Re:前世で怪我して辞めた俺が青道で頂点を目指す話 作:Taipho
1回表の青道の攻撃が終了し、1回裏の守備になった。
先発である俺はいつもアメリカでやっていたように歩きながらももを上げたりして全身の筋肉を解しながらマウンドへ向かう。
マウンドでの投球練習は7球だ。
とりあえず、このイニングの投球練習はノーワインドアップのフォーシーム4球、セットポジションのフォーシームを3球にすることにした。
コレは日本のストライクゾーンの位置の最終確認のためだ。
一也が四隅のギリギリに要求してくれるため大体のストライクゾーンの幅を確認できた。
そして最後の1球を一也が2塁に送球し、ボール回しをして相手の打者が打席に入った。
相手の1番打者は典型的な左のアベレージヒッターらしいので、一也はインコースの低めにスローカーブを要求した。
そのサインに頷いた俺は一也の要求通りにインコース低めにスローカーブを投げた。
相手は様子見なのか手を出さず見逃してワンストライク。
続く2球目はインハイにフォーシームだ。
多分、緩急活かすために多少コントロールが乱れてもいいから速い球の方がいいハズだ。
俺はそう考えてスピード重視のフォーシームを一也のミットに目掛けて全力投球する。
予想をいい意味で裏切ったそのボールは一也の構えるミットに寸分違わずに入った。
バックスクリーンに表示された球速は148km。
市大三高ベンチは1年の左投手が叩き出した球速に驚いて声も出ていない。
誰よりも1番驚いていたのは90km〜100km程しか出ていないスローカーブの直後に148kmのフォーシームというギャップにより、驚きで打つ気をへし折ってしまったようだ。
スライダーを使うまでもなくフォーシームで見逃し三振を奪ってワンアウト。
そして、2番バッターが右バッターボックスに入って構える。
まずは初球、アウトコース低めにフォーシームをなげた。
流石、強豪市大三高の2番バッターだけあってカーブを見せずのフォーシームに反応したが、ノビとキレに対応しきれずファールフライ。
ファーストの結城先輩が追いかけるが、観客席に入ってファールボールとなりワンストライク。
2球目はインコース高めにカットボール。
前の1球でアウトコースを意識させていた為相手バッターは当たると思い、身を捻って避けるが日本のストライクゾーンに入っているためツーストライク。
そして、3球目でアウトコース高めに釣り球を投げるも相手は手を出さず、ワンボール、ツーストライク。
コレでカウントが整ったので、今日初の右打者への決め球を投げる。
中指を浮かせてそれ以外で包むように握り、人差し指と薬指で挟み込んで投げる、右打者へのインコース低めへのチェンジアップ。
コレには相手もタイミングが合わずに空振り三振を奪った。
続いてツーアウトランナー無しで打席には左の3番バッター、初球フォーシームで空振りを奪い、2球目でツーシームを投げてファールでカウントを稼ぎ、3球目フォーシームをインコース高めのブラッシュボールでカウント整えて全ての準備が整った。
この世界に生まれてから未だに左打者に1回もファール以外で打ち返されたことのない最強の切り札。
前世で1番三振を奪ったこのボールで初回を締める。
いつものノーワインドアップからリリースの瞬間に縦に切る事で回転量を飛躍的に増やす。
そして、物凄い回転量を持って放たれたそのボールは真ん中低めから、甘いと判断して打ちに来た打者の視界から一瞬で消え、一也のミットがあるアウトコース低めいっぱいに決まり、空振り三振を奪った。
この瞬間、この球場にいる誰もが悟った。
青道の夏のエースが誰かを。
そして、投手不足を指摘され続けた青道の救世主だと言うことを。
更には、絶対的エースの加入により青道が一瞬にして優勝候補筆頭に躍り出たことを。
MAJORの吾郎くん世代か1個上の千石時代。合わせるならどっち?(吾郎くんが海堂残るかどうかも)
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