ちょっと調整しようかな…
一期も5ヶ月ないのか…
書いてる最中にPCが起動しなくなる問題で3000字くらい消えました(憤怒)
「本日より、事前の通達どおり急降下からの切り返しと急上昇をやってもらう!」
「実戦では高度を問わず必須となる技能だが、あえて一番危険な地表スレスレでの訓練を行う」
「目標は地表から30㎝以内!その後、バーの下を抜け、障害物となる柱をよけたうえでその先につるされた鐘をはたいてならせ!」
「実戦では足を止めるなどもってのほか!故に、どれだけスムーズに終わらせられるかでも評価する!」
「ただこなすだけでは合格はくれてやれんということだ。まして、何か目に付くような減点があれば校庭10周、終わらせることすらできんような奴は20周だ!」
「まず見本として上級生の深井にやらせる、よくみておけ」
「深井、行きます!」
_____
「誰が旋回を交えてやれと言ったバカタレ!」
「いや、上級生の訓練でやるときの感覚で…」
「教官に口答えしてんじゃねぇ!10周走ってこい!」
「貧乏くじだ…」
「何ともついてない先輩だねぇ」「私、旋回なんてできないよ」「私だってそうだよ」「バーをくぐるところまでは参考になるからそれでなんとかするしかないよ」「くっ、簡単に言ってくれちゃってさぁ!最初にやるの私なんだよ!?」
「うるせぇぞ秋山!まずは貴様からだ!来い!」
「はい…」
「走りたくないってのがひしひしと伝わってくるね」「私たちだって人事じゃないよ」
≺イヤァァァァ ≺バカヤロォ、キシュアゲネェデキリカエセルワケネェダロ!20シュウハシッテコイ!
「いったか…」「これみんな走ることになるんじゃない?」「なら早いほうがいいなぁ…」
「次!磯野!」
「ハイ!」
今目の前で学友たちが次々と飛び降りては罵声を浴びせられているのは、原作第1話でも描写されていた、下降→急上昇をいかに減速させずに切り返すかをみる訓練だ。
少し気になるのは、現在1943年になって1月といった状況で、この訓練をやっていることだ。 あと1年半で卒業という時期にこの訓練を始めている。
つまり原作ひかりちゃんはあと半年で卒業という時期にもこの訓練で合格がもらえない状態だったわけで、よく502で生き残れたなといったところだ。
「次、雁淵!」
「、ハイ!」
ゆっくりと前進し、所定の位置につく。
エンジンを吹かして回転数を上げ、急な切り返しに備える。
『ピィー!』
教官のホイッスルに合わせて、ブレーキを解くイメージで勢いよく前進する。
頭を一気に下げ、急降下する姿勢までは"深井先輩"のイメージのまま落ちる。
頃合いを見て機首を上げ、滑り込むようにバーを潜る。ここからが"魅せ"場。
立ちはだかる障害物に対し、両足の戦闘脚のプロペラ回転方向をそろえ、生まれた反トルクでもって体を独楽のように回転させ、左へと傾き、浮かびあがるような軌道で弧を描きながら回避する。
再び、戦闘脚のプロペラ回転方向を戻し、弧を描く軌道から抜け、遠心力を加えた加速でもって一気に鐘へ向けて猛進する。
≪カァーン…≫
「おお!」「なにいまの!?」「いまのひかりなの?」「…?なんだろう?見覚えが…?」
「…雁淵合格!先に教室戻っててよし!」
少し離れたところに着地し、教官の指示に手を振ることで応え、ケージへ戦闘脚を戻しに行く。
後半の障害物を避けて突進する技は"捻りこみ"。
零式戦闘機で有名な技だが、これはウィッチ特有の技のほう。
扶桑軍ウィッチの中でも使えるものは限られ、有名な者は"坂本美緒""西沢義子"北郷章香"江藤敏子"そして"穴拭智子"
そう、これは"扶桑海の閃光"から"写輪眼"で見て"写し"とった技だ。
学校側で封じられて久しい技だが、学校の人間にもできるものはほとんどいない。
なぜ、それをここでやったのかといえば、後の欧州行への布石としてだ。 このまま原作どおりに欧州行の選抜が行われたとして、それがコース上のチェックポイントを通過するもののままかはわからない。選抜が行われる以前に実力を見せておくことは後々有利に働くことはあっても不利に働くことはないと考えたのだ。
「あ、ひかり居た!」
「皆、もう走り終わったの?」
「何言ってんの、もう授業から30分は経ってるよ?流石に走り終わるって」
「え?もう?」
「そ・ん・な・こ・と・よ・り!」
「あの機動は何!?あんなの習ってないよ!?」
「そうだy「ひかりさん」ちょ、なんでさえぎるの」
「あれは"捻りこみ"だよね?」
「"巴御前"の」
「やっぱり目白ちゃんにはわかっちゃうか、正解だよあれは"捻りこみ"」
「学校がだめって言った奴じゃん!」「ひかりちゃんはやらかさなかったのに何でいきなり!?」「ちゃんとできた人初めて見た…」
「いやー、まあね?」
ズル以外の何物でもない方法で身に着けた以上、正直後ろめたいのだが、固有魔法は持ってるウィッチのほうが少ないレアな以上、下手に口にすると残りの学校生活をぼっちで過ごすことになりかねない。まして能力が能力だ。
「…雁淵はいるか」
「!、く、国崎教官に敬礼!」
「「「「!」」」」
突然、教室の引き戸をあけて教官が声をかけてきた。
(ひかり、よびだし?)(映画の技を再現するのは禁止って校長が言ってたじゃん!)(ああ、それだわ)(できたって言っても規則は規則なわけで)ヒソヒソ
(やッッッべ、考慮に入れてなかった)
いいこと思いついた!と思っても、それがどう影響するかまで頭を回すのが苦手だったりする。 "強化系"の要素がここにも。
「か、雁淵はここに居ます」
「ああ、このまま私と一緒に3階応接室まで来い。校長がお呼びだ」
「こ、校長がですか!?」
「そうだ。つべこべ言わず黙ってついてこい」
校長に呼ばれるのは完全に想定外だった。 せいぜい生徒指導室で教官に叱られるくらいだと思っていた。
「君が、雁淵ひかり君か」
「あ、ッェ…、はい 雁淵ひかりです…」
佐世保海軍航空兵学校"校長""北郷章香"
扶桑海事変における英雄 数々の海軍エースの指導教育を行った歴戦のウィッチで現在は引退しているが"軍神"とよばれた迫力は健在のままだ。
部屋には校長と教官のほかにも2人先生がいたが、覚えのない顔だ。
「なぜ呼ばれたかは理解しているか?」
「こ、校則で禁じられている機動を行ったためです」
「間違ってはいないが、正しくもないな」
(???)
「その顔では理解していない、というのは酷な話か…」
「あれは、"穴吹智子"の動きそのものだな?」
(そ……ッッ、そうきたかァ~~~ッッッ)
「無言は図星ととるぞ?」
「あ、いえ!その、」
「言っておくがごまかしは効かないぞ?この場の先生方もあの映画を見ているし、わたしに至っては実戦で間近に見ている」
即座に悟った。
(ごまかしむりじゃん…)
こちらの反応がないのを見て、校長はさらに畳みかける。
「校則で禁じる前の生徒がやっていたような、見るに堪えん動きとはまるで違う。実践した経験からくる動きだ」
「当然、一生徒ができていい動きじゃない」
「"固有魔法"だな?」
(熟練のエース怖…)
「どうなんだ?」
「ハイ…、ソウデス…」
「そうか、やはりな」
(もしや鎌かけられた!?)
「見た相手の動きを模倣するといった能力か?」
「…」
「どうなんだ?」
「セ、セイカクニハチョットチガイマス…」
「ほう?ではどんなだ」
"ストライクウィッチーズ零"で知る"北郷章香"と違いすぎて思わず委縮してしまいうまく話すことができずにいると、
「落ち着け雁淵、なにも取って食おうってんじゃないんだ」
「そうだとも、ただ、固有魔法を持った生徒というのは珍しい。学校側でできるだけ把握しておきたいというだけさ」
「一度深呼吸をして、一つずつゆっくりと答えていけばいい」
見かねた周囲の教官から声をかけられ、そのアドバイスに従う。
「スゥー、ハァー」
「落ち着いたか?で、固有魔法についてだが」
「…はい、わたしの固有魔法は動体視力と洞察眼の合わさったものです」
「対象を見ることでそのものの動きを理解することができます」
「ただ模倣するだけでなく自分のものにできるということか?」
「はい、あの動きはお察しの通り"扶桑海の閃光"の中での動きを見て取ったものです」
「おい、その前のダイブは深井のやつだろ」
「…はい、深井先輩のも写し取りました」
私の言葉を聞いた校長以外の教官たちは顔を突き合わせ、それぞれの意見を交わしだした。それを見て校長は、
「それは、どんな動きでも可能なのか?」
「目で見て取れるものなら。固有魔法や、わ、私自身の能力的にできないものはあります」
「例えばなんだ」
「筋肉の必要な動きや、動作自体はできても知識の必要な技能などです」
「ふむ…」
そう言ったっきり校長は顎に手を当て、思案する姿勢のまま固まってしまった。
代わりに今度は教官たちからの質問攻めの番だった。
「貴様、いつからその能力を発現していた、幼いころからか?」
「い、いいえ、明確に見て盗れるようになったのは最近です」
「今まで、見て真似れるようになったのはなにがあるの?」
「く、空戦機動だけです。他に、見て盗れるような動きに出会う機会もありませんでしたので」
そうしていると、校長が口を開き、
「雁淵といったな、寮住か?」
「いえ、自宅から通っています」
「手配はすべてこっちでしてやる、寮に移れ」
「えっ」
「放課後に時間を作れるようにしろ、教官の持ち回りで課外授業をつけてやろう」
「お前のその力を最大限に活かせる環境をつくってやる。確実に強くなれるからな」
思ってもない申し出だった。
その場では決めようがないと一度は断ったが、戦場で生き残るために少しでも強くなっておけと言われ、自分で家族を説得するように言いくるめられてしまった。
「…と、いうわけで寮に移るようにと言われてしまって…」
「いいんじゃない?」
「え、軽くない?いいの?」
「だって強くなれるんでしょう?そのほうが生き残れる可能性があがるってんなら行ってきなさい」
父が何か言う前に母によって決定されてしまったが、父も異存はないようで、腕を組んで頷いていた。
「いつから移るの?」
「すぐにでもって言われてて」
「ならすぐに部屋戻って用意してきなさいな!明日学校行ってそのまま入っちゃいなさい」
「えぇ…」
すっぱり言い切られてしまい、おとなしく言われたとおり荷造りに行く。
持っていくものをまとめたはいいものの、入れていくのにちょうどいい入れ物を持っていなかったので、親に借りに行く。
「…いいのか?あんなにあっさり送り出してしまって」
「いいのよ。そのほうがあの子のためになるっていうのはあなたもわかっているでしょう?」
「そういうことじゃなくてだなぁ…」
「このほうがあの子は生き残れる。なら、親としてその背中を押してあげなきゃ」
「あの子が生き残ってくれれば、家族としての時間なんてそのあと幾らでも作れるんだから」
「…おかあさん」
聞かせる気はなかっただろう、そんな告白を聞いてしまい、思わず出ていけなくなる。
「なんならこの間に家族を増やしたっていいしね!」
「おかあさん…」
台無しだった。