Re:前世で怪我して辞めた俺が青道で頂点を目指す話 作:Taipho
一応消えた訳では無いので今後も書き上がり次第投稿します!
能力テストが終わって数日、春季大会の日が迫ってきていた。
春季大会は、夏の大会のメンバーを選ぶ1番の材料になり得るため一軍のメンバーは殺気立つ程練習に打ち込んでいる。
そして、俺は今、クリスさんを相手にブルペンで投げ込みをしている。
今日の課題は新しい変化球だ。
候補と言うか、高校3年間で取得したい変化球は決めてある。
スクリュー、ジャイロボール、ドロップカーブ、パワーカーブ、サークルチェンジ、ワンシーム、高速チェンジアップ、カットボール、そして今から練習する縦スライダー。
その内、縦スライダーとドロップカーブ、スクリューは前世で投げてたから握りと投げ方はある程度分かるが、その他は球数の少ないピッチングが出来るようになりたいから。
と言うのも前世は球数が多すぎた結果の怪我だからだ。
俺は前世で投げて居た縦スラの握り、スライダーの親指と中指、人差し指の位置を入れ替えて握る。
「クリスさん、新変化球として縦スラ練習したいんで縦スラ行きますね〜」
俺はクリスさんに一言伝えてから縦スラの握りで投球フォームに入る。
(感覚はスライダーと同じで手首から先を固定してストレートみたいに切る!)
⚾️
(コレで練習中なのか!?)
維のボールを受けていたクリスは縦スラの未完成とは思えない完成度に驚いていた。
「スライダー系は全部ジョーカースライダーが元になってるんで案外簡単にこの完成度に出来るんですよ。」
「ちょっと待て、ジョーカースライダーってなんだ?」
クリスにとって心を読んだような発言よりも聞きなれないジョーカースライダーが気になって仕方なかった。
「じゃあ、教えるんでクリスさんも質問に答えてもらっていいですか?」
「わかった。なんでも聞け」
「じゃあ先に質問の答えですが、アメリカのベースボールスクールの仲間がスライダーが切り札だって話したらジョーカースライダーだって言い出してそっから他のスライダーとかと紛らわしい時に使ってるウイニングショットの事っスよ」
「なるほど、ジョーカーは切り札という意味があるからな。」
「じゃあこっちからの質問なんですけど、いつから右肩怪我してるの隠してるんですか?」
この質問にクリスは思わず舌打ちしそうになった。
だが、維の確信しているような顔を見て諦めることにした。
「去年の秋からだな。だが、ここでチー厶を離れるわけには行かない。」
「正直に言うと、怪我したからチーム離れるって固定概念から離れません?」
「なに!?」
「向こうでも肩とか肘とかヤってるやつら居ましたけどそいつらは代打やファースト、外野とかで試合出てたしブルペンで受けるだけなら全然できるんですから離れるのはナシでって監督に言えばいいじゃないですか。それが出来るだけの実績があるんですから。」
維のこの提案はクリスにとって目から鱗だった。
「確かにそうだな。俺はこれから監督に直訴してくる。」
「ハイ!またレギュラーとして戻って来るのをマウンドで待ってますよ。」
「フッ、そう言うのはエースナンバーを貰ってから言うんだな。」
クリスはそう言って監督の元へ向かった。
「…………あ、そう言えば俺クリスさん居ないと投げれないじゃん!?」
維は1人だけ後悔をするのだった。
⚾️
春季大会が2日後に迫った今日の投手陣のメニューは、青道の一軍打線を相手にシートバッティングをする事になった。
青道の一軍打線は春季大会で結果を残して、夏の大会でレギュラーになろうと気合い十分だ。
強力打線と言われる青道打線に最初に挑むのは現状エースナンバーを背負っている、丹波さんだ。
そして、丹波さんのボールを受けるのは、宮内さんだ。
コレは昨日、クリスさんが監督に怪我を告白した事で御幸と宮内さんの2人で試合を回すことになった為である。
青道打線の1番は巧打者の小湊さんだ。
小湊さんは8球程粘って四球で出塁した。
続く2番バッターで登場したのは3年の先輩だが、名前を忘れた。
3年はなんか、東さんが印象強すぎて他の人の名前が覚えられない。
丹波さんは、その3年の人をフォーシームで押し、見事6,4,3のゲッツーに討ち取った。
だが、そこで波に乗らせなかったのが3番のクリスさんが放ったホームランだ。
少しの間、マウンドで呆然としていた丹波さんだが、4番の東さんが打席に入ると大きく息を吐きながら、帽子を被り直す。
丹波さんは東さんに習得したばかりだというフォークを投げたのだが、東さんはボールを膝元まで呼び込んで、右方向に弾き返した。
東さんが打ったボールはグングン伸びていき、ホームランになった。
二者連続ホームランで2失点。
丹波さんはマウンドで、呆然としている。
5人目の打者として、結城さんが打席に入る。
丹波さんは、結城さんに左中間へホームランを打たれた。
これで3連発だ。
コレがトドメとなったのか、丹波さんは一巡で5失点した。
さてさて、いよいよ俺の番だ。
キャッチャーは宮内さんから同じ学年でクラスも一緒の御幸に代わり、御幸がいた所に宮内さんが入った。
肩慣らしが終わり、御幸がマウンドに走ってくる。
「よう、高瀬。打ち合わせに来たぜ。で、変化球は何があるんだっけ?」
「前1回投げただろ。」
「そうだっけ?」
そう、以前に1度だけブルペンでバッテリーを組んだのだがコイツ曰くスライダーの印象が強すぎて他の球種忘れたらしい。
「…………ハァ〜。スライダー、ツーシーム、高速スライダー、スローカーブ、チェンジアップ、フォークだよ。」
「うわ!?選択肢多すぎね!?」
「そう思って今日はスライダーとスローカーブとチェンジアップしか投げないよ。」
「OK、今日は無失点でやるぞ!」
「一巡だけしかないんだからむしろノーノーが当たり前にならないといけないんだよ。全国行くにはね」
「確かにそうだな!」
御幸はそう言ってホームに戻っていく。
そして、1番の小湊さんが打席に入った。
さっき見てたけど、多分青道で1番の鬱陶しいバッティングをするのはあの人だ。
1球目の御幸からのサインはアウトローへのォーシーム。
俺は頷いて投げる。
小湊さんは見逃してストライク1個貰った。
続けてインローにスローカーブで緩急を付ける。
コレも見逃して追い込んだ。
次のボールはインハイにボール球。
コレで、カウントは整った。
ココでウイニングショットのスライダーだってアウトローに決めて小湊さんを空振り三振に打ち取る。
続く2番もチェンジアップで空振り三振を奪い、3番のクリスさんとの対戦になる。
俺は御幸のサインに通りにインハイにフォーシームを投げる。
1球目はレフト線を切れてファールになる。
流石にクリスさんレベルになるとファールとは言えあそこまで持ってかれるのか〜
2球目は前の打者の決め球に使ったチェンジアップでカウントを稼ごうとしたが手を出さずに1ストライク1ボールとなる。
3球目でスローカーブを使い読みを外したクリスさんは体制を崩されながらファールにする。
そして、追い込んだ4球目で俺は伝家の宝刀スライダーを投げ、見事に空振り三振を奪ったかと思ったが、なんとクリスさんはスライダーにアジャストして打ち返した。
だが、運悪くセカンド正面のライナーになりアウトとなる。
ツーアウト、ランナー無しの場面で迎えるのは、四番バッターの東さんだ。
まず、インローギリギリにスローカーブを投げる。
今までのバッターと初級の入り方が違うため東さんは手が出せず1ストライク。
そして、2球目はインハイにこれもギリギリで全力のフォーシーム。
1球目との球速差は約50キロ程ある為流石にタイミングが合わず、振り遅れて空振り。
3球目で遊び球無しのチェンジアップで空振り三振に切って取った。
その後は、結城さんにリードが単調になったのを読まれてフォーシームを外野まで飛ばされたがセンターの守備範囲内だったためそのままノーヒットで一巡を終えた。
⚾️
いよいよ春季大会が明日へと迫った日の練習後、片岡監督から春季大会のレギュラーが発表された。
春季大会の東京地区予選では、基本的に1年生の出番は無いらしい。
理由としては、高校に入ったばかりの1年生の春はまず打者なら目が付いて行けず、投手なら球速や体力などの面で付いて行けないからだそうだ。
けど、俺は先日のシートバッティングで先輩よりも良い結果を残しているので背番号1では無いものの試合で投げさしてくれるらしい。
チャンスは貰えたからあとは結果を出すだけだ。
そして、クリスさんの故障による離脱を受けてチャンスに強い一也が捕手のスタメンを奪い取った。
その後は、試合までの間練習中に投げる時はずっと一也と組んで練習した。
そのおかげで一也は、今俺が投げられる球は全部取れるようになった。
そして、その半日後、とうとう春季東京都大会が開幕した。
MAJORの吾郎くん世代か1個上の千石時代。合わせるならどっち?(吾郎くんが海堂残るかどうかも)
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