大好きだった、あの子が死んだ。
私は、何もできなかったよ。
こうやって、手を合わせてあげることしか、できないんだ。
でもね、いつまでも忘れないよ。
あなたが私に言ってくれた、あの言葉。

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はい、息抜きです。
一時間くらいでパパーって書いたんで、いろいろおかしいかも。
桜流し。
宇多田ヒカル氏の、楽曲のタイトルですね。
なんかこう、ビビッとくるんですわ。
まどマギと被るよなって。
ってなわけで、書いちゃいました。
まどかが主人公の、語り風の作品です。
こういうのは初めてなんで、ちょっと新鮮。
でも、凄く楽しかったです。
書いてて、泣いちゃいました。自分の作品で。
ナルシストとかじゃなくて、素直に。
曲かけて、書いてたんです。
ウルッときちゃって。
まだ何も伝えてないって、泣かせにきてますやん。
これ、ヱヴァよりも、まどマギにぴったりですやん。
銀の庭の後でいいですやん。
まぁ、そんな感じです。
では、お楽しみください。


桜流し。

あれは、桜が舞い散る春のことだった。

私の最愛の人、たった一人の想い人。

別れの時は、突然やってきた。

まさか、こんなにも別れが早いなんて。

もうちょっと、もうちょっとって何度も頑張ってきたのに。

信じられなかった。

ずっとずっと、一緒だって思ってたのに。

私達二人なら、なんだってできる。

そう思ってたのに。

 

あなたは最後に言ったよね。

「桜が綺麗ね…。」

と。

私は、こう返したよね。

「うん…。すっごく綺麗だね…。見惚れちゃう…。」

でも、私が見てたのは桜じゃなくて、あなたなんだよ?

あなたは鈍感だから、

「ええ…。」

って、返したよね。

あの桜は、まだ咲いているよ。

ずっと、私の心の中で。

いつまでも、花を散らす、あのあなたに負けないくらいに美しい、桜は。

 

あれから、一年になるんだね。

こうやって、墓前に立っても、信じられないんだ。

まだ、あなたが死んでから一年しか経っていなんだなんて。

私には、もっともっと永く思えるの。

とっても哀しくて、辛くて。

 

私ね、髪の毛伸ばしてるんだ。

あなたに近づきたいから、あなたを忘れたくないから。

あなたみたいな、綺麗な黒髪でもないし、ストレートでもないけど。

えへへ、まだまだ長さもたりないし、髪色だって元のままだけどね。

きっと、あなたは驚くよね。

いつもの私じゃないから。

きっと、あなたは喜ぶよね。

お揃いだねって。

私、今でも鮮明に思い出せるの。

あなたの、凄く綺麗で透き通った髪を。

まるで、絵画みたいに美しくて、輝いてた。

誰よりも、黒い髪とロングストレートが似合ってた。

あなたは、こう言ってくれたよね。

ピンクの髪の毛も、ツインテールも、凄く似合ってるって。

あのときね、照れて言えなかったけど、すっごく嬉しかったんだ。

今でも思い出せるよ、あの胸の高鳴り。

初めてでもないのに、無駄にどきどきしちゃったんだ。

それでも、伸ばしたいんだ。

ごめんね、似合ってるって言ってくれたのに。

でも、少しでも近づきたいから。あなたに。

確かな証拠が、私の大好きなあなたの証拠を近くに置いておきたいの。

じゃないと、怖くなるんだ。

独りぼっちで、私が創り出したまやかしなんかじゃないって。

二つのうちの一つのリボンは、あなたと一緒に燃やしちゃった。

あなたが、寂しくないようにって。いつまでも、私といれるようにって。

きっと、独りじゃないと思いたいな。

どうか、あなたの隣にいるのが私でありますように。

もう片方は、カチューシャ代わりにしてるんだ。

私と、あなたの二人。えへへ、それっぽいでしょ?

少しでも、あなたの髪型に近くなりたいから。

大好きな、あなたに。

 

あなたの大好きな、彼岸花。

飾っておくよ。

独特だねって、みんなからからわれて。

その度に顔を赤くしてるのが、可愛かったなぁ。

…もう二度と、見れないけれど。

どうして好きなのって聞いたら、

「情熱的だから。私の名前にそっくりでしょ?」

「それに、素敵な花言葉だから。思う人はあなた一人。」

って言ったこと、ずっと忘れないよ。

私も、思う人はあなた一人だけ。

これまでも、これからも。

あなたも、そうだといいな。

ううん、きっと、あなたもそう。

だって、あなただからね。

 

最近は、よく眠れるようになったんだ。

寝不足で、病院にお世話になりそうになっちゃったけどね。

いつもいつも、泣いてた私は最近、いないんだ。

泣かなくても、気持ちが整理できるようになったよ。

心配しないで、私はなんとかやってるから。

あなたが居なくて、家事とか、いろいろ困ったけど、なんとかやってるよ。

仕事にだって、なんとか就いたんだ。

毎日が忙しくて、泣いてる暇なんてないからね。

えへへ、あなたがからかってきたこと、忘れないよ。

本当に、仕事に就けるのかって。

ママにいろいろ教わってるとき、まどかはおっとりしてるから、質問にしっかり答えられるかしらって。

大丈夫、しっかり答えられたよ。

やっと、あなたなしでも生きられるようになってきたんだ。

料理も、洗濯も、仕事も…一人で寝ることも。

怖くて、辛くて、寂しくて。

全部が全部、絶望に見えて。

毎日、泣いてたんだ。

でも、泣いてばかりじゃ、あなたに迷惑がかかっちゃうから。

泣くのは、やめたんだ。

泣いてばっかじゃ、どうしようもないもんね。

 

泣いた先には、愛はないから。

笑った先には、愛があるから。

 

あなたはいつもそう言ってた。

私が泣いてるとき、そう言ってキスしてくれたよね。

私は、その言葉にいつも救われてた。

その言葉を掛けられたとき、涙なんて消し飛んだ。

また、言ってくれるかな。

ううん、言わなくていいや。

私が、言ってあげるから。

そう、今度は私の番。

私が、あなたの涙を止めてみせるよ。

 

 

あなたは、この街を守ったんだよ。

あれは、あなたの誕生日の前日だったね。

バースデーケーキと、チキンとピザ。

ママが選んでくれた初めてのお酒。

それと、あなたの大好きなクリームシチュー。

あれね、私がパパに教えてもらって作ったんだ。

私、ずっと待ってたんだよ。

パーティーしようって、約束したのに。

そうだ、あのときね、しびれを切らして、クラッカー一発やっちゃったんだ。

あれだけ念押しされたのにね。

初めては、私がするんだー、って。

ごめんね、約束守れなくて。

でも、そんな約束どころじゃなくなっちゃった。

凄く強い魔女と戦って、あなたは死んじゃった。

みんなを庇って、犠牲になって。

さやかちゃんを、殺させないように。

さやかちゃん、すっごく泣いてたんだよ。

あなたのこと抱きしめて、なんで、なんでって。

そうそう、さやかちゃん、結婚したんだよ。

上条君と、幸せそうでよかった。

二人で海外ツアーだってやったんだよ?

凄いよね、同い年とは思えないや。

そうだ、子供も生まれたんだって。

元気な男の子。

産声、あなたにも届いたかな。

あなたが守った命の声、届いてるかな。

きっと、優しいあなたは喜ぶよね。

よかったね、守ることができて。

私、そのことはずっと自慢なんだよ。

いつまでも、いつまでも。

 

人はみんな、愛を探してる。

それでいつか、その愛を掴めるの。

 

あなたはこう言って抱きしめてくれたよね。

いつだって暖かくて優しくて。

嫌な気持ちも、辛い気持ちも。

全部、融けってた。

私にとって、その愛はあなただった。

言葉にはしなかったけど、あなたもそうだったよね。

私は、愛を掴めた。でも、手放しちゃった。

もう二度と、掴めない。

 

時々ね、信じられなくなるの。

もう二度と、あなたに会えないこと。

もう一度、めぐり会えないこと。

いつかまた、会えるような気がするの。

それでも、私は前に進み続けなきゃいけない。

信じられなくなっても、現実を見なきゃいけない。

だって、あなたが哀しむから。

私は、いつだって、あなたの笑顔を見ていたいから。

だから、受け入れる。

それしか道はないから。

 

あなたが死んだ次の日、私は渡したいものがあったの。

二十歳のお誕生日。

もうすぐ働き出すあなたのために、腕時計を買ったんだよ。

でも、その時計の針は止まったまま。

あなたが死んだあの時のまま。

でも、プレゼントはそれだけじゃなかったの。

プロポーズのための、指輪。

あなたの薬指にはめるはずだった指輪。

でもね、渡せなかった。

伝えられなかった。大好きだよって。

まだ、伝えたいことがあったのに。

まだ、何も伝えてない。

なのに、あなたは私をおいていってしまった。

ひどいよ。一人ぼっちにはしないって、キスしてくれたのに。

 

私は、何もできなかった。

桜のように散っていくあなたを、私は見ているだけだった。

無力な自分が、凄く憎かった。

それ以上に、契約に臆病な自分は、もっと憎かった。

でも、それは仕方のないことだったのかもしれないね。

私は、あなたとの約束を守りたかったから。

ごめんね。

ごめんね。

 

何もできない私で、ごめんね。

 

 

 

 

あれから、何年経ったのかな。

さやかちゃんも、マミさんも、杏子ちゃんも。

皆死んでしまった。

遺されたのは、私だけ。

あれから、何年経ったのかな。

最近は、怖いんだ。

今度は、私の番なのかなって。

遺されたのは、私だけ。

あれから、何年経ったのかな。

でもね、私は前を向き続けるよ。

だって、全ての終わりには、愛が待ってるから。

 

遺されたのは、私だけ。

 

愛を待っているのは、私だけだから。

 

待っててね、ほむらちゃん。

私も、そっちに行くから。

愛を、取り戻しに行くから。

その時は、笑顔で出迎えて。

抱きしめて。

キスして、大好きだよって、あの時みたいに。

 

 

 




いかがでしたか。
結構いい感じに仕上がったんじゃないでしょうか。
なんというか、まどマギの不安定さがある感じ。
たまにこういうのが書きたくなるんですわ。
人をウルッとこさせる感じのやつ、書きてぇなぁって。
不安定になるんですよね、こういう時。
ギャグ書きたいときもあるし、シリアス書きたいときもあるし。
まぁ、ああ、あいつ今回はシリアスなんだ、程度に気を留めていただければ。
まさか、二千文字まで行けるとは…。
驚きですわぁ…。

でも、考えさせられる歌詞ですよね、これ。
なんていうか、こう…歌詞の中で成長していくっていう感じ?
春って、出会いの季節じゃないですか。
でも、春って別れの季節なんです。
別れがあるから、出会いって光り輝くと思うんです。
今回のこの作品のテーマは別れなんですけど…。
やっぱり、憧れになってるんです。
もう一度出会いたい。
でも、できない。

残酷であればあるほど、美しいんですわ。

はい、月光蝶、月光蝶。

では。

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