【三次創作】~名も無き忍道~『関節技縛り』【中編】   作:ひろっさん

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そういえば日向流とマイト・ガイから見たナメコちゃんというネタをやってなかったと、読者様の感想を見て思い出しました。


関節技縛り014(おまけ2)

――――語り部、ロック・リー

 

「あの戦争って、結局なんだったんだろう?」

 

久しぶりにラーメン屋で一緒になった第三班で、テンテンがそんな疑問を口にした。

 

「マダラとオビトが暗躍して、色々利用して……まあ、複雑なことがあった結果、ああなったんだろうな」

 

ガイ先生が首をひねって、まとめようとして断念する。

 

「先生……」

「う……細かいところはまだ検証中なんだ……」

 

テンテンに睨まれて、先生はしぼむ。

 

「そういえば先生、滑里タケノコって何者なんです?」

 

ボクは話の流れを変えようとして、質問を口にした。

 

「俺もそれは気になっていた」

 

それまで黙っていたネジが食いついてくる。――意外なことに。

 

「ネジも知らなかったの?」

「ヒアシ様に聞いても、どうも要領を得なくてな」

「ネジ、もしかして『あんなに強いのは何か秘密があるんじゃないのか』とか聞いたんじゃないか?」

「?……ああ、よく分かりましたね」

「『根』と暗部がそれぞれ調査したことがあるらしいからな。皆、考えることは同じってわけだ」

「それで、どうだったの?」

「何も出てこなかった。

家系図も代々下忍か中忍止まり、それどころか特別な鍛錬法や体術の研究もない。

言ってしまえばタケノコちゃんが初代みたいなもんだ」

「それであんなに強いんですか?」

「リー、タケノコちゃんは、俺とお前と同じハンデ持ちだ」

「えっ!」

 

ボクは驚く。

 

ボクとガイ先生は、『印を組む術が使えない』というハンデがあった。

だから、木の葉流の体術に特化せざるを得なくて、チャクラによる身体強化に全振りする『八門遁甲の陣』の修業を積んでいた。

 

「やや違うのは、チャクラ量のハンデだってことだ。だから、2、3回でガス欠になるとはいえ、アカデミー級の術は使える」

「2、3回でガス欠って、きつくない?」

「だから、チャクラに頼らない、素の身体能力を徹底的に鍛えたのか」

「先生、やけに詳しいですね?」

「そりゃまあ、アカデミーの同期だからな」

 

え、えええええっ!?

 

 

 

――――語り部、マイト・ガイ

 

やれやれ、教え子達に話をせがまれることになろうとは。

 

まあ、タケノコちゃんに関しては、第四次忍界大戦の後に緘口令が正式に解除されたからな。問題ないと言えば問題ないんだが。

 

「ガイ先生とどっちが強いんですか?」

 

という、リーの問いには少々困った。

 

1対1なら多分俺が勝つ。

体術特化と『八門遁甲の陣』っていう要素が、タケノコちゃんに対して相性が良すぎるからだ。

それでも『驚門』が必要なくらいまで食らいついてくる彼女は、やっぱり色々とおかしい。

 

いやまあ、理由は知っている。

タケノコちゃんの脚力が凄いと言っても、さすがにチャクラによる身体強化全開のそれに比べると遅いからな。

体術特化の宿命として敵に接近する必要がある以上、多少の攻撃は手で捌かなければならない。

そのためには、敵の投げる手裏剣の雨を正面突破することも必要になってくる。

 

ただ、タケノコちゃんのそれは少々次元が違う。

なんでも、大蛇丸の『万蛇羅ノ陣』を正面突破したそうだ。

そりゃまあ、彼女が修業で捌いている手裏剣の密度は、上忍から見ても頭がおかしいレベルだから、できなくはないんだろうが。

 

とはいえ、タケノコちゃんは今が全盛期だろうから、『死門』が必要になることはないはず。

そういう意味で、正面対決で俺が勝つのは変わらない。

 

しかし、問題は彼女が待ち伏せ専門だということだ。

つまり、『実戦では9割俺が負ける』。――俺には、チャクラを抑えて潜伏するタケノコちゃんを感知する方法がないし、山中マネの感知を誤魔化す方法もない。

気付いてから俺が反応するまでに、間に合うかどうか。勝負はそこにかかっている。

 

――タケノコちゃんという、待ち伏せ戦術に特化した忍者に対して、先手を取れる確率は?

――俺が山中一族の者と組んだとしても、まず皆無。

 

アカデミー時代、体術勝負で勝ったり負けたりしていたのを思い出すなぁ。

俺も、ハンデを背負った彼女に代わって活躍したい一心で奮起したもんだが。

まさか、タケノコちゃん自身がここまで活躍するとは、さすがに予想できなかったぜ。

 

 

 

――――語り部、日向ヒアシ

 

昨日、ネジに質問された時は困った。

 

日向家が第四次忍界大戦以前から、滑里タケノコに注目していたのは事実だ。

ゆえに、『強さの秘密』を問われると答えに窮する。

 

滑里家にも、宵闇流にも、そう特別なことがないのは調べがついていたからな。

ゆえに、『努力の賜物』としか答えられなかった。

少々、要領を得ない返答になってしまったかもしれん。

 

「お父様と滑里タケノコ、どっちが強いのかという話になってしまって、その……」

「ああ、彼女と一度手合わせした時も、そんな理由だったな」

「そうなのですか?」

 

質問してきたヒナタが目を丸くした。

先の大戦の英雄となった滑里タケノコについての話で持ち切りなのだ。

 

「先の大戦の最中であったゆえに、稽古程度ではあったが……」

 

私は思い出す。

 

とはいえ、『八卦六十四掌』の意味がないことは、事前調査で分かっておったからな。

チャクラの経絡系を封じても、彼女にはほとんど意味がないのだ。

純粋な破壊の技の押し付け合いになるのは分かっていた。

そうは言っても、柔拳法に純粋な破壊力を持つ打撃技がないわけではない。

後はどちらが先に、相手に威力を届かせるか。

 

結果から言えば、千日手のようになった。

押し切られそうになると、チャクラの壁を展開する『八卦掌回天』で凌ぎ、仕切り直す。

要するに、純粋な体術で私は負けていたということだが。――あれは衝撃的だったな。――『白眼』を発動していなければ、おそらく捌くということもできまい。滑里タケノコの手業は、それほどの領域だった。

――なるほど、あれで奇襲されれば、知らぬ者には為す術もあるまい。

 

それから、どのような修業をしているのか、戦後に改めて覗いてみて、驚いたものだ。

 

なにしろ、棒手裏剣を桶にびっしり詰め込んだものを用意して、パートナーに中身を一気にばら撒いてもらい、その弾幕に向かって走りながら正面突破するという修行法。

――さすがに面で顔を保護していたが、時々身体に手裏剣が刺さるという。――当たり前だ。

 

そしてそこから、私は日向流について、2つの弱点に気が付いた。

1つは、手の速度が遅いということ。

もう1つは、自分から相手に接近するための術が貧弱であるということ。

 

いや、これらは本来、宵闇流の弱点であったのだ。

しかも、初代ほどの使い手がついに現れず、宵闇家は私の世代で文献の存在となった。

 

普通の相手ならば今のままでも十分なのだが、相手がマダラとなると、どうしても大したことができなかった。

その原因がこれであろうということだ。

 

ゆえに、はたけカカシ――7代目火影――からの相談は渡りに船だった。

宵闇流の秘伝書を作り上げるのを手伝う代わりに、滑里タケノコの修行法を解析し、日向流に取り入れたい。

――やはり、山中マネを通すか筆談でしか、複雑な意思疎通ができぬというのが難しいところであろう。

 

ちなみに。

私自身、ここ数年で滑里タケノコについてよく調べたからわかるのだが、ネタが割れている以上、『白眼』を使用できるならば、彼女の得意な待ち伏せ戦術を逃れることだけはできるであろう。

チャクラを抑えての潜伏に慣れているとはいえ、『白眼』ならば感知可能だからである。

 

『白眼』も『写輪眼』ほどではないものの消耗が大きいため、発動タイミングなどについて工夫は必要であろうが。

 

――知らなかった場合?――もちろん、彼女の確殺距離に入った瞬間にやられるであろうよ。

――奈良シカク殿も、恐ろしい教え子を育てたものだ。

 

 

 

――――

 

幾つか質問がありましたので、解説します。

 

日向流とマイト・ガイから見たナメコちゃんの強さについて、ですね。

 

ナメコちゃんは『立ち関節』を窮めて以降、ずっと足と腕の敏捷を鍛えてきています。

腕の敏捷は、武器系攻撃を捌く技術に係わってきますから重要なんですが、副産物として『組み手争い』の強さに係わってきます。

 

この前提で、ガイ先生から見ていきましょう。

ガイ先生はマダラを相手にするために、『八門遁甲』の『死門』を開く必要がありました。

そのマダラを体術で上回ったナメコちゃんとガチでやり合うには、やっぱり『死門』を開く必要があるんじゃないかと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

 

というのも、マダラはガイ先生相手に『写輪眼』による技量ボーナスを得られるんです。

理屈としては『写輪眼』による先読みがガイ先生の場合は可能で、ナメコちゃんの場合は不可能だということです。

この分の相性差があるわけですね。

 

なので、マダラを間に置いた場合の相性差が消える直接対決では、『組み手争い』が発生します。

この『組み手争い』の判定ですが、技量と腕の敏捷で決まってきまして、ガイ先生は『八門遁甲』の『驚門』、いわゆる『蒼き獣』でナメコちゃんのスピードを完全に上回ります。なので、ガイ先生相手に正面からガチると、高い確率で負けます。

 

また、日向流の場合も、ネジや宗家の上の方の使い手になると『組み手争い』が発生します。

理由は、『白眼』の存在ですね。ナメコちゃんが相手でも先読みボーナスを取ってくるため、マダラがガイ先生を相手にするのと同じようなことになります。

 

その上、『組み手争い』で負けそうになると、『八卦掌回天』で仕切り直しを強要してくるため、千日手のような膠着が発生します。――曲がりなりにも体術特化流派の面目躍如ってところでしょうか。

 

こう聞くとマイト・ガイの方が日向流より強いんだと思うでしょうが。

今回、『関節技縛り』をするに当たって、木の葉の里を選んだ理由の1つが日向流です。

雷様や無様をはじめ、初期木の葉敵対ルートでは、体術の鍛錬のためにかなり魅力的な里があるにはあるんですが……。

 

第3次前後のナメコちゃん未完成な時期、木の葉と敵対して今回みたいな待ち伏せ戦法をやると、体感9割の確率で日向流と遭遇して、6割ガメオベラします。

どういうことかと言いますと、主にシカクおじさんの提案で『白眼』の使い手が差し向けられるからです。

 

未完成な時期に日向流を相手にはできません。敵味方のチーム構成次第では、本当に逃げるしかないんですが。

今プレイではシカクおじさんが構築してくれたレベルの待ち伏せ戦法が完成して、上忍まで狩れるようになるまで、2年くらいかかります。それまで、『バレたら即逃げ』という判断を、担当上忍が確率でミスりやがるんです。――とはいえ、さすがに上忍だけあって9割以上成功するんですが。

その判断ミスが起こりうる確率というのが、2年積み重なって4割にまでなるんですね。

 

そして、敵チームに日向一族がいると、大体2割の確率で先手を取られて逆奇襲を食らいます。

――この2割は、イコール今プレイの山中マネのように、チャクラ感知が得意な忍者をチームに入れない確率です。

――シカクおじさんが味方にいると、この辺は全部カバーしてくれるんだから偉大ですね。

 

この、待ち伏せ戦法が完成するまでの2年がリセゲーになるのが嫌だったのと、原作イベントに係わっていきたかったという、2つの理由で、木の葉スタートにしています。

 

――移動中に何の前触れもなくチョウザおじさんが降ってきて、直前に気付かずセーブしたもんだから、2時間リセマラして作ったキャラを消さざるを得なかった苦い思い出なんてものはありません。ありませんとも。

 

 




ご感想を書いてくれた人には、リオファネス城ウィーグラフ戦前にセーブした詰みデータの苦い記憶を思い出す権利を差し上げます。
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