことがあって、多分それで覚えてたんだと思います。りっくんはサッカー好きだから」
「なるほど」
そう言えば大人より子供の方が勘が鋭いんだっけ。そんな何処かで聴いたような言葉を思い出し、俺は妙に納得してしまった。
少女の弟は無邪気な笑顔で俺の正体を暴いた後、公園にやってきていた保育園の友達の姿を見つけたようで、あっさりと俺たちを放って友達の元へと行ってしまった。今では芝生の広場で友達と楽しそうにサッカーボールを蹴り合っている。その様子を、暫く少女と無言のまま眺めていた時だった。
––––カシャっ。
公園の利用者の声の中に一瞬、スマートフォンのシャッター音が紛れたのを俺の耳は聴き逃さなかった。
しまったと、我に返る。すぐに周囲を見渡すと、すぐに数メートル離れたところでバタバタと慌てて何かをポケットにしまい、今にも走り去ろうとしている若い男の姿が視界に入った。公園の中で一人不審な動きをしているところから、今のシャッター音はあの男で間違いないはずだ。すぐに捕まえに行こうと思ったが、隣にいた少女の存在に気がつき、俺は逸る気持ちで少女に声をかけた。
「おい、お前!」
「な、なんですか急に! 大声出してビックリさせないでくださいよ」
「わ、わりぃ。それよりメモ帳とか持ってねぇか!? あとペンも!」
「ありますけど……。どうしたんですか、いきなり」
不審に思いながらも俺の様子に只事ではないと感じたのか、少女はすぐに鞄の中を開け、中を漁り始めた。少女はどうやらさっきのシャッター音には気付いていなかったらしい。だとすると今の状況も説明しなければいけない。
この間にもあの男は逃げているのに……。地団駄を踏いながら、俺は少女が貸してくれたメモ用紙に急いでペンを走らせる。
「写真を撮られたんだ。俺たちの」
「え? 写真?」
「そう。目的は分からねぇけど、きっと良くないことにつもりだ」
メモ用紙に殴り書きした11桁の番号を最後にもう一度だけ確認し、俺はそのメモ用紙とペンを少女に無理やり押し付けた。
「これ、俺の携帯番号だから! 何かあったらすぐに連絡してくれ!」
状況がイマイチ理解できていないのか、少女がボンヤリとしたまま受け取ったのを確認すると、俺はすぐに小さくなってしまっていた男の背中を追いかけて全速力で走り出した。
「もしSNSにアップでもされて、女の子の個人情報が特定されたりでもしたら大変なことになっちゃうからね」
一通りの経緯を聴いた翔太は、その判断は間違ってないよと言わんばかりに何度もなんども深く頷いている。だけど不自然に下を向く翔太が、俺には笑いを堪えているようにしか見えなかった。
「デート中にいきなり、『写真を撮られた!』って冬馬から電話が掛かってきたからビックリしたよ」
「そ、それは申し訳ねぇ。パニクってちょっと気が動転しちまってた」
「まぁ、誤解を招くような写真を撮られたら相手にも迷惑かけることになるからな。エンジェルちゃんを気遣おうとする冬馬の気持ちは立派だったと思うよ。だけど––––……」
北斗も我慢できなくなったのか、必死に口元を抑えている。
顔が熱っぽい。穴があれば入りたい気分だ。
「まさかターゲットは相手の方で、冬馬くんの顔にモザイクが掛かるとはね」
「あははははっ!!」
「う、うるせぇ! んなに笑うことねぇだろ!」
俺の部屋は大爆笑の渦に巻き込まれる。
腹を抱えて笑う北斗と、ベッドの上を笑い転げる翔太。容赦ない二人の反応が死ぬほど恥ずかしくて、俺の身体は未だかつてないほどの羞恥の情に駆られていた。
少女から電話が掛かってきたのは、二日後の月曜日の夜のことだった。
『あの、北沢です。この前の土曜日、公園でお会いした』
登録していない携帯番号、電話越しのぶっきらぼうな声で、北沢と名乗る女性がすぐにあの弟を連れた少女だと気が付いた。
写真を撮られたあの日から、時間を見つけては各種SNSでそれらしき投稿がないかをこまめにチェックしていたが、俺の写真と思われる投稿は見つかっていなかった。そんな時にかかってきた北沢からの電話。思わず彼女の身に何かがあったのではないかと勘繰って背筋が凍りつく。
だが電話越しから聴こえてきた彼女の言葉は、俺の不安とはまるで見当違いなモノだった。
『色々とご迷惑をおかけして、すみませんでした。問題の写真はこちらで対応させていただいたので、もう大丈夫です。天ヶ瀬さんの正体もバレていませんから』
「…………はい?」
思わず変な声が出てしまった。
なんで北沢が俺に謝っているのか、そもそも対応したとはどういうことなのか、彼女の言葉の殆どの意味が分からなくて、俺の思考がフリーズしてしまった。
俺の様子が変だと気付いたのか、少し言いにくそうに北沢が話を続ける。
『もしかして投稿見てなかったんですか』
「と、投稿って何のことだ?」
『あの時の写真の投稿です。Twitterにアップされていた』
「やっぱりアップされてたのか!?」
『はい、でも大丈夫です。本人と話ができて削除してくださったそうなので』
一応、今からショートメールでスクショ送りますね。
そう言って、北沢は電話を切った。その数分後、スマートフォンにショートメールが届いたことを報せるベルが鳴ると、すぐさま北沢が送ったスクーリンショットに目を通す。
そして俺は眼球が飛び出すような衝撃を受けた。
“765のバックダンサーが昼間からデートしてる(笑)。ちな男は天ヶ○冬馬似”
俺の名前を一文字だけ隠され、問題の写真には俺の目元だけ黒い線が引かれている。
投稿者は俺をターゲットにしていたわけではなく、それどころか俺が天ヶ瀬冬馬だと気付かずソックリな一般人だと勘違いしていたらしい。そもそも765のバックダンサーって、もしかして北沢のことを指しているのだろうか––––。
短いツイート内容にあまりに情報量が多く詰め込まれすぎていて、全く思考回路が追いつかなかった。
ただ一つだけ明確だったのは、まるで自惚れるかのように自分が標的だと勘違いしていたという事実。そのことに気が付くや、猛烈の俺の身体中は火照ってきて、凄まじい羞恥心に包まれることとなった。
「あはははっ、本当に冬馬くん面白いなぁ! こんな話聴いたことないよっ!」
「……お前、笑いすぎだぞ」
「はははっ! 冬馬がモブキャラ扱いとは、ジュピターもまだまだ無名だってことだな!」
よほど二人のツボにハマる話だったのか、高笑いを続ける二人の様子に呆れて肩を落とした。
本当に相談したいことは、この先の話なのに……。
そんな俺の心境も知らずに、二人は暫くの間飽きることなく同じ話題で気が狂うほどに笑い転げていた。