科学と自然が混在する島、ジェイルアイランドで繰り広げられる麦わらと影の支配者の戦い。

*ゲーム、ワンピースワールドシーカーを元にした作品です。プロローグ部分だけ。

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ジェイルアイランドの影

「うおおおおー!?」

 

 少年の声が青い空から響き、地上の海兵たちはその声の方を見た。

 落ちてくる人型の影はすごい勢いで地に接近し、やがて影の正体が分かった。

 

「あいつは!?」

「まさかっ」

 

 空気を裂きながら落下する人物の正体が分かった時、海兵たちの警戒度が上がった。

 なぜならその人物は……。

 

「――ゴムゴムの風船ッ!!」

 

 世界を揺るがす大悪党。

 新時代のスーパールーキー。

 海賊の超新星。

 

「麦わらのルフィだあああああぁ」

「わあああああッ」

 

 懸賞金5億の大物賞金首。

 麦わらのルフィが、【ジェイルアイランド】の海軍基地に衝突し、破壊の衝撃波をまき散らした。

 

「……いやー、まいった。まいった。ししし。トラ男の奴、あんなに怒んなくてもよー」

 前が開いた赤いシャツを着て、麦わら帽子を被った男。足には草履。

 笑顔のルフィは鉄の地面を踏み締めて立つ。

「ここはどこだ?」

 辺りを見回し、現在の状況を確認しようとする。

 

「指銃!!」

 その彼の額に、殺傷力を秘めた人差し指が迫った。

 

「な!?」

 しかし、彼の姿は一瞬で消えた。

 

「いきなりなにすんだ。あぶねぇなー」

 海兵の制服を着た屈強な男性の背後に一瞬で回り込む。

「バカな!速い!?」

「いや、お前も結構やるなぁ。【ギア】を使わないと不味かったかもなー」

 

「く!噂に聞く身体強化の能力か!」

「うおッ!?」

 海兵の剣が振るわれるが、ルフィは危なげなく後退して避けた。

 

「中将!!援護します!!」

「おのれ!麦わら!!」

 

 周囲の建物から続々と出てくる海兵たち。

 雑兵ではあるが、数はやたらと多い。

 

「うーん、ちょっと数多いなー。隠れて狙っているやつの【声】も聞こえるし」

「観念しろ!!お前はここまでだ!!」

 ルフィを包囲する海兵の数は100を超えた。

 

「じゃ、こうするか——」

 

 その殆どが、一瞬で倒れ伏した。

 

「な、なにをした!?」

 倒れる味方達を見て硬直するのは、残った兵だ。

「貴様!!やはり!!」

 動揺する海兵たちは目の前の光景に驚愕。

 ルフィは指一本触れずに、海兵の包囲を崩したのだから。

 残っているのはルフィの前方に立つ十数人。

 

「十人ぐらい残ったな。よし!相手してやる!」

「舐めるな!!」

「海賊風情が!!」

 

 一斉に突進する海兵たち。

 ルフィはにやりと笑い、その体から蒸気を発した。

 

「鷹銃乱打(ホークガトリング)!!」

 両拳が凄まじい速度で動き、近くの敵も遠くの敵も関係なく吹き飛ばした。

 

「ぐああああッ!?」

「なにがッ!?」

 何が起きたかも分からず、見えない攻撃で蹴散らされる海兵たち。

「ばかな!!鉄塊でガードしているのだぞ!?」

 一人だけ持ち堪えた中将も、口から血を流し、今にも倒れそうな状態。

 

「くそおお!!スモーカー先輩に任された海軍基地!!渡すわけには!!」

「いや、いらねぇよ。邪魔すんな」

「こうなれば!!私の最大の【覇気】を込めた刃で!!」

 少し自分に酔っている風の海兵中将は、手に持った剣を握りしめる。

 

「くらえ!!一刀両断!!」

 急速に加速し、ルフィの首を狙う。

「ほいっと」

 ルフィはそれを躱して。

 

「火拳銃(レッドホーク)ッッ!!」

 灼熱を纏った拳を中将の腹に叩きこんだ。

 

「どわあああああッ」

 思い切り吹き飛ばされた中将は建物の壁を突き破り、粉塵をまき散らし、姿が見えなくなった。

 

「さーてと」

 ルフィは腕をありえないほど伸ばし、左にある一番大きな建物の天辺にある旗を掴んだ。

 そのまま腕は縮み、一気に建物の屋根に移る彼。

「ここからなら良く見える!」

 

 麦わらのルフィは、現在位置の島、ジェイルアイランドの光景をその目に移した。

 輝く石が、木々が、大きな鉱山が冒険の予感を伝える。

 

 

 

「キシシシ!ようやく着いたか!!ジェイルアイランド!!」

 そして、暗躍する大物海賊がまた一人。

「ここにあるって言うんだな!伝説の怪物の死体が!!」

 彼はその目を光らせ、かつては宝石に溢れた島に上陸する。




続きは書かないと思います。

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