熱いの嫌なのでINT極振りの氷結特化にしたいと思います   作:ヴィヴィオ

4 / 8
一話から修正してあります。色々と変化しています。


水の魔法は……

 

 

 

 

 イズさんが戻ってくるまでに【月の水樹】で作り上げる水樹の品質向上方法を考えよう。どうせしばらくはあの井戸にいっても人がいっぱいなんだから、できない。気にしないのなら、できるかもしれないけれど、大人の人達に混ざってやるとか無理。

 そんなわけで、しばらくは【月の水樹】についての考査を深めようと思う。まず格納されている【水樹生成】はINTとMPによって品質と強度が上がるし、成長速度も変わってくるのはスキルの説明文に書かれているから確実だと思う。

 それ以外の条件を調べるにはやはり、実験あるのみ。まずは水樹がどこから作れるかを調べないといけない。

 

「ん。【月の水樹】」

 

 試しにスキルを使ってみる。すると何処から発動するか、指定できるみたい。前は掌を突き出して相手を突き刺すように思ったから掌から出たみたい。とりあえず、これでわかったのは出せる範囲は私の肌が露出している部分からなら問題なく出せることがわかった。服の中から作るのは無理みたいなので、基本手に両手か顔や髪の毛からになるかな。

 出せる場所はわかったので、持続時間を計算してみる。基礎としてMP100は使うこの月の水樹。試しにMP100で腕から生み出して放置してみる。メニュー画面から色々と調べると水樹のステータスが表示された。

 

【月の水樹】

 品質:低

 持続時間:10分

 

 MPを追加すると時間が増えた。10MPで10分増えるみたい。このまま置いておけば消えるか放置して、続いて

 水樹の種を使った実験をしてみる。スキルで無から有を生み出すのではなく、イズさんが教えてくれた通りにアイテムによるブーストをかければどうなるかも調べないといけない。

 水樹の種をアイテムストレージから取り出して、種を掴んだ状態で【月の水樹】を発動する。今度は残りのMP130点を全て注ぎ込む。すると、種から芽がでてきたので、残っているコップの中に種を落としてみる。

 コップにある水の中に落ちた水樹の種はコップの水を吸い尽して芽から木へと成長していく。苗木みたいな40センチぐらいになったら成長はしなくなったけれど、コップの中は根っこでいっぱいになっている。

 

「ただいま~」

「お帰りなさい」

「何をしているの?」

「実験だよ。あ、枯れていった」

 

 腕から生やした水樹は枯れてしまったので、持ってみて折るように力を込めると消滅した。アイテムは何も入っていない。コップの方は品質が上がっているけれど、こちらも枯れてしまった。

 

「ねえ、スノーちゃん。もう一つ作ってもらっていい?」

「どっちがいいのかな?」

「両方ね」

「ん、わかった」

 

 マジックポーションでMPを回復して実験してみる。目の前に水樹を作ると、イズさんがナイフで伐採していく。

 

「んーどっちも素材として残るわね。月水樹の若木っていうアイテムになるけど、品質はやっぱり種を使った方が上かな」

「私もやってみる」

 

 次も作って収穫してみるけど、アイテムにならずに消滅した。どうやら、【伐採】スキルの有無が残るか残らないかの基準みたい。それに品質を上げるには種を使った方がいいみたいだし、他にも条件があるかもしれない。

 

「木を育てるには他に何が重要かな?」

「種だけじゃなくて土と水、太陽でしょうね。温度も大事かしら?」

「なるほど。つまり、それらをしっかりすればいい水樹が育つわけだね」

「むしろ、育てて実をつけたら収穫して、その実から出た種で育てていくと品種改良ができると思うわよ」

「品種改良……つまり、冷たい木が作れる?」

「可能かもしれないわね。何せゲームだから」

Спасибо(すぱしーば)。試してみるよ」

「ええ、頑張ってね」

 

 そうと決まれば色々と試してみよう。とりあえず、水樹の広場で使ったらいいかな。あそこは実際に育っているんだから、スキル上げには丁度いいかも。

 

「それで買ってきたスキルスクロールなのだけど……」

「どうしたの?」

「【水魔法】のスキルスクロールが売り切れてたの」

「そん、な……なんで……」

「水樹の育成に使うから、皆が一気に買ったみたいね~」

「うぅ……」

「よしよし」

 

 イズさんが頭を撫でてくれるけれど、これは凄く悲しい。私の冷たい魔法がまた遠のいた。本当に運が悪い。

 

「えっと、代わりに【HP増加Ⅰ】【MP増加Ⅰ】【INT強化Ⅰ】【STR強化Ⅰ】のスキルスクロールを買ってきたわ。それぞれステータスが上がるのよ。これで多分、斧でも使えるはずよ」

「お~」

 

 悲しいけれど、これは現実だからスキルスクロールを読んでスキルを覚える。【HP増加Ⅰ】と【MP増加Ⅰ】はそれぞれ20ずつ増やしてくれるので、私のか弱いHPとMPがとっても増えてくれた。【INT強化Ⅰ】と【STR強化Ⅰ】は10点増える。これで私は【登攀】と合わせるとSTRが20もあるのだ。えっへん。

 

「可愛いことしているスノーちゃんにプレゼントよ。はい、伐採用の斧ね」

Спасибо(すぱしーば)

 

 受け取った斧は小さくて細長い。刃が小さな物と大きな物が両サイドについてる。これって──

 

「ノコギリ?」

 

 ──そう、私が渡されたのはどう考えてもノコギリだった。

 

「そうよ。何も斧の形に拘る必要はないし、それならSTRが低くてもどうにかできるわ」

「【伐採】スキルの習得条件は……」

「木を五本、切り倒すことだったかしら? すぐに取れると思うわよ。問題はMPでしょうけど、自然回復はしないのよね?」

「うん。だからマジックポーションは必要かな」

「水樹を育てて伐採するのじゃなくて、外にある木を伐採すればいいわね。スキルを手に入れたら、夜に育て伐採すればいいし」

「それじゃあ、外で頑張ってみる」

「私もいくつか欲しい木があるから、一緒に行きましょう」

「はい」

 

 カフェを出てから、木々を取りに町から出る。後はイズさんの指示に従ってノコギリで小さな物を切っていく。大きな物は私がある程度切れ目を入れたらイズさんが斧で斬り落としてくれるので、伐採の経験値をしっかりと貰えるみたい。

 3時間が経ち、お昼時になった。頑張っていたからか、【伐採Ⅰ】のスキルが手に入った。このスキルはDEXに+10の補正があり、ある程度斬りやすくなったし、取れる木材の品質も上がる。最初は低品質どころか、木材とも呼べない木くずばかりだったけれど、ちゃんと一人で木を切れたら低級にはなってくれた。

 

「この木材はもらっていいのよね?」

「ん。ノコギリとスキルの代金」

「そうなのね。じゃあ、次は水樹をお願いね。これ、マジックポーションよ。経費で換算するから安心して使ってね」

Спасибо(すぱしーば)。イズさんはこれからどうするの?」

「私は寝るわ~」

「寝てないの?」

「ちょっとどんな杖が作れるか楽しみだったのよ。まあ、今日は休みだからまた夜にはくるわ」

「じゃあ、それまでに水樹を用意しているね」

「無理しなくていいからね」

「ん。大丈夫。時間はいっぱいあるから」

「そう。それじゃあお願いね。おやすみなさい」

Спокойной ночи(スパコィナイノーチェ)、おやすみなさい」

 

 イズさんがログアウトするのを見送ってから、私は枯れ井戸を確認する。やっぱりまだ人が沢山いたので、水樹の広場にある池で眠ろうと思う。MPの消費から考えて、夜に活動した方がいいと思うしね。でも、火が怖いから、やっぱり昼に活動しようかな。

 

 起きる事にしたので、水樹の池に沈みながら【月の水樹】を使ってみる。MP100点を支払い、水樹を生成してみる。この池はすでに成長した水樹があるのだから、水樹が成長していくにはいい環境のはずだ。試してみる価値はある。

 それに【月の水樹】は貫いた相手のMPを吸収したり、水分による回復以外でHPとMPが回復したりしない。逆に言えば水分だと回復できる。マジックポーションも水などで回復できたしね。

 そう考えると、【月の水樹】を生やした状態なら水が回復アイテムになったりしないかと考えたんだけど……うん、無理だった。私のMPは回復しなかった。ただ、水樹の方はMPを込めなくても成長していった。どうやら、元からある水樹から出る水を吸収する事で成長しているみたい。やっぱり、豊富な水がMPの代わりになるみたい。

 問題は私が生成したせいか、この水樹は熱いのが嫌いみたい。成長する方向を指定しなければ昼間は水の中から出ようとしないで水の中で広がるように成長していく。

 この池は深いところでもお腹から胸の辺りまでしかないので、成長できる大きさはそれなりになる。なので、水中で伸びたらノコギリで斬り落として、アイテムストレージに回収してまた作りなおす。

 ギコギコして手に入れたのは月水樹の枝というアイテムで、月の魔力を受けて成長した水樹らしい。【月の魔力】を持っているので、全て月の水樹になるみたい。日とは反対の属性で冷たさや夜、暗さなど夜を象徴するみたいなので私としては好き。この枝で杖を作ってもらおう。

 というわけで、イズさんやお姉ちゃんが来るまで月水樹の枝を量産していく。育てて収穫して、育てて収穫してを繰り返す。マジックポーションをいっぱい飲みながら【育樹】と【MP増強】を鍛えていく。【育樹】は木を育て続ければいいし、【MP増強】はMPを使い続ければ勝手に上がっていくので使い続けるだけでいい。どうせ枯れ井戸が空くまで時間がかかるんだしね。

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 夕方になり、お姉ちゃんとイズさんがログインしてきた。なので水樹の育成を止めてお話する。

 

「はい、これが今日取れた水樹の枝だよ」

「ありがとう。月水樹の枝、これは色々と使えそうね」

「それでスノーの杖を作ってやってくれ。代金は私が支払うし、足りない素材は集めてくる」

「お金はいいわよ。でも、素材集めはよろしくね」

「私も手伝うよ?」

「スノーちゃんはいいわよ。この月水樹の枝をいっぱい作ってくれたらいいからね」

「わかった」

 

 水樹の育成がイズさん達の役に立つなら、それはそれでいいかな。

 

「じゃあ、私はこの素材を使って色々と作ってみるわね」

「お願い、します」

「頼む」

「頼まれたわ」

 

 イズさんがレンタル工房に向かったので、私はどうするかお姉ちゃんを見てみる。

 

「今日は少し行ってみたい店がある。面白い場所だ」

「そうなの?」

「ああ。普段行っている店ではなく、不思議な店だ」

「楽しみ」

 

 お姉ちゃんが連れて行ってくれた場所は満天の星空が映し出されているカフェで、不思議な食べ物がでてくる場所だった。髪の毛が変化したり、瞳の色が変化したり、とっても楽しいお店だった。ここもお気に入りになりそう。それに星座とかをお姉ちゃんに教えてもらったりもした。ただ、お姉ちゃんも私以外の人と狩りをしたりするので、そんなに一緒にいれない。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。