殺人探偵?うっせぇ好きでやってんじゃねーよ!!   作:☆桜椛★

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遅れて申し訳ありません!!


第12弾 神は言っている、魔王になれと

武偵校での授業が終わり、寮の自分の部屋に戻って来た俺は、鞄を机の上に置くと椅子に座り込んで深い溜息を吐いた。

俺はあの後、何度断っても一緒に組もうと誘い続けるもとい駄々を捏ねる峰くんになんとか諦めて貰った後、大変だったが、俺は世界を救う勇者達(ガチ)を集める事になんとか成功した。

 

1人目は強襲科Dランクの主税弱士(ちからよわし)くん。名前の所為なのかは分からないが、強襲科の生徒としては、クラスで1番非力な女子生徒どころか、噂ではインターン生の中でもぶっち切りに弱いとされていた女子生徒にギリギリの勝負をして負けたなどと言うある意味で泣けてくる過去を持っているとかなんとか。因みに力そのものは一般の高校生並みにはあった。よく武偵校に受かれたな?

 

2人目は狙撃科(スナイプ)Dランクの風間隼人(かざまはやと)くん。狙撃科でそこそこ優秀なスナイパーなのだが、それは動かない的(・・・・・)であると言う条件下の時のみの話で、何故か偏差射撃が全く出来ないらしい。しかも近接武器の類は苦手で、狙撃科の男子の中では一度も相手に勝った事がないらしい。弱士くんには勝ったらしいが。

 

最後は情報科(インフォルマ)Dランクの女子生徒。影山白(かげやましろ)くん。本来情報科は、情報処理機器を用いた情報収集と整理方法を学ぶ学科で、大量な情報の中から重要なものを選別して整理したり、校内用のイントラネットを管理したりするのだが、彼女は情報収集こそクラスでも上位に入るものの肝心な整理や選別の類が壊滅的で、1日に5回は先生に怒られているらしい。更には戦闘能力は皆無で、射撃は下手したら俺並みに当たらないかもしれない。後ちょっとアホの子っぽい。

 

以上が俺が集めたメンバーだ。最初は全員『どうせ負けるから』と全くやる気を感じられないし、某カエル小隊のトラウマスイッチ入ったカエル忍者並みにどんよりしていたが、『超推理』でどう誘えばやる気を出してチームに入ってくれるかを推理し、その推理通りに誘った所、3人共見事にやる気を出してチームになってくれた。いやぁ、やっぱ『超推理』凄いわ。使い過ぎると頭痛が酷くなるデメリットは有るが便利過ぎる。

それに彼等は欠点が目立つがちゃんと長所はある。そこを上手く使えば余程の事が無い限り負ける事はないと思う。『超推理』もあるから戦略とか作戦とかはこっちが有利だし!まぁ頭痛薬のお世話になる事は確定したけどなクソが。

 

 

「……問題は、相手チームのメンバーか」

 

 

対戦相手は明後日に掲示板に載せられるらしいが、その相手によっては詰む。Sランクの遠山くんとレキくんが当たったら絶望的だ。特に遠山くんチームはヤバい。彼のチームは4人中3人がAランク以上のチームだからな。こっちには『超推理』が有るとは言え、仲間は全員Dランク。しかも俺に至ってはSランクなんて阿保みたいに身に合わないランク持った下手したらDランク以下の戦闘能力持った雑魚。

 

 

「………まずいな。勝てるか不安になって来た」

 

 

『超推理』は便利では有るが万能ではない。例え未来を推理して相手が何処からどうやってどのタイミングで襲って来るのか分かっているとしても、俺自身の体が付いて行けない事はある。それにこの異能力は使えば使うほど脳への負担が大きくなり、頭痛が凄い事になる。今の所頭痛しか起きてないが、下手したら俺の頭がパーン!!ってなるかも知れないし。

 

 

「………………」

 

 

わ、笑えねぇ……ま、まぁ?まだ彼等と戦うと決まった訳じゃ無い。あの2人のチーム意外にもチームはたくさん有るんだ。寧ろ当たってしまう確率の方が低い!それに4対4戦は誰かのチームと一戦やれば終わる。トーナメント形式だったらヤバかったが、なんとかなるだろう。

 

………なるよな?

 

 

「………夕食にするか」

 

 

なんか立ててはいけない何かを立ててしまった気がするが、気にしない様にしよう。

俺はその後温めたコンビニの海苔弁当を食べ、銃の手入れをし、筋トレをやってから風呂に入り、今日の分の課題を終わらせて寝た。

 

 

 

 

 

 

ーーー2日後。

 

今日は遂に4対4戦の対戦相手が掲示板に載せられる日だ。なので俺は昼休みにチームのメンバーと一緒に対戦相手の確認に向かっている。

因みに『超推理』で対戦相手のチームを推理していない。つーかこれから先、戦闘や事件解決以外には出来るだけ『超推理』は使わない事にした。だってパーン!!ってなったらやだし。

 

 

「皆さんは対戦相手は誰のチームだと思うっすか?私的にはCランクオンリーのチームがいいんすけど」

 

 

俺が自分の頭が針で刺された風船の様に破裂する様を想像してしまってゾッとしていると、先頭を歩いていた影山くんがそう話しかけて来た。

 

 

「あー、そうだなぁ。それに加えて俺的にはインターンの子が入ってる方がいいな。インターンの子なら緊張して動かなくなってくれる可能性が微レ存。主税は?」

 

「う〜ん……相手全員インターン生で鎖で雁字搦めにされて目隠しと耳栓と後武器の類を全て没収されてたらワンチャン勝てるかも?」

 

「……どんだけ自信ないんすか。それじゃただのリンチじゃないっすか」

 

 

主税くんの理想を聞いて俺達は可哀想な奴を見る目で彼を見た。逆にそこまで徹底的にやらないと君は勝てないのか?不味いぞ。なんか段々と不安になって来た。彼等には確かに長所はあるが、主税くんがそこまでしないと勝てないと言う程自信が無いとは思わなかった。他2人も主税くん程では無いが自信無さ気なんだけど、これ大丈夫なんだろうか?

……いや!こんな弱気になってたらダメだ。昔どこの誰が言ったのかは知らないが、『諦めたらそこで試合終了ですよ』なんて言葉を聞いた事がある。諦めなければ世界を滅ぼす大魔王になってしまう事も避けられる筈だ!…多分!きっと!…… ダメだやっぱ心配になって来た。

 

 

「因みに綾辻さんはどんな相手だと思うっすか?」

 

「……どんな相手でも勝つしかないだろう?」

 

 

だってこれ世界の命運を賭けた戦いだもの。まぁ、『こんな失敗したら世界が滅ぶ様な戦いはしたくないんじゃべらんめぇ!』と言うのが俺の本心なのだが、それはあのクソ邪神が寄越しやがったクソ板が許す訳が無い。絶対世界中がゾンビパニックになって終わる。クソが!

 

 

「ほへぇ〜……流石Sランクの人は言うことが違うっすね!」

 

「まぁ、こっちにはSランクの綾辻が居るからな!相手がSランクとAランクオンリーのチームでもなけりゃ勝てるだろ!」

 

「何その鬼畜チーム……僕等全滅確定じゃん。あ、アレかな?もう結構集まってるね」

 

 

主税くんが指を差す方を見ると、同じ学年の生徒達が一箇所に集まって何やら騒いでいた。時々『勝った!』とか『詰んだァ!!』などの喜びと悲しみの叫びが聞こえて来るので間違い無いだろう。

さて、相手はいったいどんなチームなのだろうか?ここ数日は引ったくりもスリも強盗も交通事故も殺人事件も警察からの依頼も、自分でも驚く程起こっていないから、運がいい。今朝だって何の事件や事故にも遭わなかった。きっと相手は同じDランクが混ざったCランク主体のチームになってくれる!……なんて期待はしないが、少なくとも無理ゲーの鬼畜チームでは無いだろう。今朝の星座占いも一位だったし。

 

 

「あ!有った…っす………ぇ?」

 

 

む?どうやら有った様だ。影山くんが掲示板の第7戦目の欄に指を差して固まっている。しかし有ったのはいいが、何故固まってるんだ?まさか俺の運勢の効果が薄まってBランク主体のチームになってしまったか?

 

 

「え、え〜っと…これは」

 

「あ、あはは……」

 

 

影山くんが指を差した方を見た風間くんと主税くんまで様子がおかしくなってしまった。ま、まさかAランクまで混ざっていたのか?運勢頼むからもうちょっと頑張ってくれ!いくら『超推理』が有るとは言え、Aランクまで混ざってるとなると、無傷で勝利するなんてかなり難しいんだぞ!どんだけ難易度高いと思ってんだ!

 

俺は3人の様子を見て不安に駆られながらも、腰に付けたポーチからあのなんちゃって煙管を取り出し、それをふかす。綾辻行人になったからか、こうするとなんか落ち着くのだ。前世では電子タバコでも未成年が吸うのはダメだったのだが、この世界では武偵の道具として爺さんから貰ったこのなんちゃって煙管の説明書と一緒に申請したら何故か許可貰えた。不思議だ。

因みにこのポーチには『独歩吟客』用の手帳とペン、そして予備の弾を入れてある。あ、後頭痛薬も。

 

そして心を落ち着かせた俺は、覚悟を決めて影山くんが指を差す方を見た。そこに書かれていたのは……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第7戦ーー綾辻班VS峰班

 

 

……悲しい、現実であった。(泣)

 

 

「み、峰さんって……峰理子さんの事っすよね?あの探偵科Aランクの」

 

「あぁ、しかも聞いた話によると、ああ見えてかなり強いらしいぞ」

 

「そんな人がリーダーのチームって、高確率で同じAランク同士のチームだよね。自信無くなって来た」

 

 

俺も彼女がかなり強いと聞いて自信を無くしてしまったよ主税くん。畜生なんで選りに選って俺の『1番会いたく無い人ランキング』と『最近困ってる事ランキング』で全然輝かしくもない第1位の座に君臨してるちみっこ武偵がリーダーのチームと戦わなけりゃならんのだ!?つーかあのちみっこ戦えたの?あ、でもあんなクレイジー過ぎる任務に一緒に行こうと誘って来る辺り、それに対応出来る戦闘能力は持ってるのか?ヤベェ、だとしたらこれ勝ち目が無くなって来たぞ。せめて彼女のチームがDランクだけなら互角になる可能性はあるかも知れないんだがな。

 

 

「お?そこに居るのは〜?……あー!ゆっきーだ〜♪」

 

(ゲッ!!この声は……)

 

 

俺は背後から聞こえて来た最近聞き覚えがあり過ぎてもうそろそろうんざりして来た声に嫌な予感を感じつつ振り向くと、そこにはまるで向日葵の様な満面の笑みを浮かべながらこちらに歩み寄ってくる峰くん(小悪魔)と、3人の少女達の姿があった。

 

 

「……峰くん」

 

「やっほ〜♪……へぇ〜?そっちの子達がゆっきーのチームメンバー?りこりんのお誘いを断る位だから、Aランクばっかりのチームだと思ったのに、予想が外れちゃったなぁ〜」

 

「ど、どうもっす……」

 

「「…………」」///

 

 

峰くんは影山くん達を興味深そうに観察する。それに対して影山くんは笑顔を若干引き攣らせながらなんとか挨拶し、主税くんと風間くんは何やら頬を染めて峰くんを見ている。まぁ峰くんは性格に難はあるが、黙ってさえいれば普通に美少女ではあるからな。黙って大人しくしてさえ居ればな。

 

ところで………、

 

 

「…………」ジー

 

「…………」

 

 

さっきから幻であって欲しい少女(狙撃科Sランクのレキくん)がメッチャ俺の事見て来るんだけど、なんで?なんで君峰くんと一緒にこっち来たの?この場所で峰くんと行動してるのを見たら、とんでもない勘違いをしてしまいそうになるんだが?それに他のショートカットの髪を左右の耳の脇でまとめた髪型の小柄な少女と、制服が大量のフリルとリボンで原形を留めないほどに改造されている少女も見覚えがあるぞ?確か装備科(アムド)平賀文(ひらがあや)くんと、車輌科(ロジ)島苺(しまいちご)くんだ。しかもどちらもランクA。………ま、まさか!?

 

 

「………峰くん。もしやレキくん達は?」

 

「そうだよ〜♪レキュ達はあたしのチームメンバーなの!ゆっきーが組んでくれなかったから、代わりにレキュ達とチームを組んだんだ〜♪」

 

(終わったぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!

 

無理無理無理無理無理無理!!こんな鬼畜チーム相手にどうやって勝てばいいんだよ!?Aランクオンリーのチームですら勝ち目が薄いのに、それにSランクのレキくんまで加わったらもう勝てっこ無いだろ!!なんだこの無理ゲー!?始まりの町を出てすぐの草むらからいきなり魔王軍の幹部と魔王本人が飛び出して来るのと同じぐらい無理ゲーだ!!どうすんだこれ!?俺マジで世界を滅ぼす大魔王になっちまう!やった事だけはゾー○とかデスピ○サロと肩並べちまうだろうが!!

 

 

「ふふ〜ん♪正直Sランクのゆっきーが対戦相手になるとは思わなかったけど、やるからには全力で勝つからね!じゃあ、あたし達はこの後やる事があるから!バイバ〜イ♪」

 

「さよならなのだ〜♪」

 

「さよならですの〜♪」

 

「…………」ペコリ

 

 

そう言って峰くん達は去って行った。いつの間にか掲示板を見に来た生徒達も居なくなっており、残されたのは表情筋が仕事を放棄してしまい無表情のまま固まった俺と、顔色の優れないチームメンバーだけであった。

 

……恨むぞ神様。

 

 

 

 

 

 

峰理子side…

 

 

「うぅ〜〜ん………」

 

 

4対4戦の対戦相手が発表された日の夜。レキュ達と別れて女子寮の自室に戻ったあたしは、パソコンの画面と睨めっこしながら首を傾げて居た。

 

 

「あぁ〜もう!ダメ!全然分っかんない!」

 

 

画面に映るのは4人の人物。私達の対戦相手、綾辻班のメンバー。家に戻ったあたしは、早速綾辻班のメンバー全員の情報を集め始めたんだけど、なんで綾辻行人がこんな欠点が目立つメンバーを集めたのかが分からない。Sランクの綾辻行人ならAランクの生徒から引っ張りだこになってもおかしくないのに、態々全て断って集めた程だから、何か凄い経歴があるのかと思って調べたけど、特に目立つ経歴は無かった。

 

 

「これでどうやって勝つつもり?」

 

 

危険な任務を好むあの綾辻行人が態と負けるなんて事は無いだろうし、もし1人で戦うつもりなら、自分から声を掛けたりなんてしない。だから何か考えがある筈。相手はSランク武偵、警戒は必要。綾辻行人はいったいどんな手を使ってくるのかな?

 

 

「くふふ♪面白くなって来たなぁ〜♪」

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