熱いの嫌なのでINT極振りの氷結特化にしたいと思います 作:ヴィヴィオ
掲示板入れるかどうか悩み中です。次はとりあえず、イズさんから杖をもらって雪の妖精と会うところとなります。
お星様のお店に行ってから十日が経った。私は水樹の池で【月の水樹】に格納されている水樹生成で水樹を作り、ノコギリでギコギコして切断している。
イズさんにお願いして、この十日間は毎日100本以上になる大量のマジックポーションとノコギリを貰っている。そのマジックポーションを一日で使い切って、月の魔力によって月水樹に変化した枝を大量に収穫してイズさんに引き渡した。
順調に【MP増強Ⅰ】と【育樹Ⅰ】がそれぞれⅨまで上昇して月水樹の枝も品質が向上しているし、形などはある程度は自由に操作できるようになってきた。それに品質向上した月水樹を実らせて収穫し、その種を使って新しい月水樹を生み出す。こうする事でだんだんと最低値の品質が上昇していっている。それに実から取れるのは
芳醇な香りと桃のような味がして、お姉ちゃんやイズさんに渡したら大喜びしてくれる。この月の滴は割合回復で、10%のMPが回復してくれるからだ。魔法使いであるお姉ちゃんは特に喜んでいるし、月の滴をそのまま使うのではなく調合素材としてマジックポーションを作成している。まあ、私の低いMPでは普通のマジックポーションの方がいいんだけどね。あははは。
さて、順調に量産している月水樹の枝はイズさんによって加工されて売りに出されている。私は今まで作った中で、イズさんが最高傑作だというのをくれるらしいのでまだ貰っていない。イズさんが作る魔法の杖というのは少し楽しみ。
ここまでは問題ないように見えるけれど、実際は問題だらけなんだよね、まだ水魔法も習得していないし、氷魔法もまだだしね。
そもそも私のMPを込めて作る【月の水樹】は強度と品質がINTとMPに依存しているので、硬くて耐久力が上がっている。そのため、ノコギリで斬るとノコギリの方が壊れてしまうので気をつけて斬るしかない。そのせいか【切断】スキルも手に入れた。私、魔法使いなのになんでだろ?
「はっ!? むしろ木こりになってる!」
このままじゃいけない。雪の妖精と冬の女王のクエストだってまだだ。流石にもう枯れ井戸は空いているかな?
そう思って移動してみると、何故か赤い服の人達が居た。その中心にお姉ちゃんが居て、声をかけるかどうか悩む。
「ミィ様。順番が来ました」
「うむ。それではこれから太陽か日かは知らないが、水樹を作成する」
「はっ!」
お姉ちゃん達は盾を色んな所に設置し、太陽の光を集めていくみたい。そういえば、お姉ちゃんが近々、【月の水樹】があるのなら、太陽の光を使って水樹を作ると言っていた。その作業だと思う。
邪魔しちゃ悪いだろうし、ここじゃない別の所に行こう。気になっているのはここだけじゃない。何せ、怪しい井戸はもう一つある。
あの毒に侵されている井戸だ。絶対に何かのクエストがあるはずだ。そんなわけで、毒が入っている井戸に移動する。こちらには人が居なかった。ただ、NPCのおばさんが居るので、そちらに話を聞いてみる。
「あの、すいません」
「お嬢ちゃん、この井戸は使えないよ。毒が入っているんだ」
「そうなんですね」
「それに近づくのも危ないよ。この付近で何人も行方不明になっていて、この井戸に落ちたんじゃないかって言われてる。それに毒が強力だから落ちたら二度と戻ってこれないよ。私も大事な物を井戸の中に投げ落としてしまって、もう取れないと思って諦めてるんだ」
「何を落としたんですか?」
「死んだ夫の形見さ」
「それは……」
お母さんやお父さんの形見を無くしたらと思うと、他人事じゃない。そう思っていると、クエストが発生した。
『毒の井戸と形見の品。クエストを受けますか?』
もちろん、受けるを選択する。
「ありがとう。でも、無理はしなくていいよ。この毒をどうにかするには神官の毒を治療する回復魔法か解毒薬がないとどうしようもないからね」
クエストを確認すると、『解毒薬か解毒魔法を使おう』とあっている。でも、井戸なら別の方法だってあるよね? そもそもお金もないからどっちも用意できないし!
そんなわけで、井戸から毒の水を組み上げて飲んでみる。舌がピリピリするけど我慢して飲むとフラフラになっていく。ヒットポイントゲージもどんどん減っていき、気が付けば水樹の池の前へ戻っていた。なので、毒の井戸に戻ってまた飲む。
繰り返していると【毒耐性・小】を手に入れた。それ以降も繰り返すと、七時間ほどで【毒耐性・中】に変化したけれど、全然減らないのでこのまま捜索にかかる。というか、周りが夜になってきて松明が灯ったので非常に怖いから毒の井戸に飛び込む。
結構深いようで身体がどんどん沈んでいく。井戸は20から30メートルの深さが一般的だと聞いたけれど、この井戸はもっとある。それに下へ下へと下がっていくとどんどんヒットポイントゲージが削られていく。
私は【水中適応】で呼吸には問題ないし、溺死はしない。それなのにヒットポイントゲージが削られているという事は必然的に毒のダメージということになる。
イズさん特製のポーションを使って回復しながらしばら水中に留まる。何も見えないし、緑色の何かが付着してくる。それに口を開けると中に入ってくるので吐きそうになるけど、我慢。どんどん下に行って形見の品を探していく。
すると手に変な感触があった。それを手探りで確認していくと、アイテムストレージに収納するか、しないか、という選択肢が青いスクリーンで出てきたので回収を選択肢する。
アイテムストレージの内部を確認すると、溶けた何かの頭蓋骨と表示されていて、思わずヒェッと声がでて周りの水を飲んでしまう。これによって更にヒットポイントゲージが減っちゃった。
慌ててポーションを連続で使って回復する。今すぐにでもここから出たいけれど、形見の品物は見付かっていない。まさか、この骨が形見じゃないだろう。それに骨にしても回収して、助けてあげて外に返してあげた方がいい。
頑張る。雪ならできる。私は強い子!
だから、腕とか足とか、捕まれる感じがしても気のせい! 下に引きずり込まれてる気がしないでもないけど、気のせい! 気のせいなの!
『暗くて気持ちいよ』
『こっちにおいでよ~』
『お姉ちゃん、遊ぼ、遊ぼ』
暗くて気持ちいいのは同意するし、そっちに行ってもいいかもしれないけど、お姉ちゃんがいるしそっちにはまだいけない。お母さん達は私に生きて欲しいはずだから、頑張って生きるの。
『そっか。そうなんだね。私達と一緒にはなってくれないんだ』
『だったら、仕方ないね』
『そうだね。仕方ないね』
『『引きずり込もう』』
やめてー!
と叫ぶけれど、虚しく沈められる。ただ水底に到着したのか、足の裏に硬い物があたった。足をつくことができたし、おそらくここが一番深い場所かな?
周りは真っ暗で一切の光が見えない。そんなところでポツリと光が現れる。それは火の玉だった。その火の玉が私に近付いてくると、だんだんと人型になって私の身体を押さえつけてくる。でも、何故か全員女の子だった。性別が関係しているのかな?
『あれ、なんで死なないの?』
『おかしい、おかしいよ?』
『毒も効かないし、呼吸ができないのに死んでないよ?』
あ、呼吸が必要なくなってるだけだった。
「ふっふっふ、残念ながら私は水中でも活動できるのだよ。声は届くのかしらないけれど」
『ナニソレ、ズルイ』
『ズルイズルイズルイ!』
毒はまだ効くから、このままだと死んじゃうけれど……どうしようかな。この子達は助からなかった私かもしれないし、助けてあげたい。だから、しばらくされるままになって回復だけして耐えよう。
二時間後、【毒無効】を習得して本格的に問題がなくなったので根気よくお話をしたり、周りを探索してみる。相手側の子達は私に攻撃してはこない。毒と窒息ダメージによって倒す予定だったみたいだけど、どちらも私には意味がなくなった。
安全が確保できたので四つん這いになりながら探索して気がついたけれど、私が立っていたのは大きなドラゴンの頭蓋骨だった。それをアイテムストレージに収納して確認すると、毒竜の頭部と出ていた。
つまり、この毒の汚染は誰かが井戸に毒竜というモンスターの頭部を投げ込んだ事が原因みたい。また、この底には複数の子供達の死体や骨が毒によって溶かされていっている。以上の事から考えられるのは何者かが子供達を殺してここに捨て、証拠隠滅の為に消しているかもしれないということかな。こういうの、テレビで見た!
「ねぇ、皆で地上に戻らない?」
探せるだけ遺品を探して、触れる水と壁以外の物は全てアイテムストレージに収納していく。もう選別するのも面倒だしね。
『戻れない』
『それに私達に帰る場所なんてないよ』
『望まれて産まれてきた子にはわからない』
「う……」
『だから、ここで暮らそう?』
『あなたも溶ければいいよ』
選択肢が表示されるけれど、当然拒否する。むしろ、選択しない。好感度が足りないのだと思う。
「なら、遊ぼ」
『遊ぶ? 遊ぶの!』
『遊ぼ!』
暗闇の中だけど、現実の私と変わらないのでそのまま皆と遊んでいく。しりとりしたり、声を出してじゃんけんしたり、色々としてみる。相手は私の心を読んでいるみたいだし、基本的には負けるので必死に頑張って何度も挑戦して勝利する。
水中で寝たりしながら、六時間ほど遊ぶと途中で【暗視】も手に入れたので周りがくっきり、はっきりと見えるようになった。そのため、鬼ごっこなどもしていっぱい遊んだ。久しぶりに遊んで凄く楽しかった。
『楽しかった~』
『次はなにする? もう遊びつくしたよ』
「おままごと?」
『それはもうやったしね~』
『絵本がいい!』
「それなら、雪の妖精と冬の女王という奴や不思議の国のアリスとかどうかな」
『私もアリスって言うの教えて~』
「えっとね~」
話していくと、皆が大喜びしてくれる。
『とっても面白かったわ。私達も頑張ってみようかな?』
『私達もいっぱい仲間を作りたいもんね』
『うん。満足したし、後はお姉ちゃんに協力してあげる』
『スノーちゃんと遊ぶのは楽しいしね』
「えっと、それじゃあ、地上に戻ってくれるんだね。なんて呼べばいい?」
『『『私達は捨てられて亡くした命や名前に未練なんてないもの。私達の目的はただ深い深い水底に誘うだけ。でも
なんて呼べばいいか聞いても答えてくれない。これは設定されていない言葉なのかな?
「女王って、もしかして冬の女王?」
『そうだよ。そうだよね?』
こちらはちゃんと答えてくれた。
『ええ、そうね。泣き声に誘われては駄目。甘い言葉には毒があるの』
『それに気付かないでついていくと封じられた女王の内面世界、冬の妖精郷へと連れていかれるわ』
『戻ってこれるのは私? それとも貴女?』
『誰かな? 誰かな?
冬の女王、思ったよりも危険みたい。倒す方法を考えないといけない。いや、そもそも敵対するのかもわからないけれど。
『雪の妖精は冬の女王の配下。貴方の身体を狙っているわ。でもね、妖精さんはとっても小さいの』
『私達よりも小さいの。冷たくてフワフワしているの』
『女王様は知らないけれど、女王様も同じかしら?』
『妖精さんは小さいからね!』
「
うん。この子達に教えてもらった情報から導き出される答えは決まった。私は悪逆非道になる!
『また遊んでね』
『いつか、私達を完全に呼び出してね』
『待ってるね。それまで一緒に楽しみましょう』
そう言って、彼女達は私の身体の中に入っていく。すぐにスキル習得を知らせるメッセージが流れた。
『スキル【怨霊の御手】を習得しました』
なんか、怖い名前のスキルだけど、一応ステータスを確認してみよう。
【怨霊の御手】
闇属性攻撃魔法。黄泉の国から使者として現れる少女達の御手を召喚する。彼女達は対象を掴んで黄泉へと引きずり込む。
範囲は半径1メートル。10MPごとに1メートルずつ増加する。INTの30%分のダメージを召喚した手の数だけ、最大で与えられる。手の数は初期10組。10MPにつき1組追加される。また、ダメージを受けた対象をその場に束縛し、一定確率で恐慌状態にする。恐慌状態で10ヒットすると即死する。
不死者などの闇属性モンスターから狙われる確率上昇。聖職者などの光属性モンスターからの狙われる確率激増。
説明文
対象範囲に居る全ての生きとし生ける者を黄泉へと引きずり込む少女達。可愛らしい手だが、少女達の怨霊である事は変わらない。このスキルの所有者は不死者などの闇の者達から好かれ、聖職者などの光の者達から嫌われる。
習得条件
一度も彼女達に対する攻撃行動や浄化などをせず、満足するまで遊んで好感度を稼ぐ事。
どっちにしても狙われるぅ! 普通、闇属性モンスターから好感度が上がって避けられるとかじゃないんだね。不死者などの闇属性モンスターは生きる者を狙うみたいだから、仕方がないね。それにしても、水属性魔法から欲しかったんだけど、まさかの闇属性魔法が先とは思わなかった。
まあ、いいや。それより脱出方法を考えよう。流石にこんな大量の水を飲み干す事とかはできないし……水か。水なんだよね。うん、これで水樹を作ったどうなるかわからないし、試してみよう!
「【月の水樹】!」
スキルが発動し、月水樹の種が毒水を吸収して水底に根を張って成長していく。木の色は毒々しい色に変化していくし、MPの消費量も上がるし、成長速度も遅いのでかなり時間がかかる。それでも、毒の原因は回収したし、月水樹が毒水を吸収して綺麗にしていってくれるし、捕まれば勝手に地上まで運んでくれるのでとても便利。まあ、マジックポーションは沢山使うけれど、それだけが難点かな。