殺人探偵?うっせぇ好きでやってんじゃねーよ!!   作:☆桜椛★

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第11弾 今までに無いペナルティ

迷子の猫探しの任務受けた筈なのに、その猫に嵌められて違法密売組織と銃撃戦おっ始める羽目になった日からしばらく経った。あの日以来、学校で俺に向けられる視線が凄い事になっている。後殆どの奴から避けられてる。

 

こうなっている原因は判明している。あのツンツン頭(武藤剛気)が俺の事を学校で言い触らしまくった所為だ。その結果、その話は他人から他人へと尾鰭をつけながら伝わって行き、最終的に俺は『どんな難事件も一瞬で解決する頭脳と凶悪犯罪組織を片手間で壊滅させる戦闘力を持った危険度Sランクのバトルジャンキー』となっているらしい。

 

 

いやなんでだよ!?

 

 

なんでそんなに尾鰭が付きまくってんだ!?確かに『超推理』でどんな難事件どころか過去も未来も推理出来るけども!俺は凶悪犯罪組織を片手間で壊滅なんて出来ないし、ましてやバトルジャンキーでもないわ!この間だってホントに死ぬかと思ったんだからな!

 

まぁ、こんなのはまだ良い方だ。ただ会話出来るのが教師陣と遠山くんトリオ、そして何故かあの日以来矢鱈とこちらを見てくるレキくんと他数名だけになってしまった位だ。『最近困ってる事ランキング』第7位辺りでしかない。

 

因みにこの『最近困ってる事ランキング』の第3位から第1位までが本当に今も滅茶苦茶困ってる事だ。

 

 

第3位は、あの事件で俺の推理力に目を付けた警察が、過去に迷宮入りした殺人事件や現在捜査が行き詰まってしまった難事件の解決任務を指名で依頼する様になりやがった事だ。まぁこれだけならぶっちゃけ拒否すれば良いんだが、あのクソ板が5回に1回くらいの割合で事件を解決しろってクエスト出して来るから、結果的にこれまで引き受けた任務の犯人が全員異能力『Another』によって事故死してしまった。この調子だと近い内に俺にも『殺人探偵』なんて渾名が付いてしまうだろう。クソが。

 

続いて第2位は、俺の巻き込まれ不幸体質が前世と同じ程度に戻りつつある事だ。昨日も登校中にひったくりが2回と通り魔の襲撃が1回あった。このまま行くとその内今住んでる寮に時限爆弾設置されたり、月に1回は必ず殺人事件に巻き込まれてしまうだろう。なので近い内に教師の誰かに爆弾解除のやり方を教わるつもりだ。『超推理』で解除方法は分かっても、技術力0の俺だと技術的なミスで死にそうだから。

 

そして全く輝かしくも名誉でも無い最悪の第1位は、とある1人の女子生徒が最近矢鱈と俺が行く任務について来ようとしたり、難易度がハード通り越してルナティック近い任務を勧めて来るんだ。今まで殆ど接点なんか無かった筈なんだが、あの任務を何とか解決して以来ずっとなんだよ。

で、その女子生徒は誰かだが……、

 

 

「あ!ゆっきー!こんな所に居たんだ〜!」

 

また来やがった

 

 

昼休みに入っている教室で自分の席に座っていた俺が背後から聞こえた女性の声を聞いて嫌々後ろを振り返ると、そこには俺が予想した通りの人物がいた。つーかこの学校どころか前世を含めて俺の事を『ゆっきー』なんて渾名で呼ぶ奴は今の所こいつ1人しかいない。

 

 

「……また君か」

 

 

改造されまくって入学当初からフリルだらけになっている防弾制服を着こなした金髪のツーサイドアップに金色の瞳を持つ小柄な少女。こいつが現在俺の中で『1番会いたく無い人ランキング』第1位並びに『最近困ってる事ランキング』第1位の元凶のぶりっ子探偵科Aランクのちみっこ武偵、自称『りこりん』こと峰理子くんだ。

 

 

「ねぇ、ゆっきー?なんだが今ゆっきーが心の中でりこりんの事で結構失礼な事言った気がするんだけど?」

 

「……さぁ、どうだろうな」

 

 

なんか不満そうな顔してるがそんな事は知らん。事実を思ったまでだ。そんな事より君の持ってるその分厚い紙束はまさか全部任務の書類か?絶対ロクなもの持って来てないだろこいつ。前回持って来たやつ全部殺人事件の捜査協力任務だったろうが。

 

 

「……峰くん。何度も言っているが、俺は君と一緒に任務に行くつもりはないぞ?」

 

「ぶぅ〜!1回くらい一緒に行かせてよ〜。ほらほら!今回はりこりん頑張ってゆっきーが興味持ちそうな任務持って来たから、見てみて♪」

 

 

ドサッ!と俺の机の上に任務の書類の束を乗せながら、峰くんは満面の笑みでこちらをジッと見て来る。これは見ないとずっとこの場に居座りそうだな。それは流石に嫌なので仕方なく1番上の任務の書類を手に取って内容を読む。

 

 

『《緊急》犯罪組織制圧任務

 

・街外れの廃病院を、違法臓器密売組織『グール』がアジトにしていると言う情報を入手した。しかし正確な人数、武装などの情報は不明。その為、より詳しい情報の入手又は偵察、そして『グール』の制圧を依頼したい。廃病院の場所はこの依頼を受けてくれた時に説明する。

 

*条件

・Bランク以上の武偵である事。

・過去に少なくとも1度は違法組織制圧任務を受けた者。

 

報酬ーー2万円。制圧した場合10万円上乗せする』

 

「ふっふ〜ん♪どう?ゆっきー?興味湧いて来たでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湧けるかよ!!!

 

 

違法臓器密売組織なんてヤバそうな組織の制圧任務なんて受ける訳が無いだろ!大体なんでそんな危ない組織の偵察やった上で制圧までやらないといけないんだ!?偵察は『超推理』で誤魔化せても制圧までやらされたら俺の体が保たんわぁ!!

 

 

「却下だ」

 

「えぇ〜?これもダメなの?う〜ん……あ、じゃあコレは?」

 

 

峰くんは如何にも不満ですって感じに頬を膨らませながら、書類の束の中から1枚を取り出し、俺に差し出して来た。どうせ任務内容が変わっていても命の危険があるには変わりないとは思うが、受け取って読んでみた。

 

 

『《緊急》犯罪組織制圧任務

 

・違法薬物密売組織『モーア』の違法薬物製造工場の在り処を突き止めた。しかし入手した情報によると工場は半要塞化しており、加えて構成員達は全員銃火器で武装している模様。そこで、我々の『モーア』及び違法薬物製造工場の制圧に協力願いたい。

 

*条件

・Bランク以上の強襲科武偵である事。

・例え重傷を負ったり死んだりしても我々に一切責任を問わない事。

 

報酬ーー10万円』

 

「ちょっと報酬がさっきの任務より少なくなっちゃうけど、条件はドンピシャだし、ゆっきーにはぴったりだとりこりんは思うな♪どうどう?さっきと違って行きたくなって来るでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どう違うんだよ!!!

 

 

微妙に捕まえる対象とか条件とかが変わってるだけで内容は殆どさっきの任務と一緒じゃ無ぇーか!もっと嫌だわ!どこが俺にはぴったりなんだよ!?ぴったりの要素がまるで無いだろうが!こんなの遠山くん辺りを誘えばいいじゃないか!!

 

 

「却下だ」

 

「え!?コレもなの!?なんで!?」

 

 

なんでじゃねーよ!寧ろこっちがなんでお前が持って来る任務はこうも命の危険がありまくる超危険任務ばかりなのか聞きたいわ!俺この前も言ったよな!?『もっとマシな任務を持って来い』って!言わなかったっけ俺!?

 

 

「むぅ…… やっぱりこの程度の任務じゃ満足しないの?もっと危なかったり謎めいてるヤツの方が……でもそれだとあたしも危なくなって来るし

 

「……何か言ったか?」

 

「ううん!べっつに〜♪でもコレもダメなら………うん?何だろうコレ?よく分かんないけど……これは興味ある?ミステリアスって感じなんだけど」

 

 

峰くんは疑問符を浮かばせまくりながら俺にその書類を差し出して来た。峰くんはこんな風に見えて一応は探偵科のAランクだ。そんな彼女が疑問符を浮かべる任務と言うのはちょっと気になるので受け取って読んでみた。

 

 

『害獣駆除任務。

 

・引っ越した日本家屋の裏にあった古い井戸小屋を見に行って以来、その中にいたねこにずっと付き纏われています。普通ねこは害獣と言わないかもしれませんが、これはねこです。よろしくおねがいします。ずっとねこに見られているので、殆ど睡眠も取れません。ねこはいます。います武偵の皆様にはそのねこですを駆除して貰いたいのです。よろしくおねがいします。

 

*条件です。

・ねこランク以上のねこですである事。

 

報酬ーー50万ねこ円です。

 

ねこでした。よろしくおねがいします』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー異能力『人間失格』

 

恐ろしいよ!!!

 

 

なんで『ねこ』って単語が出てから徐々におかしくなってるんだよ!?しかも今まで使った事が無かった『人間失格』が今発動して“何か”を無効化したぞ!?なんか仕掛けられてたろこの書類!こんなの受けるか!なんなんだよそもそも!この『ねこ』ってなんの事なんだ!?なんなんだぁ!?

 

ハァ……まぁ、取り敢えず結論としては、

 

 

「絶対に却下だ」

 

「うえぇ!?『絶対』まで付いた!!」

 

 

そもそもこいつはどうして俺なんかと一緒に任務に行きたがるんだ?ぶっちゃけ俺はこいつと全くと言っても過言ではない程接点がない。基本峰くんは俺みたいなボッチとは違って仲の良い女子グループと一緒に談笑している事の方が多いからだ。ただ単位が欲しいとか金が欲しいとかなら、そいつ等と一緒に行った方が良いだろ。

いやまぁ、俺的には普通の任務なら行っても構わないよ?迷子の猫探し……はなんかまた嵌められそうだから断るが、ビルの清掃や荷物の運搬、失せ物探しとかなら命の危険も無いしな。けどこいつが持って来る任務は決まって毎度毎度命の危険が有りまくりな任務ばっかなんだよなぁ。

 

 

「はぁ……」

 

「ちょっと〜!これでも頑張って選んで持って来たんだよ?そんなあからさまに残念そうな溜め息吐くなんて、流石のりこりんもプンプンガオーだぞー!」

 

(うわぁ…怒り方あざと)

 

 

峰くんが如何にも私怒ってますって感じになんか言っているが、生憎俺には効果は無い。寧ろあざと過ぎてちょっと引く。

 

 

「失礼するよ」

 

 

俺が峰くんに対して若干引いていると、教室のドアが開いて、不知火くんには劣るもののそこそこイケメンだが見覚えの無い眼鏡を掛けた男子生徒が入って来た。

 

 

「強襲科2年の朝井(あさい)と言うものだ。教務科(マスターズ)より伝令がある。全員静聴する様に」

 

 

イケメン君が教卓に持っていた分厚い紙の束を置きながらそう言うと、教室に居る全員が彼に注目する。イケメン君は全員が注目しているのを確認すると、伝令の内容を話し始めた。

 

 

「1年生全員参加の4対4戦(カルテット)が近付いて来た。1年生諸君は4人1組のチームを作り、この書類にメンバーの名前とランク、所属学科を記入して提出する事。これには中学のインターン生徒も参加可能だよ。但し、Sランクの生徒が同じチームになる事は認められないから注意する様に。以上!」

 

 

イケメン君はそう言うと教卓の上に分厚い紙の束を置いて去って行った。しかし、1年生全員参加の4対4戦か……うわぁ、やりたくねぇ。でもやらないとあの暴力ゴリラ教師の蘭豹先生に組み手とか言ってボコ雑巾にされそうだしなぁ。前に滅茶苦茶筋肉質な男子生徒と組み手やってボッコボコにしてるとこ実際に見たし。

 

 

(しかし誰と組もうか……Sランク同士がチームになってはいけないなら、同じSランクのレキくんと遠山くん。そして彼と一緒にチームを組むであろう武藤くんと不知火くんペアとは組めない事になるな)

 

 

となると、俺はそれ以外の奴と組まないといけない訳だ。取り敢えず誰でもいいから4人チームになって、後は適当にやって勝つか負けるかしとけばいいや。

 

 

(じゃあ早速仲間集めを…《シャラン♪》ここで来るか忌々しいクソ板め)

 

 

この流れだとアレだろ?どうせカルテットに全勝しないと死ぬぞ的なアレだろ?もう大体流れが分かる様になって来てるんだぞこの野郎。なんでお前はデス・オア・クリアなミッションしか出さないんだ?俺だって表情筋死んでるし『Another』で間接的な殺人やっちゃってるけど人間なんだぞ。人の命をなんだと思ってんだ!

………まぁ、今の所は『超推理』のお陰でなんとかなってるし、取り敢えずクエスト内容見るか。

 

 

『4対4戦で、自分以外の全員がDランクのチームを作り、味方を誰1人脱落させずに勝ち残れ!』

 

 

ふむ、やっぱりカルテットが関係するクエストか。味方を1人も脱落させずに勝ち残るとなると、『超推理』を多用しまくらないと難しい。当日は頭痛薬を多めに買っておこう。1番効くヤツ。

で、成功報酬と失敗した時の死に方は?

 

 

『成功報酬ーー秘密の封筒。クエスト失敗ーーT-ウイルスを世界中に散布』

 

 

「………………ん?」

 

 

うん、なんか色々待って。成功報酬はまだいい。なんか秘密って書いてあるのが気になるけど、それはまぁいい。このクエスト失敗したら世界中に散布される『T-ウイルス』ってアレだよな?前世のゲームとかで出て来た感染したら動き回って人を喰う死体になる的なアレだよな?

 

 

「………フフッ」

 

 

フフフフフフッ…!ヤバいもうなんか訳分かんなくなってめっちゃ笑いがこみ上げて来た。どうしようコレ?今年は優秀な生徒が多い所為でただでさえDランクの人数が少ない上に戦う相手が基本格上になるってのに、何なのこの今までに無いペナルティ?負ける気は無かったけど尚更負ける訳にはいかなくなっちまったよフフフフッ…!

 

 

「……Dランクで脱落者なしの全勝……面白い」

 

 

上等だやってやろうじゃないかこの野郎!こんなクソ板の所為で世界を滅ぼした大魔王にされてたまるか!よし!そうと決まれば早速仲間集めだ!世界を滅ぼさない為に!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、ゆっきー!一緒にチームを…」

 

「組まない」

 

「即答!?」

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